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(竹中)私の銀行員時代の上司であり、私が尊敬している帝京大学名誉教授の佐貫利雄博士が、ちょうどベンチャー企業が出てきたときに言った言葉に、私の大好きなものがあります。それは、「バカは何人寄ってもバカである」という言葉。
大企業には人がいっぱいますが、ほとんどの人は何の役にも立たず給料だけもらって、いい思いばかりしています。それに対して、ソフトバンクの孫正義さんみたいな賢い人が1人いればすごい企業ができるので、そういう1人を見つけることが大事だと、佐貫博士は言っているのです。(中略)
バカは何人寄ってもバカですから(笑)、そんな人の話をいくら聞いても、何の役にも立ちません。しかし、役に立つ人の話を1人ぶん聞くだけで、パ〜っと目の前の霧が晴れることもあります。
だからそういう人に行き当ることが大事。そのために、ある程度本を読まなければいけません。「この人の言うこと、発信することは何でもフォローしていく」とか、「この人は2つに1回ぐらいはいいことを言う」とか、「この人の本を読んでも無駄だ」とか、経済評論家等に対して、いい意味での品定めを投資家はきちんとしておく必要があります。
(ken)誤解をされそうですが、「バカは何人寄ってもバカである」というのは、私も事実であると思います。お前はどうなんだ、と問われれば「バカです。しかし、バカと自覚したバカなので、しっかりと勉強を続けるバカである」と答えておきましょう。(終わり)