そして、絶壁の間を流れる赤井沢。これらを全部ひっくるめて「神戸岩」と呼ぶらしい。チンケな岩だったら、「みゆき」と落書きして帰るつもりだったんだが。
ちなみに「神戸」とは、大嶽神社への入り口、という意味だという。ふたつの絶壁の間の、水の流れ。それは、聖なるものへの入り口。つまり、「神戸」とは、「女陰」を意味しているのにゃ。
エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッドのDVD「ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン」を観る。
1曲目の「泣きたい気持」。クラプトンとウィンウッドのツイン・リード・ギター。2人がソロとバッキングを交互にとる。テクニック合戦というほどではなく、むしろ淡々とした演奏なんだけど、どうしても手に汗を握ってしまう。
ブラインド・フェイス、デレク&ザ・ドミノス、トラフィック、互いのソロ作、そして、ジミ・ヘンドリックスゆかりの「ゼム・チェンジズ」、「リトル・ウイング」、「ヴードゥー・チャイル」。選曲も、的を射ている。
ウィンウッドの声は、前にDVDで観たブラインド・フェイスのライヴの頃と、変わらない。変わったのは、容貌だけだ。肉体が、声を追い越してしまった。喜ぶべきことなのか、悲しむべきことなのか。
クラプトンが今度来日したら、観に行こうかな。今さらクラプトンなんて、と思っていたけど、やっぱりいいものはいいのにゃ。
DVDを2本立て続けに観る。ジャック・ブルース&ロビン・トロワーの「セヴン・ムーンズ・ライブ」と、ブルー・チアーの「ロックス・ヨーロッパ」(輸入盤)。
どちらもつい最近のライヴ。ともにギター、ベース、ドラムスという、いわゆるパワー・トリオというスタイルのバンドで、とっくに還暦を過ぎた人たちがフロントに立つ。特にジャック&ロビンに言えることだが、顔のアップは気の毒だ。ほんの一瞬ならともかく、執拗に映し続けるのはどうかと思う。
ブルー・チアーのディッキー・ピータースンは、慢性の鼻炎なのだろうか。左の鼻の穴から鼻水を垂らし続けているのがはっきり映っている。それでも発売するとは。これも、ロック魂か。
見た目はともかく、彼らの音が超一流なのは言うまでもない。私が特に注目したのはギター。ロビン・トロワーも、ブルー・チアーのアンドリュー・マクドナルドも、強烈なジミ・ヘン・フォロワーだ。他のギタリストとの違いは、トーンの厚み、色彩感、フレ-ズの多彩さ、世界を創ったのは言葉ではなく音だとでも言いたげな、自信に満ちた態度・・・等等。
ロビンは、ちょっと枯れ過ぎかな。フレージングに意外性がない。「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」のエンディングを、ボ・ディドリー風のカッティングで締めるのはおもしろいが・・・。
アンドリューの方が、ずっといい。1999年に来日した時よりも進化している。特に「ドクター・プリーズ」でのプレイ。ジミ・ヘンの「サード・ストーン・フロム・ザ・サン」のフレーズを引用しつつ、彼は新しい世界を創ろうとしている。「へヴィ・メタルの元祖」というブルー・チアーのバンド・コンセプトを超えて。まあ、彼はロビンよりもかなり若いのだから、当然か。
ギター以外だと、やはりブルー・チアーのドラムのポール・ホエイリー。彼の叩き出すサウンドは、ドラムというよりはエンジン音に近い。目で見るとなおさら強烈だ。
・・・なんか、ブルー・チアーばっかりになっちゃったな。やっぱり、生で観たいぞ。
万有引力の小林桂太氏作・演出の「クリフォト」を観る。
ロック・バンドのライヴのセット・リストに似て、全14シーンにタイトルがつけられた、約90分の公演。だが・・・・・。万有引力はタイトルこそつけないが、ふだんからこういう形で公演を行ってきたんだよね、よく考えると。
「星の王子さま」とメタルを融合させた、村田弘美氏の「パンクデスムラリス」がツボ。
公演終了後、渋谷のタワーレコードに行って、オザンナの「パレポリ」を買ったにゃ。名盤にゃ。