リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

90年代の作品(26)

2022年02月08日 10時43分58秒 | 音楽系
前回のつづきで「無伴奏モノフォニック・シンセサイザのための組曲より」よりメヌエットです。かつて当ブログで公開したことがあるような記憶がありますが、そのときはノイズがいっぱい入っている録音だったので、きれいな録音のものをお聴き下さい。

この曲も第1曲目のファンタジアと同様にアーチリュート用にバスをつけて編曲したものがあります。もともとがリュートを前提として作っていないので、なかなかムズい曲になってしまいました。

Menuet

曲はヴァイスがときどきやる異名同音を使っての転調やバッハ風のフレーズを使ってそれらしく見せかけています。

三菱・日産の軽自動車その後

2022年02月07日 17時28分28秒 | 日々のこと
昨年の12月9,10日のエントリーで三菱・日産の軽自動車の製造・販売中止のことについて書きましたが、つい最近日産と三菱は軽自動車3車種(日産ルークス、三菱eKスペース、eKクロススペース)のリコールを発表しました。約二ヶ月近くの間両社は何をしていたのでしょうか。

この件について、ベストカーWebでモータージャーナリストの国沢光宏が記事を寄せています。それによるとリコールはエアバッグに問題があり、運転席エアバッグを、糸で展開をコントロールするタイプに交換し、その上でニーエアバッグも追加するということのようです。これはかなり大がかりなリコールになる模様で、このようなことは過去に例がないそうです。

当該の軽自動車は日産が開発し(設計をした?)、生産を三菱の工場で行うという共同開発車ですが、今回の問題は日産側の再調査で発覚したということです。国沢氏によると日産・三菱両社がずっとだんまりを決め込んでいたのではなく、日産側から三菱側には何の情報も出されていなかったそうです。

これが本当なら、三菱自動車はもはや独立している自動車会社ではなく日産自動車のいちブランドに過ぎないということになります。勘ぐった見方をするなら、実は生産側の三菱自動車の方に問題があり、三菱をかばうために、三菱は関係がないという情報をモータージャーナリスト側に出している、というのかも知れません。

2000年、2004年のリコール隠し、2016年燃費不正が続き販売低迷の三菱自動車はシロウト目にはとっくに潰れていてもおかしくない会社に映ります。そこに今回の問題です。(日産の問題でもありますが)この2ヶ月間どうすれば三菱側に批判が行かないようになるのかを協議していたのかも知れません。でも二ヶ月間販売生産停止で具体的なアナウンスがないというのは極めて異例のことです。一番迷惑を被るのはユーザーであり、販売会社です。両社がよたっている間に中国の会社にサッと買われてしまうというようなことだけは避けてほしいものです。

バロック音楽の旅14全日程終了!

2022年02月06日 21時05分55秒 | 音楽系
本日小雪舞い散る中、バロック音楽の旅14第6回講座コンサートが終了し、今年度の全日程が終わりました。今回は1年延期したシリーズで、当初はコロナ禍もなんとか終了していて問題なく開催できると思っていましたが、第1回目から危ういところで開催できなくなるところでした。2回目からは順調に4回目まで進みましたが、今年に入ってオミクロン変異株が急激にまん延していて、先週の第5回、6回は薄氷を踏む思いでの開催でした。

おまけに昨日から気温が下がり雪が降っていましたので、今日のコンサートは参加者が20人を切るのではないかと思っていましたが、幸いにも50人近くの方にお越し頂きました。この困難なときにお越し頂いて本当に感謝しております。


左からヴァイオリンの時本さん、鈴木さん、チェロの波多さん、私です

プログラムは、ヴァイオリンの無伴奏ソロ(BWV1001のシチリアーナとプレスト)を挟んで、トリオソナタを5曲というプログラムです。曲は聴き映えする曲を選びましたので、みなさんに存分に楽しんで頂けたのではと思っています。

プログラムは以下の通りです。

アルカンジェロ・コレッリ(1653 - 1713)/ソナタ第一番ヘ長調(作品1)
(グラーベ、アレグロ、アダージョ、アレグロ)

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)/ポーランド風ソナタ イ短調 TWV42:a5
(アッフェットゥオーソ(情趣豊かに)、アレグロ、グラーベ、ビバーチェ)

クリストフ・グラウプナー(1683 - 1760)/トリオ変ロ長調GWV217
(ラルゴ、ビバーチェ、ラルゴ・エ・ソステンタート(ゆったりと音を保って)、ビバーチェ)

------------------------------ 休憩 ---------------------------------

ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)/無伴奏バイオリンソナタト短調BWV1001より
(シチリアーナ、プレスト)

ミケーレ・マシッティ(1664-1760)/ソナタ第3番ハ長調(作品5)
(アダージョ、アレグロ・アッサイ、アダージョ、アレグロ)

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)/ソナタ ニ短調TWV42:d10
(アレグロ、アダージョ、アレグロ、プレスト)

テレマンのポーランド風ソナタは演奏機会が多いテレマン作品でもなぜかほとんど演奏されることのないレア曲です。グラウプナーとマシッティの作品は作曲家自体があまりまだ知られていませんが、とても風格があり当時は大家であったことが偲ばれます。

来年度は引き続きバロック音楽の旅15シリーズを開催予定です。すでに何人かの方には先行予約を頂いています。詳細についてはまた当ブログでもお知らせ予定です。

足下の対策

2022年02月05日 14時18分38秒 | 日々のこと
今年は寒い日が続きエアコンでは足下が寒いので、今年に入ってからはずっとオイルヒーターを使ってきました。スウェーデンのElectroluxという老舗家電メーカーのものですが、まるでひところの日本製品みたいに細かいところまで配慮が行き届いた製品です。完全に日本語対応はもちろんオフシーズン用の布製カバーまでついています。もう17年くらい使っていますが故障知らずで快適です。これの前に使っていたイタリア製のデなんとかというメーカーだったと思うのですが、歳のせいか名前が出てきませんが、それとはえらい違いです。

快適なオイルヒーターですが唯一の欠点は電気代がかかることです。最近中部電力の検針票をカテエネにカエテネって言われたので変えまして、日毎の電力使用量も参照できるようになりました。見てみますとなんと今月分は史上最高の使用量です。まぁ毎日20時間近くつけていましたから、ベラボウな電力使用量です。

試しにオイルヒーターを止めてエアコンに切り替えるとその日は電力使用量が3/4に一気に低下です。さすが省エネエアコンですが、やはり足下が寒いです。そこでサーキュレーターを導入することにしました。ネットで8畳用で3000円台のものがありました。福井県のメーカーで京都の私立大学と同じ名前の会社です。



なるほど、ちゃんと天井の暖気が対流して足下がほんわかと暖かくなりました。たった3000円ちょっとで問題が解決できましたがなんでこんな単純なことに気づかなかったんでしょう!

ただ、この品、ちょっと製造上の問題があるみたいで、びびり音みたいな異音が出て結構うるさいです。月曜にになったらメーカーにお客様相談室に電話して交換か修理の依頼をしてみようかと思います。

偽装貝

2022年02月04日 20時28分31秒 | 日々のこと
桑名の浜は汽水域が大きく広がっていてかつては蛤、浅蜊、蜆の宝庫でした。でも伊勢湾台風の護岸工事や河口堰建設などの影響もあって漁獲量といいますか貝獲量は激減して今日に至っています。

少しまえ市内の貝の佃煮専門店で地の蜆のしぐれ煮を出していましたがお値段はなんと100gあたり800円を超えていました。普通は4~500円ですが、これらは地のものではなく多分外国からの輸入でしょう。

貝が獲れなくなったことの対策として畜養という方法が取り入れられています。畜養というのは例えば少し若い蛤を桑名の汽水域に投入して育てる方法です。国の基準ではより長く育った地域を産地として表示していいらしいので、桑名で長く育てて桑名産として出しているみたいです。

ホントの地の蛤はあるにはあるみたいですが、入手ルートは限られているようで、漫画美味しんぼに出てきた日の出さんあたりでいただくことができます。ただしお値段はべらぼうに高いです。歌行燈あたりで出てくる桑名の地蛤入りのはまぐりうどん700円というのに入っている蛤は、第二のふるさと桑名の産のものでしょう。ネイティブの蛤を蛤うどんに入れるとすると、その値段では10くらいに切り刻んだ一片の蛤しか入れることが出来ません。

もう60年以上も前ですが、桑名の人は普通に地の蛤を吸い物なんかにして食していました。第二のふるさと蛤は完全地物とは少し種類が違う感じで、実が薄目でフチが大きめです。昔は美味なものを身近に食べていたんですねぇ。

最近浅蜊の偽装が問題になっていますが、テレビの報道で見た感じでは畜養というより浜で1日2日骨休み(貝に骨はありませんが)させた程度で、このあたりが偽装ということになるわけです。でもより長いこと育った場所を産地にできる制度は業者の方を向いた制度であって、その目は消費者には向いていません。問題になった熊本産浅蜊は論外としても、どっかの国で取ってきてそれを桑名に持ってきて育てて「桑名産」とか「地物」というのも消費者を欺いています。やはり「どこそこ国産、桑名畜養」という風に書くべきでしょう。今回の熊本の産地偽装問題もそれだけで終わってしまうのではなく、制度の見直し自体にも目を向けた方がいいのではないでしょうか。

リュートの保管

2022年02月03日 13時05分25秒 | 音楽系
昨日のニュースでやっていましたが、小田原市の湿度が15%だったとか。今日は大丈夫なんでしょうか。これだけ低いとリュートが危ないです。関東地方の方は気を付けてください。ヨーロッパの保管方法きどりで壁に掛けている方は特に注意です。

リュートの壁掛けはヨーロッパでは結構普通に行われている方法です。ホピーのレッスン室もそうでしたし、今村氏のリュート部屋もそうでした。私はケースに入れて保管していましたが。

ヨーロッパの冬の室内はヒーターによる暖房のため乾燥します。それの対策として熱源の上に水の入った鍋をおいて水蒸気を出すなどのことが行われます。私の下宿でもそうやっていて、水がなくなると白い結晶が残っていたものでした。(バーゼルの水道水は結構濃い硬水です=まずい)

日本は地震が多いので、壁掛け保管法は絶対NGだと思います。大体どの地域でも10年間のスパンで見れば一度くらいは震度4くらいの地震があるのではないでしょうか。そして時には不幸にも大地震に見舞われることも。

では今季のような低湿度や地震対策としてどうしたらいいのか、私は平凡ですけどケースに入れて保管、出来れば部屋は温度、湿度をある程度コントロールする、これが一番現実的でしょう。

よく新聞でギターの保管ケース15万円、完全温度湿度コントロールできます、なんて宣伝広告を目にしますが、そこまでしなくてもいいと思います。それに保管すれば完璧なようですが、実は2つ問題点が考えられます。ひとつはケースの扉にガラス(多分。アクリル板ならいいでしょうけど)が入っていることです。これは地震でケースが倒れたときにガラスが割れる可能性があります。倒れなくても大地震に遭遇すれば、ガラスなら割れるかもしれません。もうひとつは紫外線で表面板が焼けてしまうことです。ギターは塗装が厚いのでそれほどではないでしょうけど、リュートの場合は紫外線で結構表面板は焼けて変色します。製作当初の白肌から、黄色や茶色に変色します。もちろんこれは避けることは不可能ですが、少しでもその変化を遅くする保管方法がベターです。ちなみにホピーも今村氏もリュート部屋は地下室でほとんど窓がない部屋です。

楽器の環境として、お風呂の中に楽器を持ち込むとか、夏の炎天下で車の中に放置する、車で移動中に太陽が直射するような状況は論外ですが、人間が快適だと感じる部屋にケースに入れて保管し、毎日とは言わないにしても週に何度かはケースから楽器を出して弾いてやるというのが日本では一番いい方法でしょう。

90年代の作品(25)

2022年02月02日 13時36分52秒 | 音楽系
四日市市在住の某陶芸家の個展ために作曲してボツになった作品です。その曲は「無伴奏モノフォニックシンセサイザーのための組曲より」というタイトルの曲でその中から最終楽章のアレグロです。この曲が小さな音でかすかに流れている個展ってステキだなと思ったのですが・・・

Allegro

91年頃の作品で、バロック音楽の手法で作った曲です。当時のシンセはもうすでにポリシンセが普通で、過去のものでした。個展でのBGMですのであまり音が多いと煩わしいのであえて単旋律の曲にしました。「無伴奏・・・・組曲より」はファンタジア、メヌエット、アレグロの3曲です。組曲からの抜粋みたいな感じのタイトルですが、最初から抜粋したという形で作ったので実はこの3曲しかありません。(笑)ですからこのアレグロは正確には「無伴奏モノフォニックシンセサイザーのために組曲より」より、です。

ファンタジアは当ブログで紹介したこともありますし、アーチリュートのためにバスを付けて実演できるように編曲したこともありました。

芦田愛菜出演、ECCのCM

2022年02月01日 15時00分52秒 | 日々のこと
芦田愛菜が出ているECCのCMを見ました。

ECC ジュニア

Let's find out why they are No.1.
英語が身につくメソッドがある。
夢中にさせてくれるプロがいる。
Are you having fun?(子供)
Yes, this is so much fun.
楽しいから続く、未来へとつながる
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一語一語の発音からきちんと勉強した感じがする英語です。単語を少し区切りすぎる感じとか、最初の文章の they are No.1のtheyの母音が[ i ]の音が少し出過ぎてtheeに聞こえてしまうとか、このあたりは英語ネイティブとは異なり、日本語ネイティブ特有のものでしょう。でも日本人がしゃべる英語としてはとても秀逸で、日本語のなまりが少しくらい残っていてもこのくらいなら何も問題ないと思います。

以前にも書いたことがありますが、日本人がしゃべる英語で、きちんと勉強していないので発音が崩れて音のリンキングがおかしい早口な英語はとても聞き取りにくいものです。向こうにいたときそういう英語をしゃべる日本人と英語で話したことがありましたが、聞き取り難易度は英語ネイティブのホピーやボブ先生やバリトンのマークよりずっと高かったです。もちろん私の英語聞き取り能力がスコットランドの英語くらいは聞き取れるレベルであれば問題はなかったのかも知れませんが。件の日本人の方には途中から「あんた、日本語でしゃべって」って言いましたが。(笑)

最近は放映していませんが、イーオンのCMに出ていた石原さとみの英語もきちんと勉強していないのに早くしゃべってかっこよく見せているだけの英語でした。単語ひとつひとつの発音がちゃんとできていませんでした。こういうしゃべりかたをすると相手には教養があまり高くないと思われ、反対に芦田愛菜の英語だとネイティブな英語ではないけど十分知性のある人だと思われる、英語の世界ではそういうことになります。

日本ではおかしなことに石原さとみの英語も芦田愛菜の英語もついでに言えば最近ドラマで聞いた杏の英語も、ネットではネイティブみたいなんて絶賛でしたが、日本の世間はそんなものなんですねぇ。そういや、大昔私が大学に入って間もない頃、ナントカという女性ギタリストの講習会で簡単な通訳をしたら、後日ギターのクラブで大評判になっていてたことがあって、ホントはずかしかったです。まだ大学に入ってスピーキング・イングリッシュを習い始めて間もない頃で、結構よたっていたのでしたが。まぁ世間一般の英語がしゃべれない人に英語がしゃべれると思わせるレベルの英語なんてそんな程度でよかったんですねぇ。でもほんとに使える立派な英語を極めるのはそんなに簡単なことではありません。