【36~37ページ】
佐藤 そのかわり、社会主義の理想は一つだけ実現していた。すなわち、労働時間の短縮です。2カ月ガッチリ休みを取り、9時から5時まで仕事なのですが、9時に家を出て、昼休みを2時間とって買い物をして、5時になったら誰一人会社にはいないという(笑)。そういった形で実質3時間労働くらいになったわけです。
そうして、崩壊寸前になっていたあの国が、なぜ生き残ったかというと、1970年代にオイルショックが起きたからです。国内で生産していた原油と天然ガスの価格が上がったため、それを切り売りしてしのいだわけです。しかし、結局91年に崩壊したのはなぜか。2010年にゴルバチョフ元書記長が来日した時に、サシで話しました。~。
「ソビエトが崩壊した理由を一つだけあげると、何だと思います?民族問題ですか」と私が聞いたら、「それは違うな」と。「俺はサウジについて、あまりにも知らなかった」と。「サウジが原油を増産するということの意味を、われわれはまったくわかっていなかった」と言うんです。~。
【37ページ】
佐藤 結局、ソ連では労働力商品化を克服したところで、どうやって働く人間を作っていくのかということができなかった。
[ken] ソビエト連邦時代の労働時間については、1987年に訪問する機会があり、たばこ工場とチョコレート工場を見学したときに、現場の仕事の流れを見たり、工場幹部や労働組合幹部のお話しを伺ったりしました。自慢げに語る彼らの口調を眺めつつ、うらやましいと感じること以上に、「何とも不効率で、お気楽なのだろう」と感じました。そして、ゴルバチョフ元書記長や、37ページの佐藤さんの感想にも共感できますね。(つづく)
佐藤 そのかわり、社会主義の理想は一つだけ実現していた。すなわち、労働時間の短縮です。2カ月ガッチリ休みを取り、9時から5時まで仕事なのですが、9時に家を出て、昼休みを2時間とって買い物をして、5時になったら誰一人会社にはいないという(笑)。そういった形で実質3時間労働くらいになったわけです。
そうして、崩壊寸前になっていたあの国が、なぜ生き残ったかというと、1970年代にオイルショックが起きたからです。国内で生産していた原油と天然ガスの価格が上がったため、それを切り売りしてしのいだわけです。しかし、結局91年に崩壊したのはなぜか。2010年にゴルバチョフ元書記長が来日した時に、サシで話しました。~。
「ソビエトが崩壊した理由を一つだけあげると、何だと思います?民族問題ですか」と私が聞いたら、「それは違うな」と。「俺はサウジについて、あまりにも知らなかった」と。「サウジが原油を増産するということの意味を、われわれはまったくわかっていなかった」と言うんです。~。
【37ページ】
佐藤 結局、ソ連では労働力商品化を克服したところで、どうやって働く人間を作っていくのかということができなかった。
[ken] ソビエト連邦時代の労働時間については、1987年に訪問する機会があり、たばこ工場とチョコレート工場を見学したときに、現場の仕事の流れを見たり、工場幹部や労働組合幹部のお話しを伺ったりしました。自慢げに語る彼らの口調を眺めつつ、うらやましいと感じること以上に、「何とも不効率で、お気楽なのだろう」と感じました。そして、ゴルバチョフ元書記長や、37ページの佐藤さんの感想にも共感できますね。(つづく)