先日、大学生の孫娘が泊まっていった時、私がテレビを見ていると、「面白いね」と言って一緒に見入っていた。それは尾野真千子さんが主演しているドラマ『はじめまして、愛しています』で、親から虐待されて施設に預けられた男の子の里親になろうとする物語だ。孫娘は母親と同じ看護師になろうとしているくらい世話好きだから、里親になろうとする夫婦に関心があるとともに、小児科に勤めたいと希望しているように、里子のことが心配だったのだろう。
尾野さんは美人ではないけれど、非常に個性的な女優だと思う。女優になるきっかけとなった映画『萌の朱雀』は、まだ彼女が中学3年生の時の作品だ。地元中学校で靴箱の掃除をしている際に映画監督河瀬直美さんの目にとまったという。NHKテレビの朝ドラにも出ていたし、真木よう子と共演した民放のドラマも印象深い。最近、結婚したばかりだからまだ子どもはいないと思うが、彼女の演技から親になろうとする必死さが伝わってくる。
『はじめまして、愛しています』は今晩9時の放映だが、リオ五輪の中継もあるからカミさんとチャンネル争いで勝たないと見られない。カミさんはスポーツ好きであるばかりか、最近では芸能にも関心があるようだ。もちろんその中心はSMAPの解散である。そういうものの私たちの年代ではテレビでSMAPを見ていた記憶はあまりない。SMAPが結成された1988年は既に40代半ばだから、我が子よりも若い男の子のグループなど目に入らなかった。
SMAPの歌で大ヒットした『世界にひとつだけの花』はとてもいい歌だと思う。先輩は「競争を否定する日教組の歌だ」と批判するが、日教組など無かった時代に詩人の金子みすゞは「みんなちがって みんないい」(『私と小鳥と鈴と』)と歌っている。人間はみんなそれぞれに違う。だからこそ愛し合うことも憎み合うこともあるが、理解しようともする。SMAPが解散するのはある意味で当然だ。彼らも既に40代、いつまでも子どもではいられない。それぞれが自分の道を歩きたいと思うのは必然なことだ。
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