昨夜というか午前3時 トイレに起きた後いきなり一匹のコウモリが自室に乱入し
て来た。 深夜丑三つ時を過ぎた頃 静寂を破る型破りの闖入者であった。部屋は
予備灯しか点いておらずこんな闇を飛べるのはコウモリしかいない。
彼の目的は分からないが 網戸の隙間をこじ開けて侵入したものと思われる。頑丈
な造りなのに凄い力だ。コウモリは音を発するでもなく部屋の中をひたすら旋回し
ている。侵入してみたものの心なしか焦っているようだ。
仕方がないので網戸を全開にし捕虫網(害虫捕獲用に置いてある)で誘導しつつ
「出ていくなら其処だよ。」と念じてみた。すると彼は合点をしたように飛跡を変
え外の闇に消えて行った。
中型のコウモリなのでそこらの洞穴に居る連中とは違う種類だろう。愛好家が飼育
していたのが逃げ出したのかもしれない。不思議なことは彼が消えたすぐあと 立
て続けに停電が断続したことだ。単なる偶然か?
いつもの蝶たちや小鳥たちとは趣を異にした遭遇であった。相手が相手だけに魔法
使いが突然現れたようなそんな摩訶不思議な感覚に陥ったのだ。実際 旋回中は部
屋の中は異次元の振動波で充満したようである。
その後は嘘のように静寂となり 「何だったんだろう?!」とお腹の底から笑いた
くなるような 久々の解放感に満たされたのであった。閃いたことだが マテリア
ル界の電気とエーテル界の電気(電氣)が繋がったように感じたのである。