リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ロシアと音楽

2022年04月21日 15時34分28秒 | 音楽系
「国際音楽コンクール世界連盟」(スイス・ジュネーブ)が、世界3大音楽コンクールの一つ、チャイコフスキー国際コンクールを除名したというニュースが入ってきていますが、この連盟が同コンクールを排除というのはどういう意味を持つのでしょうかねぇ。

ロシア政府が援助していてプロパガンダに使われるコンクールは支援したり同連盟に入れることはできないということのようですが、このコンクール自体は多分存続はしますよね。それに参加はできないということになるのでしょうか。参加の自由はあると思うのですが、仮に優勝してもなんか言われそうです。このコンクールは確か4年かそこらに1回ですから、それを目指して練習に励んできた人もいるでしょう。ロシアやその友好国以外の国の人にとっては微妙になってくるのかも知れません。

コンクールやもちろんチャイコフスキーには何の罪もありませんが、ロシア(人)の音楽は過去にもいろいろ政治に翻弄されてきました。その苦労を偲ぼうと、ショスタコーヴィチの交響曲4番と5番を聴いてみました。4番はソヴィエト共産党の評判がよくなかったそうですが、5番はお眼鏡にかなって失地回復?になったようです。5番はわかりやすい部分が多いですが、4番は音楽になれていないと聴きづらいかも。共産党の幹部の皆さんにはよく理解できなかったのでしょう。

彼は天才ですからどんな風にでも書ける人です。こんな風に書けば多分党も納得するのではということでウケ要素をちりばめて5番を書いたのかも知れません。でも多分完全には妥協したわけではなく、そのせめぎ合いのところでできたのかも知れません。まぁこれは私の勝手な想像ですが。私個人的には4番の方がずっと好きです。