ニーチェは、ユダヤ教・キリスト教を攻撃している。これらは奴隷と主人を逆転させて、「生」を堕落させた。つまり、弱くて無能な人間が、自分たちのような卑屈な生き方にこそ価値があると思い込むような世界をつくり上げたのだ、と。だが・・・。
一方でニーチェは、こう書いている。「奴隷的状態というものは、精神の訓育と錬成の不可欠な手段でもあるように思われる」。また・・・。
「旧約聖書には、ギリシアやインドではそれと比肩するものがないほどの雄大な風趣をもった人物、事物、言葉が存在する」。弱者であるはずのユダヤ人に、どうしてこのような旧約聖書が書けたのか。ニーチェは何も語らないのにゃ。
また、ニーチェは、反ユダヤ主義を追放すべき、とも書いている。ユダヤ人はヨーロッパに吸収されたがっているのだから、放っておけばいい、と。
何もかもが、分裂しているのにゃ。