リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ブーレーズのリチュエル

2022年10月26日 12時39分15秒 | 音楽系
今朝は気温が下がりいつもは冷えたまま飲む牛乳も温かくしていただきました。

今日の朝食は久しぶりにピエール・ブーレーズの「リチュエル、ブルーノ・マデルナの追憶」を聞きながら頂きました。まぁこの曲をBGMで聴く人はあまりいないかも知れませんが。(笑)リチュエルは儀式という意味です。ブルーノ・マデルナは1973年に亡くなったイタリアの指揮者、作曲家です。

この曲を聴くと思い浮かべるのは松平頼則のダンス・サクレとダンス・フィナル、右舞、左舞というオーケストラ曲です。とても雰囲気が似ています。松平の曲は1950年代の後半作曲ですので、ブーレーズが影響を受けて作曲したんだと思います。もっとも似ているのはサウンドというか全体の雰囲気だけで、曲の構造はブーレーズのリチュエルはとても西洋音楽的です。でも似てるなぁ。

松平頼則はあまり知られていませんが、ヨーロッパではとても評価が高かった人です。そういや武満徹の弦楽のためのレクイエムの作曲も50年代の終わり頃。その頃来日していたストラビンスキーがNHKのスタジオで武満のレクイエムを聴いて絶賛したのがきっかけで武満は世に出たげな。(昔近所のお年寄りは「げな」を使っていました。「出たそうだ」という意味です)レクイエムもとてもいい曲だと思いますが、それと同じくらいの高レベルの曲がほとんど知られていないのが現状ですね。お墨付きがないと自主的判断できない評論家やリスナーが多い日本です。アメリカで大評判になってそれを逆輸入して日本でも評判!じゃなくて、始めから日本で有名にしてやれよ。