前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会。新幹線で学生はより東京圏へ。原発トラブル・プルサーマル。貧困問題

2016年05月28日 | 福井県政
 2016年3月11日 福井県議会予算決算特別委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。


        「知事の政治姿勢と予算案について」     佐藤 正雄 委員


◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 知事の政治姿勢と予算案に関して、何点か、まずお尋ねをしていく。
 予算案では、人口をふやす政策と、一方で人口を流出させる政策、施策が打ち合いをしている状況があるのではないかと思っている。
 北陸では人口減少対策の一方で、北陸新幹線開業との結果の矛盾がいろいろ出ている、若者の東京首都圏への流出がさらに強まるという結果になりかねないということが報道されている。例えば、3月5日付の読売新聞の社会面の大きな見出しは、北陸の受験生は関西を離れて、新幹線延伸で東京へシフトしているという記事であった。
 私が、この間、指摘してきたように、新幹線と在来線の乗りかえ不便制の問題が、皮肉にも若者がより東京首都圏へ流出していくということを助長しているという状況があると思うのである。この新聞記事を読むと、何箇所も乗りかえ不便性の問題が指摘されているわけである。
 最初の話題は、昔は寝ていても富山に着いたのに、新幹線のせいで一気に不便になったと、京都の観光から帰ってくる富山市の大学生が不満を言っているということである。
 さらに、修学旅行でも、日本旅行の担当者は乗りかえには抵抗感があるみたいだということで取材されている。
 それから、関西大学の担当者は、富山の先生からは乗りかえの不便さを指摘する声が出ていて、関西大学、同志社大学などは、軒並み減っていると言っている。北陸からの受験生、受験者が減るということは入学生も減るということで、こういう状況が、新幹線の逆効果で生まれているわけである。
 だから、福井県は、この石川県、富山県で起こり始めた事態をどう分析して、対応をどう考えているのか、今こそ、私も再三言っているけれども、石川県、富山県、関西広域連合とも協力をして、新幹線は、言っても敦賀までしか行かないわけであるから、フリーゲージができない以上、必ず乗りかえが発生するわけであるから、やはりこの在来線特急をきちんと存続してもらわないと、北陸、関西が沈んで、より一層、首都圏集中が強まるという、政策と逆効果になるのではないか。


◯総合政策部長  今、話のあった、富山、石川で起きていることは、ストロー現象というよりは、むしろ北陸新幹線によって、学生さんが関西から関東に移った、シフトしたという状況かと思う。
 北陸新幹線の効果として、2時間ちょっとで富山、金沢まででも2時間半を切るので、関東圏が非常に強くなっている。逆に関西圏はもう少し強くならないといけないということだと思う。ただ、敦賀開業後、福井駅、あるいは南越駅からの乗客が関西に向かうときには、乗ってすぐ敦賀駅で乗りかえることになるので、それは課題だと思う。
 JR西日本は、敦賀開業後の特急存続については、特急と新幹線が乗客を取り合うという関係にあるので、整備スキーム上、難しいと言っている。一方で、国土交通省のほうは、昨年8月に与党の検討委員会の取りまとめの結果を受けて、接続のあり方については地元などの意向を踏まえ、関係者の協議を促進するという方針を示しているので、その辺の考えを十分確認しながら対応したいと考えている。また、乗りかえが必要な期間を少しでも短くする、それを早く解消するためにも、やはり北陸新幹線を早く大阪まで全線開業することが大事であるので、まずは年内の若狭ルートの決定を政府・与党に強く求めていきたいと考えている。


◯佐藤委員  大事なことは、現実として首都圏への集中が一層強まってきているということである。そこは見ていかないと、今、安倍政権がかけ声を出して、地方もかけ声をそろえて、東京一極集中を解消しようと言っているけれども、これは北陸でいうと逆効果が生まれているわけであるから、そこは手を打っていかないといけないと指摘しておきたいと思う。
 それから、2点目、原子力関係である。本会議の質問でも取り上げたけれども、予算案には、県内での原子力推進と原発の海外輸出推進という問題がある。
 東日本大震災、福島原発事故からきょうでちょうど5年になるわけである。福島の現状は、終息と回復に向かうどころか、国と東電による被災者の切り捨てが始まろうとしている。原発災害によって、命が追い詰められた方々は、後を絶たない。福島県での震災関連死は、何と2,000人を超えた。これは岩手県とか宮城県では起こっていない独特というか、特異な、関連死が多いという状況になっている。
 原発周辺の大熊、双葉、富岡、浪江の四つの町は、昨年の国勢調査では人口がゼロということになった。先般、大津地裁は、高浜原発3・4号機の運転差しとめの仮処分を出して、運転中だった関西電力高浜3号機はきのう運転を停止した。動いている原発を司法がとめたという点では歴史的な出来事だと思う。
 知事は、きのうの委員会の答弁の中で憂慮すべき事態だと答えたが、これは司法の判断が変わるということでの憂慮すべき事態という意味なのか。それとも、再稼働がとめられてしまったことを憂慮すべき事態と言っているのか、これはどちらなのか。


◯知  事  かなり幅広く申し上げたところであるけれども、高浜3・4号機の再稼働にかかる、いわゆる仮処分レベルでの、こうした決定が二転三転している──このような短期間の中で何回も裁判所あるいは裁判官の思いで、大事なことがあちらこちらと変わる、そして稼働がとめられることが繰り返されるという事態に対して、県民の原子力やエネルギーの安全や全体に対する信頼が揺らいでいるということに対する憂慮と申し上げているところである。


◯佐藤委員  両方兼ねているということである。
 さらに知事は、きのうの委員会で司法に国の確固とした姿勢が行き渡っていない云々という表現をされた。しかし、これは三権分立であって、行政に対して司法が法に基づいて変更を求める、あるいは改善を求めるというのは、これまでも、長い歴史の中であるわけであるから、当然だと思うのであるが、知事の見解をお尋ねする。


◯知  事  原子力・エネルギー施策について、我々は繰り返し国の原子力・エネルギー政策に対する確固たる考え方、また、必要性あるいは重要性、仮にそう考えるのだったら、それをどう国民あるいは全て国の機関に対しても理解を求めるということは重要である。そういう意味で、司法当局も含め国全体でしっかりした、こうした理解をした上での対応が重要だろうと、こういうことを申し上げたところである。


◯佐藤委員  先日の大津地裁の仮処分決定は、そのように言われたけれども、以前の福井地裁の決定、それから福井地裁の仮処分の取り消し、このときには、たしか知事は、福井地裁が再稼働を認めない、大飯の再稼働を認めないという判決の際には司法の判断と行政とは別だということで、直接、司法の分野に対しての物言いはなかったと思う。行政と司法は別だという言い方だったと思う。それから、高浜の運転差しとめの仮処分が取り消された際には、たしか知事はマスコミに対してコメントを出さなかったと記憶している。
 今回は、より踏み込んで司法の判断に物言いをされたわけで、そういう点では、これまで一線を画す態度をとってこられた。今回、なぜ司法の分野にまで踏み込んで物言いをされるのか。


◯知  事  司法の判断に言っているのではなく、もちろん三権に分かれているけれども、国全体がしっかりした対応をもっとすべきであろうということを引き続き申し上げているし、今回の事態を考えると、ますますそれはやるべき事柄だろうと、こういうことを申し上げているわけである。


◯佐藤委員  しかし、知事の発言を読む限り、あるいは聞く限り、この国の機関が、司法当局も含めて、きっちりしてもらわないといけないという趣旨で発言されているわけである。知事もよく承知のように、日本国憲法では76条は司法権の独立である。これに対して内閣とか行政とか、立法府が干渉してはならないということになっている。
 なぜこれが出てきたのかと振り返れば、たまたまであるけれども、明治24年の大津事件。当時のロシアの皇太子が警備していた巡査に切りつけられるという事件が起こって、そのときに、伊藤博文を先頭に殺してしまえ、死刑だという議論があったときに、当時の大審院はだめだと、法律に基づいても最高刑は無期懲役だと、殺すわけにはいかないのであるということで司法の独立を守ったというところから来ているわけである。これが大津事件である。今回、大津地裁の判決である。たまたまであるけれども、それに対して司法権の独立を侵すような発言を知事がされるのは問題だと思わないか。


◯知  事  全くそんなことは言っていない。誤解もいいところで、やめていただきたいと思う。


◯佐藤委員  それならば、わざわざ司法の分野も含めて国がちゃんとやりなさいと言うのをやめたらどうか。


◯知  事  そういう意味ではなくて、我々は政府に原子力の理解とか、そういうことを引き続きしっかり求めるということを言っている。国に向かって、そういうことをしっかりやってほしいと言っているわけである。


◯佐藤委員  そもそも、司法といっても国民の意識から独立したものではないし、その時々のいろいろな政策から完全に独立したものではない。知事は、そう発言しているけれども、何十年という長い期間、原発は危ない、原発はとめてほしいという裁判は全国各地でほとんど負けている。国が認めた裁判所は安全だということで、原発訴訟というのは住民が訴訟を起こしても、ほとんど負けている。
 しかし、5年前の福島の事故を契機に、やはりこれでいいのかということで裁判所の中でも議論があったと聞いているけれども、この福島原発事故を経験した国民の意識が変わった、当然それは裁判官にも影響を与えるので、裁判官の意識も変わってきたということなのである。そう思わないか。


◯知  事  裁判官というのは、独立した形で、いろいろな国民の意思なり、エネルギーのいろんな問題を考えて判断なさるわけであろうから、いろいろなことを国全体がもっとしっかりとやらないといけないだろうと言っているのである。


◯佐藤委員  従来はほとんど国が認めた原発に対して、表現は別として、裁判所はけちをつけることはほとんどなかったのである。
 しかし、福島事故を受けて、裁判所の認識も変わってきたという面が、福井地裁とか、今回の大津地裁をみてもあると思う。やはり、行政も変わらなければいけないと私は思う。それで、知事は福島の被災地に、何度、足を運ばれているのか。再稼働を続け、もし仮に5年前の福島のような事故が、この福井県で起これば、高浜町とかおおい町とか、先ほどの人口がゼロになった町があるわけであるから、そういうようなリスクをたどるかもしれないということについては、どのように考えているのか。


◯知  事  どういう関係で言っているのかよくわからないけれども、福島のいろんな事故については、現場を見たり、あるいは県庁職員も、3,000人以上の職員が全国に先駆けて、いろいろなことをしている。そういう状況も聞き、また福島の知事などともいろいろなときにお会いをし、そういうところの状況を聞いているわけである。
 そういう中で、午前中も申し上げたが、福島、あるいは東日本大震災5年ということで、もう一回しっかり政府が基本に立ち返って、あらゆる問題を国民に訴え、また、これまで腰を据えてどれぐらいやったのかということを、我々としては強く求めなければならないだろうということを申し上げているわけである。


◯佐藤委員  最近、いろいろな新聞で大震災、原発事故の特集などが組まれている。
 例えば、きょうの日経新聞だけれども、元のアメリカの原子力規制委員長のグレゴリー・ヤツコさんのインタビュー記事が載っていた。
 グレゴリー・ヤツコさんは、福島原発事故の最も重要な教訓は、事故は今でも起こり得るということだと述べられて、これは伝えるべきメッセージだが、原発は安全になったという正反対のことが今伝わっていると懸念されているわけである。
 だから、福島のようなことは、もう福井では起こらないのだと考えるようなことが、一番危ないということを、逆に言えば言っているわけである。知事は、そうならないように慎重にやっているのであろうけれども、絶対そういうことが起こらないということで、逆に新たな安全神話を生み出してしまうということに対して、元アメリカの規制委員長の方も懸念を表明されているのである。
 慎重に考えていくということは知事、お考えにならなのか。


◯知  事  要するに、福島のようなことを起こさない、起こさせないということを言っているわけで、今言われたことは、また別の話をしているように思う。


◯佐藤委員  事故が起こらないということを強調し過ぎる余り、結局、安全神話がどんどん復活していくということを、このアメリカの元規制委員長は懸念されていると思うし、私たちも同じような懸念を持っているということである。
 それで、新規制基準のもとで県内では初めて、高浜原発3号機・4号機が再稼働したが4号機は、すぐにトラブルでとまった。これは全国的にもテレビ、新聞でも大きく報道されて、今回も裁判の結果も、福井県の県民にとって大きなダメージになったと思う。
 知事は、いろいろ意見のやりとりをするときに、電力事業者を監視する立場なのだということをよく強調されているわけで、今回の高浜再稼働に当たっても、県の原子力安全専門委員会の審議を経て、自身も、現地点検もされて再稼働を認めるという経緯をとられたと思う。
 知事は、しっかり監視してきたはずの高浜原発再稼働後に、4号機のようなトラブルが起こったということについては、どういう問題があるとお考えか。


◯安全環境部長  今回の原子炉の緊急停止については、発電機や主変圧器を流れる電流量を検知する装置の使い方を一時的に変更したにもかかわらず、装置が作動する電流量の上限値を30%のまま変更しなかったことが直接の原因である。今回のトラブルは、電気設備そのものに異常はなく、安全システムが正常に機能して、原子炉が停止したものである。こうした装置は、火力発電所などにおいても、通常使われているものであり、その設定は事業者の責任で行うこととされている。
 事業者は、再発防止対策として当該装置の設定値を90%に改めるとともに、同種の計装機器の設定状況について、電機メーカーと協力して改めて点検を行うとしており、こうした対策の妥当性について現在、規制委員会の確認が行われているところである。
 県としては、高浜3・4号機の再稼働に当たり、その工程の節目節目に職員が現場で立ち会うとともに、トラブル発生時には現地に職員を直ちに派遣して確認も行ってきた。
 今後も、こうした県民の立場に立って国や事業者の対応を厳しく監視していく。


◯佐藤委員  部長の答弁だと事業者の責任ということで、県と原子力規制委員会、規制庁に責任はないというお考えか。


◯安全環境部長  規制委員会において、現在、確認中であるが、規制委員会に出された報告書の中身を見ると、先ほど答弁したとおり、電気設備の検知器の設定値が誤っていたということであって、こうした設定値については、原子力発電所に特有のものではなく、火力発電所などにも使われていて、そうした設定値の確認などは事業者の責任で行うこととされているものである。


◯佐藤委員  原子力発電・防災対策特別委員会のときにも課長、部長とも、やりとりしたけれども、結局、細かいことは原子力規制委員会の田中委員長も、それは事業者の責任でやってくれ、自分たちは知らないと言ってる。だから結局、無責任になる。国も規制委員会も何かトラブルがあっても、そんなことまで、自分たちは知らない、ちゃんと事業者がやってくれよと言っている。
 県も、いろいろ言うけれども、それは事業者の責任だと。事故やトラブルが起こったときには、事業者の責任ということになって、結局、これはもう責任が曖昧になるというか、事業者が悪いと言ってしまえば、国も県も済むのであろうけれども、それだけでは県民は済まないだろうということを私は言いたい。
 国も鳴り物入りで長期間かけて審査をした。県も長期間かけて審査をした。トラブルが起こったら国も県も関電が悪いのだと言う。知事、こういうシステムは県民としては納得いかないと思わないか。


◯知  事  トラブルと一口に言っても、いろんなレベルがあるし、いろんな場所のいろんなことがあるから、それに応じて、いろんな審査をし、議論をし、万が一何かがあったときには、それに対して対応をし、我々は県民の安全を第一に守り、その中身をしっかり申し上げる。
 そして、電力事業者については、どういうことであろうと、我々にものを早く、そして県民に早くお知らせをし、これはこういう事柄で、こういう対応をするという対応を、これまで以上にとろうとしているし、とっているということである。


◯佐藤委員  いわゆる二次系であっても、あるいは電気系統であっても、重大事故につながることはあるわけである。美浜の3号機では二次系の事故で5人が亡くなった。直接、放射能を扱っている中心部ではないから、きちんと検査しなくしても大丈夫だろうということにならないわけであるから、そういう点は、きちんと責任を持っていくことを事業者と国にしっかり求めていただきたいと思う。
 今回、プルサーマルということで3号機で大幅に燃料の数をふやして、4号機で新たに始めるということであるが、これについて関西電力からの説明と協議の内容をお尋ねする。


◯安全環境部長  このプルサーマルであるが、関西電力は高浜3・4号機に装荷するMOX燃料について、昨年10月14日に4号機の新規制基準にかかる使用前検査を申請した際に、あわせてMOX燃料使用にかかわる使用前検査の申請を行うとともに、3号機への装荷を発表をしている。
 県としては、同日、安全協定に基づいて、それまで未定としていた燃料の取りかえ計画について、3号機にMOX燃料を24体、4号機に4体を装荷するとの年間保守運営計画の変更連絡書の提出を受けている。
 このことについては、昨年11月の県原子力安全専門委員会において、関西電力からMOX燃料製造時の品質保証活動の実施状況等について説明を受けるとともに、燃料の保管状況を現地で確認しているところである。


◯佐藤委員  時間の関係で、まとめてお尋ねするが、これプルサーマルに伴って、新たな国の電源関係の交付金がどのぐらい入ってくるのか。
 それから核燃料税で、普通のウラン燃料と比べて、このプルサーマル燃料を使うことによって、推計で幾らふえることになるのか。今はとまったけれども、とまらなかったらと仮定しての答弁で結構である。


◯総合政策部長  再稼働に伴う新たな交付金というのは、再稼働という事象で交付されるものであって、1年当たり5億円5年間で計25億円で、これはプルサーマルとは関係ない。


◯総務部長  MOX燃料の価格についてであるけれども、プルサーマルの燃料が幾らであるかということについては個別企業の税務情報であるので公表はできない。一般的な話として、プルサーマルに使われる燃料であるMOX燃料はウラン燃料よりも値段は高いと認識をしている。


◯佐藤委員  知事にお尋ねするが、このプルサーマルは常々、普通のウラン燃料よりも安全性の懸念があるということが指摘されていた。今回、福島原発以降、初めて大量にプルサーマル燃料を入れて再稼働するということで、税収はそれなりに大きくふえてくる。危険な燃料をふやして税金の収入が上がるという点では、問題があるのではないか。やはり安全の側に立って、もっと考えるべきではないか。


◯総務部長  プルサーマルについては、国策であるので、資源を有効利用する核燃料サイクルの推進に不可欠であるというところから始まっている問題で、税収とは直接結びつくものではないと思っている。


◯佐藤委員  わざわざ燃料をふやしているから、こういうことを私は質問している。
 福島原発事故の以前と同じ燃料の数なら、こういう質問は出ない。そういうことがあるから質問しているので、そういう点も、疑われるのだということは、明確に指摘しておきたいと思う。

                「福祉行政」


◯佐藤委員  最後に、福祉関係の質問に入る。今、子供の貧困が問題になっている。子供の貧困は、すなわち社会と家庭の貧困ということで、かつて小泉政権の構造改革以来、非正規労働者がふえるなどで、貧困格差が、どんどん日本でも広がっている。安倍政権のもとでも、年金の削減とか、消費税増税とか、さらにそれが広がる方向にあり、家庭の貧困、格差の貧困が広がっている政策だと思う。
 それと、子供の貧困について、福井県内ではいろいろな数字が出ていると思うのであるが、県の推計では、いわゆる貧困家庭というのは何世帯、何人ぐらいという認識であるか。


◯健康福祉部長  県の状況、全国的にも比較できるような数字で紹介する。公的扶助の対象となっている世帯数を一つの指標として捉えると、平成26年7月の統計によると、生活保護受給世帯が県内3,200世帯あるが、その中で、その世帯の構成員となっている小中学生の数というと204人、これは全国的では少ないほうから4番目ということである。高校生であると56人、これは全国から見れば、少ないほうから3番目という状況である。もう少し範囲を広げて、小・中学校において就学援助を受けている児童・生徒の数でいうと5,428名であり、全国的には、少ないほうから8番目ぐらいの数字である。
 先日報道で、山形大学の研究が出ていた。これによると、福井県の子供の貧困世帯、大体3,300世帯ということで、子供のいる世帯に占める割合は5.5%ということで、全国では最も低い率だという報道がなされている。


◯佐藤委員  今、いろいろ数字を出されて、全国では低いのだというお話であった。もちろん全国の率というのも大事であるが、子供は一人一人の人間であるから率が低ければ、要するに5,400人のことを考えなくてもいいというわけではもちろんないので、そこはしっかりやっていただく必要がある。今、県内でも貧困家庭の子供に対する学習支援などが行われている。県や福井市でもやっていると思うのであるが。
 教員OBの有志らによるボランティア活動による無料塾が福井市内で始まって、マスコミでも大きく取り上げられた。私も、先生から具体的な話を聞いたが、例えば小学校6年生の子供であるけれども、父母が離婚をして、その後、お母さんが亡くなってしまった。おばあちゃんが育てているけども、生活も学費も本当に大変で、何とか助けてほしいという話だ。
 小学4年生の子、お父さんがリストラに遭って、もう元気をなくして家に引きこもってしまった。お母さんだけで稼ぎをしているけれども、これもなかなか大変だ、何とか助けてほしいということだ。
 高校1年生の子、中学校でいじめに遭って、不登校になってしまった。母の実家の中学校に転校したけれど、なかなか学校にも行かないため、学力がないので、今、高校生だけれども中学校のときの勉強からやり直しをしたいというお子さん。
 小学校5年生の子、育児放棄に近い家庭で育って、学力が低い。学校では毎日叱られて、叱られて、本当に居場所がない。こういう話をいろいろ聞いた。
 これはごく一部だと思うのである。その福井市内で無料の塾をやっているという記事が新聞に載ったことによって、その教員OBの先生のところに問い合わせが何十件と来た。そのうちの一部を紹介したのであるけれども、先ほども言ったように、パーセントではなく、一人一人見れば親を亡くしたり、親がリストラに遭ったり、学校でいじめに遭って不登校になったり、貧困で学力をつける機会が十分でないなど、こういう状況が、まだまだあると思うのである。
 このような子供の貧困の状態の把握、それから学習支援の対応は一体どうなっているのか、現状の課題認識と、今後の取り組みについてお尋ねする。


◯健康福祉部長  困窮世帯の子供たちであるが、学習習慣が十分に身についていないことも多い。
 学習意欲の向上等が課題となっているので、県また市においては、小中学生を対象に学習習慣の定着など、基礎的なことを含めた学習教室を開催している。これまで学校を通した募集、あるいは市町の児童扶養手当の窓口における案内の配布により周知を図ってきていて、ことし1月現在であるが、学習教室には33教室に280名の方が参加していて、昨年よりふえている状況である。
 また、先ほど指摘もあったように、親の方の状況ということもある。そういった面で親の方の就労支援が重要だと思っていて、県においては、ひとり親家庭の、親の資格取得を支援するために、養成機関等における就学期間中の生活費の支給というものも行っている。
 また、新しい取り組みとして、新年度からは大学等への進学支援をするために、生活福祉資金の教育支援費貸付上限額の引き上げ。また、児童養護施設に入っている高校生の方の大学の受験料や入学金の支給と生活費等の貸し付けといったことで、子供が希望する進路を選択して、将来的に自立することができるようにといった形で応援していきたいと考えている。


◯佐藤委員  ひとり親だけでなくて、仮に二親いたとしても、さっき言ったようにリストラとか、いろんな事情で厳しくなっている家庭もある。県としては広く気を配るというか、政策を配るというか、そういうことでお願いをしたいと思っている。
 それから、繰り返し要求をしているが、子供の医療費の窓口無料化の問題であるけれども、まだ、やられてない県というのは、残り数県ということになってきている。これは国が、ペナルティーをかけているのが一番悪いのであるが、そういう状況でもほとんどの県で実行している。
 なぜ多くの県で実行しているのに、福井県が取り組まないのかという点を再度お尋ねしたい。あと、実際、窓口で一旦、全額払うわけであるが、戻ってくる金額の割合はどうなっているかという点をお尋ねする。


◯健康福祉部長  取り組みがおくれているような言われ方すると心外であるが、全国的に見て、子ども医療費の助成対象を就学前までとしている自治体が34県ある。しかもその中には、所得制限をかけているところもあるが、本県は小学3年生までを対象とし、市町が単独で上乗せをして中3までやっていて、全国的に見て手厚い制度であるということは理解をいただきたいと思う。
 窓口の無料化実施については、委員指摘のとおり国民健康保険の国庫負担金の減額措置によって、市町の負担額が増加する。また、医療費の助成制度との調整、他の医療費の無料化との調整といった課題があって、今、実施主体である市町との協議を行っているところである。
 この課題となっている国保の減額措置については、引き続き全国自治会等を通じて廃止を働きかけているところであるけれども、国において昨年9月から、子供の医療費のあり方について、民間有識者との研究会をされているということも聞いているので、そういった成り行きも、ぜひ注視していきたいと思っている。
 一旦、負担金で払われる金額は16億円である。そのうち保護者に15億2,000万円が自動で償還されるということで、これは自己負担分を取っているということでその部分を除いて100%償還しているという状況である。


◯松井副委員長  佐藤委員の質疑時間は終了した。


◯佐藤委員  もう時間が来たので終わるが、国の委員会も、なかなか賛否両論と言っているようであるから、さらにプッシュしてお願いする。

高浜原発トラブル問題。プルサーマルと核燃料税。使用済み核燃料問題。

2016年05月28日 | 福井県政
2016年3月4日 福井県議会原子力発電・防災対策特別委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。

■高浜原発トラブル

◯佐藤委員  安全環境部長の報告にあった、高浜発電所の問題で質問する。高浜発電所3号機、4号機ということで、4号機がトラブルを起こした。部長の報告では大変遺憾に思っているとのことなのであるが、こういう原発のトラブルは、想定内のトラブルなのか、それとも想定外のトラブルなのか、認識を尋ねる。


◯原子力安全対策課長  これは昨日の国会でも、同様の質問があったと思う。原子力規制委員会での田中委員長の発言であるが、原子力の運転について、今後、絶対にトラブルが起こらないという考えで対応するのではなく、むしろ起こることを想定しながら、その都度、安全性への影響を見きわめて、事業者が適切に対応することを確認することが原子力規制委員会としても重要だと。当然、もとより県は、原発立地の福井県に安全神話はないということで、これまで40年やってきているわけである。さまざまなトラブルが起きた際には、厳しく対応していきたいと考えている。


◯佐藤委員  そうすると、想定内のトラブルだとの認識だったわけである。県は、そういうトラブルは想定内だけれども遺憾だということで、見解を表明しているし、今、言われたように、原子力規制委員会の田中委員長も、事業者はもっとしっかりしろと、遺憾だという言葉かは忘れたけれども、事業者を非難しているということだと思うのである。そうすると、規制基準をつくって、この関西電力高浜発電所3号機、4号機は大丈夫である、規制基準に適合していると審査をした原子力規制庁も、そして、県原子力安全専門委員会を立ち上げて、この3号機、4号機の審査をしてきた福井県も、今回のトラブルには責任はないと、今、言っているわけである。悪いのは関西電力なのだ、事業者だけに責任があるのだと言っているということで間違いないか。


◯原子力安全対策課長  さまざまなトラブルに、国としては国の立場で対応すると思うし、県も国や事業者の対応を監視していくことで対応していくということであるので、事業者の責任をということではないと思う。


◯佐藤委員  では、国も関西電力をけしからんと言っている。県も遺憾だと言っている。関西電力は当事者であるから、国や県の責任にするわけにいかないから、申しわけないと謝っているのだけれども、そうすると、このようなトラブルが起こると、悪いのは関西電力であって、国や県は悪くないという考え方でいいのかと聞いているのである。


◯原子力安全対策課長  今回の先月29日のトラブルであるけれども、これは、原子炉等規制法に基づき、10日間のうち、今月9日までの間に、法令に基づいて、事業者が原子力規制委員会に対して文書で報告をする。それについては、原子力規制委員会としても法令に基づき、しっかりと判断し、対応することになっている。そういう意味で、原子力規制委員会がどのような判断、また、対応をするかということは、県としても十分注視していきたいと考えている。


◯佐藤委員  結局、国も県も、こういうトラブルがあっても、私たちは悪くないという姿勢なのである。西川知事を先頭に、国民の原子力に対する信頼を高めなくてはならないと言っているわけだけれども、何かあったときには、結局、国も責任をとらない。国の審査に問題があったのではないかということを検討しようとしない。しているのかもしれない、わからないけれども、とにかく真っ先に出るのは事業者批判である。県も事業者批判である。これはもちろん、関西電力が悪いのである。関西電力が悪いのだけれども、いずれにしても、では、どこで県民、国民の信頼をかち取っていくのか。国が適合性審査で合格を出したのではないか。県も原子力安全専門委員会の審査で合格を出したのではないか。それで再稼働を認めたから、それなりに県民の安心というか、信頼というか、そういうものもつくってきたのだろう。では、国も県も、何かあったときには、我々の責任ではないと繰り返しているようではいけないのではないか。


◯原子力安全対策課長  今回のトラブルであるけれども、安全環境部長の報告にもあったが、発電機側のトラブルとして、今回、主変圧器を保護するために電流量を検知する装置が作動して、原子炉は安全に停止した、そういうシステムが働いたものである。原子炉は正常に自動停止し、環境への放射性物質の影響はない。冒頭で申したように、想定できるかどうかで言うと、こういったトラブルについては、過去起こっているものである。その前提のもとに、安全規制については原子力規制委員会が一元的な責任を負うことになっているので、今回、法令に基づいてしっかりと判断し、その対応をし、事業者にも指導することになるかと思う。それについて、県としても、トラブルが起こったときに職員を現地に派遣し、その後も、事業者だけが記者会見をするのではなく、県も記者会見を開いて、皆さんに情報を説明することで、地元として安全にしっかりと対応しているところである。


◯佐藤委員  法令に基づいて報告し、それに基づいてまた原子力規制委員会が判断するのはわかるのだけれども、何年もとまっている原発を動かす上では、トラブルが起こる可能性が非常に高いことは、当然、関西電力も認識しているし、原子力規制委員会も認識して慎重に進めてきたと思うのである。だけど、結果的にはこういうトラブルを防げ得なかったというのは、どこに問題があるのか。原子力規制委員会の基準にこういうところが入っていなかったのか、あるいは、原子力規制委員会の基準に入っていなくても、事業者としては当然チェックしなくてはいけなかったところだけれども、事業者のチェックが漏れていたのか。その辺は調査中ではあるけれども、県の考え方はどうなのか。


◯原子力安全対策課長  今、委員も言われたように、この案件については現在調査中であるので、そこは今後の調査、それに対する原子力規制委員会の報告への対応ということになろうかと思う。まずは、警報が鳴ったということで原子炉がとまったけれども、その警報が鳴ることによって、大きな事故にならないように、二重、三重の安全装置が働いたということかと思うので、その前提に立って、報告、対応がしっかりなされるものかと思う。


◯佐藤委員  念のために言っておきたいのだけれども、今、課長の答弁を聞くと、安全の側に働いたからいいのだと、放射能が漏れなかったから、安全にとまったからいいのだというニュアンスに受け取られる答弁だと思うのである。そういう考え方は大きな間違いだと思う。当たり前であるけれども、放射能が漏れたら、これは大事故である。だけど、放射能が漏れずに原発がとまったから、それでいいのだという考え方も、私は間違いだと思うのである。これまで福井県内では、たくさんのいろいろなトラブル、事故があったけれども、例えば、5名が亡くなった関西電力美浜発電所の事故も、放射能は漏れていないわけである。しかし、あのような大事故になったわけである。だから、今、石川委員から話があったけれども、「もんじゅ」もナトリウム火災事故があった。あれも、直接は放射能が漏れているわけではないことになるわけである。そうであろう。放射能が漏れたか漏れてないかの判断だけで事故を判断したら、大きな間違いである。違うか。


◯原子力安全対策課長  私が申したのは、放射能が漏れる、漏れないではなく、今回、警報が鳴って、それに伴って安全装置が作動し、それより大きなトラブルを未然に防ぐシステムが働いたと申したわけであって、放射能が漏れる、漏れないにかかわらず、大きな事故につながっていないという事象を申したものである。


◯佐藤委員  大きな事故にならなかったのは当たり前なのである。当然である。大きな事故になったら大変なことである。けれども、このようなミスは、原子力規制委員会の基準が抜けていたのか、原子力規制委員会の審査が抜けていたのか、県の原子力安全専門委員会の審査でこの場所をチェックしていたのかどうかなどを含めて、今、きちんと調査して、情報公開をしてもらわないと、場所は違っても、また同じような原発のトラブルや事故が起こっていけば、今回、たまたま再稼働という時期になったけれども、もう、繰り返し全国ニュースである。このようなことがどんどん重なるようでは、これまでもそうであったけれども、福井県のマイナスイメージである。
 だから、もう少しきちんと、どこに原因があるのか、原子力規制委員会に責任があるのか──そもそも、田中委員長は、原子力規制委員会がそのようなところまではチェックしないと言っているわけである。どうも、田中委員長の発言を聞くと、原子力規制委員会が全部チェックするわけではないと、もう逃げているわけである。そのような細かいところまで、なぜ我々がチェックしなくてはならないのだと、このような乱暴な言い方ではないけれども、そういうことを言っているのである。原子力規制委員会は、事業者の責任でやってくれという態度である。では一体、誰が原発の安全に責任を持つのか。そうであろう。このようなことでは、原発を動かしてはいけないという声はますます強まる。違うか。


◯原子力安全対策課長  今回のトラブルについて、現在、調査中であるが、原因究明と再発防止策の徹底は何より重要であることは間違いないことであって、工程にとらわれず、原子力規制委員会においてしっかりと判断し、対応する必要があると考えている。


◯佐藤委員  県はそう言うけれども、田中委員長は、そのような細かいことまで原子力規制委員会はやっていられないということを、もう少し紳士的な言い方ではあるが、言っているわけである。であるから、福井県からも、国に対してそういう無責任な体制をきちんと正してもらわないといけないし、県自身も、そういう体制が正されない以上、どんどん再稼働を進めていく姿勢を改める必要があるのではないか。


◯原子力安全対策課長  先ほど「もんじゅ」についても、石川委員に対する答弁があったけれども、原子力規制委員会のあり方については、これまで県としても、チェック機関を設けるなど、さまざまな提言を行ってきているところである。そういった原子力規制委員会、原子力規制庁全般に対する効率的な事務、また、住民に対する、県民に対する、地元に対する丁寧な説明は、当然、引き続き求めていくものである。一方で、今回の事案については、原子力規制委員会がしっかりとした原因究明を判断し、対応することが必要かと思う。


■プルサーマル

◯佐藤委員  どちらにしても、国も責任を持たない、県も責任を持たない、関西電力は当事者だから、もちろん謝罪はして、対応はするのだけれども、そういうことでは、原子力行政は国民の信頼をますますなくしていくということは、強く言っておきたいと思う。
 それから、一般質問でも言ったけれども、今回、プルサーマルを認めた。部長の答弁は、もともと認めているのであるとの答弁だったのだけれども、拡大しているではないか。高浜発電所の3号機も燃料をふやしているし、4号機はこれまでやってなかったのをやり始めるし、福島原発事故の前よりも、安全の側に近づくのか、あるいは安全の側から遠ざかるのかで言えば、安全の側に近づくのではない、逆の方向へのプルサーマルの拡大をなぜ認めるのか。おかしいであろう。今、慌ててプルサーマルをやる理由はないのではないか。


◯原子力安全対策課長  高浜発電所のプルサーマル計画については、3号機、4号機ということで国が平成10年12月に許可をしている。その際、県としては安全性を慎重に確認し、平成11年6月に事前了解をしているものである。
 また、今回のプルサーマルについても、原子力規制委員会は3号機、4号機ともにMOX燃料の使用を前提に新規制基準の適合性を確認し、許可をしているものである。


◯佐藤委員  平成10年代の話というのは、福島原発事故以前の話なのである、そうであろう。福島原発事故を受けて、国民の意識も、規制のあり方もがらりと変わってきたわけであろう。もちろん、新しい原子力規制委員会のもとでMOX燃料を認めたと言うけれども、実際に安全の側に近づいた方向ではないわけである。防潮堤をつくったとか、耐震強化をしたとかは、それなりに安全の側に近づいたと言えるかもしれないけれども、プルサーマルの燃料をふやして入れたというのは、安全側から遠くなるではないか、離れるではないか、違うか。


◯原子力安全対策課長  プルサーマル発電については、福島原発事故を挟むけれども、平成22年12月から平成24年2月までプルサーマル発電を行った実績がある。


◯佐藤委員  それは福島原発事故後も動いていた原発の話である。そういうことではなく、この福島原発事故を受けて、新たにこの新規制基準のもとで実際に再稼働する原発としては、大飯発電所3、4号機は再稼働していたけれども、あれは新規制基準ができる前であるから、今回の新規制基準のもとで再稼働する原発としては、高浜発電所3、4号機が福井県では初めてなわけである。そこで、安全だ、安全を強化したと宣伝はするけれども、肝心の燃料がプルサーマル燃料では、大きな問題があると思うのである。
 そこで確認したいのであるが、プルサーマルの燃料は普通のウラン燃料と比べて物すごく高価だとのマスコミの報道があるけれども、その辺の価格を──普通のウラン燃料だとこのぐらいで、プルサーマル燃料だとこのぐらいというのを教えてほしい。


◯原子力安全対策課長  今、手元に資料がない。引き続き調べて、後ほど回答する。


◯佐藤委員  記憶で申しわけないが、たしか朝日新聞だったと思うのだけれども、9倍との報道だったと、要するに9億円ぐらいするとのことだったと思うのである。税務課長に確認であるが、核燃料税はどうなるのか。


◯税務課長  MOX燃料の価格に掛ける形になる。


◯佐藤委員  そうすると、普通の発電をするよりもプルサーマル発電をしたほうが核燃料税は9倍入ってくるということか。


◯税務課長  そのとおりである。


◯佐藤委員  こういうことをやるから、県民や国民から見れば、福井県は金のためにプルサーマルを認めているのではないか、そういう危険な方向に認めているのではないかとも疑われるわけである。燃料も高い、燃料が高いということは、結局、消費者の皆さんに負担がふえることになる。しかし、福井県としては、核燃料税は9倍、懐に入ってくるということだから、国民から見れば、両方、何だということになるわけである。危険だし、何でそんなものをやるのだと、結局は福井県の税収のためかとも疑われるわけである。もっと慎重にやってほしいと思う。部長、どうか。


◯安全環境部長  プルサーマル自身は国策である。平成26年に閣議決定されたエネルギー基本計画でも国として着実に推進していくと、方針が決まっている。福井県は、その国の方針に協力をしている立場かと思っている。その上で、安全性については、平成11年の段階、平成20年の段階、そして新規制基準後の原子力規制委員会の設置許可の審査の段階などで、確か4分の1炉心だったと思うけれども、その範囲内での安全性は確認されていることになっているので、そういった国策の計画、あるいは安全規制の安全確認の結果で、現在の事業者の計画が進められていると認識している。


■使用済み核燃料

◯佐藤委員  関連であるけども、以前も一般質問で尋ねたが、関西電力の11機の原発で、当初の設計のときは使用済み燃料の貯蔵プールの容量が2,300トンであったのを、その後、5,100トンに増強していると、だから、既に福井県内に使用済み燃料を2倍以上置けるようになっているのだとの答弁だったと思う。それは間違いないと思うのだが、5,100トンの使用済み燃料の容量のうち、今、実際に何トン入っているのかということと、一番古い使用済み燃料はもう何年たっているのかを教えてほしい。


◯廃炉・新電源対策室長  関西電力の使用済み燃料プールの容量は、現在、言われるとおり5,100トンウランになっている。このうち、実際の貯蔵量は7割程度、3,000トンウラン強という状況にある。
 一番古いものであるが、手元では承知できないけれども、発電開始直後程度だろうと思う。


◯佐藤委員  発電開始直後というと、40年ぐらいになるわけである。そうすると、使用済み燃料プールには、福井県で発電した使用済みの核燃料が40年近く置いてあるという認識でよろしいのか。


◯廃炉・新電源対策室長  今、別途確認をするが、最も古いものがそうであれば、言われるとおりになるかと思う。


◯佐藤委員  これはある意味では、事実上、中間貯蔵状態というと語弊があるかもしれないけど、40年の年月を仮置きと見るのか、中間貯蔵状態と見るのかはいろいろあるかもしれないが、使用済み核燃料プールの倍以上の増強を認めた時点で、事実上、中間貯蔵状態を認めているのではないか。


◯廃炉・新電源対策室長  言葉の定義はあろうかと思うが、我々として求めている中間貯蔵は、サイト外、県外での中間貯蔵だと思っている。


◯佐藤委員  それはそうであろう。県民から見れば、40年の歳月が短期間とは思わないから、事実上、そこにもう中間貯蔵されている、最終的な処分場あるいは県外の中間貯蔵場ができるまでそこに置かれているとの認識だと思うのである。であるから、今後、そういう問題を県民との関係でどう考えていくのかというのは出てくると思う。
 それから、今、糀谷委員が質問されたように、これから廃炉作業が始まっていくわけである。廃炉作業が始まっていくと、先日、この委員会でも東海村を視察したけれども、日本原子力研究開発機構も、日本原子力発電も、放射能レベルの低いものは地中に埋めるということをやったり、計画したりしているわけである。事業者は福井県ではそれを考えないのかというと、議会の事前説明のときに尋ねたら、事業者としては、それは当然考えたいとの説明なのである。事業者としては、全部県外に持ち出すと言われても、なかなか厳しい面があると、今、東海村でやっているように、放射能レベルの低いものは何とかこの敷地内で処分したいとの思惑があるわけである。今、糀谷委員の質疑にあったように、この辺は明確にしておかないと、事業者としては、全部県外に持ち出すといっても無理だ、最初からわかっているであろうと思っているけれども、県としては、発電は引き受けたが、とにかく福井県では全部だめ、もう一かけらも引き受けないということでは、廃炉作業そのものに影響が出てくるのではないか。


◯廃炉・新電源対策室長  委員が言われるとおり、使用済み燃料、それから放射性廃棄物が適切に処理処分されなければ、当然、廃止措置工程に影響が出ることにはなる。使用済み燃料が出なければ、燃料プールは解体できないし、解体廃棄物がずっと貯蔵されたままでは更地にならないということである。
 今、話のあった解体廃棄物の処理処分に関してであるけれども、我々としてはこれまで、事業者から、構内に埋めたいとか、そのような話は一切伺っていない。あくまで、県外において処分されるものということであるし、また、先ほど来あるけれども、これは全国共通の課題であるので、九州でも、島根県でも起こってくる課題であるし、先行する浜岡原子力発電所でも起こってくる課題であるので、電力事業者間の協力連携をさらに強めてもらって、国の関与も求めつつ、対応すべきものと考えている。


◯佐藤委員  県民の関心も高いし、それから雇用の確保の点でも、廃炉作業のスケジュールを明確にしてきちんとやっていってもらうことも重要だと思うので、事業者との間でそのような認識の違いがあって、最初からずれていると大変であるから、その辺はきちんとして、国と事業者と福井県が明確にしておかないと、廃炉作業も進まないことになってしまうので、よろしくお願いする。再度、要望しておく。


■原子力レスキュー

◯佐藤委員  3月16日に福井市でエネルギー・原子力に関するシンポジウムを開くと部長報告にあったが、これは、参加した県民との質疑の時間も設けられるのか。


◯原子力安全対策課長  これは今、資源エネルギー庁、国のほうでシンポジウムをやるということであるので、国の差配になるかと思うけれども、まず、申し込みのときに事前に質問を書かせ、それに対する回答を当日用意すると聞いている。
 また、質問時間等についても、主催者において考えていることだと思う。


◯佐藤委員  質疑が認められないと、テレビの宣伝コマーシャルなどと変わらないことになってしまうので、福井県も後援して福井市で開かせるわけであるから、それはぜひ、やってもらいたいと思う。
 それから、福井県が今、行政改革プランをつくる中で、県の行政についての県政出前トークを積極的にやろうとの項目があると、総務教育常任委員会で説明を聞いたのであるが、これは原子力行政についても同じ考え方か。


◯原子力安全対策課長  出前トークそのものについては、全庁でどのような考え方にするのかを、各部各課で十分に調整を図っていくものかと思われる。


◯佐藤委員  全庁を挙げて、そのような県政出前トークをやろうというわけであるから、原子力は除くということがないように、再度、要望しておきたいと思う。
 最後であるけれども、原子力レスキューについての話があった。これは電気事業連合会が整備を進めているとのことであるが、今、福島県の原発事故からちょうど5年であるけれども、先もまだまだ大変だと思うのであるが、そういうところも含めてこのレスキューが活動するということでよろしいか。


◯電源地域振興課長  これは、電力事業者から発災のおそれがあると要請があったときに緊急出動するものであって、法律上、そういう発災の事象に該当する事象が発生したときに出動するものである。福島県においても、そのような事象が発生しないとも限らないので、そうした事象が発生した場合には出動するということである。


◯佐藤委員  福島県もあのような状況で、これからいろいろなロボットなどを使ってこの作業を進めていく段階であろうと思うのだが、言葉は悪いけれども、そういうところも含めて訓練を重ねることによって、例えば福井県の原発であろうと、九州地方の原発であろうと、発災したときに応用がきくと考えているのかどうかということなのである。


◯電源地域振興課長  先ほど申した、発災事象であるけれども、原子力災害対策特別措置法第10条の通報事象に該当した場合に、原子力レスキューとして出動するということで、それは交流電源の喪失が30分以上継続した場合であるとか、周辺のモニタリングポストの指示値が5マイクロシーベルトパーアワー以上となった場合に出動する形である。
 訓練については、今まだ検討しているけれども、防災訓練については、こちらから積極的に参加していただくよう、実際に資機材を運ぶ作業や、実際に現地でおろして作業してみるとか、そういったことを事業者にお願いしているところである。




2016.2福井県議会。福井市の工場で膀胱がん多発。プルサーマル。特別支援学校の寄宿舎について

2016年05月28日 | 福井県政
 2016年2月25日、佐藤正雄県議の県議会一般質問と理事者答弁です。


◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 安倍政権のもとで消費税増税、年金削減、医療・介護の改悪、生活保護の切り下げ、非正規労働者の拡大、TPP推進と家族、地域営農の切り捨てなどが進められ、国民の貧困化がさらに進められようといたしております。さらに、安保法制、戦争法で戦争する国づくり、憲法改憲の緊急事態条項では、国会承認なしに法律制定が行われることまで計画しております。こういう安倍政権が仕掛けた地方創生政策が意図するところをよく見抜いて、地に足をつけて県民の暮らしと地域の再生と発展を進めることが、福井県庁と県議会の責務だと思います。

■TPP
 まず、TPPについて質問します。
 アメリカ、日本など12カ国が参加し、関税の原則撤廃などを盛り込んだ環太平洋連携協定──TPPが署名されました。署名された協定は、各国で批准の手続がとられますが、アメリカと日本がともに批准しなければ発効しません。今のアメリカ大統領選挙でも、反対の声が広がっています。危険なTPPを阻止するため、日本の批准を中止させる取り組みが重要な局面です。もともと自民党は、平成12年の総選挙では、TPP反対を宣伝しておりましたが、安倍首相の政権復帰後、わずか3カ月で公約を投げ捨てて交渉に参加をしてまいりました。
 TPPは、交渉中の内容は秘密で、昨年10月の大筋合意後も安倍政権は概要などを小出しにするだけで、秘密交渉の結果を国民に押しつけました。明らかになっている内容だけでも、TPPが日本経済と国民生活を破壊することは明白です。国会は、交渉参加に当たって、米、牛、豚肉など重要5項目を完全撤廃の例外とするよう決議しましたが、5項目の中でも3割の品目は完全撤廃に追い込まれ、残りも関税の大幅引き下げや特別輸入枠などが押しつけられております。農林水産物全体では8割を超える品目の関税が撤廃され、残りの品目もTPPの発効から7年後には、アメリカなどが要求すれば、関税撤廃の協議などが義務づけられています。
 安倍政権は、「日本を取り戻す」などと言いますが、TPP問題を見ても、日本を外国に売り渡す政権であります。
 そうした中で、議会には県の影響試算も出されておりますが、国の試算よりも影響割合を小さくするとともに、米についても専門家に依頼した計算ではなく、大ざっぱな試算にすぎず、実際のところ福井県庁も影響についてはよくわからないというのが実態ではないでしょうか。大前提として、県が16年目の影響としている点でも、TPPは今ほど申し上げましたように、協定発効後、関税撤廃への協議が順次始まる仕掛けであり、従来の協定とは本質が異なります。
 東大の鈴木先生が、「TPPのような徹底した関税撤廃は、強い農業を生み出すのではなく、日本において強い農業として頑張っている人を潰してしまう。米でいえば、日本で1俵9,000円の生産コストを実現して大規模経営している最先端の経営でも、1俵3,000円の米がゼロ関税で入ってきたらひとたまりもない」と述べている事態が迫ってくるわけであります。私は、TPPからの撤退を強く求めるものです。
 そこでお尋ねしますが、福井県として、専門家の協力も得て、もう少し精緻な影響試算を行わないと対策案自体の有効性も疑問になるのではありませんか。見解をお尋ねします。
 また、ふくいの農業、林業、水産業の各基本計画改定内容も議会に示されましたが、TPP対応にあわせるために張り合わせたのでしょうけれども、具体的な展開には乏しい面があります。これでは、本当に福井の農業を将来にわたって支えていく人材育成ができるかどうか、農業ビジネス展開に希望があるのかどうか、輸出拡大というが、その中身はどうなるのかなど、中心課題の具体的な展望が見えてまいりません。
 福井の農業算出額477億円の約7割の336億円がお米です。しかも、その担い手は、圧倒的に兼業農家であり、地域の集落営農体ではありませんか。また、県は、「ポストこしひかり」を開発し、高級ブランドとしての売り込みを図る計画のようですが、越前ガニの「極」のようにはいかないでしょう。国からも、もっと山形の洋ナシのようなものができないのかと指摘されているとお聞きしました。国は、福井の米を煙たがっているのかと疑いたくなります。
 そもそも、福井県でブランド米を生産し、海外や県外に売り込んで、TPPで入ってくる外国産米を福井県民の食卓に乗せていく風景というのは、明らかに異常です。県は規模拡大をうたいますが、北海道を見てもわかるように、構造改革路線の大規模化は、農村の衰退と過疎化を進行させただけでした。北海道の人口は、全国一の減少を続けております。福井でも同じ道を進めば、一層地域の過疎化が進みます。つまり、田畑を守り、農村社会を維持していく基盤がなくなるからです。
 そこでお尋ねをいたします。農林水産部の基本計画で、農村地域に住んで従事する人口、新規就農者はどの程度ふえると考えているのですか。私には、今回提案されたTPP対策とセットの基本計画は、県全体で今取り組まなければならない人口流出、人口減少対策とは全く逆行する政策に思えますが、見解をお尋ねいたします。

■福井市の工場で膀胱がん多発

 次に、労働災害に関して質問いたします。
 染料や顔料の原料を製造する三星化学工業の福井市白方町にある福井工場で、従業員ら5名が膀胱がんを発症した問題について質問します。
 同工場では、40から50代の男性5人が膀胱がんを引き起こすとの指摘があるオルト-トルイジンを扱い、2014年から15年に膀胱がんと診断され、労災を申請しております。オルト-トルイジンは、国際がん研究機関の発がん性リスク一覧にも掲載され、世界的にその危険性は周知されており、ヨーロッパなどでは使われておりません。このような危険物質が、労働者にその危険性が知らされないまま、県民の被害が拡大したことに怒りを禁じ得ません。発がん性物質を規制していないずさんな日本の政府の対応の問題、そして企業の責任が厳しく問われなくてはなりません。
 私は、福井県に対し、今回の労働災害事件について、福井県庁の対応を問い合わせました。ところが、福井県は労働災害への対応は、国が一元的に所管しているため、福井県では調査、対応は行っていないと回答してまいりました。福井県が造成した工業団地テクノポートで、福井県が誘致した企業によって県民にがんの発症という重大な労働災害が起こったというのに、福井県が知らぬ存ぜぬで済ませようとする態度は許されません。何のために企業誘致を進めるのか。県民が、その企業によって健康被害を起こしてもいいのかという、行政活動の基本が問われるではありませんか。とにかく企業であれば、ブラックだろうが何だろうが構わないというのでしょうか。わかっているだけでも5人の福井県民にがんが発症した大事件であります。
 そこでお尋ねをいたします。労働災害は、労働過程が安全であれば、基本的に防げるものです。そもそも福井県として、誘致した企業がどういう製品を製造する会社なのか、その製品またはその製造過程で、今回のように発がん性物質など危険物質を扱う工程はないのかどうか、もし扱う場合には、労働災害を防ぐ予防措置がどのようにとられているのかという基本的な調査、確認の措置を怠っていたのではありませんか。県の見解をお尋ねいたします。
 また、アスベストの被害でも明らかなように、被害者はその工場の労働者だけに限られないおそれがあります。今回の工場でも、発がん性物質が舞い上がる中で換気装置を動かしながら作業をしていたそうであります。ということは、発がん性物質が広く工場の外に排出されていたと考えるのが妥当ではありませんか。アスベストによる肺がん認定では、工場から数キロの範囲で因果関係が認定されております。
 県として、直ちに国とも協議し、近隣の事業所の労働者を含めて、一定の範囲で膀胱がんなどの発症事例があるのかないのか、ほかの地域と比べてその発症割合が高くなってはいないのかなどを念のために調査することを求めます。県民の命と健康を守る立場から、迅速な対応を求めますが、見解をお尋ねいたします。

■プルサーマル

 次に、原子力問題で質問いたします。
 福島原発事故から3月11日で5年となり、6年目に入りますが、原発事故の復旧の道は遠く、土地や住居を奪われた住民の苦悩はますます拡大しています。安倍政権は、原子力規制委員会とともに、高浜1・2号機など老朽原発への再稼働も進めようとしております。
 福井県は、県民への説明会開催と意見交換の場を持つこともなく、高浜原発3・4号機の再稼働を認めました。しかも、福島原発事故以前よりも危険なプルトニウム利用のプルサーマル発電を拡大しようとしています。3号機では、プルサーマルの燃料棒を3倍にふやして、4号機では福島原発事故以前では実施していなかったプルサーマル発電を初めて実施します。
 関西電力や県は県議会に対して、福島原発事故以前よりも安全を重視しているんだということを強調しておりますけれども、肝心の核燃料については、専門家からも、制御棒のききが悪くなるとか、労働者被爆が増大するなどの批判がある危険な方向に拡大しようとしております。実際、福島県の原発事故でも、プルサーマル発電を実施していたところが一番放射線量が高くなっております。
 この点で、今回の再稼働は福島原発事故の教訓を生かしておりません。重大事故時には、普通の発電よりも被害を大きくする危険があるプルサーマル発電の拡大をなぜ福井県は認めたのですか。今からでも、新たに4号機でプルトニウム利用のプルサーマル発電を行うことは、県民の安全最優先の立場から、中止を求めるべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。

■原発輸出への協力問題

 また、ほかの原発立地県にはない危険な役割を福井県は担っていることも重大です。敦賀市にある福井県若狭湾エネルギー研究センター内に国際原子力人材育成センターをつくり、海外研修生を受け入れ、原子力発電の技術的研修、国民に原子力発電を理解させる手法の研修を行っております。福井県の資料では、この5年間で中国、ベトナム、インド、カザフスタン、カタール、スーダンなど、世界18カ国から350名もの研究者や研究生を受け入れております。原発の再稼働と原発の海外輸出を一体で行い、「国際原子力ムラ」、原発利益共同体の一員として、安倍政権とともに原発輸出促進のために相手国の人材育成を担っている状況であります。
 福島原発事故を起こした日本の欠陥技術を世界に拡散すれば、世界中に原発事故の危険を広げることにつながります。しかも、国際情勢の中でその国の政治情勢が変われば、福井県が協力した核技術が兵器転用などに進まない保証はありません。北朝鮮で問題になっているように、人工衛星の打ち上げの技術と攻撃ミサイルの発射技術のベースは共通であるのと同様です。
 西川知事、世界中に核を拡散させるこのような危険な役割からは手を引くべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 次に、教育行政について質問します。


■特別支援学校の寄宿舎について

 特別支援学校の寄宿舎についてであります。
 県議会の総務教育常任委員会でも視察を行いました。その役割、重要性について視察参加者が改めて認識したところです。しかし、特別支援学校13校のうち、寄宿舎があるのは6校のみであります。職員は、2000年には正規職員90名、臨時5名だったのが、現在は正規職員69名、臨時26名、非常勤2名という状況です。寄宿舎には209名の子供たちが利用しており、子供たちの自立のため、あるいは通学困難なためなどの理由が多くなっております。
 お話をお聞きした高校3年生の子のお母さんは、「中学校から寄宿舎に入れて6年目、私と重度の自閉症の子供の2人暮らしでした。寄宿舎に入れるきっかけは、医師から、同じ空間と生活パターンでは自立ができませんと言われたことです。宿舎生活の中で好き嫌いがなくなり、入浴、トイレなども改善しました。人間関係でも成長できた6年間でした」と語られておりました。要望として、「現在のお風呂は週2回ですが、毎日入れるようにしてほしい」ということでありました。
 また、中3の子のお母さんは、「中学校2年から寄宿舎に入れている」と。理由は、「スクールバスのルートが変更されて、送迎が難しくなったためです」と。「重度のダウン症で、家にいると同じことばかりしている。寄宿舎では、季節のお風呂があり、クリスマス会などを楽しんでいます」と話されて、要望としては、「トイレはぜひ洋式にしてほしい」ということをお聞きいたしました。
 また、「部屋以外の暖房がなく、お風呂から出たりすると物すごく寒い」と。「生活する場なので1番に考えてほしい」とか、「お風呂がサッシではなく木枠のガラスで、割れたことがある。安全面を強化してほしい」、あるいは、「給湯設備がなく、洗面所にお湯が出ない。子供のあかぎれが多い。泊まりの子は大変だ」とか、「天井から汚水が部屋に漏れてきて、異臭がすることもある。リフレッシュ工事をしてほしい」などなどの声もお聞きをいたしました。
 また、嶺南東では、「どんどん生徒さんがふえています。寄宿舎の部屋まで使って教育をしています。寄宿舎は1人3年間だけしか入れませんよと、こういう期限を設けないと、次の子が入れない、こういう状況です。寄宿舎の増築をやっていただきたい」という声もお聞きをいたしました。
 そこでお尋ねをいたします。教育予算の使い方として、さまざまな障害を持つ子供たちを支える立場で、県の教育施設である寄宿舎に対し、抜本的に強化策が必要ではありませんか。
 せめて、毎日お風呂に入れてほしいとか、洋式のトイレにしてほしいとか、朝の洗面でお湯を使えるようにしてほしいとか、何もぜいたくな要望ではありません。直ちに、親御さんと子供たちの願いに応えることを強く求めます。
 そのためには、寄宿舎内のトイレの洋式化や暖房を含めて、リフレッシュ工事を急ぐべきではありませんか。また、急増する利用希望者に対して、計画的な新設と増築を行うべきではありませんか。子供たちの日常を支える教育現場の貧しい現実こそ克服すべきではありませんか。
 予算配分と教育計画に責任を持つ立場になりました西川知事の責任ある答弁を求めます。

■再任用拒否問題

 次に、再任用を拒否している問題について質問します。
 歴代政権のもとで年金制度が改悪され、支給開始年齢が上がっております。60歳で定年退職となっても、年金はもらえないとか、2年間年金が当たらないとか、空白期間が生じるわけであります。本人が働き続けることを希望すれば、再雇用しなくてはなりません。今後は、この期間がさらに3年、4年、5年と長くなっていくわけであります。
 ところが、福井県では、希望しても再任用しないケースが少なくないとお聞きをいたしました。これが事実なら、役所が先頭に立って、県民の雇用破壊をすることになります。まさに、ブラック県庁、ブラック教育委員会と言われかねません。
 そこで、来月退職予定の人数、再任用の希望を出した人数、うち4月以降も再任用する人数を、知事部局と教育委員会とに分けて御答弁を願います。また、再任用を拒否する理由についても答弁を求めます。


■消費者教育推進計画について

 最後に、提案されております消費者教育推進計画について質問します。
 基本理念では、消費者と生産者、事業者にそれぞれ社会との関係での自覚を促し、豊かで発展し続ける安全で安心なふるさと福井を実現し、将来世代に継承していくことを掲げております。これは、消費者教育が消費者被害の問題にとどまらず、地域経済の循環型経済への移行や地域経済活性化など、地域全体を安全で豊かなものにしていく重要な意義を持つものであるとの認識に立脚するものと考えます。
 そこで、今回この計画策定に臨んだ西川知事としての課題の認識をお尋ねするとともに、今後の推進方向、特に教員研修と教材づくりが重要なポイントとなると思われますけれども、そのスケジュール、そして、仕事を進めようとすれば、その推進体制が必須ですが、県庁の消費者問題部局の拡充と消費者教育の拠点としての消費生活センターの拡充をどのようにするのか、お尋ねをいたします。
 各部にまたがりますので、知事にまとめて明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。

◯議長(仲倉典克君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 まず、安倍政権と県民の暮らし、特に農業について。
 TPPについて、県として、いろいろな影響試算について専門家の協力を得て、より精緻な対応をするのがいいのではないか、対策自体にも影響をするんではないかという御質問です。
 TPPによる本県農業への影響の試算についてでありますが、全国では現時点で18の県がお米を中心に影響をゼロとした国の試算方法に準拠し、影響額を公表しております。それから、他の9県では、県、農業団体がお米について独自の試算方式により算定をしていると、こういう状況であります。
 福井県は、これまで、本県の農業政策のさまざまアドバイスなどもいただいております、東京大学の農業経済学の鈴木先生の考え方を、いろいろアドバイスをいただきながら試算をしているところであります。本県が独自に試算するに当たりましては、他県の考え方や米の販売店、あるいは卸売業者の意見も参考にし、安価な輸入米との競合による価格低下を見込み、県内生産額の約5.4%、15.2億円という影響額を試算しております。鈴木先生の考えは、いわゆるTPPによる在庫量増加による価格低下の影響、また、価格低下が起こることによる次の段階の農家の生産額の影響、こういうものをあわせて計算をし、約16億円余りということになっているわけであります。
 次に、原子力発電の関係でありますが、福島事故が発生し、その後いろんな対応がなされているけれども、日本のこうした状況での技術を世界に広めるといいますか、いろんな人に教育をするというんでしょうか、そういう学習をするという、こういうことについては、いろいろ課題が多いんじゃないかというような趣旨の御質問だったかというふうに思います。
 世界のエネルギー状況を広く見ますと、特に経済成長が著しい東南アジア、あるいは中東の新興国では、増加する電力需要に対応し、原子力発電の導入が進んでいる状況であります。これらの国々が原子力発電を安全に整備し、運用していくことは、もちろんその国にとっても、また世界のエネルギー政策にとっても大事でありますし、安全にとっても重要でありますが、何といっても日本の安全にとって極めて関係の深い事柄でありまして、人材育成のことは喫緊の課題であると考えます。
 原子力に関する技術や安全文化というのは、一朝一夕ではできないことであります。県としては、IAEAなどとの連携をしながら、原子力の先進県である福井県であるからこそできるこうしたさまざまな技術や文化について、今後も国や電力事業者等とともに、国内外の原子力人材の育成拠点として役割を果たし、全体としての原子力安全を向上するといいましょうか、こういう努力をしてまいりたいと考えております。
 その他については、関係部長から答弁します。

◯議長(仲倉典克君) 総務部長東村君。
    〔総務部長東村健治君登壇〕

◯総務部長(東村健治君) 来月退職予定の人数、それから再任用を希望した人数、うち4月以降再任用する人数、または再任用を拒否する理由についてのお尋ねでございます。
 知事部局におきましては、今年度末に定年退職予定の88人のうち、17人から再任用の希望がございました。希望者に対しましては、これまでの勤務実績や面接による選考を行っておりまして、選考の結果、これまでの知識や経験を生かしていただけるものと考えまして、4月以降は希望者全員を再任用する予定としております。このことから、ブラック県庁と呼ばれる筋合いのものではございません。再任用後は、若手の育成やそれぞれの職場で能力を発揮することを期待しております。

◯議長(仲倉典克君) 安全環境部長櫻本君。
    〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 私からは、2点お答えをいたします。
 まず、福島原発事故から5年に関して、重大事故時に普通の発電より被害を大きくする危険があるプルサーマル発電の拡大をなぜ認めたか、新たに高浜発電所4号機でプルトニウム利用の発電を行うことは、中止を求めるべきではないかとのお尋ねでございます。
 高浜3・4号機のプルサーマル計画につきましては、国が平成10年12月に原子炉設計変更を許可し、県は安全性を慎重に確認した結果、平成11年6月に事前了解をしたところでございます。その後、平成16年の美浜3号機事故を受けて計画が中断しておりましたが、平成20年1月、県議会での御議論や高浜町の意見等を踏まえまして、計画を進めることを了承し、そして平成22年12月から平成24年2月まで、高浜3号機においてプルサーマル発電が実施されたところでございます。今回のプルサーマルにつきましても、規制委員会がMOX燃料の使用を前提に新規制基準の適合性を確認した上で、原子炉の設計変更を許可しております。
 そして、県としては、昨年11月、県原子力安全専門委員会において、関西電力からMOX燃料製造時の品質保証活動の実施状況等について説明を受けるとともに、燃料の保管状況を現地で確認したところでございます。
 次に、消費者教育推進計画について、この計画の策定に当たっての課題認識、今後の推進の方向、そして特に、教員研修と教材つくりが重要であり、そのスケジュールと推進体制、消費者問題担当部局と消費生活センターの拡充をどうするかとのお尋ねでございます。
 県といたしまして、今回の計画の策定に当たりましては、昨年1月から2月にかけて、県民3,000人を対象に、消費生活に関する県民調査を実施いたしますとともに、今回の計画について、県消費生活審議会において検討を進めてまいりました。
 その結果、今回の計画におきましては、消費行動の社会や環境への影響の理解の促進、世代ごとの消費者教育の提供、そして、高齢者の消費者トラブルの対策強化、この三つの課題の解決に重点を置くことといたしました。このうち、教員への研修につきましては、来年度、新たに、消費者教育に関する家庭科教員講座を開設いたしますとともに、児童生徒の教材につきましては、県の消費生活審議会に、教員、研究者を交えたワーキンググループを新たに設置して、教材開発、あるいは指導案の作成を行ってまいります。
 県消費生活センター等の組織、人員体制は、これまでどおり、維持、継続いたしますが、相談員に対する研修を強化するなど、一層資質向上に努めてまいります。
 また、高齢者と特にかかわりが深い福祉分野、あるいは民間事業者の方々等からなる消費者安全確保地域協議会を新年度のできる限り早い時期に設置いたしまして、高齢者の被害防止に向けた体制を強化してまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 産業労働部長田岡君。
    〔産業労働部長田岡卓晃君登壇〕

◯産業労働部長(田岡卓晃君) 私からは、三星化学工業福井工場における膀胱がん発症の問題につきまして2点お答え申し上げます。
 まず、県が誘致した企業がどういう製品を製造する会社か確認をしたのか、発がん性物資など、危険物質を扱う工程はないか、労働災害を防ぐ予防措置がどうとられているかなどの基本的な調査、確認についての御質問でございます。
 三星化学工業につきましては、昭和62年にテクノポート福井に立地した際に、染料、顔料の中間物を製造する企業であることを、提出された書面により確認をしております。その上で、県は、この立地企業に対して、地域社会の発展に貢献することを求めるために、立地協定を締結しております。事業所の中での安全操業のために、労働基準法、消防法などの関係法令を遵守し、万全の予防及び防止措置を講じるよう、確約をさせております。加えまして、事業所の外に扱われる物質が排出されることなどによる公害の発生の防止につきましても、同様の趣旨のもと、公害防止協定を締結しております。
 労働災害への行政の対応につきましては、特定の物質の取り扱いや予防措置を含め、労働安全衛生法等の関係法令に基づいて、厚生労働省が立入調査や措置命令などの権限を一元的に有しております。県としては現在、国がこの事案について調査に着手しておりますので、その推移を注視してまいります。
 2点目といたしまして、これの関連で近隣事業所の労働者を含む一定範囲において、膀胱がんなどの発症事例がないのか、他地域と比べ、大気中の発がん性物質の割合が高くなっていないのか、調査が必要ではないかとの御質問でございます。
 事業所の中での対応として、現在、厚生労働省は、労働安全衛生の観点から、同じ化学物質を扱っている全国57の事業所に対しまして、暴露状況、発症の時期、発生原因などについて調査を行っていると聞いております。まずは、その推移を注視してまいります。
 また、事業所の外への影響の対応でございますけれども、県におきましては、公害防止の観点から、取り急ぎ昨年12月24日に、環境政策課の職員が現地にて、排ガスは排ガス処理施設により処理していること、粉じんは、フィルターにより処理していたことを確認をしております。また、排水は、テクノポート福井浄化センター──下水道でございますけれども、下水道へ排出をされており、廃油は産業廃棄物処理業者へ処理を委託していることをあわせて確認をしております。

◯議長(仲倉典克君) 農林水産部長中村君。
    〔農林水産部長中村保博君登壇〕

◯農林水産部長(中村保博君) 私からは1点、TPP関連でございますが、農林水産部の基本計画では、農村地域に住み、従事する人口、新規就農者がどの程度ふえると考えているか、また、TPP対策とセットの基本計画は、人口減少対策と逆行する政策ではないかというお尋ねでございます。
 新規就農者につきましては、園芸カレッジなど、研修体制を近年充実させておりまして、県内外からの誘致を強化しておりまして、年間90人ずつ確保して、最低90人は確保できるという状況でございます。特に、園芸カレッジにつきましては、県外からのUターン、Iターンありますけれど、全く福井県に縁もゆかりもない方のほうが、逆に生徒に占める割合が多くなっている状況でございます。
 次に、水田大規模化のことでございますが、水田経営につきましては、今、規模の拡大、それからあわせて園芸の導入ということで進めておりまして、少数の生産者、つまり集中して効率的に米づくりを行うというのが基本になりまして、農地を出す兼業農家につきましては、農作業の従事ということで、あわせて園芸を導入しますので、そのネギ、キャベツなどの収穫や出荷作業に携わるという形で農業とかかわっていくという形をとっております。
 これにより、兼業農家にとってみますと、今まで個人負担として非常に重くのしかかっておりました農業機械を個人で持つ必要がなくなりますので、田植え機、コンバイン、トラクターとか、こういうものに関する償還だとか入れかえだとか、そういうような経費を負担しなくて済むというメリットがございます。
 一方、作業収入だとか田んぼの賃料は得られることから、これまでよりも所得をふやすことができるという状況でございます。
 実際にこれが実現している例が、集落営農法人で一例を挙げますと、経営規模が大体43ヘクタールあったものが50ヘクタールに拡大し、あわせて水稲に加えまして、ネギ2ヘクタール、里いも1ヘクタールを導入した集落がございます。これにより、当初、農作業従事者が25人でスタートしたんですが、それが35人にふえております。売り上げが全体で5,000万円から8,000万円増加しております。こういうことで、集落内の従業者数、所得ともふえておりますし、もちろん、集落内の人口につきましては減るということは起こっておりませんので、こういう例が幾つか出ておりますので、そういうものを検証しながら施策を進めてまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 教育委員会教育長森近君。
    〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 私からは、教育行政について2点お答えいたします。
 まず、特別支援学校寄宿舎などにつきまして、教育現場をよくすべきではないか、予算配分と教育計画との関係も含め、どうしていくのかというお尋ねでございます。
 来年度予算におきましては、昨年末に策定いたしました教育振興基本計画を着実に実行していくため、ふるさと教育の推進、また児童生徒の学力や英語力の向上、教育研究所の移転整備、さらには退職教員と外部人材の活用など、学校現場における新しい課題に対応した予算としているところでございます。
 その中で、学校施設につきましては、これまで、約10年間で110億円の予算で整備を進めてきておりまして、リフレッシュ、そして、特に安全を重視して、耐震工事を優先して行ってきたところでございまして、今年度で耐震が完了する、100%終了するということで、来年度以降は毎年約10億円の予算でもって、建物の経過年数、また緊急度等を考慮しながら順次改修を進め、施設の長寿命化を図っていくという考え方でございます。
 特別支援学校の寄宿舎につきましては、これまで4校について改修を行ってきているところでございまして、残る2校の寄宿舎についても、この改修計画の中で整備を行うことになっているところでございます。また、トイレにつきましては、寄宿舎全体で半数以上を洋式化しているところでございますが、学校からの要望等もお聞きしながら、必要な改修を進めてまいりたいと考えております。
 次に、教職員の来月退職予定の人数、再任用を希望した人数、またそのうちの4月以降も再任用する人数、さらに再任用の考え方についてのお尋ねでございます。
 本年度定年退職予定の教職員は191名でございまして、来年度、再任用を希望した人数は58名、そのうち48名を再任用する予定でございます。教員は、子供たちの教育の基本であるというふうに考えておりまして、再任用につきましても新採用の教職員の計画的な確保の必要、それから校種、それから教科によっては必要数より希望のほうが多いといった場合もあること、さらに、少人数の職種においては、希望勤務地と必要な任用とが合わないということで難しいという、こういうところを踏まえまして面接試験、また勤務地の実績等によって総合的に選考いたしまして、常時勤務、または短時間勤務での任用を決定しているところでございます。
 また、再任用として任用できない場合でも、常勤の講師、また非常勤講師、さらには児童生徒の今学習支援を行うシニアティーチャーなど、退職教員による多方面での学校教育に対する協力をお願いしているところでございまして、そうした面で、ぜひ期待もいたしているところでございます。

◯議長(仲倉典克君) 佐藤君。

◯16番(佐藤正雄君) 2点質問します。一つは、公害防止協定、三星化学との関係ですが、公害防止協定に基づいて立入調査もしたということですけれども、実際、膀胱がんが発生した作業環境で換気扇を回して外へ出ていたというようなお話もお聞きしているわけですが、そういうことはなかったということを、県は確認しているかどうか、このことを1点お尋ねします。
 それから教育長に、今、差でいうと10人が要するに再任用されなかったということなんですが、まだ子育て中の教員の人も再任用されなかった、非常に困っているというようなお話も具体的にはお聞きしているんですが、やはり、基本的に年金が当たらなくなるということですから、子育て中の世帯には大変これは大きな打撃になるわけですね。ですから、やっぱりそういう点でも基本的にはきちんと再任用していくということでやっていかないと、これからどんどんこういう問題というのはさらにふえてきますので、その辺の認識をお尋ねいたします。

◯議長(仲倉典克君) 安全環境部長櫻本君。

◯安全環境部長(櫻本 宏君) まず1点目、公害防止協定に基づいて、昨年12月24日に安全環境部の職員が現地に調査に入っております。その際には、この施設内の排ガス処理施設、あるいはフィルターが適正に設置され、稼働していたことを調査、確認しております。また、さらに、これは平成25年8月でございますが、同じ公害防止協定に基づいて職員が立入調査をしていまして、これは抜き打ちで行ってございますけども、こうした公害防止施設が適正に稼働していたことを確認しているところでございます。

◯議長(仲倉典克君) 教育委員会教育長森近君。

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 60歳で退任される方なので、今、子育て中というかどうか、ちょっとそこはわかりませんが、いずれにしても、先ほど申し上げたような形で選考しているということでございまして、いろいろ事情があれば、非常勤とか、先ほど申しましたシニアティーチャーとか、いろいろと、その方の勤務状況、働ける状況によって対応ができると思いますので、御相談いただければと思います。

参院選。日本共産党の勝利で危険な「もんじゅ」はきっぱり廃止の政治に変えましょう

2016年05月28日 | Weblog
  1兆円以上の税金投入してほとんど稼働できない原発「もんじゅ」について延命策も検討されているが、延命策を弄しても稼働できる可能性はほとんどないし、万が一稼働したら、ナトリウム事故ではとどまらない危険もある。
巨額の税金投入をつづけて、巨大な危険を準備するのは賢い選択ではない。

 5月臨時県議会でも自民党のもんじゅ延命の意見書に反対討論したが、決断の時でしょう。
参院選でも日本共産党の勝利で、税金の無駄遣い、危険な原発・核燃料サイクル推進の安倍政権に痛打をあたえましょう!


◆NHK・・・もんじゅ 文科省検討会が報告書「国は在り方検討を」

5月27日 19時07分

安全管理上の問題が相次ぎ、新たな運営主体を示すよう求められている福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」について、文部科学省の検討会は、外部の専門家が入る経営協議体を設置することなどを盛り込んだ報告書を取りまとめました。一方で、報告書では、今回の検討会が、もんじゅの政策的な位置づけについて議論したものではないとし、会合の最後に、複数の委員が、もんじゅの在り方そのものを改めて国が検討すべきだと意見を述べました。

「もんじゅ」を巡り原子力規制委員会は去年、運転を安全に行う資質を持っていないなどとして、日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を示すよう勧告し文部科学省の検討会が議論を行ってきました。
検討会は、具体的な運営主体は示しませんでしたが、27日の会合で、外部の専門家が入る経営協議体の設置や、外部に頼らない保守管理の体制作りなど運営主体に必要な条件を示した報告書を取りまとめ、有馬朗人座長が馳文部科学大臣に提出しました。
一方で、報告書では、今回の検討会が、もんじゅの政策的な位置づけについて議論したものではないとしました。
会合の最後に、有馬座長を含む複数の委員が、日本の今後のエネルギー政策やもんじゅの在り方について根本から改めて国が検討すべきだと意見を述べました。
文部科学省は、今後、具体的な運営主体を検討するとしていますが、こうした根本からの議論を求める声があるなかで、文部科学省の対応が問われています。


報告書の内容は

27日文部科学省の検討会が取りまとめた報告書では、もんじゅの新たな運営主体に必要な5つの用件を上げています。
今回の報告書では、まずもんじゅについて、▽使った以上に燃料を増やす高速増殖炉の技術と▽放射性廃棄物を低減する技術の「中核的な研究開発の場」だとして、原発事故後に見直された研究計画で示された政策上の位置づけを改めて示しています。
そして運営の課題として、▽保守管理をメーカーに依存するなど体制がぜい弱だったことや、▽保守管理への職員の配置が不十分で、電力会社やメーカーからの出向者が持つ知識や技術を定着させられなかった人材育成の問題、▽研究開発が優先され保守管理が十分に重要視されない組織運営の問題など、8つの項目を指摘しています。
そのうえで、新たな運営主体に必要な要件として、運転と保守管理の適切な実施を組織全体の目標と明確に位置づけて、外部に頼らない保守管理ができる体制や、日本原子力研究開発機構にしか存在しない燃料を冷やすナトリウムを扱う技術を引き継いで高度化すること、認可法人などを選択肢に上げて外部の専門家が入る経営協議体を設置することなど5項目を挙げています。
また、検討会で議論した多くの課題は、過去の改革でも同じように指摘されながら、改善が進まなかった背景については、「経営陣と現場の双方に徹底して取り組む意識と仕組みが不足していた」などとしています。


文科相「運営主体の特定作業進める」

検討会の終了後、馳文部科学大臣は記者団に対し、「安全が最優先であることが大事で、それを実行するための運営主体とは何か、専門的見地から指摘を頂いた。これを踏まえ、運営主体の特定に向けた作業を進めていきたい」と述べました。そのうえで、馳大臣は、新たな運営主体を示す時期について、「1日も早くというのが私の本音だ。わが国のエネルギー基本計画に関わる問題なので、関係省庁や、原子力規制委員会など関係機関とコミュニケーションを取りながら、丁寧に進めていく必要がある」と述べるにとどめました。


規制委「十分な議論が行われたのか疑問」

もんじゅの新しい運営主体について、原子力規制委員会は、文部科学省から具体的に示されたのちに検討するとしていますが、田中委員長は十分な議論が行われたのか、疑問を投げかけています。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は25日の記者会見で「もんじゅの安全とは何なのかという議論は少なくともされていないのではないか。炉心の詳しい状態も分からず、勧告に沿った議論がされているようには見えない」と述べ、安全を確保するためのより具体的な検討をしたうえで、運営主体を示す必要があるという認識を示しています。
勧告への回答のめどとしたおおむね半年がたっていることについては、新しい運営主体の明示は容易ではないとして、半年にこだわらないとしつつも、「1年も2年もたってからということではない」と述べています。
勧告では、運営主体が見つからない場合には、安全上のリスクを減少させるようもんじゅの在り方を抜本的に見直すよう求めていて、田中委員長は、「1つの例としては原子炉から核燃料を抜くということがある」と例を示しましたが、具体的な対応は文部科学省が検討することだとしています。


専門家「根本見直し議論なく残念」

文部科学省の検討会で行われた議論について、国の原子力委員会の元委員で長崎大学の鈴木達治郎教授は「もんじゅを含めた高速増殖炉や原子力の研究開発の在り方ひいては核燃料サイクルの在り方を根本的に見直すいい機会で、その議論をしたうえで運営主体を議論すべきだと考えていたが、そういう議論がされなかったことが残念だ。何のために運転をするかがはっきりししないと対策もとれない。発電と研究開発という2つの使命を抱えたまま新しい運営主体ができても同じような問題が起こるのではないか」と指摘しました。

街頭宣伝。再稼働反対金曜行動次回は200回目!ゆきんこ保育共同園総会

2016年05月28日 | Weblog
昨日は、鈴木市議や山田参院比例候補との街頭宣伝。戦争法廃止へ、横山たつひろ候補と比例代表・日本共産党の躍進を訴えました。




 夕方は、再稼働反対金曜行動。199回目です。いよいよ次回は、200回記念!
もんじゅの延命などがはかられようとしていますが、もういい加減にすべきです。
 熊本地震などをみても、人知が解明できていない巨大地震がどこで起こるかわかりません。原発再稼働はやめるべきです。
 次回、6月3日は、こぞって福井県庁、関西電力前でおこなわれる再稼働反対金曜行動にお集まりください。




 夜は、地元のゆきんこ共同保育園の総会に、山田参院比例候補、西村・鈴木両市議とともに参加しました。
山田候補は自らのこどもたちが10年間、ゆきんこ保育園にお世話になった思い出にもふれながら、戦争に向かう政治を変えよう、とよびかけました。私は、安倍政権や福井県がすすめようとしている保育基準の切り下げなどを批判し、ゆきとどいた保育は正規の保育士さんの拡充でこそ、とお話しさせていただきました。