を読む。ディオゲネス・ラエルティオス著。岩波文庫。
ソクラテス、プラトン、アリストテレス・・・・・・といったおなじみの面々もいいが、強烈なのはキュニコス派(犬儒派)の人たちだ。彼らは「人間の自然な行為は何ら恥ずべきものではなく、人前でやってもかまわない」、と主張したが、その言葉通りにディオゲネスは広場でオナニーし、クラテスとヒッパルキアの夫婦はセックスを公開したという。
また、「ストイック」の語源になったストア派の、クリュシッポス。彼は自著の中で、神話に出てくるヘラとゼウスのセックスをハードコアに描写したり、近親相姦を容認したりして、物議を醸したという。
哲学者とその弟子は、しばしば愛人関係にあったという。その例は多すぎて、ここでは紹介できない。
キリスト教以前のギリシア文化は、かつてニーチェを魅了したが、キリスト教からの脱却というのは実はきわめて現代的な問題ではないだろうか。テクノロジー、効率優先、数値化、経済規模の果てしない拡大。それらはキリスト教と結びついて、明治維新の時に日本にも入ってきた。その結果、今や・・・・・・。
しばらくは、古典を読むつもりだ。