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たばこ規制/WHOと厚労省の狙いがミスマッチしている…

2007年12月10日 | たばこ弁護の諸説紹介
◎ わが子は高校3年の男子生徒であり、両親ともに「たばこが大好き」なのですが、小中学校の禁煙教育が効果を発揮しているらしく、「僕は一生涯、たばこを吸わない。自分の前ではなるべく吸わないこと。それでも吸う場合は、受動喫煙の害があるので絶対換気扇をつけてくれ!」と目くじらを立てます。

◎  息子が中学生になった頃から、「もし、たばこを吸いたくなったら、隠れて吸うことはない。学校などで問題にならない限り許す」と申し渡しておいたのですが、今になってもいっこうに吸う気配さえありません。子どもの友人たちの間でも、たばこを吸っている者は少ないらしいのです。また、私自身も駅のホームやコンビニ近辺等を観察してきましたが、近年、高校生の喫煙する姿を滅多に見ることがないですね。2003年5月の健康増進法制定以降、厚労省は「未成年者の喫煙防止」に躍起になっているようです。でも、自然推移として大幅に減少しているというのが、私の現実的な実感なのです。

◎ ところで、先日、「厚労省の最新たばこ情報」を閲覧してみたが、その中で「たばこ規制の進んでいる国々」を紹介したページがありました。

→ http://www.health-net.or.jp/tobacco/menu06.html

まず、アメリカのたばこ規制では、1996年8月23日、米国クリントン大統領が「子供と青少年を守るために紙巻たばこと無煙たばこの販売・流通を規制する規則」を大統領命令として発表し…
(1)青少年のたばこ製品への接近を減らすための販売規制
(2)たばこ製品の購買可能な最低年齢は18歳
(3)自動販売機及びセルフサービス販売の禁止
(4)「子供向け」の包装、ばら売り、無料見本の禁止

を実施しているとのことです。日本との条件が違っているという意味で(2)と(3)の項目を記憶に止めておいて欲しいと思います。

◎ 続いて、フランス、イギリス、イタリア、ドイツの事例を紹介していますが、共通しているのは青少年の定義が15歳になっていることで、WHO(世界保健機構)とくに「EU Office」は、ご丁寧にも15歳の喫煙者率を調査の上で、そこをターゲットに規制しようとしていることが明瞭なのです。

【フランスの青少年(15歳)喫煙率】
調査年   男性(%)  女性(%)  男女(%)
1997~1998  28    31     24
2001~2002  26    26.7    26.3
(資料:WHO.Regional Office for Europe。以下、同様)

【英国の青少年(15歳)の喫煙率(2001~2002年)】
男性(%)  女性(%)  男女(%)
20.3   27.4    24.1
* イギリスでは、16歳末満の者に対する販売が違法

【イタリアの青少年(15歳)喫煙率】
調査年   男性(%)  女性(%)  男女(%)
2001~2002  21.8   24.9   23.5

【ドイツの青少年(15歳)喫煙率】
調査年   男性(%)  女性(%) 男女(%)
1997~1998  33.0   28.0     -
2001~2002  32.2   33.7   33.0

◎ 昨今のたばこ規制をめぐる動きを振り返ってみますと、わが国の厚労省は、以上のようなWHOの統計結果を公表することによって、それら数値への金科玉条的な適用を強引に進めようとしているのではないでしょうか。でも、よくよく考えてみますと、日本の成人年齢や未成年喫煙防止年齢の定義、さらには「日本で15歳の喫煙者率を調査すること自体が可能なのか」といった問題を含め、かえって矛盾をさらけ出しているのです。とくに、WHOが未成年者喫煙防止問題でターゲットにしているのは、決して日本における「未成年」ではなく、青少年それも「15歳未満」であることから、厚労省自分の考え方が完全なミスマッチであることに、早く気づくべきなのです。

◎ たばこを愛する私自身でさえも、欧米のように、日本でも15歳の少年・少女が20%~30%が喫煙しているのであれば、規制を強化するのが当然と思っています。決定的に問題なのは、厚労省が単なる欧米との数値比較(調査基準の異なる数値)だけで、日本の歴史や現実をみないまま、WHOや健康増進法を旗印に包括的な「たばこ規制」を強行しようとしていることなのです。皆さん、そうは思いませんか!(2006 10/30)

※ 子どもは大学1年生の今になっても、たばこはいっさい吸っていない。お酒は、18歳にも関わらず、サークルなどでのお付き合いで飲んでいるようだ。下戸の私に似ず、けっこう飲んでも平気(体内に、アルコールの消化酵素がふんだんにあるらしい)と言っている。お酒については、有名スポーツ選手やタレントを除き、「18歳になったらOK!」という社会的な了解が得られていると思う。2007年7月、神奈川県では未成年者の喫煙飲酒防止条例が決定され、たばこやお酒の販売にあたっては「成人確認」を求めるそうだが、時代錯誤、国際感覚の欠落、そして教条主義的な考え方である、と私は受け止めている。(2007年12月10日)
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