リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

学校が塾にのまれた日(上)

2022年08月17日 14時05分34秒 | 日々のこと
最近の高校では夏休みに塾が出前講座を行うのが定着しているようで、高等側でもすっかりあてにしているみたいです。つまりすでに構造化しているということなんでしょう。

ある私立高校の先生は、大学入試進路指導は情報戦であり多忙な現場の先生が進路指導を行うのは無理であるとおっしゃっています。多忙が理由でとても無理というのは一見正しいように見えますが、それもあるのかも知れませんが一番の理由は情報が足りないということでしょう。全国的あるいは広域的なテストの情報があるかないかです。情報があるものが進路指導を征します。

30年くらい前に中学校の進路指導の現場に身を置いていた私は、「情報戦」の決定的な瞬間を体験しました。情報戦といっても静かなもので気づかない人は気づかなかったでしょうけど。

時の文部大臣鳩山邦夫氏が関東地方のどっかの県知事とタッグを組んで業者テスト不使用のアドバルーンを上げ、その後に業者テスト不使用の通達を出しました。私はこれはやられた、えらいことになると思いました。小中学校の先生が単元テストに業者テストを使っているのは一般的でしたが、一般的にはこれの是正と受け取られましたが、実は一番のターゲットは三重県で言えば三進連のテスト、愛知県で言えば中統と呼ばれた高校受験模擬テストでした。

三重県の三進連は各地域の先生たちにテストの情報を全て提供していいました。まぁこういうのを結託して・・・というんでしょうけど。(笑)高校の地区割ごとに先生たちが集まり、担当生徒の志望状況を集約して生徒たちの三進連テストの成績と照合します。そうすることによってほぼ100%近い精度で合否の可能性を導き出すことができます。三進連テストは全員受験しますので当然です。もちろん当日の番狂わせがないわけでもないですが。