前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会9月、予算特別委。原子力防災、40年超運転問題。寄宿舎指導員採用。教員過労自殺問題。

2016年11月24日 | 福井県政
2016.10.06 : 平成28年予算決算特別委員会 での佐藤正雄議員の質疑を紹介します。

◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 先日、10月2日に敦賀駅前にある福井大学附属国際原子力工学研究所の公開イベントがあって参加した。この施設は県内エネルギー研究開発拠点化計画の平成28年度推進方針でも、原子力プラント核燃料サイクル原子力防災危機管理にかかわる教育研究体制を確立し、国際協力のもと、日本及び世界の原子力の安全性向上を図る研究、国際的に活躍できる人材の育成を推進すると位置づけられている。原子力の拠点で開催される公開講座は、イベントであったので、行政関係者、電力事業者、市民の方など、相当の参加があるのかと思って参加したが、全く逆で、現在の「もんじゅ」廃止の議論の反映かもしれないけれども、たそがれを感じたわけである。原子力防災についての公開講座の先生も、広い教室にぱらぱらであったので、余りの参加者の少なさを嘆いておられた。
 私は午後に行ったが、2階、3階の学生の皆さんが展示をして解説するコーナーでは、見学者が私1人という時間帯もあった。であるから、私も極力、学生の皆さんと話をさせてもらった。県も敦賀市も文部科学省などに対しては、いろいろと苦言を言われるわけであるが、県民理解という割には、足元の企画に協力姿勢が感じられないと感じた。学生との話の中では、一所懸命に今原子力を学んでいる熱い姿勢も感じた。
 私は、原発再稼働に反対し、原発ゼロを目指す立場ではあるが、しかし、多くの原発があり、これから大量の廃止時代に入る、また核燃料物質があり、事故対策と避難計画も整備しなければならないという点で、若い学生の皆さんが真剣にこういう課題に取り組んでいる姿を目の当たりにして、福井県内でこういう皆さんに活躍していただくことは極めて重要だと改めて認識した。
 であるから、学生の皆さんには励ましの言葉をかけた。ある学生の展示の中に、学生のスケジュール表があった。授業の時間、研究の時間とともに、アルバイトの時間もあった。そこで「自分の楽しみのためのアルバイトか」と質問したところ、即座に、「いえ、親に負担ばかりかけさせられないから」との返答であった。いろいろ話を聞くと、福井大学の場合、福井市の文京キャンパスで教養課程を勉強し、そして原子力安全工学コースの学生は、3年次から敦賀市に引っ越して、研究所での学生生活を送るとのことである。であるから、必ず引っ越ししなければならないという費用が発生するわけである。
 調べてみると、同様に、福井県立大学海洋生物資源学部では、1年生は永平寺のキャンパスで勉強し、2年次からは小浜のキャンパスになるので、これも必ず引っ越ししなくてはならないことになる。敦賀市には看護大学もあるけれども、下宿代が高いので、金沢市や滋賀県から毎日通学する学生もいるとのことで、学生生活もなかなか大変である。
 そこで知事に提案をしたいと思うのだが、福井県のいろいろな、広い意味での原子力の将来、水産の将来を考えて、アルバイトで生活を支えている学生の支援として、いわば強制的に引っ越しが必要となる福井大学と県立大学の学生について、引っ越し費用の助成制度をつくって支援をしたらどうかと思うが、見解を尋ねる。


◯総務部長  引っ越し費用に助成をとの提言であるけれども、県立大学においては海洋生物資源学部の学生が小浜キャンパスに進級する際の引っ越し代の一部、1万円を上限にしているけれども、これを支援している。それから、福井大学においては、今委員から示された学科の学生であるけれども、工学部の学生が敦賀キャンパスへ移動するのは今の1年生が3年生に進級する平成30年からであるので、今のところ対応は未定と伺っている。


◯佐藤委員  県立大学では1万円を上限にしているということで、さすがであると思うが、最近、学生の貧困ということもいろいろと言われているので、これからもしっかりと手当を考えていってほしいと思う。
 それではさらに具体的に質問するが、自然災害時の住民の救援には、地元の消防団も大きな役割を果たすわけだが、原発事故災害時における消防団との連携はどのように考えているのか、また、8月末の防災訓練ではどのような活動が行われたのか伺う。


◯危機対策監  原子力の災害時において、消防団の方には、県から市町の消防を通じて要請を行い、その要請を受けて、要支援者や住民の方の避難誘導、あるいはその情報伝達において、役割を担っていただいている。今回の8月に行った訓練においても、消防団の方161名の方が、実際、避難指示等の広報並びに住民の避難誘導等についての訓練に参加していただいている。
 また、避難先での住民の受け入れの場面においても、避難所の円滑な誘導であるとか、あるいは夜間の安全確保といった面では、受け入れる側の消防団の方も重要な役割を果たしているし、さらに事態がある程度安定した段階での復旧段階、こういったところでも、消防団の方には、我々も大きな期待をしているし、そういう活動をしていただいている。
 そういうことで、県では消防団に対しては、避難誘導活動に必要な資機材、例えばトランシーバーであるとか、ヘッドライト、そういったものを整備する際の支援を行っている。加えて、県の消防学校においては、特に分団長などを対象に避難誘導や情報伝達の研修を実施している。


◯佐藤委員  実際に、消防団の方がそういう誘導、要支援者等の活動に携わる場合に、ヨウ素剤の服用配備というのはどういう体制になっているのか。


◯健康福祉部長  申しわけない。調べて後ほど回答する。


◯佐藤委員  事実上はされてないと思うのである。調べてみると、例えば舞鶴市役所の職員は原発事故災害出動前にはヨウ素剤を服用して出動する、それから消防団には消防署が届ける手はずになっていると聞いた。福井県では、今言われたように、実際にはこの放射線防護対策がとられないまま百六十数名であるか、仕事をさせられる。これは実際の原発事故であったら大変である。そうであろう。こういう無責任なことをやっていたらいけないと思うのだが、どうか。きちんと改善してほしい。


◯危機対策監  消防団の方の防護対策であるけども、消防団の方の活動をやっていただく際の、例えば防護服、防護マスクは消防本部、線量計はオフサイトセンターに配備をしているし、それについては、消防長の指揮のもとに活動していただくわけであるから、当然、出動の際にはオフサイトセンターあるいは消防本部から、そういった必要な装備はして、必要な場合は、現地に入っていただくことになると思う。


◯佐藤委員  最初は放射能漏れでなくても、大地震ということで出動する。ところが、時間の経過とともに原発も事故を起こすことも想定されるわけであるから、そういう点を考えて、先ほどの質問にもあったけれども、なるべく身近なところにヨウ素剤も配備して、服用可能にしておくことが危機管理上非常に大事だと思っている。
 それから次に、高浜原発3・4号機の特定重大事故の施設、特重施設について、厚生常任委員会で理事者が「非公開の部分もあるけれども、県の原子力安全専門委員会でも報告審議する」と答弁をした。
 そこで尋ねるが、最終的にこの特重施設で事故の進展が過酷事故になるのを抑制することもあるということか。


◯安全環境部長  特定重大事故等対処施設というのは、委員も承知のように、原子炉への故意の大型の航空機など、そういうテロによって、原子炉を冷却する機能が喪失する、あるいは炉心損傷が発生するおそれがある場合や、その炉心損傷した場合に備えて、格納容器の破損を防止するための機能を有する施設と定義づけをされているところである。
 この施設には、電源、それから格納容器への注水設備とともに、これらの機能を制御する緊急時制御室を設置することが求められている。しかしながら、厚生常任委員会でも話したように、テロに関する施設であるので、具体的な設置位置、具体的な仕様といったところは非公開の部分があるので、我々としては公開されている部分で、確認できる部分はしっかり確認していきたいと考えている。


◯佐藤委員  具体的な内容はなかなか公開されない部分があるということなのだが、例えばこれは、インターネットで公開されている中国電力の特定重大事故等対象施設についてという資料であるが、これは誰でも見られる。インターネットで公開されている。どこにつくるか、場所も公開されている。どういう内容に備えてどういう施設をつくるかも公開されている。であるから、関西電力は非公開であるけれども、中国電力はなるべく情報を公開しているということか。


◯安全環境部長  どういう施設をつくるかということで、公開される部分については、我々もしっかり確認をしていく。それがどのように使われるかとか、そういうことも含めて非公開の部分もあろうかとは思うけれども、確認できる部分は専門委員会でしっかり確認していきたいと考えている。


◯佐藤委員  今言われたように、実際、ブラックボックスが大きくなるようでは県民としても不安なわけである。であるから、いざというときには、ここが最終的に安全を確保するかなめになることもあり得るわけだろう。


◯安全環境部長  テロ対策の整備のことであるが、本来の新規制基準では、非常用ディーゼル発電や電源車、恒設の注水ポンプや可搬型注水ポンプなど、電源とか冷却の多重化、多様化がしっかり図られている。それ以外に、テロに対応するものということで、特定の施設がつくられているということであるので、我々としては公開の範囲の中でしっかり確認をしていきたい。


◯佐藤委員  知事に尋ねるが、先日、稲田防衛大臣に、自衛隊を福井県に誘致して、原発の防護体制も強めてほしい、避難体制も強めてほしいという要望をしたと新聞で報道されていた。それで、今やりとりしたこの特定重大事故も想定されるということだろうと思うのだが、やはり、県の専門委員会としても、この内容はきちんと確認しないと、再稼働の判断にも影響するということか。
 要するに、知事は先日、原発防護、避難体制という点で、自衛隊を嶺南につくってほしいと要望したであろう。であるから、今、そういうテロ対策などを含めた原発の施設で、今、議論していたわけである。であるから、こういう施設の内容が本当に県民の安全を守る内容になっていることを県の原子力安全専門委員会で確認されない限り、再稼働の判断はできないであろうと尋ねているのである。


◯安全環境部長  防衛大臣に要請したのは、本県として住民の避難等にかかわるものであり、ヘリコプターとかいろいろな航空機等が、悪天候の中でもきちんとバックアップできるような体制を要請したわけであり、テロの話を要請したわけではない。


◯佐藤委員  では、この特定重大事故に備えた施設については、知事としては確認できなくてもいいというわけか、そうではないだろう。やはり、こういう施設をつくる以上は、きちんと多重的につくられて、安全性がより担保されることが確認されることが必要なのだろう。


◯知  事  国や関係する省庁、所管の者がそれぞれ分担して全責任を負っているわけであって、我々は我々として責任を負う分野を全うするということである。その範囲とか限界については、今、安全環境部長も言ったように、さまざまなチェックをしていくということである。


◯佐藤委員  範囲の限界と言われたけれど、そういうことで最初からブラックボックスがつくられてしまうようでは、いざというときに県民の安全にも責任を持てなくなるという危険が浮き彫りになったので、やはりこの点はきちんとチェックをしてほしいと思う。
 それから、関西電力は原子力事業者防災業務計画を策定し、美浜の原子力事業本部が活用できなくなった場合に、大阪本店を代替の施設として、移転訓練も行っていると聞いた。これは原子力災害で言えば、どういう事態を想定して移転訓練を行っているのか、また移転し、大阪本店での指揮機能が動き始めるまでの所要時間はどの程度と見ているのか伺う。


◯安全環境部長  まず、大前提であるけれども、関西電力の場合には、美浜に原子力事業本部があるので、原子力災害時には、美浜町の原子力事業本部と、さらに大阪の本店の両方に対策本部が設置される。そこで、両方が情報を共有しながら、一義的には、まず、美浜の原子力事業本部が発電所を指揮、支援をする。その場合に万が一、原子力事業本部の建屋が使えなくなったときには、そのときには既に本部には対策本部が立ち上がっているので、そこから指揮とか支援をするということである。


◯佐藤委員  もともと大阪にあった原子力事業本部が美浜町に移転した。事故が起こったときに、大阪と美浜の両方に対策本部が立ち上がるということだが、スタッフはどうなるのか。


◯安全環境部長  例えば、美浜の原子力事業本部には副社長がしっかりそこにいるとか、本店のほうには社長がいる。スタッフということでは、まずは発電所である。発電所が最初に制圧をするのである。発電所の所長に相当の権限を与えて、そこがやるということである。そこに対して、支援とか指揮とか、そういうものをしていくということであるので、制圧という意味では発電所で完結するものである。


◯佐藤委員  そういうことであれば、その防災業務計画でわざわざ移転訓練も必要ないということになってしまうので、議論の前提が崩れてしまうのだけれども、関西電力としてはそういうこともあり得るという、万が一の場合を想定して、移転訓練も行っているわけである。それで、伺うけれども、美浜の原子力事業本部がそういう移転をしなければいけない事態とは、どういう事態なのか。


◯安全環境部長  具体的なこういう場合にということを想定しているものではないが、例えば、建屋が使用不能になるといった、万が一のことも考えて、そこで指揮できなくなる要員が本店のほうに行くこともあるだろうと、想定の訓練をしているということである。


◯佐藤委員  なぜこういう質問をするかというと、きのう、原子力規制委員会は、美浜発電所3号機についても、まだ審査は残っているという報道であるけれども、適合との方針を出した。であるから、美浜の本部は、大飯発電所、高浜発電所とは距離があるけれども、美浜発電所3号機はある意味では近距離なわけであるから、私はやはり、原子力事業本部の近距離での原発再稼働は論外だということを、これまでも言ってきたわけである。この場でも言ったと思う。であるから、東京電力と福島発電所との距離は一応あったということで、指揮がうまくできたかどうかは別にして、そういう関係があると思うのである。そういう点で、高浜発電所1・2号機、今度は、美浜発電所3号機と、次々と老朽化原発を動かしていくと、老朽化原発のほうが、俗っぽく言えば、老朽化であるから、どうしても事故の確率も高くなるということも言えると思うのである。いろいろ手当はするだろうけれども、中心部の炉心は手当はできないということもあるわけであるから、そういう点で、よりリスクが高まるものを次々と再稼働していくという点では、知事は再稼働の判断と改良工事に入るかどうかは別だと、原子力規制委員会が認めたら入ってもらえばいいのだという立場であるけれども、原子力事業本部がすぐそばにある美浜発電所3号機まで、老朽化原発まで動かすことは、そもそも問題だという考えはないか。


◯知  事  美浜本部の場所とその話は直接は関係ないと思う。


◯佐藤委員  5キロ圏、30キロ圏、PAZ、UPZとして議論しているわけである。事故と距離が関係ないというのはおかしいのではないか。


◯知  事  関西電力は、大阪の本店と美浜の原子力事業本部の双方、そしてプラントの3重体制を組んでいるわけであるから、その3つの体制の中でやろうということなのである。であるから、いろいろな場合は想定されるけれども、それぞれが相互に、あるところで問題が起きたら、他のところが補完をすると、そういう訓練なり、あるいは想定なりをしているということである。


◯佐藤委員  では、知事に尋ねるけれども、今言ったように高浜発電所1・2号機、美浜発電所3号機、次は大飯発電所1・2号機ということになってくるのかもしれないけれども、本来、60年運転というのは例外だと言われていたわけである。40年が一応原則であると言われていたのが、福井県でも3基も60年運転が認められて、工事が始まろう、あるいは始まっているということについて、おかしいと思わないか。


◯知  事  40年超運転はこれから判断するわけであるから、それはそれとして議論しなければならない。


◯佐藤委員  結局、この60年運転を、40年超運転をなし崩し的に認めているという点では、知事の姿勢は重大だと思う。そういうことで、2年後、3年後に工事が終わってから、結局、原子力規制委員会が認めたのだから再稼働を認めるという方向になっていくという点では、原子力規制委員会もいいかげんだと思う。原子力規制委員会の広報室長も何と言っているかというと、「我々は再稼働の可否については判断しない。残るリスクと得られる便益の比較によって判断してもらえればいいのである。責任は持たない」と言っているのである。要するに、関西電力がもうかると判断すれば、事故の起こる確率、リスクと、関西電力のもうけと、それを判断すればいいみたいなことを平気で言っているわけである。だから私は規制委員会も非常に無責任だと思うし、そういう老朽化原発の工事入りを次々に認めていくという知事も無責任だと思う。そう思わないか。


◯知  事  原子力規制委員会に言ってもらって結構であるし、我々は議会とともにいろんな判断をするわけで、我々の判断にかかわっているということだと思う。


◯佐藤委員  これについてはまだ、引き続き議論していきたいと思うけども、福島原発事故を受けて、もともと40年と決められた制限がなし崩しに撤廃されていくことは許されないと思う。

        「教育行政について」


◯佐藤委員  それから、次に教育行政について質問をする。
 私はこの間、寄宿舎教育を語る会などで、寄宿舎指導員の皆さん、子供を寄宿舎に預けておられる親御さんたちと懇談をしてきた。また、盲学校の学校公開イベントにも参加をした。改めて、寄宿舎の重要性を痛感している。昨年の教育常任委員会では、視察も行って、寄宿舎指導員採用を要望し、一部実現をした。
 そこで確認であるが、昨年の総務教育常任委員会で理事者は、寄宿舎指導員について、「今年度は若干名で募集をかけているところであり、計画的に採用していきたいと考えている」「今後とも計画的に採用していきたいと考えている」と繰り返し答弁し、議会に約束をしている。この方針に変更はないことを確認したいと思うが、答弁願う。


◯教育長  特別支援学校において寄宿舎は、障害を持つ児童生徒の自立、また社会参加に向けた支援をするという意味で重要であると考えており、現在、寄宿舎指導員95名であるけれども、そうした方が対象の児童生徒に対する生活指導など、大きな役割を担っていると認識している。
 寄宿舎指導員の採用については、昨年度2名を採用しており、今年度においても採用試験を実施する方向で、今、進めているところである。退職者の動向等を踏まえながら、計画的に採用していく考え方である。


◯佐藤委員  議会でもいろいろな議員から、障害者教育の充実等々も語られているけれども、そういう支える場であるので、ぜひ、よろしくお願いしたい。
 それから、質問が変わるが、ことし2016年3月末までの過去10年間で、知事部局、教育委員会、県警察、それぞれの自殺された方の数は何人か。うち公務災害として認定された方は何人か尋ねる。


◯総務部長  平成18年度から平成27年度までの10年間に、知事部局において自殺された方であるけれども、4名である。自殺事案で公務災害に認定されたものについては、地方公務員災害補償基金において回答しない対応としているので、知事部局、教育委員会、県警察を含め、自殺事案による公務災害の認定件数については回答を差し控えさせていただく。


◯教育長  教育委員会における過去10年間の自殺者数は9名である。


◯警察本部長  県警察職員の過去10年間における自殺者数は1人である。


◯佐藤委員  公務災害が──世間で言えば労災である──認定された人数が公表されないというのは、いかがかと思う。今、それで議論しても、全国的にそういう対応をとっているのであれば、また調べたいと思うが、今、答弁があったように、教育委員会が一番多いわけである。
 先日もマスコミで報道されたが、上中中学校教員の自殺について、公務災害認定が先月6日付で出された。教員を志望して4年間の臨時採用を経て、ようやく念願の正採用となり、その年に長時間の時間外労働で精神疾患を発症し、自殺に至った残酷さ、無念さを思うと、言葉もない。
 議会でも、私や同僚議員の皆さんが繰り返し教員の過重労働の改善問題を取り上げてきた。軽減策の実行を訴えてきた。今回、このような過重労働が原因で若い新採用教員の自殺者を出したことについて、教育長の反省と改善策を尋ねる。


◯教育長  今回、若狭町の中学校において日ごろから熱心に教育に取り組んでこられた現職の教員が亡くなられたことは、まことに残念であると思っている。
 小中学校の教員の服務監督は、市町の教育委員会の権限であって、今回の事案については所管する若狭町が調査を行い、そして学校に対して長時間勤務の縮減など、業務改善策を指示しているところである。
 勤務時間を縮減するためには、まず学校の現場にいる校長、また教頭が教員の勤務状況を把握し、その上で新採用の教員に対する助言など、教員同士が相談、また協力できる職場づくりを進めるのが一番大事であると思っている。県としても、全ての教員の出退時間の調査をこの年始めているし、校長を対象とした学校運営の研修なども実施するとともに、現在、部活動指導への支援、またICTを活用した事務の効率化、それから勤務時間外の保護者からの相談対応にもいろいろな工夫が要るということで、今後もそうしたことを通じて業務の改善に努めていきたいと思っている。


◯佐藤委員  今回の自殺された方の公務災害の理由書も読ませてもらったけれども、この理由書を見れば、父親だと思うけれども、出勤時間は午前6時半から午前7時ごろが常態化、退勤時間も午後9時から午後10時半ごろで、午前0時を過ぎることもあったと、これは長時間労働が原因であるからそのように書かれている。
 では、こういう長時間労働はこの先生だけの問題かというと、そうではない問題だと思うのである。これは、中学校だけではなく、小学校でも高校でも、時間の長短は多少あるだろうけれども、同じような状況があることは調査でも明らかになっていると思う。
 今言ったようなICTの活用で事務の効率化とか、そういうことだけで、本当に超勤時間が減らせるのかというと、そうではないと思う。現場の教員が、どこで一番、仕事のやりくりに困っているのかというのは、どう把握しているのか。


◯教育長  ことし5月にも調査をしているけれども、その中では、授業準備のための教材作成とか次の日の授業準備といったものに時間がかかっていることが一番の原因になっている。もう一つは、中学校で一番多くなっているけれども、中学校は部活動があって、大体、6時半とか7時まで教員がそれに携わっていて、その後にそれをするということで、どうしても勤務が長くなっている状況があると理解している。


◯佐藤委員  これは組合の調査であるけれども、現場の先生は教育長の認識とは違うようなのである。アンケートがとられていて、多い順に二つをみると、ぜひ組合として改善に取り組んでほしいという第1点は、教員の定数をふやしてほしい、時間数を削減してほしいというのが873人、それから県が押しつけてくる事業の廃止とか削減をしてほしいというのが706人、これは重複しているけれども、そういう回答である。それから多忙化の要因として何があるかという調査では、国や県がおろしてくる各種事業への対応がトップで554人、それから2番目が、授業以外の会議や打ち合わせの時間が多いというのが498人である。
 現場の教員は、国や県からのいろいろな事業やアンケートなどをもう少し減らしてもらうのが一番ありがたいと思っているのである。こういう認識はないのか。


◯教育長  先ほど申し上げた結果は、我々がことし5月に教員全員に聞いた結果であり、そういう傾向が出ている。部活動のことも影響があると出ており、ここ数年、校長会とも一緒になって、学校現場全体でいかに削減するかという相談もしている。ことし4月にはリーフレットにして、具体的に、各学校で会議を減らそうとか、黒板を使ってそこにメモで書いて済ませるものはこうしようとか、我々も、いろいろな調査文書などの削減もやってきたし、ある程度の進化はしてきていると思っている。
 今言われたように、いろいろな調査はあると思うが、我々としては、過去の調査は一部の取り組み、部分調査であるけれども、今回、全員に対して行っているので、その中ではそのような結果が出ていた。ただ、今言われたような意見もあると思うので、我々もそれも参考にしながら、全体としてきちっと対応していく。
 教職員の数の問題については、我々も国に対しても要求しているし、福井県独自でも県単で教員をふやしているけれども、皆さんも国に対してぜひ言っていただいて、ぜひ、ふやしてほしいというのが我々の気持ちである。


◯佐藤委員  そこで、県独自テストが始まったけれども、これについても1つ質問させていただく。
 これは教員からも生徒からも、あまり評判がよろしくないと思うのである。例えば、「自分のためのテストなのか、県のためのテストなのか」と生徒から聞かれたという声がある。それから、教員からは「どの教科も平均点が30点から40点台というテストをやる意味があるのだろうか」とか、「テストをやることが最初に決まって、目的は後づけである。非常に迷惑している」という声が現場から出されているのである。
 それで、内容の問題だけではなく、通常の学校の仕事に加えて、問題作成を現場の教員に強制していることも問題があると思う。テスト問題の作成委員の教員が交通事故を起こした。その交通事故を起こした教員の方は、自分がこんなに疲れているとは思わなかったと述べていたそうである。もうこんな現場の教員を、いじめることはやめてほしいというのが、現場教員の知事と教育長への強い要望だと思う。
 そこで尋ねるが、問題作成委員の教員は何人で、その作業にかかわる時間外手当は何時間分、幾ら支給されたのか、答えてほしい。


◯教育長  この独自テストは、センター試験等を応用しているので、生徒にとっては実際の入試問題を解くということで、早期に進学意識が高められ、弱点の強化もでき、そして学力を高めることにつながっていくと考えている。また、教員にとっても、問題解説、それから問題作成の中で、いろいろな指導力の向上につながっていると思っている。
 先ほど言われたようなことを、我々のところでいろいろと聞いてみると、先生方からは、試験の作成等の中で、いろいろな学校の先生と一緒に話すことができるので、非常に参考になる、また生徒からも、早い時期にいろいろな試験があるので、自分の弱点が見つかって助かるという意見も聞いている。
 これについては、5教科で80名の方が携わり、作成会議、分析等で数回集まって、大体午後の時間からやり始め、時間内に終わっているのがほとんどである。ただ、一部の教科では非常に熱心にやったことで、時間を超過した部分もあると把握している。
 先ほど言われた事故の件についても、その前日にやっているけれども、2時から始めて8時までやられたと聞いているが、その週について調査をすると、いつも8時までには学校から帰られている状況なので、直接それが該当しているのかどうかは我々にはわからないけれども、そういう状況である。


◯佐藤委員  時間が来たので終わるが、8時に学校から帰っても、それから仕事があるのである。だからもっと生徒に向き合わせてほしいというのが、現場の教員の声であるということを再度申し上げて、終わる。

福井県議会9月、新幹線対策特別委。敦賀開業時の在来線特急存続

2016年11月24日 | 福井県政
2016.09.28 : 平成28年新幹線対策特別委員会 での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。

◯佐藤委員  促進ではないのだけれども建設に関して、敦賀以西をつくる必要がないという立場なので質問しにくい部分もあるが、今の議論を聞いていて思ったのは、福井県の周りで福井県と一緒にやってもらう県がいないということである。石川県も米原ルートで、滋賀県も米原ルートで、京都は舞鶴ルートだというようなことで、なかなか大変だと思う。
 先ほど国土交通省の話が出たので確認したいのだが、国土交通省の手続は常識的に言うと、公共事業では鈴木委員が指摘したB/Cが1を下回っているような公共事業は認めないというのが、1つの基準としてあると思う。福井県としては滋賀県が発表したB/Cが間違っているなら間違っていると言わなければいけないし、試算がおかしいと言わなければいけない。もし滋賀県が発表したB/Cが本当なら、1を下回るような公共事業はそもそも通らないという可能性が高いのではないか。この基本的なところはどうであるか。


◯新幹線政策監  国土交通省が出そうとしているのに滋賀県出したということで、滋賀県は国土交通省に呼ばれたらしいけれども、国土交通省の調査結果こそみんな待っているのであって、滋賀県の発表に余りピリピリする必要もないのではないかという感じである。


◯佐藤委員  確認だけれども、B/Cが1を下回るということになると、ルートの認可の上では非常に不利になることは間違いないのか。


◯新幹線政策監  B/Cが1を超えるということが着工条件5条件の1つであるから、それは当然だと思っている。


◯佐藤委員  そうすると、どうしても今の滋賀県と国土交通省の試算がどうなるかというのが1つのポイントになってくるので、ここでの議論ももちろんあるけれども、冷静に事業判断としてどうなるのかということが大事になってくると思っている。
 それとあわせて、今ルート問題でいろいろ議論になっているが、大阪までつなぐということであるけれども、大阪の姿がまだ議論の中では見えてこないわけである。たしか以前、大阪府の前の知事は、滋賀県に対して米原でいこうと。金も300億円、400億円、負担する義務はないけれども、それを大阪府が出すよと。米原でいこうじゃないかと。こう言っていた時期がある。
 当時の福井県議会の議長に対しても、福井県の議長さんと一緒にやろうと。これからは大阪と福井が仲よくやろうということで、声をかけられたというような話があるわけである。要するに、関西圏ということでの大阪としては、福井県を取り込みたい──いろんな意味でということだと思うけれども、大阪の動きについてはどういう認識であるのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  今、委員が言われたのは、以前、関西広域連合は米原ルート支持であったが、JR西日本が小浜京都ルートという案を出した時点で、それは一旦白紙に戻そうということになって、現在、大阪府においては、松井知事が常に言っているのは、早くつないでくれと。大阪府の職員とも同盟会でも一緒になるし、またいろいろ行き来しているのであるが、何しろ早く敦賀から、できたらすっと京都、大阪というふうに通ってもらいたいようなイメージは我々持っている。


◯佐藤委員  福井県の印象はそうである。なぜこういうことを聞くのかというと、正式な文書ではないだろうが、当時の大阪府知事の「もし米原ルートなら大阪府も300億円、400億円、滋賀県だけに負担はさせない」という正式にコメントした内容が生きてくるかどうかということも1つの要素になってくると思う。この辺はどうなのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  先ほども言ったが、関西広域連合全体で予算、財源というものを持とうという話があったけれども、一旦白紙に戻したので、それはもうなくなっている。


■敦賀開業時の特急存続問題

◯佐藤委員  鯖江市の話について、一般質問でもさせてもらった。部長からは簡単な答弁をもらったが、鯖江市長はどう言っているかというと、改めてだが、約6年半後の平成35年の春、新幹線敦賀駅開業により現在のJR北陸線は経営分離される。JR鯖江駅にはサンダーバードもしらさぎもとまらなくなる。関西中京圏の移動は敦賀駅でサンダーバードやしらさぎに乗りかえなければならない。並行在来線の経営分離の条件として、従前機能が維持されることを条件に同意しているが、フリーゲージトレインが敦賀開業に間に合わない状況であることや、敦賀駅での乗りかえでは新幹線ホームと北陸線特急ホームとに高低差があること、在来線駅までに距離があることなど、ホーム間の移動負荷は極めて深刻である。関西中京圏からの旅客利便性確保のため、何としても福井駅までの特急存続をお願いしていかなければならないと。こう言っているが、この牧野市長の主張は間違っているのか。


◯新幹線政策監  間違っているかどうかというよりも、国土交通省に行くとよく言われるのは、フリーゲージトレインを別に諦めたわけではないと。フリーゲージトレインはことしの秋、技術評価委員会をやってきちんと検証していくことになっている。JR西日本も決してフリーゲージトレインを諦めているわけではない。ただ、そのあたりを非常に危惧して、鯖江市長が発言しているのではないかと思うけれども、国土交通省もJR西日本もフリーゲージトレインはまだ諦めてないということを言っている。


◯佐藤委員  JR西日本の社長も敦賀開業にはフリーゲージトレインの開発は間に合わないと言っているわけだから、こういうことになるわけである。そこはお互い矛盾しないと思う。


◯新幹線政策監  そもそも前倒ししたときに、フリーゲージトレインは間に合わないということは公になっていて、ただ、極端なこと言えば、開業3年後ぐらいからはフリーゲージトレインをというのは当然、県民皆期待している。そこでの話だと思うのである。


◯佐藤委員  フリーゲージトレインを諦めてないと今言ったが、敦賀駅に試験センターみたいなものをつくったけれども、実際、今は試験などはやっていないわけである。要するに九州のそういう状況があるから、事実上、保留になってる状況があるわけではないか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  敦賀駅の実験棟だけれども、実際やっていないわけではなく、雪があったときにはいろいろとやっている。確かに今九州でとまっているということがあって、JR西日本のほうでは続けてはいるけれども、やはりそちらのほうの状況を見ているというのが今の状況というふうに聞いている。


◯佐藤委員  フリーゲージトレインの開発が仮に成功したとして、福井県が望んでいるように大阪までの一日も早いフル規格開業ということになると、フリーゲージトレインの運行期間は何年ぐらいを想定するのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  まず、フリーゲージトレインだけれども、ことしの秋に技術評価委員会で走行試験の再開を決定する。冬になるかもわからないけれども、そこで大体フリーゲージトレインの今後の見通しが立ってくるので、平成36年度末に量産体制がとれると、九州では今言っているわけである。平成34年度の開業時になると1~2編成が間に合うかという状況であるので、今回の秋の評価委員会の結果をまず待ってみないとわからない。


◯佐藤委員  今言ったように、県が望んでいるように大阪までフル規格開業をすることになれば、フリーゲージトレインそのものが運行する期間というのはそう長くはないわけである。であるから、そういう点では、JR西日本にとっても必ずしも開発に多額の経費をかけて、車両を今言ったように大量生産して、乗り入れたのはいいけれども10年もたたないうちにお払い箱というようなことになっては、これははっきりいうとJR西日本にとってもありがたい話ではないと思う。その辺は県はどう認識しているのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  確かに、JR西日本の社長は車両の使用期間が10年、20年ではということは言っているけれども、今新幹線政策監が言ったように、国もフリーゲージトレインを諦めていないし、JR西日本もこの前の会見でもまだ諦めたとは言っていない。そのあたりは民間であるので、採算性もいろいろ考慮をしながら、考えているとは思っている。


◯佐藤委員  そうであるから、当たり前であるけれども、JR西日本にとって不利なことは余りやりたくないわけである。県は公共だから、そういうことはあまり考えないかもしれない。JR西日本は民間だから、もうからないこと、不利なことはなるべく避けたいということが働くと思う。今のサンダーバードにしても、しらさぎにしても運行実績はあるし、JR西日本もどんどん新聞広告を出してPRしている列車なわけであるから、これを当面存続という選択肢で、それはもちろんJR西日本に全部おんぶにだっこというわけにはいかないだろうけれども、前回も言ったように一定のスキームを国につくってもらって──これは国の責任である。福井県の責任ではないので、国につくってもらって考えるということが、乗りかえの利便性が低下するのを防ぐという点では、一番ベストな考えである。つまりフリーゲージトレインができないなら、当面はこれまでどおりやってくださいということが一番ベストではないかと思うが、そういう認識ではないのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  新幹線政策監も先ほど言ったけれども、整備財源に影響する、貸付料に影響するとか、いろいろと課題がたくさんある。そういうこともあるので、今検討委員会で乗りかえ利便性ということを議論しているところであるので、お金のかかることでもあるし、そこでしっかりと議論していただきたいというふうに思っている。


◯佐藤委員  一般質問でも紹介したけれども、国土交通省に行ったときにこういう要求した。最初、国土交通省の鉄道局の方は何と言ったかというと、「それはJRと福井県さんで相談してください」と、そういうような話であったのである。福井県だけの問題ではなく、北陸、京都、大阪を含めた広域の問題だから、ちゃんと国が責任をとらないと誰がとるんだという話をしたら、「それもそうである」ということになる。
 そういう意味では、向こうもうそはつけないわけである。理屈としてはうそは言うわけにはいかないので、一定の理解はしてもらえるわけである。
 であるから、ここはやはり福井県だけではなく、敦賀から以西は意見の違いがあっても、変な話であるけれども、当面のサンダーバードの存続ということでは意見の違いは多分ないと思うのである。そういう点をしっかりと明確にすれば、石川県とも、京都府とも、意見の違いはないと思うのである。ルート問題では意見の違いが生まれるだろうけれども、フリーゲージトレインが接続できない間は、当面サンダーバード接続でいこうということに対して、石川県や京都府も反対する理由はないと思うのである。
 それこそ、一致点をつくって協力し合っていくと。問題はいろいろあるかもしれないけれども、利便性という一致点では協力し合っていくという取り組みが必要ではないかと思うが、どうか。


◯新幹線政策監  例えば金沢までそういう話をすると、はっきりいって年間102億円の貸付料は一体どこから生まれてくるのかということになるわけで、そういうスキームをちゃんと守ってくださいということを、我々も国土交通省からやかましく言われている。なかなかそれは難しい話だと思う。


◯佐藤委員  今言ったように、財源の問題は国の責任であり、福井県の責任ではないのである。今は福井県がお金のことをどうするんだと心配することでなくて、我々は利用者の利便性をまず心配する。利便性が悪くなるような鉄道ではだめだということを心配する。今言ったようにフリーゲージトレインができないのは国とJRの責任だから、金の問題は国とJRで責任をとりなさいよということを主張するということで、シンプルにいけばいいと思うのである。
 あれこれ考え出すと切りがないわけだから、やはり国が逃げないように、国の責任を明確にしていくということでないと、仮に敦賀開業が順調にいったとしても、フリーゲージトレインは当面間に合わないわけだから、関西からこちらへ来るお客さんにも大変迷惑をかけるし、こちらから向こうに行く県民の利用者にも不便をかけるわけである。とにかく当面は緩和しようということで、鯖江市もああいう主張もしているわけだから、これは検討しても、余り冷たい態度をとらずになるほどということで、一肌脱ぐということが必要ではないか。


◯総合政策部長  本会議でも丁寧に説明したつもりであるけれども、今、福井駅先行開業等検討委員会のペーパーの中に、新幹線と並行在来線の接続のあり方等について意向を踏まえ協議を促進するとあって、その中にはそれも一応論点として残っているということである。
 であるから、検討委員会の議論でやってもらいたいという意味でいうと、そこは、県としてもちゃんと議論してもらいたいということは申し上げていることである。一方で、そこを今、声を大きくして言うことは、先ほど議論があったように、敦賀までの整備であるとか、敦賀以西の整備のスキーム全体、あるいは財源に大きくかかわる問題であるので、そこを一緒になって言うということではなく、それはそれで議論検討の課題としてはあるけれども、まずは敦賀まで、そして敦賀以西を小浜京都ルートできちんとやるというところに集中しなくてはいけないのではないかというのが、私どもの認識である。


◯佐藤委員  部長の立場も理解する。表に出ないところで、せめて事務レベルぐらいでは、そういう相談も各府県としてもらってもいいのではないかと思っている。
 あわせて先日、西川知事と滋賀県知事が会談したのであるが、どこかの新聞が大きく載せたのであるけれども、しらさぎのスピードアップ、これは具体的にはどういうことで、どうやろうとしているのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  しらさぎのスピードアップだけれども、まず基盤強化がある。それと、区間、区間を見ていくと、曲線が悪い点もあるのでそのところを何とか改良できないかとか、基盤強化できないかというような話があったと伺っている。


◯佐藤委員  お金はどこが出すのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  費用については、いろいろあるわけであるが、基本的には沿線自治体とJRと国庫があれば国庫ということである。それぞれによってどこをどういうふうにやるか、またはどういうものを使うかということで、基本的にはこの3つがある。


◯佐藤委員  自治体とJRと国からお金を出してもらって、そうやってスピードアップするという発想は、非常にいいと思うのである。サンダーバードでも同じようなことは可能であるのか。


◯総合政策部企画幹(新幹線建設)  基本は一緒だけれとも、サンダーバードは十分速度がある。100キロぐらいはある。


◯総合政策部長  しらさぎについては、部分的に非常に遅いところがある。スピードが出ないところがある。特に、米原─名古屋間はぐねぐね曲がっていたり、あるいは坂が急でスピードが出ないというような課題があるものだから、そういう課題を一個でもいいから潰していって、スピードアップを図ることは、滋賀県民にとっても、福井県民にとっても共通の利益になるのではないかということで話題になったわけである。


◯佐藤委員  最後にするが、JRの関係者に聞くとサンダーバードについてももっといろいろ考えればスピードアップもできるというような話もあるので、あわせてまた議論していってもらいたいと思っている。
 それと、JR西日本が関西アーバン地区みたいな発想を持って全駅300ぐらいに番号を振ってオリンピックに備えるという話があるが、聞いてみたら、関西地区というのは福井県でいうと敦賀駅までらしいのである。要するに敦賀駅までのJR西日本の管内の駅をナンバーリングして広報し、オリンピックで来る外国人観光客などに大いに利用しやすくしようということであるが、ナンバーリングするなら、敦賀駅でとまるのではなく、福井駅、芦原温泉駅も含めて、なるべくJR西日本管内の駅には全てナンバーリングしてもらって、世界に向けてアピールしてもらう。福井駅もある、芦原温泉駅もあるということで、広くPRしてもらうということはJR西日本にお願いできないものであるか。


◯交通まちづくり課長  JR西日本とは、適宜要望や意見交換をしているので、そういったことは我々も研究して、JR西日本に適宜要請していきたいと思う。


■人口減少のなかで
◯佐藤委員  私も一言、言わせてもらうけれども、問題意識は今の大森委員と共通する、人口減少みたいにぴったり一致する。
 国土交通省へ行ったときにも、福井は京福鉄道が潰れて、えちぜん鉄道を第三セクターで頑張ってる。今度は北陸本線を第三セクターで見なければいけないと、もたもたしていると越美北線、小浜線もどうなるかということになってくるだろうと、どうしてくれるのかと言ったのである。国土交通省は何と言ったかというと、「それは地域の問題だけれども、例えば1つの鉄道会社にしたらどうか」などといいかげんな話をするわけである。
 であるから、本当に自分らの地域のことは自分らで考えないと、国任せにしておくと本当にとんでもないことになると思う。


◯総合政策部長  大体、我々が思うようなことをかわりに言っていただいたというところである。この特別委員会では並行在来線の話であるのだが、実際のところは言われるように、新幹線、並行在来線、福井鉄道とえちぜん鉄道、それから越美北線や小浜線などのいろいろな地域交通全体をどうしていくかというのは、新幹線が来るとき、あるいはいろんなプロセスの段階で最適なものを探していかないといけないということは間違いないと思う。そこはまたぜひ議論しながら進めていきたいと思う。


福井県議会9月、健康福祉部関係。原子力防災訓練、ヨウ素剤、国民健康保険

2016年11月24日 | 福井県政
2016.09.27 : 平成28年厚生常任委員会及び予算決算特別委員会厚生分科会 健康福祉部関係での佐藤正雄議員の質疑を紹介します。


■ヨウ素剤、河内川ダム
◯佐藤委員  平成28年度9月補正予算案説明資料10ページの原子力緊急時安全対策事業について、このゼリー状安定ヨウ素剤はどのような方法でPAZ圏内の各戸などに配布されることになるのか。


◯地域医療課長  毎年秋に、嶺南各市町で説明会を開いて錠剤を事前配布しているが、今回その説明会に合わせて、このゼリー状ヨウ素剤を事前配布したい。
 また、UPZ圏については、各市町と相談し、現在錠剤が備蓄されている場所に同様に備蓄したい。


◯佐藤委員  お菓子のようにそのまま飲み込めるような形でパックに入れて配るのか。


◯地域医療課長  細長いこんにゃくゼリーのような形になっており、それが箱に入っている。それを備蓄しておくが、一人一人に配布するときには、必要な細長い袋だけを配布することになる。袋を破ればすぐ飲むことができる形である。


◯佐藤委員  3歳未満の乳幼児を対象としたものが、なかなかないとのことであったが、今回このように実施されることは、ある意味大きな前進だと思っている。ただし、間違って服用すると問題であるので、その辺の対策をお願いしたい。
 また、同説明資料12ページの水道水源開発施設整備事業について、費用割合に基づく関係市町の負担金に対する補助の補正との内容であるが、関係市町とはどこで、どの程度負担金がふえるのか。それに対して、この補正予算額390万円を補助するものか。


◯医薬食品・衛生課長  対象は小浜市と若狭町の1市1町である。
 河内川ダム建設事業費が増加すると、その水道にかかる費用の負担割合に基づき補助金額も増加する。平成28年度当初の河内川ダム建設事業費は27億9,100万円であり、小浜市と若狭町の負担率8%を掛けると、2億2,328万円が水道の負担金となり、県の補助金額はその3分の1の7,442万6,000円であった。今回、ダムの事業費が29億4,000万円となり、1億4,900万円の増額となるので、それに伴い市町の負担金は1,192万円の増額、県の補助金額は397万4,000円の増額となり、7,840万円になる。


◯佐藤委員  ダムの事業費が上がった分、市町の負担がふえるから、今回補助するとのことであるが、そもそもこの水道水が必要なのか。
 小浜市議会等でも議論があり、小浜市が今使用している地下水の容量を改めて調査したところ、ダムの水を使わなくても大丈夫だとの結果が出たと、報道も含めて聞いた。だから、この負担自体が非常に問題だと思うが、県の認識はどうか。


◯医薬食品・衛生課長  報道はあったが、小浜市からは計画内容にこれまでと何も変更はないと聞いているので、県としては、河内川ダムの水を水道水源として使うと考えている。


■民生委員
◯佐藤委員  第57号議案について、県全体として民生委員の定数がプラス25人であるが、地域によってふえたところと、減っているところがあるのであれば、概要を教えてほしい。


◯地域福祉課長  地域によって増減がある。ふえているところは、福井市、敦賀市、大野市、鯖江市、越前市、永平寺町、若狭町である。逆に減っているところは、池田町の1町である。


■県立病院
◯佐藤委員  1点目は、陽子線がん治療センターについて、金沢大学附属病院への外来設置の働きかけなど、いろいろ取り組んでおり、北陸の施設と訴えていくとのことである。本県の立場としては、そのようなアピールとなるが、石川県や富山県にとって、当然、患者が治癒することは大きなメリットであるが、プラスアルファのメリットを何か考えてPRしているのか。
 2点目は、先日、当委員会で静岡県の2つの病院を視察したが、医師や看護師の訓練施設があり、注射や手術、先ほどの腹腔鏡など、いろいろな訓練ができるようになっていた。県立病院には、そのような訓練施設があるのか。技術の向上を考えれば、今後、看護師もふやして、PNS看護で教え合いながら運営していく面はあると思うので、訓練施設の設置は大きなメリットがあると思った。
 3点目は、我々が政治家であることもあると思うが、静岡県の病院の院長は、経営に打撃であるので、とにかく消費税10%は勘弁してほしいと強く言っていた。県立病院としては、この消費税自体についてどのような認識か。


◯県立病院事務局経営管理課長  1点目の陽子線がん治療に関するメリットについては、まず、金沢大学附属病院に外来が設置されれば、石川県内の病院や開業医が、福井県まであえて紹介する必要がなくなる。一旦、金沢大学附属病院の外来に紹介してもらい、患者に診察を受けてもらった結果、陽子線がん治療に適応するのであれば、当病院に紹介してもらう流れになるので、石川県民、富山県民にとって、陽子線がん治療の相談窓口が近くにできたことで交通の便が非常によくなり、大きなメリットがあると思う。それが先進医療を受けられるチャンスにもなると思う。
 2点目について、研修室ではないが、多目的室や会議室等において、看護師が注射の打ち方など、いろいろな内容の研修している。現施設の中で新しい部屋をつくるのはなかなか難しいため、多目的室等を利用している。


◯県立病院事務局長  消費税について、税率が5%から8%に上がったときには、診療報酬に消費税への転嫁分として1.3%が措置された。それが十分であったかとの議論はあるが、今後、いつ10%に上がるのかわからないけれども、その際には、そのような面のさらなる対応を国に要望していきたい。


◯地域医療課長  西川知事が会長である全国自治体病院開設者協議会で、5月と11月の2回、国に要望を行っているが、この中で、消費税は損税として、自治体病院には損になっているので、診療報酬の上乗せではなく税制として抜本的に見直してほしいと要望している。今後、11月にもあるので、引き続き要望していきたい。


■原子力防災訓練
◯佐藤委員  一般質問もしたが、先日行われた原子力防災訓練におけるヨウ素剤の服用について、京都府での対応と福井県での対応が異なっていた問題がある。福井県では、スクリーニング・除染をして、ヨウ素剤を配付しながら、指示があるまで飲まないようにとの文書を渡している。京都府では、そのようなことはしていない。常識的に考えれば、放射能が漏れたとの事故想定による訓練であるから、飲まないようにとの文書を配ること自体がおかしいと思うが、改めて見解を伺う。


◯地域医療課長  今回の訓練における安定ヨウ素剤の扱いについては、事故発生から数日後にOIL2、1時間当たり20マイクロシーベルトの空間放射線量との想定の中で、事前に国から安定ヨウ素剤の配布指示は出すが、服用までは至らないとの想定とすることについて、高浜エリアの地域防災原子力協議会において内閣府が協議の上で決定しており、事前に福井県、福井県内の市町、また京都府に対しても、その確認は行われている。
 当日の訓練についても、災害対策本部長である内閣総理大臣からの訓練指示書は、安定ヨウ素剤の配布を受けて、1週間以内に一時移転すること、一時移転する際には避難退域時検査、つまり、スクリーニングをすることという内容となっている。
 だから、8月27日の訓練では、この点について、京都府も含めて、皆統一した認識で実施しており、あくまでも配布のみの訓練であった。実際に服用が行われたと事後に聞いているが、これは京都府内の市町が独自に実施したものと聞いている。


◯佐藤委員  今ほどの答弁のとおり、福井県と県内市町、京都府を含めた関連する自治体が意思統一して実施したのであれば、意思統一の仕方、打ち合わせがまずかったと思う。
 例えば、9月の若狭町議会では、若狭町環境安全課長から、服用の指示までに至らなかったこととスクリーニング場所で簡易除染訓練を行っていたことは、訓練全体としての統一性を欠いており、今後は一貫性のある訓練の実施を県に求めていくとの答弁があった。現場の地元町にとっては矛盾することを国からさせられたと、町民の間でも矛盾を感じたとの答弁である。
 放射性ヨウ素を多く吸入する24時間前にヨウ素剤を服用すれば、90%は排出できる。モニタリングで、もうこの場所は汚染されているとわかったときに飲んでも、排出されるのは半分以下になってしまうので、誤解を恐れずにいえば、放射能漏れが起こる事態になってきたときに服用してもらったほうが、住民の甲状腺被曝を防ぐ観点からはより望ましいと思うのである。
 だから、福島原発事故の教訓として、ヨウ素剤は避難所に運び込まれたけれども、誰も服用の指示をしなかったために、積んだままであったとの話はあるので、今後の訓練において服用訓練も行う必要があるがどうか。
 もう1点は、ヨウ素剤を配付したときに問診はしているのか。要は、ヨウ素に対するアレルギーの確認はしたのか。


◯地域医療課長  今回の想定はヨウ素剤の配布のみと国からの事前協議があったが、一昨年度と昨年度の訓練では配布と服用の両方を行っている。その協議の中で、やはり服用まですべきではないかとの提案もしたが、あくまでも今回は配布のみとの想定となった。
 委員が言われるとおり、服用の訓練も必要であるので、次回の訓練の前にはきっちりと誤解のないように協議をしていきたい。
 また、問診については、今回、車の窓越しの配布と、屋内で聞いてから配布の二つのパターンがあったけれども、その場所でアレルギーの状況がわからないときには、医師等に相談する体制をとっていた。そのようなことがなければ、訓練員の判断で配布し、持参して避難してもらう簡易問診の方法であった。


◯佐藤委員  これも京都府の例であるが、アレルギーや必要性など、3つの質問項目に基づく簡易問診で渡したと聞いている。再々行うことができる訓練ではないので、量の問題も、質の問題も、できる限り実践的に緊迫感を持って実施してもらうことが今後も必要だと思う。部長に答弁を求める。


◯健康福祉部長  ヨウ素剤について、それを飲むタイミングも極めて重要であり、配布はするが、服用は国の原子力規制委員会から指示があるまで待てというケースもある。そのような想定もする必要があるので、今回、配布のみで服用指示をしない想定のもとで行った。ちなみに、昨年度の愛媛県で行われた国主催の総合防災訓練も、同様に配布のみで服用指示は出ていない想定であった。
 一方で、委員が紹介された若狭町課長の答弁を踏まえれば、現場職員が、そのような指示待ちでの配布のみの訓練であることを理解した上で、避難想定者にいかに対応できるかも重要であり、今後は、ヨウ素剤に限った個別的な訓練や研修も必要だと思うので、それらの中で関係職員の習熟度を高めていきたい。


■国民健康保険
◯佐藤委員  先ほどの部長報告において、国民健康保険については、10月に国から保険料の算定システムが配布され、これで試算するとのことであった。
 これに関連して、制度改革において資産割が廃止されるとのことであり、単純に考えれば、土地、家屋などの資産を持っている人は減税になり、借家住まいで自前の土地、家屋がない人は増税になる。保険税額が急激に下がったり、上がったりした場合の激変緩和対策はどうするのか。
 また、現在、福井市や敦賀市などにおいて、国民健康保険税がどんどん高くなることを抑える目的で、一般会計から繰り入れをしている。制度は県で統一されても、各自治体で住民に配慮した施策を継続していくことも必要だと思うが、考え方はどうか。


◯長寿福祉課長  国民健康保険制度改革に関して、まず、保険料の算定方法については、これまでに担当者会議を3回開催し、県から示す標準保険料率は3方式で考えていることを各市町に説明し、それについて事務レベルではおおむね了解を得ている。実際に採用する方式は市町が決定していくが、県全体の方向性として、将来的には市町が設定する保険料も3方式にしてもらうよう進めている。
 その経過措置については、9月に行った課長級の会議でも、すぐに3方式に移行することになれば、資産割の割合が多い市町には影響が大きいので、移行期間を設けてほしいとの要望もあった。今後、どれくらいの期間で資産割を廃止し、3方式にしていくかについては、市町と相談しながら決めていきたい。
 また、一般会計からの繰入金については、平成26年度は8市町で14億円ほどの一般会計から国民健康保険特別会計への繰り入れを行っており、保険料を抑えている。安定的な国民健康保険財政を進めていくためには、国民健康保険特別会計の中で財政が均衡することが理想的であるので、将来的には一般会計からの繰入額は縮小していく方向で、市町に依頼している。
 こちらも、平成30年度からすぐに繰り入れをやめることになると、その分保険料が格段に上がってしまうので、市町にある程度判断等をしてもらいながら、繰入額を削減する方策について、県が定める個々の運営方針等で示していきたい。


◯佐藤委員  厚生労働省では、子供の多い自治体には、平成30年度から国民健康保険特別会計への支援を強めるとの計画があると聞いたが、どのように実施されるのか。


◯長寿福祉課長  今、報道の詳細は把握していないので、確認後、説明する。

福井県議会9月 安全環境部関係。もんじゅ、原子力防災訓練問題など

2016年11月24日 | 福井県政
2016.09.27 : 平成28年厚生常任委員会及び予算決算特別委員会厚生分科会 での佐藤正雄議員の質疑を紹介します。


■防災拠点への再生可能エネルギーの導入、年縞事業について

◯佐藤委員  平成28年度9月補正予算案説明資料3ページの再生可能エネルギー導入推進事業の内容は何か。


◯環境政策課長  再生可能エネルギーを活用するものであり、主に太陽光発電と蓄電池のセット、ソーラー外灯、木質バイオマスボイラー等を防災拠点に導入する事業である。


◯佐藤委員  防災拠点への導入について、具体的に教えてほしい。


◯環境政策課長  避難所や県外から応援に来た自衛隊の活動拠点等を対象に、電線が切れても夜間に電気がつくようにするなど、防災拠点の強化を目指して導入する。


◯佐藤委員  趣旨はわかるが、例えば、大規模地震災害等が起こったときに、1週間分の灯油などを備蓄して、その場所で指揮をとることができる、あるいは避難生活ができるように考えることが普通だと思う。太陽光発電の普及は大事であるが、そのような防災拠点を太陽光発電頼みにするのか。
 太陽光発電の普及と防災拠点の強化は考え方を区別するものであるが、防災拠点に太陽光発電も必要だと思うけれども、その辺をオプション的に行う発想か。


◯環境政策課長  避難所も含めた防災拠点は、例えば県の主な施設については、そのほとんどにバックアップのための自家発電設備が既に整備されている。今回の事業では、それがまだ整備されていないところに、太陽光発電等の導入を行うものであり、全部を再生可能エネルギーで賄うわけではない。


◯佐藤委員  災害対応であるので、ベースはきっちりと整備しておいてほしい。
 次に、同説明資料4ページの「年縞」活用推進事業について、今ほど地盤の関係で事業費が膨らんだとの説明を受けたが、今後も事業費が膨らむ可能性はないのか。
 また、この年縞研究展示施設の場所は若狭町が整備した縄文博物館があるエリアであり、全く異なる地盤ではなく、事前に地盤の状況がわかっていたと思うが、なぜそのような食い違いが出てきたのか。要は、なぜ縄文博物館を建設したときの地盤に関する資料に基づいて積算をしなかったのか。


◯自然環境課長  地盤については、隣にある縄文博物館の基礎のくいが大体50メートルの深さまでとなっている。その縄文博物館からはす川、三方湖方面に、ボーリングで詳細に地盤調査をしたところ、さらに深く沈み込んでいることが、設計のさなかで明らかとなり、現在、今回の年縞研究展示施設の最も深いところで75メートル程度の地盤の深さが予想されている。このように思った以上に地盤が沈み込んでいたことも踏まえて、公共施設としての信頼性を確保するため、くいの部分に十分な強度を持たせるよう、予算の増額をさらに要求したところである。
 今後、くいのコストが増額となる可能性については、ボーリング調査の結果を踏まえて十分な余裕を持たせている。


◯佐藤委員  隣の縄文博物館はよい施設であるが、物足りなさもある。これほど貴重なエリアにしては、もう少し充実させてもいいと思っていたし、今回の施設だけで集客できるのかと何回か質問をしている。縄文博物館とのタイアップを含めて、総合性を考えて対応してはどうかと思うが、その辺の考えはどうか。


◯自然環境課長  年縞自体も、過去7万年、詳細にわかっているところは5万年と縄文時代も含めた人類の歴史と大分重複しているし、隣の縄文博物館と一体的に人の流れをふやしていくことについては問題意識を持っている。さらに縄文ロマンパーク一帯とこれに隣接する道の駅、県が縄文プラザの2階で運営している里山里海湖研究所も含めて、この展示施設の整備に合わせて、エリア全体の人の流れをふやす方策について検討していきたい。


■災害時対応強化事業

◯佐藤委員  今ほど、県からの派遣との説明であったが、阪神淡路大震災のときは、朝方であったから、兵庫県庁の職員のうち緊急事態として参集した割合は、たしか3割台だったと思う。消防については8割ぐらいが集まったと記憶をしている。
 だから、局地災害は別として、県都を含めた大災害のときに県庁職員を派遣するといっても、時間帯によっては参集自体が難しいこともあると思った。消防や警察、自衛隊など、日ごろから実動部隊として訓練している部署は災害時も対応できるだろうが、県庁職員の特に事務職などは、訓練のときは集まっても、災害時に県内各地から職員がすぐに集まって動くことができるかといえば、なかなか難しい点もある。
 その辺は、いろいろなパターンが必要であり、ワンパターンだけで動くことは難しいと思うが、これまでの災害の教訓等を収集した上で、対応は考えているのか。


◯危機対策・防災課長  災害時の職員の対応については、昨年、県でBCP、業務継続計画を策定しており、その中で自宅からの距離に応じて、例えば、県庁に参集できる人数が何人ぐらいで、また、1時間後、3時間後、6時間後と経過時間ごとの参集人数も想定しながら、業務について災害対応に当たる職員と、通常業務に当たる職員に仕分けして、できるだけ機動的な体制をとることができるようにしている。
 参集拠点ごとに、訓練あるいは初動対応の中では、別に初動班を設けて、まずは初動班の職員が初期的な対応に当たった上で、近いところから参集してきた職員に、順次役目を与えながら、非常対応に当たることができる体制にしている。
 また、今回の事業の支援班については、ぎりぎりの人数ではなく、4班体制を想定しており、各市町の被害状況を考慮しながら、その班体制の中で必要な分だけを派遣する。さらに、予備も含めて60数名の職員を事前登録しており、その職員は何かあったときには支援の準備をする。現在、総務部とも調整しながら、準備を進めている。


■「もんじゅ」について

◯佐藤委員  本会議への意見書案の提出を決めた議会運営委員会でも発言したが、新型転換炉についても、福井県で「ふげん」を運営していて、大間でいよいよというときに、経済的に考えても、電気事業者が引き受けて運営することにならなかったため中止になって、現在、その「ふげん」が廃止措置になっている経緯がある。「もんじゅ」も同じ流れになってきていると思うのであるが、県としては同じ認識か。


◯原子力安全対策課長  21日の原子力関係閣僚会議のときに、我が国はエネルギー基本計画に基づき核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むという方針を堅持することは明確になっている。その方針においては、高速炉開発会議の中で、研究開発の進め方について「もんじゅ」も含めて議論してもらうことになると思っているので、委員が言われるとおり、高速炉開発や核燃料サイクルがなくなるとの認識は持っていない。


◯佐藤委員  事業者が引き受ける見通しがないものを開発しても、しようがないと言っているのであるが、その辺はどのような認識か。


◯原子力安全対策課長  高速炉開発会議は、経済産業省、文部科学省のほかに、日本原子力研究開発機構、事業者として電力事業者、プラントメーカーも構成員として入り、今後の高速炉の開発について議論することになっているので、その中で事業者の考え方も聞くことになると考えている。


◯佐藤委員  関西電力も含めて電気事業者が皆加入している電気事業連合会という組織がある。同連合会のホームページには、核燃料サイクルについての説明がある。昔は核燃料サイクルの中核の一つに「もんじゅ」、高速増殖炉が位置づけられていて、その核燃料サイクルの輪が回ると、県議会も説明を受けてきたし、県も説明をしてきている。しかし、現在は同連合会のホームページの説明において高速増殖炉は消えている。だから、電気事業者としては国民に対して、核燃料サイクルの中に高速増殖炉は位置づけていないと示している。
 今後、国の議論はいろいろとあるだろうが、そのような流れがあることを認識して、福井県も対応していくことが必要ではないか。


◯原子力安全対策課長  先般、国に対して知事も申し上げているけれども、「もんじゅ」については、「もんじゅ」なしで核燃料サイクルが回るのかどうか、仮に「もんじゅ」を廃炉にするのであれば更地にするのか、「もんじゅ」を活用するとすればどのような方法があるのか、現在、それらがわからずに、唐突に原子力関係閣僚会議が開催されて、「もんじゅ」について廃炉も含めて見直しとなっている。その過程でどのような議論があり、今後どのようなことを考えていくのかなどについて、国も含めて確認して、事業者の考え方もあると思うが、その上で今後の高速炉開発を考えていく必要があると思う。


◯佐藤委員  9月6日に「もんじゅ」において火災があった。先日、電気事業者から説明を受けたが、原因は調査中とのことであった。その後、県として、その原因についてどのような報告を受けているか。


◯原子力安全対策課長  9月6日に「もんじゅ」の環境管理棟の環境分析室でごみ箱から出火したものについては、現在、日本原子力研究開発機構として可燃物等、科学反応等の調査を行っているとのことであるが、消防にも通報している案件であり、消防でも確認が進められているとの認識である。


◯佐藤委員  20日以上たっても原因さえわからないということか。


◯原子力安全対策課長  現在、化学薬品等の化学反応等についての調査を行っているところであり、原因が特定されていないと認識している。


◯佐藤委員  いろいろなトラブルやミスがある中で、このような案件一つをとっても、20日以上たっても火事が起こった原因がわからないようでは、一つ一つ信頼をなくしていく要因にもなっているので、県としても厳しく指導してほしいがどうか。


◯原子力安全対策課長  「もんじゅ」については、今ほどの火災以外にも、さまざまな誤表示やトラブルが、最近も含めて起こっている。私も日本原子力研究開発機構の管理者を呼んで、ナトリウムや原子力を扱う上での管理も当然であるけれども、日ごろの事業者としての管理、両面を徹底するよう指導している。


■老朽化問題、広域避難訓練問題

◯野田委員  高浜1・2号機の40年超運転に関して、先ほど部長から、県も了解したとの経過報告があった。1号機の原子炉容器の脆性の問題、劣化の問題について、県原子力安全専門委員会、あるいは県はどのような認識で判断に至ったのか。


◯原子力安全対策課長  原子炉容器の材料が中性子の照射を受けることで、その材料の粘り強さが徐々に低下する。この場合の脆性遷移温度について、どのような考え方を持っているかとの質問だと思う。
 事業者は、これまでも試験片を原子炉内に装着して、その材料の状態や強度を定期的に測定している。その結果として、平成27年4月に、40年延長運転の申請とあわせて高経年化の技術評価書を国に提出している。その中で問題になるのは、例えば、重大な事故が起きたときに、水を原子炉容器に一気に入れると温度が低下するが、温度の低下により原子炉を壊そうとする力と容器の材料の粘り強さとどちらが上回るのかについて、粘り強さが上回ると評価し、原子力規制委員会は、特別点検の結果も踏まえて、中性子照射による脆化の劣化状況について審査基準の要求事項に適合するとの結論を出している。
 このことについて、8月31日に県原子力安全専門委員会において、原子力規制庁から説明を受けた。ただし、今取りかかったところであるが、工事には3年以上かかると聞いている。脆性遷移温度に限らず、ケーブルの結束の問題など、先般の委員会でも委員からさまざまな指摘がされたところであり、引き続き、高浜1・2号機の安全対策工事の状況などを確認していく必要があると考えている。


◯野田委員  特に高浜1号機については、ほかの原子力発電所以上に脆性遷移温度が98度と高い。
 基本的には、原子炉圧力容器の中で中性子がどんどん当たるだけで、だんだん劣化し、脆性の問題は進むと思う。炉の中に入れた試験片にも当たっているから、数年に1回これを取り出してはチェックしており、過去40年に近いデータがある。しかし、5年後、10年後の知見については、今のところ世界を含めてない。このことについては、最大の注視をお願いしたい。
 2点目は、関西電力が工事を行うと思うが、ケーブル系を交換しなければならないことは、大きな課題である。
 特に1点目は最大の課題であり、もし過酷事故のあったときに冷却の問題にかかわってくることはあると思う。最大の関心を持ちながら、今後対応してほしい。


◯佐藤委員  今ほどの課長の説明は合っていると思うが、答弁については疑問である。3年間ぐらいをかけて対策工事を行っても、脆性劣化の対策ができるわけではない。野田委員の質問に長々と説明した後に対策工事の話をすれば、我々は対策工事を行えば脆性劣化の問題も解決すると思ってしまうのではないか。


◯原子力安全対策課長  先日の県原子力安全専門委員会において、原子力規制庁が、原子力規制委員会から脆性劣化の問題については審査基準をクリアしているとの報告があったと説明しており、対策工事とは別の問題である。


◯佐藤委員  原子力防災訓練について、部長報告もあったように、スクリーニングや除染の質、量ともに習熟度の向上が課題とのことで、量の問題もきっちりと位置づけてもらったと思うが、今後の流れについてである。内閣府の、ことしの5月に出した原子力防災の基本計画の資料には、今後の対応について、国と地方公共団体は訓練後に専門家の評価も活用して、課題を明らかにして、必要に応じて防災計画やマニュアルの見直しをかけて、改善を行っていくと書いてある。
 今回の訓練は、国、内閣府主導であったと思うが、県は総括する会議に参加をして、取りまとめていくと思うが、それはどのぐらいの時期になるのか。
 もう1つは、翌日には大飯原発事故を想定して、国と連携して福井県単独で訓練を行っている。国の規定を準用して、訓練後には専門家の評価も活用して、課題等を明らかにしていく流れで、内閣府は除いて福井県と関係市町のみで対応するのか。


◯危機対策・防災課長  今回行われた訓練の検証について、高浜の訓練は、国と関係府県との合同であり、地域原子力防災協議会が行った訓練という位置づけである。
 また、大飯についても、福井県と国、内閣府が一緒に訓練を行っている。
 それで、現在、福井エリアの地域原子力防災協議会の中で、両訓練を含めて国とともに検証していく予定である。今後、国が作業部会を開くので、その中で、本県としても今回改めて課題となった点を報告するし、ほかの参加府県も同様に取りまとめていると思う。そのような場で、しっかりと総括をするよう国に求めていきたい。
 時期については、本県としては、できるだけ早く総括するよう国に申し上げているところである。


◯佐藤委員  大飯の事故を想定した訓練についても、同じメンバーというわけにはいかないけれども、同時並行で行うのか。


◯危機対策・防災課長  内閣府は、2日間にわたって訓練に参加しており、訓練の状況をしっかりと見ていると思うので、それも踏まえて、本県としては大飯の訓練もしっかりと検証し、総括を進めていきたい。


◯佐藤委員  一般質問でも、ヨウ素剤の問題について京都府と対応が違うと質問したが、訓練を視察したときに、本県職員はタイベックス、いわゆる化学防護服を着ないでスクリーニング作業等を行っていた。京都府職員は、きっちりと化学防護服を着用してスクリーニング等を行っていた。だから、本来対策が進んでいるはずの福井県のほうが、訓練の取り組みにおける緊張感が緩くなっているのではないかと思うが、その辺の認識はどうか。


◯危機対策・防災課長  内閣府との協議において、暑い時期に開催するため、タイベックスの着用については熱中症対策も含めて検討してほしいとの話があったので、本県としてはタイベックスを着用せずに今回訓練を行った。避難訓練については、各府県の判断になると思っている。


◯佐藤委員  京都府の職員は着用していたし、自衛隊の隊員は着用し、マスクまでしていた。それに比べれば非常に緊張感がないとの印象を我々は受けた。熱中症対策との関連はあるだろうが、事故は真夏に起こるかもしれないので、その季節に応じた装備できっちりと行わなければならないことは当然である。


◯危機対策・防災課長  当然、訓練はそのような事態も想定しながら行うものであるが、今回は県外避難という長い行程の中で1日をかけて行ったので、その中で参加する職員、あるいは住民の健康管理も考えながら実施した。


◯佐藤委員  先ほど野田委員から、あやべ球場におけるスクリーニング・除染の話があった。その場所には体育館もあるが、今回は駐車場を使った。国が間に入ったとはいえ、県も兵庫県や京都府との調整には苦労したと思うが、聞いたところ、綾部市は、体育館は地元の避難施設になっているから、地元住民に優先して使ってもらい、福井県から避難してくる人については、駐車場のスペースで対応することにしているとの説明を地元でしていたそうである。綾部市としては、原発事故の際はそのような仕切りとするのだと思うが、今後の調整についてはどうか。
 今回も小雨が降ったりしたが、福井県からの避難は少人数であるので、よかったけれども、何百人単位で避難してきたときに、雨の降る中で、福井県民の避難者は傘をさして外で立ちっぱなしになるのかなどの問題も出てくると思う。だから、野田委員が言うように、今後いろいろな調整が必要になると思うが、そのような点も含めて、今後どうなっていくのかについて、もう少し丁寧に説明してほしい。
 また、SPEEDIがなくなってから、モニタリングで対応するとのことであるが、今回の訓練における車によるモニタリング、可搬型モニタリングの実動台数を伺う。


◯危機対策・防災課長  今回、県境をまたいで避難をしたが、国の地域原子力防災協議会においても、避難先となる京都府あるいは兵庫県等と打ち合わせ等をしながら、今回の訓練を実施している。その中で、本県としてはスクリーニングや除染等の方法の習熟度については、さらに向上させていく必要があると考えているので、今後の地域原子力防災協議会において、本県としても問題点を提起して、国の総括において、今後の対応の仕方、訓練への生かし方を考えていくとともに、住民への丁寧な説明にも努めていきたい。


◯原子力安全対策課長  原子力の可搬型モニタリングポストは16台あり、今回、初日は高浜、2日目は大飯と2日間に分けて、可搬型モニタリングの設置訓練を行っている。
 また、モニタリングカーについては、1日目と2日目それぞれでルートを決めた訓練を実施している。


◯佐藤委員  可搬型モニタリングポストとモニタリングカーは何台使用したのか。


◯原子力安全対策課長  訓練において実際に配備した台数は確認する。


◯佐藤委員  SPEEDIをなくして、実測していくとのことであるが、使用した可搬型モニタリングポストの台数もすぐに答えられない。そのような点でいえば、県民、あるいは議員に対する説明や、訓練の成果について不十分なところがあると指摘しておきたい。
 また、高浜3・4号機の特定重大事故等施設の審査内容と、実際にどのような施設がつくられるのか。


◯原子力安全対策課長  高浜3・4号機の特定重大事故等施設は、9月21日に原子力規制委員会から設置変更許可が出たところである。これは、テロリズムに対処するための施設であり、詳細については公表されていないところがあるが、設備としては、注水設備、ポンプやフィルターベント、別途設ける緊急時の制御室などが対象になっている。また、ソフトの部分であるが、特定重大事故に対処するための体制も整備するものであり、これも審査の対象になっている。


◯佐藤委員  その内容については、県原子力安全専門委員会の審査にもかけるのか。


◯原子力安全対策課長  公表されている内容が限定されているので、対外的にどこまで説明できるかについては、国や事業者とよく調整する必要があるが、事実関係として許可になったことについては、今後、県原子力安全専門委員会においても説明があると思う。
 また、先ほどの質問については、訓練において実際に動かした可搬型モニタリングポストは1日目、2日目とも12台であり、モニタリングカーは6台を運用している。

共産党大会議案の説明、福井市9条の会憲法カフェ、町内会合

2016年11月24日 | Weblog
昨日は、共産党の会議で一月に開催される共産党大会の決議案の説明、福井市9条の会憲法カフェ、町内忘年会などが続きました。
憲法カフェでは茂呂弁護士による自民党の改憲案による家族規定で、さらに自己責任、家族責任が強化され、公的社会保障などの改悪がいっそうすすみかねないことが浮き彫りになりました。
音楽9条の会のみなさんとともに、うたごえも堪能しました。
福井市9条の会では引き続き、宣伝活動、憲法カフェに取り組むんでいきます。お問い合わせは、ひだまり法律事務所 茂呂弁護士まで。

町内忘年会では楽しいひとときをすごしました。話しのなかでは、いろいろ行政にたいする要望もだされました。こういう場ではお酒がすぎると聞いた内容を忘れてしまうので要注意です。