リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

シチリアーナ(BWV1031より)の編曲

2022年10月21日 15時49分17秒 | 音楽系
バッハ作として知られている有名なシチリアーナのチェンバロ伴奏をバロック・リュート用に編曲してみました。



13小節目の2拍目裏から17小節目の1拍裏まではオクターブ下げています。これは15小節目に音域外の音がでてくるので取った措置です。バスに関しては1オクターブ下げたところが多いです。無理をして全てのバスと原曲と同じ高さにするという手もありますが、苦労する割には効果は少ないでしょう。

本シチリアーナはとても人気がある曲ですが、オブリガートの書き方が少し雑な感じがしますし、全体的にギャラント的すぎて、どうもヨハン・セバスティアンの手ではない感じがします。次男か少し下の世代の人の作かも。でも不思議なことに、バッハの曲として超有名なのは皆偽作、贋作、他人の作が多いです。このシチリアーナ然り、鼻から牛乳のトッカータとフーガニ短調然り、実はペツォールト作だったメヌエット然りです。でもこれらの曲はヨハン・セバスチャンというビッグネームがあったからこそ「世に出た」作品で、それがなければ埋もれていたのかも知れません。難しそうなバッハなのになんか妙に親しみやすいワンなんて感じですね。