映画「300 帝国の進撃」を観たのだが・・・。
史実とかなり違う。
マラトンの戦いの英雄は、テミストクレスではなくミルティアデス。ペルシアのダレイオス王は、この戦いでは死んでいない。
クセルクセス王が、まるでエジプトの神官みたい。ペルシア王は体毛を剃ったりしない。
アルテミシアはドーリア系のギリシア人で、ハリカルナッソス(今のトルコ西岸。その地域のギリシア人都市国家はかなりの数がペルシアの海軍に加わっている)の女独裁者だが、ここまでペルシアべったりではないし、サラミスの海戦では死んでいない。この戦いでペルシアの海軍を仕切っていたのはフェニキア人だった(ペルシア人は泳ぎを知らない)が、ギリシア人とは仲が悪くて足の引っ張り合いをやる。こんな調子だから、ペルシア軍はサラミスの海戦で敗れた。しょせん、烏合の衆だったのだ。
あと、ギリシア本土の都市国家の中でも、テーバイはペルシア側についている。詳しくは、ヘロドトスの「歴史」を読むにゃ。
史実通りなのは、スパルタの女性の地位の高さくらいか。
ペルシア戦争の後、テミストクレスは政争に敗れてペルシアに亡命した。そんな後日譚は、プルタルコスの「テミストクレス伝」を読むにゃ。