リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

学校が塾にのまれた日(下)

2022年08月18日 14時38分43秒 | 日々のこと
通達の次年度からさっそく三進連テストは自由受験になり生徒所属の学校ではない別会場での受験になりました。受験しない生徒も出てきているので三進連からは相変わらずデータを頂いてはいるもののこのレベルのデータではあまり役に立ちません。近隣の塾は千載一遇のチャンスとばかり受験模擬テストの整備にとりかかっています。

この文部省通達が出た瞬間、学校は受験の情報戦に敗北したことになったわけです。その後は親御さんの学校への信頼度は下がりひいては教科指導は塾に頼ることになっていきます。進路指導の懇談会で「〇〇君は△◆高校はなんとかいけるのではないでしょうか」「いえ、塾の先生が〇◎高校にした方がいいとおっしゃるのでそうします」みたいな感じになり学校の信頼度がガタ落ち事象が頻発していきます。(もともと信頼度は低下の方向でしたが)

また給料も安く問題も山積の学校より塾へ、企業へと大学卒業生が向かい、すでに始まっていた学校の人材の質低下に拍車がかかり、昨今のブラック職場状況もあり質だけでなく数も不足というのが現状です。

もちろんこれひとつが今の学校の凋落を招いたのではないでしょうけど、大きな要因のひとつ、この場合はアリの一穴かも知れませんが、であったことは間違いないでしょう。鳩山邦夫大臣の決断の裏にはきっとなんらかの塾関連の政治的勢力があったことも推測されます。もともと絶対に消えないニーズがあったものを禁じてしまえば、別の勢力がそのニーズ(一種の利権です)に飛びつくのは当然だからです。時の大臣がもうちょっとしっかりしてくれていればよかったんですが。