前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

総務教育常任委。高校入試での英検加点問題で参考人質疑。

2017年09月04日 | 福井県政

 2017年6月30日 総務教育常任委員会が高校入試での英検加点問題で参考人質疑。佐藤県議も委員外委員として質疑。

議事録全文は、県議会HPをご覧ください。

 

◯佐藤議員  県教職員組合の方に2点、質問したいのであるが、私も議会で教員多忙化問題についていろいろ取り上げてきた。
 スクラップなしで新しい施策を、次々と積み上げるという方法では、結局、長時間労働による過労が改善されないと思っている。
 今回の方法は、高志校の中高一貫教育が始まった時に、そもそも授業で教えていない問題を入試に出題したことが問題になった。
 そのときに私が、なぜ、小学校の授業で教えていない内容の問題を高志中の入試に出題したのかと質問したのであるが、教育長の答弁は、学校の本来の授業の枠外でも、きちんと想定して教員は対応してもらわなければならないという趣旨であったと思う。これは、無謀だと思うのである。
 しかし、このような形で英検重視になっていくと、この枠外での教員の負担は、さらに加速するのではないかと思う。教員の労働時間を抑制しようという動きに反するのではないかと思うが、その見解を伺う。
 もう1点は、このような方法では、経済格差による子供の格差も広がると思うが、教員の担当科目による格差も広がるのではないか。要するに英語の先生が重視され、発言力も強くなる、例えば、国語の先生よりも英語の先生のほうが重宝され、また、重視され、教員間の格差も広がるのではないか。本来、教員の連帯や励まし合いで、学校現場は成り立っていると思うが、それがいびつな形になっていかないかということを不安に思うのだが、この2点について教職員組合に伺う。


◯福井県教職員組合委員長  教員の多忙化については、委員の皆さん方に本当にいろいろ考えていただき、ありがたいと思っているところである。英検についても、きょう時間があったら話したいと思っていたのだが、実はあさって、二次試験が行われるのだが、やはり放課後に面接の練習をしたり、英検の受験に向けて先生方の負担がふえているということは間違いがない。施策が1つふえれば、そこに携わる教員は、英語教員だけではなく、ほかの教員の負担もふえるのである。今後、英検を受検する生徒がふえてくるだろうと思う。そうなると、教室の問題や試験監督の問題もあり、英語教員だけでは賄い切れないということで、ほかの教員にも負担がかかるだろうということは予想される。1つ施策がふえると、そのようにして教員の多忙化の問題も加速するということは、皆さんに知っていただけると大変ありがたいと思っている。
 それから、英語の教員だけが優遇されるのではないかということについてであるが、福井県の教員は、忙しい中でもお互いに助け合い、励まし合って、協働性を持っているという現状がある。
 今回の入試への英検導入で英語の教員だけが優遇されるというような、狭い考え方は、福井県の教員にはないだろうと思う。何か難しい問題が起こったら、みんなで乗り切っていくという協働性は失われないだろうと思う。


6月県議会反対討論。人工衛星打ち上げ予算・議案。核兵器禁止条約実現を

2017年09月04日 | 福井県政

 2017年7月11日  本会議での佐藤正雄議員の反対討論。

 

◯18番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第45号議案と第46議案は、それぞれ人工衛星打ち上げ準備のために電波暗室と熱真空試験機を総額3億7,000万円余で購入するものであります。議会質疑でも明らかにしましたように、今、県民に対しては年金収入などの減少と社会保障やライフラインの相次ぐ負担増計画がめじろ押しです。こうした中、人工衛星は不要不急の税金の使い方と指摘しなくてはなりません。県財政は、より県民生活の支援と安定のためにこそ配分されるべきです。
 そもそも、地方自治体として明確な利用目的に欠ける人工衛星にこだわる必要はなく、農作物のできぐあいの調査や災害時の状況把握などは、ヘリやドローンなどの活用で十分であります。


 次に、請願第18号日本政府に核兵器禁止条約の交渉会議に参加し、条約実現に真剣に努力するよう求める意見書採択についての請願は、採択すべきであります。
 マスコミでも大きく報道されていますが、核兵器禁止条約の国連会議は、7日、核兵器禁止条約を国連加盟193カ国の63%に当たる122カ国の賛成で採択をいたしました。人類史上初の核兵器禁止条約の採択は、日本の被爆者を初め核兵器のない世界を求める世界各国と市民社会の多年にわたる協働の取り組みが結実した文字どおり歴史的な壮挙であります。広島、長崎原爆から70年余り、福井県内在住の被爆者の皆さんの悲願が原爆投下後初めて実現するのであります。
 「みたび許すまじ原爆を」、非人道的な残虐兵器である核兵器は、三たび使わせない、廃絶をとの長い闘いが日本中で、そして世界で広がりました。しかも、条約で核兵器の使用の威嚇の禁止が新たに明記されたことは、核抑止力論の核兵器による威嚇に依存した安全保障論を否定したものとして大きな意義を持ちます。これらは、核兵器に悪の烙印を押し、それを全面的に違法化するものとなったのであります。
 ところが、唯一の戦争被爆国の政府であるにもかかわらず、日本政府がアメリカ、ロシアや北朝鮮などとともに歴史的な核兵器禁止条約に背を向ける態度をとっていることは、内外の強い失望と批判を招いております。日本やアメリカ、北朝鮮のように、核兵器や核の傘に固執する態度は、世界から見れば少数派であります。
 本県議会において、この請願を採択し、日本政府が従来の立場を抜本的に再検討し、核兵器禁止条約に参加することを強く求めるべきであります。
 以上を申し上げて、討論といたします。



予算決算特別委。無料低額診療。国保県単位化。原子力規制委員会。英検加点、自殺問題。福井駅前再開発

2017年09月04日 | 福井県政

 2017年7月7日 予算決算特別委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。

 

◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 まず、福祉行政について質問する。
 無料低額診療について、この制度は、先日のNHKの「あさイチ」という番組でも大きく報道され、全国で647施設、延べ777万人が利用しているとの報道であった。県内での無料低額診療の実態について、実施医療機関の数、利用実績を伺う。
 また、県として制度の広報を行い、経済的理由で3割の自己負担が重く、医療にアクセスできていない県民に知らせる具体的な手だてについて、どう考えているのか伺う。


◯健康福祉部長  県内の無料低額診療事業の実施機関は現在、3病院、5診療所の計8機関である。平成27年度の利用者──これは実人数で申し上げると、生活保護受給者を除いて、県内では1,760名の方が利用されておられる。
 制度の周知について、実施機関のほか、県としても、全民生委員──約1,900名おられるが、そうした民生委員の方々に制度趣旨を説明したチラシを配布している。また、県の健康福祉センター、市町の福祉担当課において、相談者に対して丁寧な制度趣旨の説明などを行っているところである。


◯佐藤委員  この制度はよい制度であるが、1つ課題があって、院外薬局が対象外になっている。つまり、病院で診察を受けて、注射なりを打ってもらい、処方箋が出されて、薬を院外薬局で買う場合があるわけであるが、院外薬局が対象外になっている。これではなかなか治療が行き届かないという問題がある。
 国のいろんな考え方もあると思うが、県として国に働きかけるとともに、県独自で院外薬局への適用を認めるという施策を行い、県民の命を守る行政を展開すべきではないかという点について伺う。


◯健康福祉部長  この事業について、県では毎年国に対して、この無料低額診療の対象を院外調剤施設にも拡大するように意見を出している。この制度は基本的には社会福祉法に基づくものであり、国全体の問題として、国の責任において検討、対応すべきと考えているため、今後その動向を注視していきたいと考えている。


◯佐藤委員  強くプッシュしてもらいたいと思う。
 次に、今問題になっている国民健康保険制度の県単位化について質問する。
 福井市などの多くの自治体において、いまだに来年4月からの国保新制度で負担がどう変わっていくのかというような試算が示されていない。5月29日に、県と市町との連携会議が開催され、そこでは税額試算の結果公表についても議題とされたと聞いている。
 各市町での税額試算の公表について、県としてどのような提案を行ったのか伺う。


◯健康福祉部長  指摘の5月29日に開催された県、市町の連携会議においては、本年1月に県が行った市町ごとの国民健康保険税の試算結果の公表について、協議を行ったところである。その結果について、この試算は平成30年度からの公費の配分、算定のルールが未定の段階で行ったものであって、今後、大きく変動する可能性もあることから、公表については控えたいという市町が大半であった。
 県としては、これから8月にかけて、国から公費の配分方法等が具体的に示された段階で、市町ごとの標準的な国民健康保険税額を試算、公表したいと考えている。


◯佐藤委員  県は、公表は控えたいという市町が大半であると言う。しかし、聞くところによると、公表しないようにと県から言われた役所もあるとのことである。どちらが本当なのか。


◯健康福祉部長  5月29日の連携会議において、県からそのような働きかけをしたことはない。県としては、市町、県が歩調を合わせて国民健康保険に取り組むべきであると認識しているので、市町の意向を十分に踏まえた上で対応していきたいと考えている。


◯佐藤委員  一般質問でも取り上げて、丁寧にやっていくということであったが、具体的にどのように丁寧に住民に説明するのかということがポイントになる。部長は、広報誌とかを使ってやるということを言っていた。広報誌だと自治会を通じて全家庭に行き渡るというような趣旨であると思う。
 大きく制度が変わるとき、後期高齢者医療制度、介護保険制度のときには、例えば地区別説明会、ブロック単位説明会など、もっと丁寧にいろいろとやったと思う。今回はなぜしないのか。


◯健康福祉部長  一般質問でも答弁したが、この国民健康保険はこれまで50年間、市町が保険者となってさまざまな国民健康保険税の徴収、健康づくり事業をやっている。今回、県が全体の財政運営の主体となるということは大きな制度変更であるが、具体的に各住民に対して、いかほどの国民健康保険税をお願いするのかについては、依然として基本的には市町の事務ということになっている。各地域住民にどのように理解を求めるのかということは、これまでの経験の中で各市町において対応されると思っている。
 県としては、基本的な大きな制度改正というものについて、県民全体に適切な方法で周知していきたいと考えている。


◯佐藤委員  例えば、勝山市、坂井市の試算を見ると、4,500円ぐらい上がるとか、1,400円ぐらい上がるとか、それぞれの自治体によって自主的な判断でいろいろな試算が開示されているわけである。一般質問でも言ったように、最初の来年4月は少し抑えぎみになって、2年ごとに国民健康保険税を見直していくというようなことを考えている自治体もある。そうすると、3年後、6年後、今と比べれば大幅な国民健康保険税の値上げになっている危険性が当然出てくるということをみんな心配している。
 また、立命館大学の唐鎌教授が65歳以上の高齢者のいる世帯の調査をされている。そこでは、職についておられない高齢夫妻の世帯について1999年と2014年の家計収支を比較すると、実質収入が15年間で年間57万6,000円減少している。なぜ減少したのかというと、公的年金の支給が連続的に引き下がっているため、それで年間49万7,000円減額されている。さらに、直接税、社会保険料の負担で、15年間で年間9万3,000円も増加している。したがって、高齢者二人世帯の場合、可処分所得は年間66万9,000円低下しているというような試算がされている。
 こういう中で、さらに国民健康保険税が引き上がっていく。福井市で言えば、これから向こう6年間で水道料、下水道料が2割、3割と値上げ計画になっているわけである。このため、県として見てもらいたいことは、税金をかけるということや、県が取り仕切って国民健康保険税はこういう取り方にしようということだけに一生懸命になって、肝心の一人一人の県民の世帯に一体どれだけの負担になるのかということをどこもチェックしないということである。市役所もチェックしない。県庁もチェックしない。結局滞納がふえたりすると、あなたが悪いとなる。こういう状況が一層広がっていくという危険がある。
 ぜひお願いしたいのは、税額を幾らにするのだという議論だけではなくて、一人一人の県民にとってどういう負担になるのかという視点からも検討してもらいたいと思うが、どうか。


◯健康福祉部長  そもそも今回の国民健康保険の見直しは、さまざまな議論もあったが、今の高齢化、医療費の高度化、高額化といったものの状況の中で、今までどおりの市町の単位では、それこそ国民健康保険が崩壊してしまうのではないか、国民皆保険が崩れてしまうのではないかという懸念の中で、県が広域的な主体として保険者になるという経緯があるわけである。
 今、県の国保運営方針協議会の中で、今後の県の統一的な運営方針を検討していくので、そういった中で各住民にとって大切な国民健康保険について、いかに安定化を図るべきかという観点に立って検討を進めていきたいと考えている。


◯佐藤委員  行政におけるスケールメリットで言えば、負担が下がるのならわかる。スケールメリットで負担が上がるのでは何の役にも立たないのではないか。そうであろう。先ほど言ったように、一人一人の県民の生活にしっかりと心を寄せてもらいたい。
 今国民健康保険税の条例が各市町で改定されていくわけである。必要な減免制度は非常に限られている。災害が起こったときとかで限定されている減免規定について、もっと幅広く設けるということぐらい考えてもよいのではないか。


◯健康福祉部長  今後、協議会の中で審議もされると思うので、市町とともに考えていきたいと考えている。


◯佐藤委員  その点はぜひお願いしたいと思っている。

        「教育行政について」


◯佐藤委員  次に、教育行政について伺う。
 3月に、池田中学校で生徒の方が登校した後で自殺をされるという事件があって、県内でも大きな衝撃が広がった。昨日、教育長や教頭先生に話を伺った。現場も見せてもらったが、登校した後、かばんを持ったままクラスには顔を出さずに、そのまま校舎の3階へ上がって、そして飛びおりたというように聞いた。生きたかっただろう、無念だったろうと思う。
 なぜこういうことになったのかということで話を聞くと、補助員も含めて6人の体制で調査委員会をやっているとのことである。5回開催をして、今、関係者の聞き取りをやっているという説明を受けた。
 そこで伺うが、県の教育委員会として、池田町の第三者調査とあわせて、独自の責任ある調査を行うべきではないのか。


◯教育長  今回の事故については、平成28年3月に国が示した学校事故対応に関する指針に基づいて、学校設置者である池田町が責任を持って調査を進めており、原因究明をすることになっている。学校では、池田町の指導のもと、生徒や教職員等を対象としたアンケートや聞き取り等の基本調査を実施した。それを踏まえて、池田町は今回詳細な調査が必要であると判断して、弁護士や学識経験者などの第三者による調査委員会を設置し、現在事故の原因を調査中であると思っている。
 県としては、これまで複数のスクールカウンセラーを緊急に派遣して、生徒や保護者、職員等の心のケアを図るとともに、調査を進める手続等について、指導、助言を行ってきたところである。
 今後、調査委員会の報告を受けて、再発防止策など県全体への指導を検討していきたいと思っている。


◯佐藤委員  池田町議会において、教育長は「町として第三者調査委員会に入る前に基礎調査というものを行っている。今わかっていることについて、男子生徒の指導における学校内での連絡、報告体制の不備があった。また、学習指導の現場において、当該生徒に対する対応が不足していたのではないかという点が判明している」という答弁であった。
 この案件について、個人的なものではなくて、学校現場の生徒間同士のことなのか、教師との間のことなのか、それは調査中であるとしても、そういうことで起こったということで報告しているわけである。教育委員会としては、もう少し突っ込んだ支援、調査に対する支援が必要ではないのか。


◯教育長  第三者委員会の調査は、町が規定に基づいてしっかりとやっていることなので、それを受けて、そういうことも含めて調査を待ちたいと思う。


◯佐藤委員  私も当然第三者委員会の調査は尊重されるべきであると思う。弁護士の先生とか、大学の先生とか、そういう専門家の皆さんでやっておられる。
 私が言いたいのは、当事者である県の教育委員会、池田町の教育委員会、学校現場が最終的にしっかりと責任をとらなくてはいけない、責任を持たなくてはいけないわけであるから、そこをきちんとする。ただ第三者調査委員会の調査で100%が明らかになるのかというと、必ずしもそうではない面もあると思うわけである。
 その辺をもう一歩踏み込んで、県の教育委員会としても責任を果たすという姿勢はないのか。


◯教育長  基本調査、第三者を入れた詳細調査について、国の規定に基づいてきちんと進めていく。それ以上となれば、別の裁判とかいろんな考え方になってくるため、県がそこに出ていって調査をやるということにはならない。
 我々としては、今の第三者委員会の調査と、町からもらう報告を受けて、きちんとやっていくということになると思う。


◯佐藤委員  この案件とは別の話として、池田中学校へ伺ったときに、学校現場はどうなのかということも聞いた。そのとき言っておられたのは、先生の数が足りないということである。例えば、技術の先生は臨時講師である。音楽と美術と家庭の先生は非常勤講師であるというような実態がある。小さい学校ほど1人当たりの校務分掌が非常に多くて、教員としての研修に行かせてあげたいが、それがままならないこともあるということも言われていた。
 教育体制の問題が今回の事件と結びついているのかどうかは別問題として、こういう小さい学校での実態も踏まえて、教員の配置について、もっと親身に考えるという点はどうであるのか。


◯教育長  教員の数自体は、子供の数等に応じて国で決まってしまっているので、その部分というものは変えられないが、我々としては、いろんな形で学校に対する支援をふやしてきている。前の議会でもお伝えしたが、ここ5年で、いろんな外部の先生方、OBの方を含めて倍にして、いろいろと応援してきている。我々としても、そういう形でいろんな配慮をしていきたいと思っている。


◯佐藤委員  何度も取り上げているが、今、教育現場において、県の新規事業の押しつけと国体準備で悲鳴が上がっているわけである。こうした中、県の教育委員会は病気休職教員のかわりの配置もきちんと行っていないと聞いている。現場の仕事はふやして、県教委本来の仕事を行っていないことはひどいと思う。必要な代替教員の配置や、国体に向けた練習試合や県外遠征については代休措置をしっかりと確保するということが必要なのではないか。


◯教育長  今、学習指導要領の改訂やいじめ、不登校、いろんな課題に対応するということで教員も非常に忙しくなっていることは事実であると思っている。それについては、我々としては今の外部支援の人材で応援をしてきているし、いろんな校務支援システムを入れたり、部活動の支援員を入れたり、いろんな形の支援でできるだけ先生方のそういうものに応援をしてきていると思っている。
 福井県の場合、先生方も必要な教育については非常に熱心であるし、そういうことに負うだけにはいかないが、やるべきことはやっていくということで、我々行政としては違うサポートでやっていきたいと思っている。
 委員が言われた病気休暇等の代替職員の話については、毎年必要数を年度当初に把握して、退職教員などを配置して対応してきているところである。ある程度は予測しているが、年度途中に急に発生することもあって、そういうものについてもできるだけ対応している。しかし、ここ数年民間の景気が非常によくなっている部分もあって、教科とか場合によっては、人材が少ない分野となると非常に厳しいところもある。できるだけ探すが、代替者が見つからない場合も出てきているというのが現状である。そのような場合には、短時間の先生を複数入れて応援をする。できるだけ授業に支障がないように努めているところである。
 また、福井国体に向けては、子供たちが地元の国体で活躍し、成果を上げるといったことで、先生も熱心に指導に当たっていただいて、頑張っていただいている。そういう中で、実際には強化練習の負担が大きい教員も出てきていることがあるため、平成28年度からは非常勤講師を配置して、業務軽減を図るなどの支援を行っているところである。


◯佐藤委員  年度途中で急に病気になる先生がふえるということ自体、労働条件が悪いということである。このため、そこの改善をしなくてはいけないと思っている。
 また、この国体に向けた練習試合、県外遠征における代休措置について、外部指導員とかそういう問題ではなくて、代休措置をすぐに取るというぐらいのことは認めるべきではないのか。


◯教育長  ほかの先生もおられるが、体育の先生が多いわけである。逆に言うと非常に熱心にやっていただいており、ほとんどの方は、代休よりも部活動の手当で対応していただいているのが現状である。


◯佐藤委員  熱心にというのは褒め言葉なのかもしれないけれども、現状を見ると、それが逆に現場の教員を縛ってしまうということにもなっているのではないだろうか。これから国体に向けて一層激しくなっていくわけであるから、熱心にやっているからよいということではなくて、代替教員のきちんとした配置、それから代休措置はきちんと取るということぐらいは強く要望しておきたいと思う。
 それから、先ほど質問もあったのであるが、私からも知事に1点伺いたい。
 県議会において、先日の総務教育常任委員会で県立高校入学者選抜制度の見直しを求める意見書案が採択された。知事も知ってのとおりである。知事は、この意見書案の内容、県議会の議論をどう受けとめているのか。


◯知  事  高校入試の話である。教育については今いろんな意見があるところであるが、今回の高校入試の見直しについては、教育委員会においてさまざまな議論を重ね、それこそ先生方のいろんな意見も得た上で、昨年10月に決定されたものと認識しているところである。


◯佐藤委員  経過はわかる。教育委員会が説明された経過は西川知事の言ったとおりである。私が聞いたのは、県議会で議論がされて、総務教育常任委員会において、こういう制度の見直しを求める意見書案が全会一致で採択されたという議会の経過についての見解である。


◯教育長  これについては、今まで我々の中で、教育委員会として試験制度の課題があった。ヒアリングについては、我々が全国で初めて行い、全国でトップクラスにある。しかし、長年英語はトップクラスであるが、スピーキングだけが非常に成績が悪いということで、中学校も高校も含めて教育の中でそういう課題を持っていたわけである。今回、ぜひ入学試験にスピーキングを入れて、これからの子供たちの世の中がそういうようになっていくという中で、決定をさせていただいた。
 このような中で、今回、議会の中でもいろいろと議論いただいたことについては、非常に貴重な意見であると思っている。


◯佐藤委員  貴重な意見であると思うのなら、尊重してもらいたい。この後に議論もあると思う。

        「原子力行政について」


◯佐藤委員  次に、3点目、原子力行政について質問する。
 本日、この後、知事が原子力規制委員会の委員長と意見交換をすると聞いているので、関連して伺いたいと思う。
 一つは、原子力規制委員会が火山灰についての評価を改めて関西電力に求めたという報道があった。地震、津波については規制基準に照らした対応がとられていることになっているが、火山灰については少し心配であるということのようである。これは、非常に無責任であると思う。それならば、大地震と同様の想定で、安全最優先思想に立てば、規制基準で定められた機能が失われる危険があるという可能性もあるわけである。
 このため、無責任な規制委員会審査の改善をしっかりと求めるとともに、規制委員会に対して、関西電力にやらせるのではなくて、国において必要とする火山灰降灰の過去の実態調査、シミュレーションを行うべきであるということを求めてもらいたい。
 また、そういうことがあるのであれば、再稼働の一旦停止をすることを求めてもらいたいと思う。知事の見解を伺う。


◯知  事  規制委員会は新規制基準に基づき、関西電力の原子力発電所7機について、火山灰による影響評価を審査し、原子炉設置変更を許可しているということである。
 今、規制庁は、安全研究の一環として、火山に関する安全規制の高度化に必要な知見の収集を進めており、関西電力に対して、火山灰分布の情報収集を要請しているというやり方である。
 このことについて、規制庁は「現段階では直接審査に影響を及ぼすものではない」としているところである。


◯佐藤委員  実際に火山が噴火したらどうなるのかということである。よくテレビでも放映されるが、九州では車の通行もなかなかできないほど道が真っ暗になってくる。それがそのまま海水にも落ちるから、原発の冷却水にも一緒になって取り込まれてくるということである。もしも火山灰の降灰が続く中での原発事故ということになれば、今の通常の想定の範囲での危機対策がきちんと機能するのかどうかということは、非常に疑問になるわけである。その辺はしっかりと確認をしてもらいたいと思う。
 もう一点、田中委員長の退任に伴って、新たに規制委員となる大阪大学の山中副学長は、マスコミとの記者会見の中で、原発稼働は40年では短いと言い放っている。さらに、再稼働の審査は安全が基本だが、適切なスピード感が大事であるとまで述べている。地元の高浜町からは40年を超える運転反対の声が上がっているが、これはこういう県民感情を逆なでする発言であると言わなくてはならない。こういう方が規制審査を担うことになれば、どの原発も60年運転が当たり前になってくる。老朽化原発だらけの日本と若狭ということで、過酷事故の不安は一層高まるというように思う。
 こういう40年を超える運転を当然視する電力事業者利益本意の規制委員の就任と暴言に対して、福井県として安全側に立って、きちんと異議を申し上げるべきではないのか。


◯知  事  ものによって違うが、規制委員会の審査の進め方について、遅滞なくやらなくてはいけないものもあるし、せかし過ぎてはいけないものもある。
 いずれにしても、バランスをとって、ものに応じてしっかりと慎重にやっていただきたいというのが我々の基本的な立場である。


◯佐藤委員  規制委員会が60年運転は当然ではないかという言い方になったのである。そういう方が規制審査の中心に座ってくる。規制委員会ではなくて推進委員会になるのではないかということを思うわけである。どうであるか。


◯知  事  これからいろんな審査をされるのであるから、それをしっかり見て、我々が必要なことを申し上げればよいと思う。


◯佐藤委員  釘は刺しておいてもらいたいと思う。

        「福井駅前再開発について」


◯佐藤委員  質問の最後である。
 福井駅前のホテルの建てかえなど、福井駅前再開発における県のスタンスについて、福井市などにどういう意向を伝えているのか伺いたいと思う。
 昨年10月から合同まちづくり協議会が始まっている。そのうち1地区が福井市との協議に臨もうとしたが、県の意向に合わないということで進んでいないと聞いている。福井駅前の再開発について、知事は、その範囲、その内容をどのようにデザインしようとしているのか、見解を伺う。


◯総合政策部長  福井駅西側のホテルを中心とするエリアにおける再開発については、地元金融機関が事務局となって、地権者による検討会を開催し、検討を進めているところである。
 再開発の範囲や内容については、土地や建物の権利を持つ方の合意のもと、決めていくものであると考えている。ブロック一体での再開発は、事務局から提案されたものであって、県としての考えではない。


◯佐藤委員  県としてのデザインとは全くないということか。


◯総合政策部長  県からは何も申し上げていない。


◯佐藤委員  アオッサもなかなかうまくいっていない、ハピリンもあのような事件が起こるということで、なかなか大変である。
 このため、そのような福井駅前の再開発の問題について、押しつけるのではなくて、地元の意向を尊重してほしいということを強く要望したいが、どうか。


◯総合政策部長  福井市は、三角地帯の中でばらばらな方向で事業を進めるということはよいことではなくて、一体的にまちづくりを進めるということで、公共貢献度の高い再開発事業にしていきたいという意向を持っている。
 県としてはそういう動きをとりあえず見守っているということである。


土木部関係質疑。河内川ダム、じん肺、足羽川ダム

2017年09月04日 | 福井県政

 2017年7月4日。土木部関係質疑を紹介します。

 

◯佐藤委員  福井駅周辺の再開発が、この数十年の間に進められて、アオッサやハピリンが建っているが、アオッサではなかなかお店がうまくいかない、ハピリンはマンションとセットでつくったが、投資目的が多くて入居者は3割程度といわれており、検証が必要だと思う。それを踏まえ、今後ユアーズホテル近辺を中心とした再開発について県はどのようなスタンスで臨まれるのか。


◯都市計画課長  現在、三角地帯のほか、ハニー跡地、南通りの3カ所で再開発の動きがある。これについては、住民組合と福井市、総合政策部交通まちづくり課でいろいろ情報交換しながら事業の立ち上げを行っているところである。事業が立ち上がるまでは総合政策部の所管であり、事業の中身まではわかりかねる。

 

河内川ダム

◯佐藤委員  河内川ダムについて、水道用水や工業用水の利水については、当初の計画よりも下回ることは、以前からも指摘しているところだが、小浜市や若狭町の対応というのは当初の予定どおり利水に活用する計画なのか。一定の見直しが必要だという議論にもなっていると聞くが、そのあたりの状況について伺う。


◯河川課長  河内川ダムの利水について、県で公共事業の再評価に合わせて平成28年11月にダム事業の継続参画について、共同事業者である小浜市と若狭町に確認したところ、参加を継続するとの回答をいただいているところである。その後、意向に変更があることは聞いておらず、ダム事業に継続して参加していただけるものと認識している。


◯佐藤委員  小浜市として、当初の利水分は確保するという話だが、市の人口は減ってきており、実際にはそれだけの水は不要で、余った水の利用についてどのように考えているのか。


◯河川課長  河川課としてはダムを建設するための共同事業者として小浜市と若狭町に参加していただいているところであり、参加しないことに対してどうするかということは考えていない。共同事業者としてダム事業をやっていくということで進めている。


◯佐藤委員  要するに小浜市は地下水も利用しているわけである。ダムに頼らなくても地下水を活用すれば、上水分は十分確保できる。それも含めて事業を進めているのだが、小浜市の地下水の計画を含めた全体の計画を県議会に対しても多少情報提供と説明をしてもらわないと、県はダムつくるだけで、後の水の活用は小浜市の勝手というわけにはいかないのではないかと質問をしている。


◯河川課長  上水の話になると、土木部の所管ではないところもあり、あくまでもダムを建設するというところで、参加の意向をいただき共同事業者と一緒にダムをつくるということで動いている。


◯佐藤委員  わかった。実際に小浜市ではそういう調査も行い、当初の計画のまま、上水に使うとなると、巨額な上水設備をつくらないといけなくなるため、当初の計画よりは縮小するなどの見直しも必要ではないかという議論になっていると聞いている。このため、建設そのものはダムの治水目的もあるから、とめられないということはあると思うが、もう少し丁寧に考えていただきたい。例えば足羽川ダムにしてもさまざまな条件があったが、もともとは福井市民の水道用水のために足羽川ダムをつくるという利水目的があった。もちろん治水目的もあったが、年月がたつと、福井市民の人口もそれほどふえないということで利水目的は外されたわけである。だから福井市民は足羽川ダムの建設費を負担しなくてもいいわけである。このようなことから県のダムでも社会情勢や人口の変遷などを含めて、なるべく自治体に大きな負担が残らないようにするということを考えてほしいというのが質問の趣旨である。とにかくつくればいい、後のことは知らないというのでは、無責任ではないのか。やはり将来の小浜市民の負担もなるべく軽減するように考えなければならないと思う。


◯河川課長  上水の必要性については自治体で判断し参画していただいていると理解している。

 

じん肺、足羽川ダム

 

◯佐藤委員  毎年のように、じん肺の患者団体から要望が出されていると思うが、現在、福井県のトンネル工事が何本あるのか、じん肺対策はどのようになっているのか伺う。


◯技幹(道路建設)  現在のトンネル工事は、嶺南の原子力災害制圧道路の1本はまだ着手していないが、契約しているトンネルが8本あり、それから嶺北で、国道476号線で1本である。
 じん肺対策が特に必要だったのが、大島半島の赤礁崎公園線で、業者と相談しながら十分対策をとっているところである。


◯佐藤委員  対策をしているのは1カ所だけということか。


◯技幹(道路建設)  アスベストという特にその対策が必要なところを今申し上げており、労働基準法に基づく対策はしている。


◯佐藤委員  若い患者もいるみたいだが、この10年、20年の間で県発注の工事でじん肺にかかった方はいるのか。


◯土木管理課長  県内の工事しているトンネルについては、当然、労働基準法上の措置をとるとともに、土木管理課の職員が現地に赴いて検査、確認をしている。
 ここ10年の中で県内の工事に関連して、じん肺を発症した者がいるかは確認していない。


◯佐藤委員  足羽川ダムの説明の中で、水海川導水トンネル工事は、今月9日に起工式が行われるとあるが、たしか設計変更をし、工事の場所が変わっていると思うが、地権者に変更があるのか。


◯土木部長  既に用地買収してある範囲で変更をしているため、追加買収が生じることはない。


◯佐藤委員  足羽川ダムは常時水をためるダムではないため、水がない期間でレクリエーションに活用できないかということを国土交通省が考えていると報道されていたが、詳しく説明してもらえるか。


◯河川課長  国は、インフラツーリズムといった観点から、ダム完成後にダムの堤体をクライミングコースに活用できないかと検討していると聞いている。
 また、ツリーピクニックアドベンチャーいけだに日本最大級のメガジップラインがあるということと、日本最大級の流水型ダムの工事現場という2つの大きなものを組み合わせた見学ツアーなども検討中と聞いている。


◯佐藤委員  工事現場の見学はいいと思うが、ダム完成後にクライミングコースで活用することについては、安全が大前提ということになると思うが、急な雨が降ってくるともわからないこともあり、よくテントを張って河川で孤立する事件も年に一、二回はどこかで起きている。インフラをいろんなツーリズムで活用するという発想自体が悪いわけではないが、特にこういう治水施設の活用については慎重に考えるべきではないかという意見もあるが、どう考えているのか。


◯河川課長  クライミングコースとしての活用については、安全性の確保が当然大切なことであるため、そういったことも含めてこれから検討していくものと認識している。


福井県議会。公安委員会質疑。福井市消防局パワハラ、県警察の状況、共謀罪。

2017年09月04日 | 福井県政

 2017年7月4日 公安委員会関係質疑を紹介します。

 

◯佐藤委員  福井県の治安情勢からの質問であるが、2ページにある子供を犯罪から守る対策について、声かけ事案の発生場所およびその特徴を伺う。


◯生活安全部長  ことし5月末現在の発生場所の特徴としては、半数以上が道路上で53件、公園がその次に多く6件という状況である。


◯佐藤委員  犯罪は余り人目につかないところで起こるとよく聞かれるが、道路上というのはオープンなスペースである。このことに関してどのような認識であり、今後の対策をどのようにしていくのか伺う。


◯生活安全部長  道路上が多いのは、登下校時間帯に小学生や中学生が声かけ等の被害に遭っているためである。対策としては、検挙と予防の2つに重点をおいており、検挙については、昨年、県警察に創設した少年女性安全課が中心となり、警察署の捜査員とともに、よう撃と言って発生が予想される場所や時間帯に捜査員を投入し、聞き込みなどの捜査活動を行い、当事者を特定する。予防としては、登下校時の見守り隊の方々や教育委員会と連携をし、地域で子供を守る対策をとっている。


◯佐藤委員  私が住んでいる地域でも、登下校時に見守り隊などボランティアの方が一生懸命活動されている。道路に人が出ているなど人目があるだけでも十分効果はあると思う。
 次に、5ページの高齢者を犯罪から守る対策、特殊詐欺対策であるが、65歳以上の高齢者の被害割合が約56%と高いが、これは逆に言うと4割弱は若者であったりする。高齢者を犯罪から守る対策と言ってしまうと、若者対策が抜け落ちる危険性はないのか。


◯生活安全部長  ご指摘のとおり、若者の被害割合は4割近くあり、発生が多い事案としては、有料動画サイトなどの料金をコンビニエンスストアの電子マネーカードを購入のうえ送らせる架空請求詐欺である。県警察としては、この被害予防のために県内のコンビニエンスストアに協力いただき、窓口で電子マネーカードを購入するお客に対し、店員が注意警告書を提示して、架空請求詐欺被害ではないかと声かけをした上で購入いただいている状況である。


◯佐藤委員  その取り組みにより、未然に防止した件数はどれぐらいあるのか。


◯生活安全部長  コンビニエンスストアにおける阻止件数の数字は手元にないが、銀行での阻止事案やコンビニエンスストアでの電子マネーカード購入の阻止事案を含めて、ことしの5月末で42件、6月末までの手集計で49件である。


◯佐藤委員  未然に阻止した件数が49件というのは、ここ数年の推移としては、阻止件数はふえているのか、減っているのか。


◯生活安全部長  ことしの6月末現在の阻止件数は49件、阻止金額では約8,300万円となっており、前年同期は13件であったため大幅にふえている。また、昨年1年間の阻止件数が92件であり、これは統計をとり始めたここ数年の中では最も多い。


◯佐藤委員  対策の効果が出ているのだと思う。
 前回もお尋ねしたが、特殊詐欺の被害抑止について、出し子や受け子を捕まえたという報道もあるが、出し子や受け子はいわゆる組織の末端であり、そこから首謀者を捕まえることが本当の抑止になると思うが、その辺の今後の対策を伺う。


◯刑事部長  受け子などの検挙については積極的に行い、その一方、突き上げ捜査により、首謀者の摘発を目指した捜査も積極的に行っている。犯行グループは、犯行拠点を東京都や大阪府などの都市部に設けていることが多いため、他県警察との合同捜査を行うなど犯行拠点の解明等に向けて取り組んでいく。


◯佐藤委員  福井県内だけでこのような事件が起こっているのではなくて、おそらく東京都や大阪府などにある本拠地から、福井県や石川県でも同じような被害が起こっている案件もあると思う。他県と連携し、効果的な捜査はできないのか。


◯刑事部長  被害者は全国におり、捜査において各県警察と重複する場合には、合同捜査本部や共同捜査などにより情報を共有しながら取り組んでいる。

 

 

福井市消防局パワハラ、県警察の状況、共謀罪

 

◯佐藤委員  先日、福井市役所が行った消防局職員のアンケート調査で、福井市消防局において深刻なパワハラがあるということがわかり、地元マスコミでも大きく報道された。それによると、上司同席のもと降格願いの提出を強要された、救助訓練で減点になると罰金を徴収された、食事代を払わされた、あるいは酒の席でおまえを殺してやると言われたなど、かなり深刻な例もある。このような案件がもし市民生活の中で起こった場合、犯罪と密接な関係になってくると思うが、今回の報道については、どのような認識なのか伺う。


◯首席監察官  パワーハラスメントについては、職場環境を悪化させるということで大変関心がある問題であるとともに、防止対策には努めているところである。


◯佐藤委員  今回は、福井市役所が職員に対しアンケート調査を実施して、このような深刻な事例がわかった。個人個人が直接警察に相談するまでには至ってはいないが、このような案件に対して県警察はどのような対応をとられるのか。


◯刑事部長  個別具体な事実があり、それが犯罪になるのであれば当然捜査の対象になる。今のところそういった相談等はない。


◯佐藤委員  警察に相談がなければ警察は動けないのか、あるいは事案がマスコミ報道されて表に出た時点で、行き過ぎだということになれば動けるのか。そのあたりはどこで分かれるのか伺う。


◯刑事部長  本人からの被害申告も大きな要素であり、一方的に警察から動くわけではなく、その他の影響、総合的なものを考えた上で捜査の対象とすべきか判断している。
 パワーハラスメント事案に限らず、さまざまな相談があれば、真摯に対応し、捜査が必要となれば、当然捜査をしていきたい。


◯佐藤委員  私が懸念するのは、県警察は大丈夫かということである。消防も警察も縦社会であり職員組合はない。日々のストレスや悩みを組織の中で解決していかなければならないという難しさがある社会であると思う。県警察のパワーハラスメント相談等の実態について伺う。


◯警務部長  県警察においても、ハラスメント対策は非常に重要だと考えている。対策としては、福井県警察ハラスメント対策要綱を制定し、この要綱に基づき対応・対策を実施している。具体的には、職員から相談があった場合に適切に対応するため、県警察本部や警察署等の各所属に相談員を配置するとともに、県警察の中のイントラネット上で、匿名で相談が可能な窓口を設けるなど、職員の立場に立った相談しやすい相談受理体制の整備を図っている。このほか職員のハラスメント防止意識の徹底を図るため、幹部職員や相談員など相談を受ける職員を対象に専門的知識を持った有識者の講演会や研修会の開催、ハラスメント防止のための教養資料等の配布などの取り組みを実施している。引き続き、誰もが働きやすい明るく風通しのよい職場環境の整備に努めていきたい。


◯佐藤委員  具体的な相談件数あるいは解決件数はどのくらいあるのか。


◯警務部長  具体的な相談件数は持ち合わせていない。昨年、イントラネット上に相談窓口を整備したが、そこから少なくとも対応が必要な事例、なんらかの広義での処分になるような事例はない。


◯佐藤委員  具体的な件数を持ち合わせていないというのは、相談が1件もなかったということなのか。


◯警務部長  相談というのは全くゼロではなかったが、相談を受けて内容を調べると、いずれもハラスメントではないと認定しており、結果としてハラスメントの相談はなかったと認識している。


◯佐藤委員  風通しのよい職場環境、相談体制を図るなかで、相談窓口の設置だけに限らず、日常的に気軽に相談できる環境つくりや、万が一のときには、必要な調査もやっていただくなど、職員一人一人の悩みや不満を聞くことは必要ではないかと思うが、そのあたりをどう考えるか。


◯警務部長  委員ご指摘の点はもっともだと思う。現段階で匿名の相談が可能であるため、何かあればそこに相談が来ると思っている。また、各所属に相談員を配置し、相談員は専門知識を有した方から研修も受けており、県警察としては必要な体制をとっていると認識をしている。より職員の立場に立ち、明るく風通しのよい働きやすい職場環境を整備するため、今後も不断の努力を努めていきたい。


◯佐藤委員  先日の一般質問でも教員の過労問題を取り上げたが、交通事故を起こすと警察官が処理に当たる、そしてその警察官は翌日も仕事をしているということで、警察官は休んでいるのかということを聞く。労働時間の管理はきちんとされていると思うが、有給年休の消化率について伺う。


◯警務部長  県警察における平成28年の職員1人当たりの年次休暇の平均取得日数は9.3日である。平成27年は4.5日であり、4.8日増加している。


◯佐藤委員  県警察における労働時間の管理は、どのような仕組みで行っているのか。


◯警務部長  勤務時間に関しては、基本的には出勤簿で確認をすることになる。委員お尋ねの点は、超過勤務のことだと思うが、公務のため臨時的または緊急的に超過勤務の必要がある場合には、原則職員からの申告に対して所属の幹部が超過勤務等命令簿によって事前に勤務命令を行うことになる。職員は当該命令に従い、正規の勤務時間を超えて勤務した場合には、超過勤務手当てを支給している。


◯佐藤委員  福井国体を控え、通常業務に加えて国体関係の警備や要人警護など、さまざまな仕事がふえてくると一層過重労働、過重負担になってくると思うが、その辺の対策はどのようになっているのか。


◯警務部長  手当ての話から申し上げると、超過勤務手当の予算は地方財政計画上、年間約9億円を計上しており、実績に応じて配分を適正に執行している。最近の厳しい治安情勢もあり、一人一人の業務負担はふえており、仮に計上した予算が不足した場合には、追加で予算要求をして必要な額を確保している状況である。
 また、人員については、国で管理されているため勝手にふやすことはできない。毎年、警察庁において、財務省および総務省に対し要求を行っているところであり、今年度は警察官7人を増員していただいたところであり、必要な定員の確保はなされていると考えている。


◯佐藤委員  先日、国会でいわゆる共謀罪が可決され、施行されることに伴い、新たな仕事がどの程度ふえ、それに対する人員はどのようになっていくのか伺う。


◯警務部長  テロ等準備罪は、今後施行される法案であり、少なくともことしの4月からの定員で言えば、その時点では法律がない状態であるため、特に何もないという状況かと思う。


◯佐藤委員  改正法が強行的に施行されることになると、県警察の人員配置的には困るということはあるのか。


◯警察本部長  現状として当該改正法の施行に伴う増員が必要であるとは考えていない。また、福井県警察に対する増員を国で検討しているということも一切承知していない。

 

交通事故状況

◯大久保委員  毎年、事前説明の専決処分の中に物損事故の報告があるが、県警察の事故がゼロだったことが一度もない。本部長からは緊張感をもって十分に徹底するという返事をいただくが、一度特別月間などを決められたらどうか。県警察の仕事は365日24時間車で活動しているため、時間的余裕もないのだろうと理解しているが、緊張感をもって取り組んでもらいたい。


◯警察本部長  警察車両の事故については、絶無を期していきたいと考えている。事情としては、警察活動は車両に乗る時間も非常に長く、その運転も職務執行に特有な運転になるところもあるが、そういったことを言いわけにすることなく絶無を期して、引き続き対策をとっていきたい。


◯佐藤委員  確かに警察車両の事故は多く、その報告は公用車関係だと思うが、勤務中は公用車だけで移動するわけではないと思うのだが、勤務中の事故件数の統計はどのようになっているのか。


◯首席監察官  県警察の統計としては、勤務中か、あるいはそれ以外という統計はなく、公用車か私用車かという質問にはお答えできないところがある。


◯佐藤委員  私用車の事故統計は何件であるのか。


◯首席監察官  私用車の事故は、昨年1年間で77件あり、前年に比べて6件多い。ことしは6月末現在で38件あり、前年同時期より3件ふえている状況にある。


◯佐藤委員  一般質問において教員の勤務中の交通事故について取り上げたが、この質問の趣旨は、事故と過労が結びついているのではないかということである。勤務状況や過労の状況を含めて、適正な労働実態のもと事故もなくしてほしいと要望する。


6月県議会質問。無責任な再稼働。福井市の産業廃棄物処分場計画。教員過労と交通事故。特急存続

2017年09月04日 | 福井県政

2017年6月28日におこなわれた佐藤正雄県議の一般質問、理事者答弁の内容を紹介します。

◯18番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。

再稼働が進むことに多くの国民、県民から怒りと不安の声


 福島原発事故を忘れたかのように、相次いで再稼働が進むことに多くの国民、県民から怒りと不安の声が広がっております。知事は代表質問への答弁で、新規制基準に適合した原発の再稼働を認めることにとどまらず、原子力の重要性、安全性について国が国民に説明すべきなどと語気を強めて答弁されました。しかし、福井県民の命と安全にまず責任を持たなければならないのは知事であり、国任せの主張を繰り返す知事の姿勢は問題であります。
 具体的には、一つは、再稼働によってさらに累積し続ける使用済み核燃料の問題を先送りし、もう一つは、集中立地地域での相次ぐ再稼働によって過酷事故の可能性が生じているにもかかわらず、有効な住民避難体制が未確立であるということです。
 この二つの課題の解決の見通しのないまま再稼働だけ認めていくのは、国の無責任であるとともに県知事が無責任であります。知事はエネルギー基本計画云々といいますが、そもそも福井県の原発再稼働を要望した電力消費地の自治体があるのでしょうか。原発の電気がなければ停電するわけではないのに、危険な原発の再稼働には電力消費地からも批判の声が自治体市町や住民から聞こえてくるばかりではありませんか。
 そこで、お尋ねいたします。
 知事が重要な二つの課題を先送りして、再稼働を認めていく姿勢は、県民と県土の利益を毀損いたします。第一に、使用済み核燃料は既に原発運転開始当初からのものも含め、長いものでは約40年間にわたって使用済み核燃料プールにあるわけです。事実上の中間貯蔵状態となっております。知事がこの解決を先送りしたまま、再稼働だけ相次いで認めていくのは、行き着くところまでいけばいいさという無責任な態度ではありませんか。知事の姿勢では、県内に貯蔵される使用済み核燃料はさらにふえ続け、40年、50年、60年と曖昧な形で中間貯蔵状態を福井県に押しつけられるのではありませんか。はっきりと御答弁ください。
 第2に、昨年8月に高浜原発事故を想定して行われた県外も含む広域避難訓練は初めての取り組みということでもあり、スクリーニング体制、ヨウ素剤服用、大地震など災害と重なった場合の検証、全住民避難の交通手段と避難所確保、県外受け入れ自治体との連携などなど、多くの課題が持ち越されました。
 それを踏まえて、新たな広域避難計画の策定と実際に見合う住民避難訓練が行われないままに集中立地地域での相次ぐ再稼働だけ認めていくのは、複数原発が同時発災した福島原発事故の教訓を無視するものではないのですか。まずは一番に住民の安全確保と避難体制の確立、訓練ではありませんか。知事の見解をお尋ねいたします。
 ところで、福井県庁は県庁前で福島原発事故以降、再稼働反対を訴え続けている市民団体に対して活動の自粛要請を行いました。このようなことは、全国でも異例のことで、全国マスコミでも言論に対する干渉行為として大きく報道されました。県は市民団体の公開質問に対して、「景観保護のためのお願いであり、問題はない」と回答したと報道されております。このような曖昧な「景観保護のため」などという論法が適用されるなら、県内各地の県民によるさまざまなテーマでの街頭活動に対して干渉できることになってしまいます。例えば、県庁の前だから目ざわりなのか、福井市役所や高浜町役場の前なら景観保護に支障がないのか、全く不明瞭であります。いやしくも、福井県庁たる行政機関がこのような法的に曖昧なへ理屈で県民に対して公文書を出したことは大問題ではありませんか。
 国会、官邸周辺などでも、かつての安保闘争、沖縄返還闘争、米価闘争、最近では再稼働反対、共謀罪反対に至るまで国民が声を上げ続けています。しかし、戦後70年余り、このような国民の行動に公文書で自粛要請をした政権などはありません。それは、集会であれ、デモであれ、演説であれ、国民主権の一つの表現として日本国憲法で認められているからです。
 福井県庁は歴代政権すらやらなかった、ほかの県でも例がない日本国憲法で認められた国民の活動に対する干渉を公文書でわざわざ行いました。このような言論の自由を抑圧する憲法違反の公文書は知事の責任で撤回すべきではありませんか。知事の明確な答弁を求めます。

 

清水地区で巨大な産業廃棄物最終処分場計画

 さて、福井市の清水地区で巨大な産業廃棄物最終処分場計画が進行し、地元説明も行われております。住民の間では、敦賀のキンキクリーンセンターのように、事業者が経営を放棄するなどの事態が起これば県が同様に責任をとってくれるのかなどの不安もあるようです。先日は、大森地区の自治会会長さんらの連名で、福井県と福井県議会にも、産業廃棄物最終処分場建設反対の要望書が提出されました。建設予定地が志津川の広い下流域を潤す農業用水、生活用水の水源にあることから、危機感が流域住民を中心に高まっております。
 現在は福井県が許認可権限を有しておりますが、福井市の平成31年度からの中核市移行に伴い、その権限と責任は福井市に移ります。ならば、福井市が中核市になった時点から最終処分場の審査を行えばいいわけですが、福井県は駆け込み的に審査を進めようとしているところにも問題があります。
 ところが、不思議なことに、地元住民への事業者の説明会には県の担当者は参加せず、福井市の担当者が参加し、その内容を県に報告しているとのことです。県としては、福井市の事務に行く行くなるのだからしっかり見てもらうということのようですが、現在の許認可権限を持つ福井県の姿が福井市民、流域住民に見えないのは余りに不自然ではありませんか。
 また、2月議会でも質疑しましたが、この処分場の営業時期と原発の廃止、解体時期とが重なってきます。かつては100ベクレル以上は低レベルの放射性廃棄物扱いでしたが、福島原発事故後に国は基準を緩和し、80倍の8,000ベクレルまでは焼却や埋め立てが可能となりました。いいかげんな基準緩和であります。浸出水であれ、焼却炉の冷却に使うことによって大気中に拡散する水蒸気であれ、放射性物質の管理が必要になります。
 そこで、質問いたします。
 反対要望書を出した大森地区を初め、福井市民の間で高まっている疑問や不安を県はどう認識しているのですか。県として直ちに福井市とも相談し、必要な説明会を開催すべきではありませんか、お尋ねいたします。
 また、県は原発解体によって発生する放射能を帯びた8,000ベクレル以下の廃棄物の処分をこの処分場で認めるのか、認めないのか、お答えください。

 

森林組合による間伐事業で、地域住民との間のトラブル

 次に、林業行政についてです。
 福井市などで森林組合による間伐事業で、地域住民との間のトラブルが報道されています。許可していないのに勝手に木を切られたとか、高く売買できる木まで伐採されたなどの苦情をお聞きをいたしました。関係者のお話をお聞きしますと、問題の大もとには所有権、つまり所有境界線の不明確さがあります。参考になるものとして、昔の県庁職員が作成した森林計画図がありますが、これは空中写真や構図、聞き取りによる間接調査で、昭和40年代に作成したものであり、林況や所有界は現地で実測や確認したものではないとお聞きいたしました。また、今回のような対立に発展したのは、森林組合の対応のまずさも指摘されております。直営ではなく下請が作業していることで、二重三重に作業についての関係住民とのコンセンサスとトラブル発生の際の対応に不備が生じたのではないでしょうか。
 そこで、質問いたします。
 従来から指摘されておりますように、このような問題の発生を防ぐ根本は、所有の境を地籍調査によりはっきりさせることではないでしょうか。見解をお尋ねいたします。
 また、県は、間伐後のチェックなどには補助金事業であるため万全を期しているようですが、このようなトラブルについても未然に防ぐ指導をしていただき、森林組合、住民と一体となって山林を守り、育て、必要な間伐事業が円滑に促進されるようにすべきではないでしょうか。見解をお尋ねをいたします。

 

教員過労が交通事故要因では

 次に、教育行政について質問します。
 4月の県立学校教職員の超過勤務時間に関する実態調査報告によれば、652人の集計のうち80時間以上が171人、26%もおります。141時間以上が21人、161時間以上は11人など、まるで24時間労働に近い方までおります。新たな過労死予備軍ではありませんか。県教委は、超過勤務時間が80時間を超える教員に対して、校長、教頭が個別指導を行えとしています。教員の側からは、「過重な仕事を押しつけられて、その上怒られたのではたまらない」と80時間以下に修正する教員もおられるとお聞きいたしました。
 2月県議会でも指摘しましたように、業務をスクラップせずに、県独自テスト導入など、ビルドを重ねている県教委に問題の根源があります。4分の1を超える教員が80時間を超える過労死に追い込まれかねない勤務実態を個人の教員の業務管理の責任に転嫁してはなりません。責任は県教委の現場への業務割り当てにあるのであり、ここを1割、2割とスクラップし、現場の教員が本来の生徒指導に集中できるようにすべきではありませんか。
 この数年間の県独自テスト導入など、新たな新規事業について、その全てを対象に見直しを求めます。二度と福井県教員から過労死を生まない、そのためには思い切った業務内容と勤務時間の削減は学校現場、学校教員任せではなく、県教委の責任で取り組む決意をお尋ねいたします。
 ところで、この教員の過労が交通事故の原因にもなります。学校外での部活動の指導に向かう途中の教員が交通事故を起こし、失職になった事例もあるとお聞きいたしました。もちろん過労だからといって交通事故を合理化はできません。バスやトラックの事故の際には、国も労働実態を調査し、マスコミなども大きく報道します。福井県の教員はどうでしょうか。県独自テスト作成委員の交通事故、部活動指導に向かう教員の交通事故など、背景を分析することが必要ではないでしょうか。
 そこで、お尋ねいたします。
 ことし6月までの5年間で、教員側の過失による交通事故件数と、うち休日以外の交通事故件数、これによる処分内容と件数をお尋ねいたします。

 

国保県単位化


 次に、来年度からの国保県単位化について質問いたします。
 県は、各市町の赤字を計画的に解消する方針や収納率の向上を示しています。これに対し、市町からは、住民にとって相当な負担増となるため、2年ごとの保険税改定を考えている、赤字解消には長期間かかる、新制度で負担増となるため、収納率の落ち込みが予想されるなどの意見が出されています。ある意味、今回の国保新制度は、これまでも高額の保険税を賦課してきたものをさらに増税し、雑巾を絞るようにじわじわと県民を絞り上げていくおそれがあります。県単位の制度となり、国保税の増税に対して市町は当然激変緩和措置を考えるわけですが、国保税引き上げが繰り返されるおそれがあり、県民にすれば真綿で首を絞められるようなものです。つまり、来年4月のスタート時はいきなり大きな負担増を避ける。そして、3年、6年とたってみれば、市町単位の国保のときと比べて大幅に引き上げられている懸念があります。住民からすれば、国保税の負担はふえる、逆に医療は制約が強化されていくと、まさに生き地獄のような制度になりかねません。
 ところが、このような重大な制度変更が全くといっていいほど県民に周知されていないのは大問題ではありませんか。県と市町の責任で、最低各自治体での説明会を開催し、来年4月からの試算と、その後3年後どうなるか、6年後はどうなるんだ、そういう中期的な試算で負担がどう変わるのか、また、県や市町として、医療の内容はどういう姿勢で取り組んでいくのか、この説明会を開催すべきではありませんか、お尋ねいたします。県民の命綱の国保に関することであり、おざなりのパブリックコメントだけにとどめるのではなく、丁寧に進めるべきであります。

 

新幹線敦賀開業後の特急存続

 最後に、新幹線敦賀開業後の特急存続について質問いたします。
 九州でのフリーゲージトレイン開発が難しいことが濃厚となりました。九州で無理なら、さらに雪対策などの条件が厳しい北陸では一層難しくなります。県として国とJR西日本に対して、開発スケジュールが一層不透明となったフリーゲージトレインは中止を決断し、フリーゲージトレイン導入に係るアプローチ線の費用などとして予定していた300億円の事業費を活用して特急存続へのアプローチを行うべきと働きかけるべきです。その際、敦賀駅での新幹線と在来線特急の乗りかえの試算は5分間と発表されましたが、一旦乗りかえが発生するという大きなマイナスを軽く見るべきではありません。北陸本線に戦後間もなくの1947年に急行で関西-北陸間が結ばれて以来、高速列車が敦賀で寸断されたことはなく、仮に、新幹線によってそのような事態になれば、関西-北陸間の交通の歴史、先人たちの築き上げてきた伝統と利便性に大きな汚点を残すことになります。私たちが県政を担っているときにこんなことでいいはずはありません。しかしながら、国土交通省は、新幹線と在来線特急の上下乗りかえ案を決定いたしました。これは、新幹線認可時の議論にはなく、私は不当だと思います。
 それを踏まえた上で、次善の策を考えれば、新しくつくられる新幹線敦賀駅下からの発着の特急と現行の北陸本線特急路線の併存ということが一番新たなコスト発生を抑制することができる、北陸-関西間の従来の利便性を最大限維持することができる手法ではないでしょうか。つまり、関西からの利用者は、北陸新幹線を利用して長野などへ行きたい方は、敦賀どまりの特急を利用して新幹線に乗る、鯖江や武生や福井市に行きたい方は現行のルートでのサンダーバード特急を利用するということであります。
 特急存続への知事の見解をお尋ねし、質問を終わります。

◯副議長(大森哲男君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
 原子力について、使用済み燃料の課題を解決しなければ、いろんな原子力の再稼働の問題など、さまざまな影響が出るんじゃないかという御質問であります。
 福井県は原子力の発電は引き受けておりますが、使用済み燃料の貯蔵を最後まで引き受ける義務はないわけであります。これまで一貫して使用済み燃料の中間貯蔵施設は県外に設置するよう、国や事業所に求めてきております。
 関西電力においては、県外での中間貯蔵施設について、2020年ごろの計画地点の確定、また、2030年ごろの操業開始を計画をしております。国においては、福井県の要請に基づき、平成27年の秋に政府と事業所で構成する使用済み燃料対策推進協議会を設け、事業者の計画を進行管理することになっています。
 関西電力に対しましては、この4月、我々として要請をしているわけでありますが、国と十分協議しながら計画どおり実行することを求めるとともに、一方、国に対しましては、先月、大飯3・4号機の再稼働の要請があった際に、単に事業者を指導、監督する立場にとどまらず、政府が原子力エネルギーの前面に立って、具体的な対策を求めるよう、強く要請したところでありまして、今後、特に事業者、また、国が指導力を発揮して計画が着実に実行されるよう、引き続き強力に要請してまいります。
 それから、北陸新幹線の敦賀の乗りかえ、在来線等の関係でありまして、新幹線の完成を前提に御質問をいただいたのかなというふうに思っておりますけれども、敦賀駅における上下乗りかえについては、フリーゲージトレインの導入が3年前倒しによって敦賀開業に間に合わなくなったことから、乗りかえ利便性を確保するために実施が決定されております。敦賀駅の高架下から発着する特急とは別に、福井-大阪間の現行ルートに特急を走行させること、それは新幹線敦賀駅の北陸本線との連絡線がそうなると要らなくなるのかもしれないという、そういう議論になると思いますが、新幹線の整備財源の影響がまずありますことと、JR西日本の運行委託経費の発生、貨物線路の使用料の減少により、在来線の会社運営に影響を与えることについては共通的に問題があるように思います。さらに、福井-大阪間の特急の車両編成や敦賀発着の特急とのダイヤ調整など、JR西日本のさまざまな判断もまた加わるべきことだと思いますので、今後さらにこの問題についていろいろと議論を詰めていく、こういうことかと思っております。

◯副議長(大森哲男君) 総務部長山田君。
    〔総務部長山田賢一君登壇〕

◯総務部長(山田賢一君) 私から1点お答え申し上げます。
 言論の自由を抑圧する公文書は撤回すべきではないかとのお尋ねでございます。
 御指摘の今回のお願いの文書でございますが、主張されている内容がどうこうということではなくて、来庁者、あるいは通行人の方から「ひどい騒音」とか、「転びそうになった」、あるいは「せっかく道路をきれいにしても、美観が台なし」などの苦情を受けましたので、県庁舎を管理いたします財産活用推進課長が福井県行政組織規則及び決裁規程に基づいて出したものでございます。これは道路法等に基づいて行ったものではなくて、相手方に任意の協力を働きかける、そういう性質のものでございます。
 なお、口頭ではなくて文書とした点でございますが、福井県行政手続条例の中には、相手方に対して、内容、責任者等を明示すること、求めがあればこれを書面として交付することといった規定がございます。これは、相手方の立場を保護しようという趣旨のものでございますが、その趣旨に即したものであったと、このように考えております。

◯副議長(大森哲男君) 安全環境部長清水君。
    〔安全環境部長清水英男君登壇〕

◯安全環境部長(清水英男君) 私からは3点お答えを申し上げます。
 まず、広域避難の関係でございます。
 広域避難とか、訓練を行わずに再稼働を認めていくのはどうかというようなお話でございます。
 原子力発電所の問題につきましては、まず第一には、プラントの安全対策、これがまず一番大事でございます。そして、次に事故制圧ということがくるかというふうに思っております。それから、万が一の防災、避難対策というのがあって、それぞれ別の事柄であるというふうに理解をいたしております。防災避難対策につきましては、住民の安全・安心の観点から、常に継続して改善を図り、充実させることが重要であると、こんなふうに考えているところでございます。
 県では、昨年8月27日に国において了承された広域避難計画に基づき、高浜地域の住民が初めて県外避難を行う訓練を実施いたしました。翌28日には、大飯地域の住民が県内の広域避難先まで避難する訓練を実施しているところでございます。
 また、ことし2月に国、関係府県で取りまとめました訓練結果を踏まえまして、現在、国の地域原子力防災協議会の作業部会において、例えば、複合災害時に屋内退避が困難となった場合にどうするんだ、どういう対応をとるんだというようなこと、あるいはヘリコプターの運用方法の改善をどうするんだというようなことなどについて現在検討を進めているところでございます。
 県としては、今後国に対しまして、大飯地域の広域避難計画を早期に策定するとともに、その実効性を高めていくための訓練を実施するよう求めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 次に、最終処分場の関係でございます。
 最終処分場反対の要望書が出ているけども、どのように認識をしているのかという御質問でございます。
 福井市白滝町、笹谷町で計画されている民間の産業廃棄物処分場については、現在、県の指導要綱に基づく事前協議というものを行っていると、そういう段階でございます。県では、水質、地盤等の専門家からなる検討会におきまして、白滝町、笹谷町、滝波町、この三つの地域を生活環境の保全上、考慮すべき地域であるということで、関係地域ということにいたしております。事業者は、これらの地域から設置についての同意は現在得ているというところでございます。
 また、地元福井市からも意見というものをいただいております。その意見書を踏まえまして、関係地域外ではございますが、大森町など4地域で事業者による説明会を開催をしたということでございます。今回、その関係地域にある4地域のうち、1地域であります大森町から県及び福井市に要望書の提出があったということでございます。
 今後とも県では、地域の実情を一番よく把握をしている福井市の意見を再度十分お聞きしながら、適正に審査を行っていきたいと考えているところでございます。
 それから、3点目でございます。
 原発解体に伴う廃棄物についての御質問でございます。
 原子力発電所の解体により発生する廃棄物について、原子炉等規制法の基準は緩和はされてはおりません。放射性セシウムが1キロ当たり100ベクレルを超えるものについては、今も依然として廃棄物処理法上のものではなく、廃棄物処理法上に基づく最終処分で処分されることはないものでございます。
 なお、放射性セシウム1キロ当たり8,000ベクレル以下に緩和された廃棄物というのは、いわゆる燃え殻とか、ばいじんでございまして、原子力発電所の解体により発生するものではございません。これが特例法で認められているものでございます。いずれにいたしましても、県外から搬入される廃棄物につきましては、マニフェスト等に基づき、内容を厳正に確認をしているということでございます。

◯副議長(大森哲男君) 健康福祉部長櫻本君。
    〔健康福祉部長櫻本 宏君登壇〕

◯健康福祉部長(櫻本 宏君) 私からは、国保新制度について1点お答え申し上げます。
 来年4月からの試算とその後の中期的な試算による国保税の負担の変化、県の取り組み姿勢などについての説明会を県と市町の責任で開催すべきではないかとのお尋ねでございます。
 国民健康保険につきましては、これまで50年余にわたりまして市町村が保険者としての役割を果たしてきておりまして、保険料の賦課、徴収、健康づくりといったさまざまな業務を行ってきたところでございます。しかし、全国的に財政状況が大変厳しいことから、国の法令が改正されまして、来年度以降、広域自治体であります都道府県が財政運営の主体となることになったという経緯がございます。
 県では、本年4月に県国民健康保険運営協議会に対しまして、県内統一の国保運営方針の作成などについて諮問を行いまして、現在、市町から徴収する納付金、あるいは保険料の標準的な算定方法などについて審議をしているところでございます。
 今後、7月から8月にかけて、国から公費の具体的な配分方法が示されました段階で、市町ごとの納付金、あるいは標準的な保険料額を試算しまして、市町に示してまいることになります。そして、各市町はこれをもとにそれぞれの市町の保険料の設定、あるいは将来的な赤字解消策について検討をし、各市町に設けられております国保運営協議会、あるいは議会に諮っていくことになります。こうした議論につきましては、今後さまざまな方法により地域住民に丁寧に御説明するよう市町に働きかけてまいります。そして、県といたしましても、新たに国保の財政運営を担う保険者として制度改正の趣旨などについて、広報誌などを通じ県民に幅広く周知してまいりたいと考えております。

◯副議長(大森哲男君) 農林水産部長中村君。
    〔農林水産部長中村保博君登壇〕

◯農林水産部長(中村保博君) 私からは、間伐事業に関しまして2点御質問いただきました。関連しますので一括で答弁させていただきます。
 森林組合の間伐事業を円滑に進める根本は所有境界線を地籍調査によりはっきりさせることではないか。また、県は森林組合、住民と一体となって山林を守り育て、必要な間伐事業が円滑に促進されるようにすべきではないかというお尋ねでございます。
 去る6月16日、間伐事業を円滑に進めるため、県森林組合連合会とともに、各森林組合、市町に対しまして、現地での立木の所有者確認や、それから、間伐を行う協力企業を含めた情報の共有の徹底について指導したところでございます。
 御質問にもございますが、山林の地籍調査につきましては、事業主体は、これは市町でございますけれども、まず土地所有者が非常に高齢化されておりまして、境界の確認が非常に難しい。それから、隣地の所有者が所在不明も含めましてわからないと。それから、地境に関する意見の食い違いというものが必ず起きてまいりまして、市町としてはこの対応に多大な時間と労力、それから、経費もかかっているというのが状況でございます。このため、県独自の支援といたしまして、GPSを用いまして、立木に着目した山林の所有者の境を仕分けをしていくという方法に対して、やり方、財政的なものを含めて市町を支援しております。
 所有権ですとすごくもめごとが起こるんですが、木と木の間で仕分けをしていくということにすれば、いわゆる間伐は進むということでございますので、今後とも市町はもとより、森林組合、森林所有者などと一体となって、県は間伐を推進してまいりたいと考えております。

◯副議長(大森哲男君) 教育委員会教育長森近君。
    〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 教育行政について2点お答えをいたします。
 ここ数年間の県の独自テストの導入など、新規事業について見直しを求めるとともに、思い切った業務内容と勤務時間の削減について、県教委で取り組んでいってはどうかというような御質問でございます。
 学習指導要領の改訂や大学入試改革に加えまして、いじめや不登校などの課題に対応するため、生徒の学力向上、また、教員の資質向上など、必要な施策を実施しているところでございます。
 県では、こういう長時間勤務に対して、これまでも校長と連携いたしまして、会議回数の縮減や調査文書の精選をするほか、いじめや不登校に対応するためのスクールカウンセラーとか、ソーシャルワーカーの増員、また、教員の業務を補助する学校運営支援員の配置を昨年度から始めておりますし、そうした外部人材による支援を強化してきておりまして、ここ5年間で倍増させるなど、業務改善を進めてきているところでございます。
 また、超過勤務は部活動というのが非常に多いものですから、土日を含めてそういうことがありましたので、今年度からは、新たに部活動休養日を設定する。また、部活動講師という遠征とか、そういうものにも単独で行える、そういうものを配置する。そして、部活動の指導の見直しも始めておりまして、さらには、教員免許状更新のための研修の合理化、さらには、成績管理などの電子化や統一化する校務支援システムの整備、こういったことによって勤務時間の縮減に努めているところでございます。
 なお、今月、文部科学省のほうが中教審に対しまして、教員の長時間勤務是正について諮問したところでございまして、こうした国の動きにも注視しながら、県としても積極的に業務改善を進めてまいりたいというふうに思っております。
 次に、ことし6月までの5年間で教員側の過失による交通事故件数とそのうちの休日以外の交通事故件数、これによる処分内容と件数を伺うという質問でございます。
 教員側の過失による過去5年の交通事故件数は758件でございまして、うち休日以外の件数は558件となっているところでございます。平成28年度の教員に占める事故の割合というのは1.4%でございまして、県全体で運転免許者と事故件数を見ますと4.4%ということで、これよりは少ない状況となっているところでございます。また、処分内容は、戒告が20件、文書訓告が57件、口頭訓告が336件、厳重注意が142件となっているところでございます。
 交通事故の件数は、平成24年度の188件から平成28年度は103件と年々減ってきておりまして、引き続き長時間勤務の縮減を図るとともに、時間に余裕を持った出勤とか、運転時の車間距離の確保、早朝、夕方の早目のライト点灯など、こうした注意喚起を徹底してまいりたいというふうに考えております。

◯副議長(大森哲男君) 佐藤君。

◯18番(佐藤正雄君) 知事に再質問しますが、知事は今の答弁で修飾語をつけましたね、使用済み核燃料、最後まで引き受けるつもりはないがと。最後までというのは微妙だと思うんです。だから、私が質問で今述べたように、もう既に40年以上保管されている。それが50年、60年となってくるんじゃないかということで、知事のその言い方は50年、60年も含めてこのままだとずっと福井県にあり続ける危険がある。再稼働すればそれがふえるわけですから、無責任じゃないかということを質問したので、そこのところをちょっと明確に御答弁をお願いしたいというのが1点と、新幹線に関しての特急存続はできない理由がいろいろ挙げればあると思うんですが、知事としては、特急存続したいと思っているのかどうか、そこのところを原点をちょっと確認させていただきたいというふうに思います。
 それから、総務部長にお尋ねしたいのは、答弁でよくわからなかったのは、これは県条例に基づいた公文書ではないということでよろしいのか。県条例のいわゆる景観保護のところに基づいたということでいいか。景観保護は福井市かもしれませんけども、そういう県条例に基づいた公文書ではなくて、お願いの文書なんだという認識でよろしいのかというこの2点を、2点というか1点だけ確認します。
 最後、教育長ですが、558件と物すごい多いと思うんです。私ども議会でも、県警本部長が申しわけないと時々謝られるわけです。十何万円賠償したとか議会に報告されますから。教員の場合はそういう報告がないわけですから、そういう公用車じゃないということがあってないわけですから、やはりそういう問題をもっときちんと曖昧にせずにそんな事故件数が減っているとか、そういうことではなくて、やはりその背景に過労があるんじゃないかということで指摘をしたわけですから、真摯に改善をお願いしたいと思いますが、どうですか。

◯副議長(大森哲男君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) 使用済み燃料の中間貯蔵については、本県は、発電は引き受けてきたが、使用済み燃料の貯蔵まで引き受ける義務はなく、これまで一貫して県外に設置するよう求めてきたというふうな意味です。(佐藤議員「最後までとおっしゃっていた、答弁では」との発言あり)──特に意味はありません。
 それから、フリーゲージについては、これからいろいろ方針が出てくるでしょうから、それを前提にさらに議論を進めるという段階であるということです。

◯副議長(大森哲男君) 総務部長山田君。

◯総務部長(山田賢一君) 先ほど申し上げましたように、行政組織規則に基づくいわゆる組織上の権限に基づいて行ったもので、条例等に基づくものではございません。

◯副議長(大森哲男君) 教育委員会教育長森近君。

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 先ほどおっしゃったような事故につきまして、重いものについてはきちんと調査をしておりますけども、先ほどおっしゃったような金津高校の例とか、そういうものにつきましては過労によるものではないというふうに調査をしておりますし、今後もきちんと事故防止について、学校に徹底してまいりたいというふうに思っております。


北朝鮮の核実験を厳しく糾弾する ――危機打開のため直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に

2017年09月04日 | Weblog

  昨日の北朝鮮の6度目の核実験にたいして、日本共産党の志位委員長は厳しく糾弾し、対話にふみだし戦争の危機を回避することをつよく求めました。

北朝鮮の核実験を厳しく糾弾する

  ――危機打開のため直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に

        2017年9月3日  日本共産党幹部会委員長 志位和夫

一、北朝鮮は本日、昨年9月に続く6回目の核実験を強行した。北朝鮮は、「ICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載の水素爆弾の実験を成功させた」と主張している。

 北朝鮮の核実験は、今年だけでも13回行った弾道ミサイル発射とともに、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙である。それは、国際社会が追求している「対話による解決」に逆行する行為であり、核兵器禁止条約の採択など「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうものである。

 日本共産党は、強い憤りをもって、この暴挙を糾弾し、抗議する。

一、いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということである。万が一にもそうした事態が引き起こされるならば、その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになる。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならない。

 私は、8月12日に発表した「声明」で、現在の危機の打開のためには、米朝の直接対話が必要だと提起したが、それはいよいよ緊急で切実な課題となっている。

一、北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求める。米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すことを重ねて呼びかける。

 8月29日の国連安保理議長声明は「対話を通じた平和的で包括的な解決」を加盟国に呼びかけている。国際社会および日本政府に対して、米朝両国に直接対話をうながし、平和的・外交的な手段で核・ミサイル問題を解決するために、可能なあらゆる手立てをとることを強く要請する。

 とくに日本政府が、「対話否定論」に固執する態度をあらため、「いまこそ対話に踏み切るべきだ」ということを米国政府に説くことを、強く求める。

 

 先日のミサイル発射の際の抗議宣伝