リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

コロナ第7波ピーク下に開催された桑名石取祭本楽

2022年08月07日 22時52分10秒 | ローカルネタ
当地方はほとんど雨に降られず迎えた桑名石取祭本楽、祭りのクライマックスです。行って参りました。

しかし人の出は感覚的には例年の半分強といったところでしょうか。第7波ピーク下の開催ですからいたしかたありません。いつもなら屋台がずらりと並ぶ八間通りもこんな感じです。



とはいうものの人の集まるところにはそれなりに。寺町商店街の大黒屋さんの前には沢山の人が冷たいものを求めてやってきています。



ことしは飲酒して鉦太鼓を叩いてはいけないというお触れが出ていますので、いつもなら祭車の付近はビールの匂いが漂っているのですが、漂うのはシラフ感ばかりです。祭りは春日神社への渡祭(神社にお参りをする)が順次行われピークを迎えます。


この写真奥に楼門がありますが、そこを出たところで渡祭します。


写真中央少し左寄りの白装束の方が神社の宮司さん。紙吹雪を蒔いて祭車を清めます。写真左側の階段状の席はVIP席。桑名藩士をご先祖に持つヴァイオリンの小野萬里のお母さまのご著書にこんな下りがあるのをふと想い出しました。

「十才の少年だった父の<中略>幼少の頃には、<中略>桑名の祭りを高い桟敷の上から大小を指して見物した」

この少年は小野さんの曽祖父にあたる方で桑名藩の筆頭家老であった久松十郎左衛門の次男。桑名藩が戊辰戦争で敗れ開城する少し前の話です。目の前の光景はその頃とそんなに変わっていないのだろうなぁと感慨にふけり眺めていました。

今年は祭りに参加する町内が少し少ないようなのでまだいいのですが、お参りの最後にあたった祭車が自分の町内に戻るのは午前3時頃になったりもします。さすがにその頃まで見ているもいないのですが、ずっと叩き続けなければならず、なかなか骨が折れることです。

祭車も時代によって変わってくるもので、照明にLEDを使って白い光の車も登場。さすがに祭車上段の提灯の光は白くはなかったですが。



かと思うと、全ての照明を蝋燭で、加えて先頭には小さなかがり火を付けた祭車も登場。はじめ目に入った時は、えらい煙が出ているので何なんだろうと思いましたが先頭のかがり火からのものでした。



この町内ではありませんが、高村光雲の彫刻をあしらった祭車もありますから火の用心はしなくてはいけません。

来年はテキヤさんも沢山やってきて人出も増え、元の賑わいが戻ってほしいものです。