友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

人は人によって傷つく

2011年07月28日 22時12分38秒 | Weblog
 人は人に癒されると言う。音楽を聴いたり、映画を観たり、感激する風景もあると反論する人もいる。確かにそれはあると思うけれど、人によって癒される方がはるかに大きいだろう。だから逆に、人によって傷つく。音楽や映画や風景で傷つくことはまずないのに、ちょっとした態度や言葉でひどく落ち込んでしまう。もちろん鈍感な人もいるし、まるで刃物のように傷つきやすい人もいる。人間なのだから仕方のないことかも知れない。

 定年退職して夫婦で海外旅行を楽しんでいる人から、「フランスへ旅行して、ビックリするようなことがあった」と体験談を聞いた。日本から添乗員付きのツアーで出かけたのだが、帰りの飛行機においていかれたと言うのである。フランスの航空機会社がストライキ中ということもあって、出発が何時になるのかわからない状態だった。飛行場で何時間も待つことになり、添乗員は「マル時にここに集まってください。それまでは飛行場内で自由にしていていいです」と告げた。その夫婦は食事もしていなかったから、まず食事をしてそれから買い物などして約束の時間の10分前に集合場所へ戻った。

 ところが誰もいない。しばらく待つともう1組の夫婦がやってきたが、まだ集合時間よりも前だ。おかしい。しかしフランス語は話せないし、英語も単語を並べるくらいしか出来ない。さて困ったと思って周りを探すと、たまたまフランス人と結婚した日本の女性に出会った。事情を話して連絡を取ってもらう。4人を除いたツアーの11名はすでに飛行機に乗り込んでいると言う。ところがもう締め切った後だから4人は次の便に乗る以外に帰ることはできないと言う。それでは日本から来た添乗員はどこにいるのかと聞くと、すでにツアー客と一緒に機内にいると言う。

 残された4人は次の便の空席の取り方もわからない。困っていると別の会社のツアーの添乗員に出会った。また事情を説明し、航空機会社が切符を手配してくれたので、それで帰国することが出来たけれど、彼らの添乗員からは全く連絡がなかった。フランスを知り尽くしているベテラン添乗員だと自己紹介したけれど、日本を出発する時も一人ひとりの確認もなかった。だから始めて海外旅行ツアーに参加した人は、メンバーが誰でどうしたら良いのかわからないままだったそうだ。フランスを知り尽くしていると自負する割には、パリの地下鉄では乗る方向が逆だったり、セーヌ川を渡った時もツアー客が2組に分かれてしまったのに、全くその手当もしない。だから起こって当然の事態だったと言う。

 「お詫びの言葉が全くない。無事に帰って来られたからいいけれど、海外旅行が初めての人であればパニックだったはずだ」と彼は憤る。せっかく素晴らしい風景に出会い、美術館や町並みを散歩し、日常を忘れて気持ちよくなっていたのに、憤懣ばかりが残る旅だったようだ。ツアー客を飛行機に乗せたなら、なぜ添乗員は集合場所に戻らなかったのだろう。1つひとつの言葉や行動に癒されることもあるけれど、本人の意識とは違うところでは嫌味にもなる。素直になることでかえって誤解を産むような時もある。困ったものだ。
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