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高校生からわかる『資本論』(その12)

2017年02月06日 | O60→70(オーバー70歳)
【217ページ】残業して、残業代を稼ぐことを前提にして、生活設計が行われます。マイホームを買って住宅ローンを借り、住宅ローンを返済するときに、自分の給料からいくら返済できるかと考えたときに、大体サラリーマンっていうのは、自分の基本給、本来時間外勤務を一切しない給料がこれだけだからその限りで払えるようにしようとは考えないんだ。毎月、何十時間時間外労働をしてその分余計に手当てをもらっている。これだけ時間外労働すれば、「この手当ての分で、住宅ローンが返せるな」と考えて、返済計画を組んじゃう。
つまりここに書いてある通り、満足な労働賃金を得ようとして、本来の時間よりもっと働いちゃう。だから急に景気が悪くなって仕事が減って残業がぱたっとなくなると住宅ローンが返せなくなるなんてことが起きたりするわけ。まさに今の日本のことを言っているようなもんだ。

【240ページ】《資本論》「もともとは量的拡大としてのみ現われた資本の蓄積は、すでに見てきたように、その組成をたえず質的に変化させながら、すなわち、その可変的構成部分を犠牲に不変的構成部分を持続的に増加させながら進行していく。」
最初の頃は、ただひたすら資本それ自体の量を拡大させるのに必死だったけれど、やがて、質的変化を遂げる。「その組成をたえず質的に変化させながら、すなわち、その可変的構成部分」、可変資本を「犠牲に」して「不変的構成部分」、不変資本「を持続的に増加させながら進行していく」。
資本主義が発展すると、相対的に労働者はあまり要らなくなってきますといってるわけ。

[ken] 217ページの住宅ローンに関する記述は、1992年当時(バブル経済崩壊直前)に栃木県のマンションを購入した自分にとって、他人事とは思えない真実味がありますし、ローン破産した管理組合の理事を一緒に担当した住民も複数知っています。まさに、残業代を含む月収で返済計画を立て、景気後退、残業の減少に伴い「高金利から低金利への借り換え」もできず、やむなく住居を手離した上に、マンション価格の下落によって一部のローンが手元に残ってしまったのです。そして、240ページの「不変的構成部分の持続的増大」により、生産現場から労働者が吐き出され、流通・販売・サービス・外食産業などにシフトしていきました。熟練を伴わず、誰でもが出来る安価な労働分野が増大するとともに、専門分野では電通にみられたような過酷な労働が潜在化したのですね。(つづく)
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蒔田公園の沈丁花!

2017年02月06日 | O60→70(オーバー70歳)
先週の日曜日は散歩日和ではありませんでしたが、前日の土曜日は絶好のお出かけ日和でした。自宅から徒歩数分、蒔田公園の入り口では沈丁花がほころび始め、大好きな強い香りを楽しませていただきました。
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