リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

よくわからない話

2021年08月21日 10時53分01秒 | 日々のこと
私は野球にはほとんど興味がありません。日帰り温泉の露天風呂に設置されているテレビが野球をやっていると退屈でたまりません。それでも「ほとんど」と言ったのは、小学校低学年のときに少年サンデー連載の寺田ヒロオ作スポーツマン金太郎が大好きだったので、その残滓が残っているかも知れないからです。

日本ハムの中田翔選手が暴力事件を起こしたのが先々週で、出場停止処分を受けていました。ところがこの選手、巨人に移籍だそうでもう巨人のユニフォームを着て今週末から試合に出場みたいな話です。で、日ハム側は巨人移籍に伴って、出場停止解除だそうです。なんじゃこれは?

大相撲だと、どすこい部屋の凸凹山が部屋の他の力士に対して暴力沙汰を起こしたら、今では2,3場所は出場できなくなると思います。大相撲も昔は、先輩力士という意味の漢字は無理篇にゲンコツと書く、なんて言われていて暴力行為は半ば当たり前でしたが、昨今はそうはいかず改革されつつあるようです。

高校球児が学校で問題を暴力問題を起こしたら本人どころかチームが大会に出場できません。A高校の球児Aが問題を起こしたので、B高校のC監督が更生させてやるからといってAがB高に転校し、大会に出場するのと同じようなことをやっているわけです。

この中田選手の話、現代のコンプライアンスの観点からは問題があると思います。これに批判的なメディアもほとんどないのも問題。移籍してプレーするなら来シーズンからというのが今の時代でしょう。今のニッポン球界、どうなっているのでしょうか。コロナで頭をやられているのでしょうか。

野球に興味がない私が首をつっこんでとやかくいうのもナンですが、中田の暴力沙汰、巨人の原監督は中田だけに暴力沙汰はナカッタことにしたいということなのかも知れません。

懐かしの楽器たち(6)

2021年08月20日 15時53分41秒 | 音楽系
76年に渡欧する少し前に、当時ヨーロッパで勉強していた知り合いのSさんにイギリス在住のリード・ガルブレイスという製作家を紹介してもらいまして、スワン・ネックの楽器を注文しました。そして渡欧したときに、オランダから船でイギリスまで行ったときの顛末は以前のエントリーで書きました。

その時にリードにいろいろ細かい指示をしてきまして、77年に楽器が完成しました。実はいつ完成したかは記憶がなかったのですが、過去の記録を見てみましたら、その頃浜松で開催したコンサートのプログラムに使用楽器がリード・ガルブレイス1977年製と書いてありました。



上の写真は1979年長野県の白馬村で開催された何かのセミナーでのひとコマ。ヴィオラ・ダ・ガンバの福沢宏さんも来ていましていっしょに演奏している写真もありました。

楽器を購入した当時は消費税はなかったのですが、関税がリュートにもかけられる時代で結構な税金を支払った記憶があります。また送付も巨大な木枠の箱に梱包されて送られてきまして、当時名古屋の笹島にあった税関に足を運んで中身の確認をするように言われたので出かけた覚えがあります。そこで楽器を頂けるのと思いきや、確認だけで受け取りはまた後日と言われました。いやぁー高飛車な感じがしましたねぇ。

今みたいにプチプチはなかった時代です。大きくて重いものを運ぶわけですから当然ロンドンからの輸送費もかかりました。関税と輸送費合わせて30万近く行った記憶があります。

この楽器を購入するために、それまで使っていた加納氏の楽器は名古屋在住の方にお譲りしました。加納バロックは結局2年余り使っただけでした。

複雑な状況で中止?

2021年08月19日 12時05分41秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】
ネットのニュースをみていましたら、F1日本開催が中止決定されたそうです。

「日本のプロモーターおよび当局と協議を重ねてきた結果、日本におけるパンデミックの進行中の複雑な状況により、今シーズンのレースを中止するとの決定が日本政府により下された」

記事を読んで、ん?と思ったのは上部記事引用の「複雑な状況」です。複雑な状況ってなんでしょう?状況が複雑だから開催中止?って何かよくわからないです。コロナ禍なのに政治家等がパラリンピックを盛り上げようとする一方で行動自粛を国民にお願いしているという、水をかけながら火ををつけているような状況のことか。それともF1レース場のある某県の某AK知事がこの困難な時期だというのに自分の転身を狙って知事職を放り出してしまったということか。あるいはそれらがごっちゃまぜに複雑になってしまっている状況のことを言っているのか。いろいろ勘ぐってしまいます。そこで元の英文記事を探してみました。

"Following ongoing discussions with the promoter and authorities in Japan the decision has been taken by the Japanese government to cancel the race this season due to ongoing complexities of the pandemic in the country.

この記事の翻訳です。「複雑な」というのは「complexities」の訳出でしょう。単数のcomplexityを英和辞典で引きますと「複雑さ」という意味がでてきます。でも「複雑な状況」と訳したら文の流れからは少しおかしいと思わないといけませんよ、翻訳者さん。ひょっとしてAIさんかな?まぁどうせこんなことだろうとおおよその見当はついていましたが。(笑)

複数のcomplexitiesは、英英辞典を見ますと次のような説明が書かれています。

the details and problems that make something difficult to understand or deal with
(理解したり処理したするのを困難なものにしてしまう個々の事柄や問題点)

要するに本文でのcomplexitiesはdifficulties(困難)ということです。complexitiesの方がよりフォーマルな表現です。日本は今コロナ禍で大変困難な状況にあるから中止、ということです。まぁ普通の判断です。「複雑な状況で中止」では何いってっかわかんないby サンドウィッチマン、です。

「日本の主催者と当局が協議を重ねた結果、同国のパンデミックが、困難な状態が続いているため、日本政府は今季レースを中止する決定をした」はい、オソマツでした。

国難、県難

2021年08月18日 19時19分24秒 | 日々のこと
昨日の三重県のコロナ感染者は208人、今日は276人と最多記録を更新しています。何かここ2,3日は急激に増えています。三重県の人口が約180万人、東京が1400万人あまりですので、今日の感染者276人と言うのは東京で言うと2000人を超えるレベルです。

もともと三重県は近隣の岐阜県や愛知県に比べると病床数が少なく、逼迫度合いからいうと東海三県で一番厳しい状況です。愛知県知事は会見を開き、緊急事態宣言を要請するのは時間の問題だと述べていますが、三重県ではまだ知事の会見は開かれていません。三重県にはまん延防止等重点措置が20日から実施されますが、最早チマチマ小出しにしてもインパクトがないと思います。

三重県知事は残りの任期1年7ヵ月を捨てて辞職、衆院選に出馬。この国難、(県難?)ともいうべきときによくやります。ただマスコミ対策がしてあるみたいで、メディアではあまり騒ぎ立てていません。

一方政府の方もパラリンピックや衆院解散総選挙、自民党総裁選などの政局が絡んでいて機動的な動きが取れないみたい、というか取ろうとしていません。どうも皆さん本気じゃないみたいです。新型コロナウィルスデルタ株はそういうことに忖度はしてくれません。

ついに SONY wena3 を手放す!

2021年08月17日 21時38分31秒 | 日々のこと
昨年末からずっと使っていましたSONY のスマートウォッチwena3ですが、ついに手放してしまいました。機能はそれほど多くはないですが、既存の時計が使え、軽量、電池の持ちもよい、Suicaが使える、しかも低価格といいことずくめですが、実際はBluetooth接続の不調に悩まされ続けました。当初からファームウェアにもいろいろバグがあったみたいです。



SONYとしては対応しているつもりかも知れませんが、実際には最新のファームウェアでもBluetoothは不調でした。そもそもペアリングを済ませていれて両方に電源が入っていれば2つのデバイスは接続されるはずですが、いちいちiPhoneの設定で手動接続しなければなりませんでした。

Suicaを使う際にチャージさえしてあれば、wena3単体でも使用可能ですが、チャージ額が最大1万円なのでそこそこの頻度でチャージが必要です。チャージするときにはBluetoothでiPhoneに接続しなくてはなりません。手動接続だけで上手くつながらない場合は、wena3を再起動していました。不便ながらそうやって何とか使っていました。ところがある時期を境に、多分iOSのバージョンアップ後でしょう、その方法が全く通用しなくなりました。

結局初期化してペアリングもしなおしてやっとつながりましたが、さすがに毎回こんなことに時間を費やすのはアホらしいので、手放すことにしました。

新たに購入したのがApple Watchの第6世代です。ちょっとお値段は張りますが、こちらはさすがに大アップルの製品だけにSuicaの設定も分かりやすく、Bluetooth接続もスムーズでエラーも起こりません。バッテリーの持ちは多少悪いですけど。でもwena3も大ソニーの製品なんですけどねぇ。



実はApple Watchは第1世代を持っていたことがありましたが、全く実用に足りない製品でしたのですぐに使わなくなり、メルカリで売ってしまいました。それから5世代を経て第6世代になるSeries 6 は見違えるほど「使える」ガジェットになっていました。Suicaも使えるようになり、水中もOK、電池の持ちもwena3ほどではありませんが必要十分、まさに熟成された感があります。まぁ昨年の末、最初からこっちにしとけばよかったのかも知れませんが・・・(笑)


懐かしの楽器たち(5)

2021年08月16日 19時46分56秒 | 音楽系
1976年に当時オランダのデンハーグ在住だった佐藤豊彦氏の自宅に1か月近く居候させていただいたことがありました。そのときに加納氏のバロックも持参しました。当時飛行機で楽器もいっしょに持って行くとき、楽器は荷物として預けても特に問題はありませんでした。

というのは、今と違って飛行機までのベルトコンベアは平面的で、今のようにドーンと上から落ちるような部分がなかったからです。79年に渡欧したときも同様で、楽器のダメージは全くありませんでした。今のように1m以上の高さから落とされたら大体の楽器は壊れますよね。

佐藤氏宅で居候中は氏の楽器を弾かせてもらったり(実は大きな声では言えませんが留守番のときにはいろんな楽器を弾きまくりました)、氏に加納氏の楽器を弾いてもらい感想を聞かせてもらったりました。

氏の感想で印象に残っているのは「よく鳴っていい楽器なんだけどなんか違うんだよなぁ」というつぶやきでした。実はその前にこっそり氏の楽器を弾かせてもらったとき、私は自分の楽器が似て非なるサウンドがするのに驚いたので、氏のつぶやきにがっかりしつつも納得しました。氏の楽器にはニコやファン・デ・ゲーストなどがありました。

懐かしの楽器たち(4)

2021年08月15日 14時35分51秒 | 音楽系
その加納氏のバロック・リュート、当時の私の感覚ではとてもよくなる楽器だと思いました。何回かのコンサートでも使用しています。

ある日知り合いの U さんが録音をさせて欲しいとおっしゃるので、 U さんのマンションの一室で録音していただきました。部屋は畳の部屋でしたが、テープデッキはオープンリールでした。どういう機種だったかは覚えていませんが、大層高級なものだったと思います。

その時の録音のコピー(カセットです)がちゃんと残っています。録音は1976年の前半、曲はヴァイスのソナタ第34番ニ短調全曲です。ずっとあとになって U さんにオリジナルのオープンリールはまだ持っていらっしゃるか尋ねましたらもう残っていないとのこと。コピーを取っておいてよかったです。

実を言うとあまり34番を弾き込んでいるわけではなかったので、録音はあまり乗り気ではなかったのですが、プロのスタジオならいざ知らず、高級な機材で録音できるアマチュアなんてほとんどいなかった時代ですからきちんと録っていただいて本当に有難かったです。

プレリュード ソナタ第34番より、録音1976年

河口湖自動車博物館・飛行館

2021年08月14日 13時05分46秒 | 日々のこと
8月の始めに山梨県の「河口湖自動車博物館・飛行館」に行ってきました。ここは毎年8月のみ開いている稀有な博物館です。

昨年はコロナ禍で8月の公開はありませんでしたが、今年はまだコロナ禍が続く中、十分な感染対策をして開館しています。ここは原田信夫さんという資産家の方が設立した私設博物館ですが、特に大戦機に関しては国内ダントツの展示内容です。

日本では負の遺産とか言って大戦機に低い評価をする(今風に言うとディスる)人がいますが、航空産業こそ完全には引き継ぐことはできませんでしたが、その技術力は戦後の日本の復興発展に大きな力になっています。そういった技術遺産をきちんと評価している当博物館は貴重な存在です。

今年の目玉は二つありました。ひとつは中島飛行機が開発した陸軍一式戦闘機(キ43)二型の復元が完成して、展示されていたこと。これは本当は昨年に公開するはずだったらしいです。



一型も当博物館で何年か前に復元され、現在は塗装も施され博物館の天井近くに展示されています。

もうひとつの目玉は海軍艦上偵察機彩雲です。これはまだ骨組だけに近い状態ですが、これから復元を進めていくそうです。


骨格後部より。奥に見えるのは海軍一式陸上攻撃機の垂直尾翼。

この機体は2000馬力級の「誉エンジン」(実用性能は2000馬力は出なかったらしいですが)を装備し、最高速度時速600kmを超える性能を誇りました。偵察作戦行動中、敵機グラマンF6F戦闘機に追われたが振り切り、「我ニ追イツクグラマン無シ」と打電したという逸話が残っています。

彩雲の復元はまだ時間がかかりそうですが、来年はどのくらい進んでいるのか楽しみです。


懐かしの楽器たち(3)

2021年08月13日 22時33分08秒 | 音楽系
ルネサンス・リュートだけでは飽き足らずバロック・リュートも弾きたくなり、加納木魂氏に注文をしました。今回は試作品ではありませんでしたが、多分加納氏の最も初期のバロックリュートだったと思います。手に入れたのがいつ頃だったかははっきり記憶していませんが、学生だったころに買ったのは間違いがないので、73年か74年あたりです。

価格は50万近くしたと記憶していますが、その頃はそこそこあちこちで稼いでいましたのでなんとかなりました。家庭教師、ギター教室の講師、ヤマハのギターコンサルタント、小さなコンサート、レストランのギター弾きなんかをやりました。

特にレストランのギター弾きは時間単位の実入りはなかなかのもので、街のミュージシャンがそこそこいい生活をしていた時代の一番最後に少しいい目をさせてもらいました。一番いいところだと、食事も出て(ボンカレーでしたけど)3時間足らずの拘束で、xx円のギャラというところのお仕事もたまに頂くこともありました。でもそういう古き良き時代も第一次オイルショックを境に終息して行きました。

懐かしの楽器たち(2)

2021年08月12日 22時15分03秒 | 音楽系
大学では友人たちと立ち上げた新しいギターのクラブの指導と学食で食事をするのが中心になり、留年しないようにどうしても出なければならないものだけ出席していました。あ、ドイツ語は必要だと思ったのできちんと出てました。(笑)もちろん出ていた教科の単位だけでは確実に留年しますが、残りの授業はときどき顔を出して様子を見て、あとは試験のときエイヤっと答案を書いてCで通過していました。(A+というのが最高評価。Cの下はFで不合格です)先生の顔も知らず試験だけ前日に勉強して受けたら何とAで通ったというのもありました。(笑)

さて件の名古屋の製作家は加納木魂氏で、連絡を取り工房にお邪魔しました。早速楽器を見せてもらいましたが、野上氏の楽器とは雲泥の差でよく楽器が鳴ります。まだ試作品だというのですが、なんとかお願いしてゆずって頂くことになりました。

そこで必要になるのが資金です。あらたに楽器の資金を捻出するのは不可能なので、まだ半年も使っていない野上氏の楽器を売ることにしました。不思議なことに、この後もずっとそうなのですが、私が楽器を売ろうと思うと必ず買って頂けるすぐ現れるのです。その時も東京方面の方に売りたい楽器があると連絡しましたら、東京在住で日本航空にお勤めの方が買いたいとのことでしたので、お譲りすることにしました。連絡を取った翌日に名古屋に来れるということなので、名古屋のヤマハ楽器のはす向かいにあるレストランでお渡しができました。あっと言う間の譲渡劇です。日本航空にお勤めという以外は詳しくはお伺いしなかったのですが、こんなに早くいらっしゃるとは、ひょっとしてパイロットの方だったのかも知れません。

加納氏の楽器は7コースで表面板にはルーマニア産のスプルースを使用しているとのことです。加納氏はお父様の代からギター製作をされていて、このスプルース材はお父様の代からのものだということでした。