リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

寒くなりましたが・・・

2020年02月10日 17時18分01秒 | 日々のこと
関東ではとっくに初雪があったというのに、当地ではまだ一度も雪が降っていません。今日はみぞれが少し降りましたが、初雪には至りませんでした。結構寒かったんですがね。

寒いといえば、国会も全くお寒いかぎり。答弁能力の全くない大臣がやり込められていますが、なぜあのような人物が大臣なんかになったのか不思議な話です。派閥の力学がそのようにさせたという解説がありますが、まぁ今みたいな状況になるのは分かっていたのでしょう。それならさっさと安倍さんはそのお方を更迭すればいいのでしょうけど、そうすると次に首相の任命責任とやらでまた野党がいろいろ言ってくるので、タイミングを見計らっているのかも知れません。

野党も、あの方はもともと能力が足りないのだから、あまりネチネチとやっても仕方がないでは。ボクシングで言えば鍛えたボクサーがひょろひょろの相手にパンチを出すのも同然、見ようによってはいじめとも映り、野党にとっても得策とは言えないと思います。与党に攻勢を仕掛けるならもっとまともな政策論争でやったらどうでしょうか。

いかに能力が足らない大臣とは言え、人を笑いものにするのはいただけません。与野党が話し合って、穏便にあの大臣には辞めて頂き、大切な議論に時間をさく、というのが一番です。このお寒い状況はいつまで続くのでしょうか。

バロック音楽の旅13第6回コンサート

2020年02月09日 21時46分22秒 | 音楽系
バロック音楽の旅14第6回のコンサートが無事終了致しました。これで今年度の講座は全て終了いたしました。



今回はソプラノの森川郁子と私とで「ソプラノとリュートで巡るヨーロッパ」というタイトルのコンサートでした。曲は15世紀ブルゴーニュ楽派のギーゼゲムから18世紀のヘンデルまでと約300年にわたる各地の音楽をご紹介させて頂きました。歌うことばも、古いフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、英語と5カ国語にわたるため、しっかりとした歌詞カードとヨーロッパ地図も用意致しました。私はルネサンス・リュート、バロック・ギター、そしてアーチ・リュートを使って演奏いたしました。ひとつのコンサートで3種類の楽器を使い分けるのはなかなか大変ですが、それぞれの曲の持ち味が出せたのではと思います。プログラムは次の通りです。

エーヌ・ヴァン・ギゼゲム(c.1445-after1472)
 吾が女王は至高の徳に満ちあふれたり(ブルゴーニュ公国)

作者不詳
 愛しのエルスライン / いつか私は見た(グローガウ写本、15世紀中頃)

ルイス・デ・ナルバエス(c.1500-after1555)
ムーアの王は馬に乗り(バリャドリッド、1538)

ルイス・デ・ミラン(c.1500-c.1561)
 ファンタシア(ヴァレンシア、1536)(ルネサンス・リュート・ソロ)

ジョン・ダウランド(1563-1626)
 胸騒ぎする想いよ(ロンドン、1597)/ 私は見た、愛しい人の涙を(1600)
 エセックス伯のガリヤード(ユーイング写本:グラスゴー、16世紀)(ソロ)
 悲しみよ、そのままでいて(1600)

ロベール・バラール(1575-1649)
リュートのためのアントレ第1番、第2番、第6番(パリ、1611)(アーチ・リュート・ソロ)

エティエンヌ・ムリニエ(1599-1676)
ついに憧れの美しい人が(パリ、1624)

------------------------------ 休憩 ---------------------------------

ジュリオ・カッチーニ(c.1545-1618)
アモール(愛の神)よ、何を待つ? / 東の城門から(フィレンツェ、1601)

アンジェロ・ミケーレ・バルトロッティ(c.1615-c.1682)
プレリュード(ローマ、1640)(バロック・ギター・ソロ)

ロベール・ド・ヴィゼ(1660-1725)
パッサカイユ(パリ、1686)(バロック・ギター・ソロ)

ヘンリー・パーセル(1659-1695)
もっとも抜きん出て美しい島(ロンドン、1698)
 ひとときの音楽は(1702) / 狂気のベス(1698)

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)
カンタータ「白い薔薇」より、2つのアリア(ロンドン写本、18世紀)

アンコールにはパーセルの「男は女のためにできている」を演奏しました。


本年度全6回の講座でのべ400人を超える方に参加して頂きました。今日から来年度の「バロック音楽の旅14」講座の先行予約を受付させていただいております。先行予約専用ホームページを作りましたので、興味のある方はぜひ覗いてみて下さい。

バロック音楽の旅このサイトから直接お申し込みが可能です。


Tree Edition

2020年02月08日 14時48分02秒 | 音楽系
ひさびさにTree Edition に楽譜を注文しました。Tree Edition というのはドイツのリュート音楽を専門とする小さな出版社で、Albert Reyerman という人がほそぼそと?やっています。

今月の初めに宣伝のメールをもらいました。「設立40周年を記念しまして、完全版ロストック・リュート・タブラチュア写本をCD/DVDにてご提供させていただきます」とありました。

この完全版はフルカラーで1540ページにもおよぶ11コースバロック・リュート用タブ集です。これらは現在ロストック大学の図書館所蔵のもので、Weichenberger, Weiss, Pichler, Losy, Hinterleitner, Gautiler, Dufalt, Pinell, Dubutなどフランス、ドイツだれでもござれという感じの分量です。

ありがたいことに、このようなインデックスも付いています。



冊子別、作曲家別と2種類のインデックスがありますのでとても便利です。これでたったの95ユーロ、決済はPayPalであっという間です。便利な時代になったもんです。

これをiPadに入れれば冊子よりずっと軽くなるので使いやすいです。1500ページを超える本だと何センチくらいになるのでしょうか。もうこの手の大全集を紙の本にする時代は終わったのかも。データはロック付きのPDFで、その都度暗証コードを入れなければならないのがちょっと面倒ですけど、まぁ仕方がありません。こういうのをすぐコピーしたがる人が人がいますから。どんな場合でも必要な対価を払って入手していただきたいものです。

興味のある方は下のURL,メルアドまで。
www.tree-edition.com
albertreyerman@kabelmail.de

ネット不正送金

2020年02月07日 10時56分06秒 | 日々のこと
偽サイトを使って、送金をだまし取るネット不正送金が横行しているそうです。

SMSにあなたの口座はもう使えなくなったので、再登録してください、というメッセージがきて、記載されているURLにアクセスするとこんな感じの偽サイトがに誘導されるそうです。


日経新聞から引用

本物そっくりですねぇ。色使いからして三井住友銀行のかな?

でも急に口座が使えなくなったというのは、変だとまず気が付かないといけないとは思うのですが、急にそう言われたら、あわててしまってすぐに何とかしなきゃと思い件のURLにアクセスしてしまうのかも知れません。

三井住友銀行のサイトでネット送金の方法を見てみますと、パスワードカードが2種類あって、ハードウェアのカード(カード型電卓のひとまわり小さいくらいの大きさ)とスマホアプリ版のものがあります。被害が出ているのはスマホアプリ版のもののようです。物理的なカードからワンタイムパスワードを発生させれば、この手の詐欺にひっかからないような感じもしましたが、もしニセ誘導URLに「パスワードカードをお持ちの場合は直接入力してください云々」と書いてあれば、やっぱり入力してしまうでしょう。

なかなか巧妙です。賢いヤツがいるもんです。なんて感心している場合ではありません。やはり急に口座が使えなくなったとかカードが使えなくなったという連絡をうけたら、こちらから信頼できる電話番号に電話をかけて確認すべきですよね。その電話番号が偽物でないよう、念には念を入れて調べなくてはいけませんが。

以前アメリカにいたときにカードの番号が盗まれて不正使用されたことがありました。そのことをつかんだカード会社から手紙でその旨を伝える文書が届きました。さっそく文書に書かれている電話番号に確認の電話をかけようとしましたが、ひょっとしてこの文書自体が偽物の可能性があります。念のためネットでそのカード会社の住所を調べ電話番号もしらべ、文書のそれらと一緒であることを確認してから電話しました。

これでもまだ若干の疑念もありまして、電話したとき思わず「本物ですよね?」なんて口走ってしまった私でしたが、本物でした。送金をストップしてもらい、カード自体も新しく作り直しました。カードの件に関してはカード会社の迅速な処理のお陰で被害もなく一件落着でしたが、カード払いしているサブスクなどの変更がとても面倒でした。今の世の中とても便利になりましたが、どれだけ安全策を施してもそれを破ろうとする悪い奴がいるものだということは心しておかなくてはなりません。

クワナビMYミュ

2020年02月05日 11時52分30秒 | ローカルネタ
桑名地域のミニコミ紙、クワナビMYミュが休刊になりました。同紙は桑名市、東員町、いなべ市、を中心に配布されているいわゆるフリーペーパーです。四日市エリアには配布されていません。


「最終号」です。

最終号が先日配布されていましたが、なんかいつもよりページが少ないので変だなと思って最終ページを見ましたら、今号で休刊するとありました。桑名地域に配布されているフリーペーパーは他にもありますが、記事らしい記事は全体の10%もなく、ほとんどが広告とクーポン券のオンパレードです。

対して同紙はもちろん宣伝もありますが、内容のある記事もあり、月2回の配布を楽しみにしていました。特に郷土史家の西羽晃氏のコラムは充実していました。これが読めなくなるのはちょっと残念。ここ何年かは、バロック音楽の旅の宣伝も毎年掲載して頂いていました。ただ、2,3年前から宣伝効果が下がってきているのがちょっと気にはなっていましたが、やっぱりみなさん文字を読むよりクーポン券の方がいいんですかねぇ。(笑)

昨年創刊した「くわな新聞」の影響もあるのかもしれません。こちらは初めは読める記事が多かったのですが、最近はなんかお店の宣伝記事ばかりになってきたのがちょっと気がかり。まぁこれからを期待しましょう。

改良型ダウランド律は・・・

2020年02月04日 12時53分33秒 | 音楽系
VARIETIE OF LUTE-lessons の翻訳シリーズのとき、お示し致しましたダウランド律とその改良型。ダウランドが記述しているものはそもそも破綻しているということは連載中に述べましたが、その際改良型も提示させていただきました。

で、暫くその改良型を使っていましたが、C Dur と F Dur があまり心地よくないので、今は「ほぼ平均律」に戻しています。C Dur やF Dur をきれいに出そうと思うと、結局純正で合わせていたところを調整しなくてはならず、それなら「ほぼ平均律」と同じ手間になるからです。

改良型ダウランド律は、5コース4コース以外の4度、5度を純正で合わせられて調弦が楽であり、かつきれいな長3度も得られるので貴重ではありますが、2フレットの位置に長3度音を持つ和音がちょっと問題なのです。まぁそのうち「再改良型」を試してみようかとは思いますが、来週予定しているコンサートではいつもの「ほぼ平均律」を使う予定です。

なお「ほぼ平均律」は私が使っている方法で、具体的には、開放弦の5度を平均律よりはほんの気持ち狭めに、そして4度はほんの気持ち広めにとり、その分2フレット、4フレット、5フレット、7フレットを微調整する方法です。この「ほんの気持ち」というのがなかなかくせ者です。弦の選定が悪かったりペグの回り方がいびつだと実現できません。詳しくは文字では書けませんので、興味のある方は拙宅までお越し下さい。

教養の精神

2020年02月03日 11時27分43秒 | 日々のこと
今日の日経新聞のコラム、「風紋」は「1964年から何を学ぶか 顧みたい「教養」の精神」で前回の東京オリンピックが開催された1964年頃の時代背景にスポットあてていました。

高度成長まっただなかのこの時期、拝金主義が横行しつつあったというのも事実でしょうけど、今から見ると意外にも「教養」を身につけることを価値とした社会でもあったというのです。

コラムでは文芸関係のことを扱っていますが、音楽の面からも見てみますと、ちょうどこのころ映画「禁じられた遊び」の音楽がきっかけでギターブームがおこっています。ギターと言ってもブームになった楽器はいわゆるクラシック・ギターです。当時はエレキ・ギターは出始めの頃でしたが、少し経つとこっちも大ブームになりました。といってクラシック・ギターが急に下火になったわけではありません。

当時クラシック・ギターを始める人は古典的な「カルカッシギター教則本」で学び、演奏する曲はクラシック的な曲が多かったです。でもギターを学びたいという人のほとんどは実はクラシック音楽には興味がなかったのだと思います。

それはその頃ギターを始め、現在も続いている方たちのほとんどがギター音楽以外のクラシック音楽に興味がないという事実から伺われます。でもこれはコラム氏が言うように、「世の中に「教養」を身に付けることを価値とした社会」が支えていたから、抵抗もなくクラシック音楽でギターを学んでいたのだと思います。

クラシック・ギター以外にもこの時代に「教養」の精神を感じることがあります。例えば、非常に専門的な月刊誌「音楽芸術」(音楽の友社、1998年休刊)がごく普通に桑名市内の書店に並んでいました。武満徹の室内楽「サクリフィス」(1962)が同誌の別冊付録になっていたのもこの頃です。

武満は当時30代前半、新進の作曲家の1人で、弦楽のためのレクイエムがロシアの大作曲家に認められ名を上げつつあった頃です。音楽の教科書でも扱われた有名な尺八と琵琶を取り入れた「ノベンバー・ステップス」はまだこれから、ギター曲「フォリオス」はずっと先です。

こういった教養を価値とした社会で、実際はちょっと背伸びしていた人達が、世の中が拝金主義に傾いていく中でもう背伸びをする必要がなくなったというのが現在の社会なのでしょう。でもこの「教養」を価値とする社会は高度成長社会と共に「育って」いったのではなくて、ずっと前からあったと考えるのが自然ではないでしょうか。

そのルーツはひょっとしたら江戸時代なのかも知れません。もしそうだとすると伝統的とも言える日本の文化的基盤は、高度成長を経て大きく変わってしまい現代にいたっているのかもしれません。現代はカネカネカネの拝金主義、カルロス・ゴーンの逃亡事件はそれを具現化して見せたかのようです。

新型コロナウィルス

2020年02月01日 15時03分17秒 | 日々のこと
ついに三重県でも新型コロナウィルス感染者がでたという報道がありました。どこなのか気になりますが、アメリカに住む娘とスカイプで話していたら、なんと見つかった場所は桑名だといううわさがあるって言っていました。

娘は医療従事者ですが、アメリカでも家から近くのオレンジ郡でも感染者がでているとのことです。(アメリカの近くは100kmくらいです)

今朝また連絡があって、その感染者は桑名市とは別の町の病院に入院したということでした。桑名市内には隔離できる施設がないということでしょうけど、どこなんでしょう。これはあくまでうわさにすぎませんが、火のないところに煙は出ないということわざもありますし・・・やはり当局が今の段階でもはっきりと情報を出すべきですね。

今後感染者が爆発的に増えたり、死亡者が出るというような事態になれば、当局としても具体的なことを公表しなければいけなくなるでしょうけど、その時まで非公表だと、それまでにうわさが飛び交うことになるだろうし、当局も発表時点で大きく非難されること必至です。県の担当者様でしょうか、桑名市の担当者様でしょうか、迅速で正確な情報開示を頼んます。