を読む。長田龍太著。新紀元社。
古代ギリシャ・ローマ、エジプト、メソポタミアの壁画や壺絵をもとに、当時の格闘技の実態を探る意欲作。実におもしろい試みで、書店で見てすぐ買ってしまったが・・・・・・。
残念ながら、歴史記述に大きな間違いがある。「 スパルタでボクシングが行われていたという記録は残されていない 」( 30ページ ) ?
とんでもない。「 ギリシア哲学者列伝 」( ディオゲネス・ラエルティオス著、岩波文庫 ) によると、スパルタのキロン ( ギリシア七賢人の一人で、「 保証人になるな 」 という金言を残した ) は、自分の息子がオリンピック大会のボクシングで優勝したのを見て、喜びのあまりすぐ死んでしまった、という。
それでも、格闘技や古代史に興味のある人なら、手に取ってみて損はない本だと思うにゃ。