リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

シチリアーナ(BWV1031より)の編曲

2022年10月21日 15時49分17秒 | 音楽系
バッハ作として知られている有名なシチリアーナのチェンバロ伴奏をバロック・リュート用に編曲してみました。



13小節目の2拍目裏から17小節目の1拍裏まではオクターブ下げています。これは15小節目に音域外の音がでてくるので取った措置です。バスに関しては1オクターブ下げたところが多いです。無理をして全てのバスと原曲と同じ高さにするという手もありますが、苦労する割には効果は少ないでしょう。

本シチリアーナはとても人気がある曲ですが、オブリガートの書き方が少し雑な感じがしますし、全体的にギャラント的すぎて、どうもヨハン・セバスティアンの手ではない感じがします。次男か少し下の世代の人の作かも。でも不思議なことに、バッハの曲として超有名なのは皆偽作、贋作、他人の作が多いです。このシチリアーナ然り、鼻から牛乳のトッカータとフーガニ短調然り、実はペツォールト作だったメヌエット然りです。でもこれらの曲はヨハン・セバスチャンというビッグネームがあったからこそ「世に出た」作品で、それがなければ埋もれていたのかも知れません。難しそうなバッハなのになんか妙に親しみやすいワンなんて感じですね。

仲間が増えました

2022年10月20日 16時42分00秒 | 日々のこと
近くの歩道の端に花が咲いていました。すっと茎だけが伸びてその先にある小さい白い花です。近所の歩道の隙間に生える草はエノコログサ、ノハライトキビ、オオアレチノギクが多いです。アカメガシワなんかもよく生えていてこれ見よがしに葉を広げています。でも花をつける草はあまり多くありません。

珍しいので失敬してトイレの一輪挿しに挿してみました。



一輪挿しにはすでに長らくアイビーが居座っていて、枯れることもなく、それどころか水に入れた茎からは根が生えてきて、新しい葉も2枚増えました。一輪挿しのすぐ上の白い小さな花が新しく増えた仲間です。

アプリで調べてみましたら、ニラだとわかりました。スーパーで売っている韮ですよね。でも葉っぱの形が違うみたいですが、花は調べたニラとぴったり同じですからやっぱりニラなんでしょう。

アプリによりますと、ニラはほぼ全ての害虫や病気に対する免疫力を持つため、非常に育てやすいです。ガーデニングの専門知識をお持ちでないあなたにぴったりです、とあります。どうして私にガーデニングの専門知識がないとわかるのでしょうか?まぁ、確かにないのですが。

アイビーの違い水耕栽培はできないみたいなのでそのうち枯れてしまうでしょうけど、それまで可憐な白い花を楽しむことにしましょう。

小ネタ

2022年10月19日 16時31分15秒 | 日々のこと
最近はいろいろうるさく突っ込んでくる人が多いのでものの言い方には気をつけないといけません。ちょっとメンドクサイ世の中になってきたものです。

でもものの言い方ひとつでで突っ込みが少なくなるあるいはつっこまれなくなるものです。そういう言い方をひとつ見つけました。

ある楽器を手にして、
A「いやーこの楽器はすばらしい!買う価値があるよ」
B「でも価値観の相違ってのがあるからねぇ。そう思わない人もいるんじゃない?」

なんて会話があったとします。Aさんが自信たっぷりに推した楽器にBさんが突っ込みやんわりそれを否定します。でももしAさんが「価値」ということばのかわりに「ねうち」ということばを使ったらどうでしょう。多分Bさんは突っ込めないと思います。

それは価値ということばは、価値→価値観→価値観の相違という連なる語句があるからで、「ねうち」(和語ですね)にはそういった一連の語句はありません。一度何かの機会にこの言い回しを使って見たらどうでしょうか。え?使ったことがあったけどやっぱり突っ込まれた?うーむ、まぁそうかも知れません。

円安とリュート

2022年10月18日 11時23分03秒 | 音楽系
世の中円安が進んでいて、今この時間1ドル148円台をつけています。輸出する業者はもうけているでしょうが、輸入業者は大変です。そういえば私の場合リュート関連のほぼ全てが輸入物です。国産品はストラップの素材とか滑り止めのラバーくらいです。

いままであまりにも身近につきあっているのでリュート関連は外国物という意識はありませんでしたが、為替レートがこれだけ変化してくるとやはり外国のものなんだと改めて思います。現在スイスフランは149円台ですが、私が居た頃は90円台でしたらからえらい違いです。今スコラに留学をしている人は大変なんではないしょうか。

スイスの製作家モーリス・オッティジェーの楽器も大幅値上がりになりっています。10何年か前、1スイスフランが80円を割ったときがありましたが、このときすかさず二年待ちのモーリスの楽器に全額を支払った「相場師」の生徒さんがいました。結果彼は随分安く買ってしまいました。当時の日本人製作家のプライスよりはかなり下だったと記憶しています。私は博才が全くないのでなかなかこういうことはできません。あまり為替相場のことは考えずに楽器を買っていますが、結果的に大体円が安いときに買っている感じはします。

円が対ドルで148円をつけたのは32年ぶりといいます。1990年ですね。ルーデス・モレーノ・ウンシージャのアーチ・リュートを購入したのがその頃です。やはり高値つかみしてますねぇ。今スウェーデンのラース・イェンソンにアーチ・リュート注文していて、来年の終わり頃には完成する予定ですが、どうも今の成り行きではその頃も円安は続いている感じがします。ここまで書きて、私が楽器の値段を気にしているように思われるかもしれませんが、これは円安関連のネタにすぎません。楽器は自分の音楽を表現するために自分が必要としているものなので、実はお値段を気にしたことは一度もありません。高くても安くても、はいそれで結構、言われた通りお支払い致します。

抗新型コロナ経口薬

2022年10月17日 20時09分40秒 | 日々のこと
最近新型コロナ治療薬アビガンの名前を聞かなくなったと思ったら、富士フイルムによる開発が中止されたようです。ウェブのニュースでは22年3月に84例で被験者の組み入れを終了していたが、84例で得られたデータの解析では、有意な結果が得られていないことを確認したとのことです。84例というのは何か少なすぎる感じがしますけど、要するにこれは大規模な治験を行う資金がないということなんでしょうか。

少し前には北里大学から、イベルメクチン投与群とプラセボ投与群とでは統計的な差異が認められなかったは効果がないということが発表がありました。これもやっぱりだめなんですかねぇ。

調べてみましたら、ラゲブリオという経口薬が特例承認され令和4年9月16日から一般流通が開始されているようです。あとパキロビットという経口薬も特例承認されましたがこちらは一般流通はまだされていないようです。

両経口薬とも老人とか重症化リスクのある人には処方してもらえるらしいですが、まだ全ての人が処方対象にはならないようですので、まだまだ油断してはいけません。それに最近流行の中心になっているBA.5株は症状は軽くても後遺症が結構あるようです。全国旅行支援が始まり感染者数が微増しているのは気になりますが、ワクチンをすでに接種した人が約1億人、実際に感染した人が2000万人くらいだそうなので、もう大きな感染爆発は起こらないような感じもします。でもこの1億人、2000万人という数字は全てがBA.5に対してのものだけではないので、まだまだ万全とはいかないと思います。今までと同様の注意を払いつつ、BA.5に効くワクチンを打って、ついでにインフルエンザワクチンも打ってというところでしょうか。

オーガニック・サウンド

2022年10月16日 09時53分31秒 | 音楽系
ユーミンがデビュー50周年のセレクト・アルバムを出しましたが、5年前には45周年、さらにその5年前には40周年アルバムを出しています。5年おきに出しているわけですが、さすがの多作家のユーミンであっても同じような構成になってしまうのではと思いました。

気になったのでアマゾンを覗いてみましたが、40周年、45周年と共通する曲が沢山入っています。ただよく見てみると全ての曲に2022年リミックスとあります。そう、単に選んで集めただけではないのです。リミックスして音場、楽器のバランス、イコライジングなど曲の雰囲気をがらりと変えることができます。さらに今回は、エレクトリックなパーカッションを「オーガニックなサウンド」に入れ替えたのもあるとのこと。

ちょうどアマゾンのポイントがあったので購入して聴いてみましたが、「リフレインが叫んでいる」なんかはおっしゃるとおりスネアのサウンドを入れ替え「オーガニック」になっていました。「青春のリグレット」ではサビのコーラスがバックの音を少し出すことによってよりハーモニックになっていました。全曲に渡って初出版とは異なるサウンドが楽しめます。

それにしてもオーガニック・サウンドってうまく言ったものです。リュート音楽なんてオーガニックそのものですけどね。

AT-HRP5のファームウェアバージョンアップ記事修正追加

2022年10月15日 17時17分17秒 | 音楽系
12日のエントリーで書きました、audiotechnicaのメディアプレーヤーAT-HRP5のファームウェアバージョンアップについて、改善点で「音楽データ再生時のレジュームのタイミングを見直し、レジューム機能を改善しました」というのが実際は改善されていないと書きました。

これは実は少し改善されていることがわかりました。いつも聴いているソースだとやはり相変わらずフェイドインで音楽が始まりますが、ソースを替えるとフェードインしないものもあることがわかりましたので、記事を訂正させていただきます。

あと以下の未改善点(=問題点)がいくつかあるので次回の改善に期待したいです。

1.ファイルを追加した場合のソーティングが出来ていない。データを新しく追加した場合、例えばAkutagawa Yasushiの曲を新たに追加したら、普通のプレーヤーではプレーヤー画面の最初の方に出るようになります。(ABC順に再ソーティングされる)ところはAT-HRP5では一番最後に表示されます。要するにあとで追加したものは一番最後にくるという「仕様」です。この点をメーカーに問い合わせましたら、「はい、それは仕様です」「全体をアルファベット順にしたい場合は全てをデリートしてもう一回入れなおしてください」ですって!!そんなアホな。

2.演奏曲の画面表示が演奏している曲を示していない。厳密にいうと演奏曲を示してはいるのですが、一番最初にプレイした曲はハイライトされたまま動かずで、その次以降に演奏されている曲はリストの冒頭に小さいボッチが付くだけです。そのボッチはいらないので、ハイライトが次の曲に移っていく形にしてほしいです。

3.もう少し大きいフォントを用意して欲しい。ローガンにはつらいです。

Ver.3 で音質は良くなり、他の点に関しても少し改善されました。今後の改善に期待しましょう。


プログラムの調整

2022年10月14日 22時27分39秒 | 音楽系
12月11日の国枝俊太郎さん(フラウト・トラヴエルソ)とご一緒させていただくコンサートのプログラムを最終調整しています。

始めはイタリアンとかフレンチも入れる方向で進めていましたが、骨子にヴァイスのフラウト・トラヴェルソとリュートのためのコンチェルト(ソナタ第9番)とバッハのシチリアーナ、ヴァイス/クヴァンツのクーラントを置いているので、いっそ全てドイツもので行こうと言うことでその「周囲」固めてみました。

クヴァンツはオーボエ奏者としてドレスデンの楽団に入りました。そこではヴァイスも楽団員の一人でした。ヴァイスとクヴァンツの曲を編曲をしたと思われるクーラント(ソナタ31番)がありますのでそれを並べて演奏しようと思います。クヴァンツの方はホ短調です。ドレスデン繋がりですね。

クヴァンツは30歳過ぎからフリードリッヒ2世の楽団で働いていましたので、そっち繋がりだとバロンとC.P.E.バッハがいます。バッハのシチリアーナ(BWV1031)はエマニュエル作かもと言われているので、プログラムに入れるのにぴったりです。バロンの曲も入れましょう。

あとは親子繋がりでエマニュエルのお父さんのヨハン・セバスティアン・バッハの作品も入れると全員がぴったりとつながりました!なかなかテーマ性のあるプログラムです。

ということで次の曲目を軸に演奏することになると思います。まだ国枝さんと詰める必要はありますが。

バッハ(エマニュエル?)/ シチリアーナ
バロン/コンチェルトニ短調
ヴァイス、クヴァンツ/クーラント、ソロ
バッハ/BWV998 かヴァイス49番より、ソロ
ヴァイス/コンチェルト(中川復元版)

あとクヴァンツの通奏低音の曲と無伴奏のフルートソロを加えて完成です。

イン・ストア・ライブ

2022年10月13日 21時31分02秒 | 音楽系
ミューズでのレッスンが終わり帰ろうとしていましたら、高校生のH君が演奏を聴いてほしいとおっしゃる。なんでも4日後にコンクールに出るとのことで、それでは急遽イン・ストア・ライブをやろうということで、お店にいた人たち何人かといっしょに聴くことにしました。

H君は小学生の頃から演奏を聴いていてよく知っています。昨年の今村泰典氏のレッスンではとても高い技術でバッハを演奏していました。それから1年経ちましたが、どんな演奏になるのか楽しみです。



曲目は、ファリャのドビュッシー讃、ターレガのアルハンブラの思い出、ホセのソナタより1,2,4楽章

演奏が終わりいくつか気がついたことをアドヴァイスしましたが、詳細はここでは伏せておきましょう。

コンクールではどんな結果になるでしょうか。本番が楽しみです。


ファームウェア Ver.03

2022年10月12日 14時50分42秒 | 音楽系
カーオディオのHi-ResメディアプレーヤーAT-HRP5(Audiotechnica製)のファームウェアがバージョンアップされていました。1年ぶりです。車にもともとついているプレーヤーの替わりにこのAT-HRP5で楽曲データを再生しています。もちろん切り替えも可能です。

少し不便なのは車載のシステムと一元化出来ていないので、AT-HRP5で曲を聴いているとシステムからの音声(例えばカーナビの音声とか電話がかかってきたときの音声)が聞こえなくなることです。2つのシステムが共存して切り替える方式なのです。カーナビを使っているときは仕方がないので車載のシステムでオーディオを聴いています。(私は車に乗っているときはほぼ100%音楽を聴いています)

AT-HRP5で再生すると明らかに音はよくなります。安物のCDプレーヤーから高級品に替えたくらいの差はあります。久しぶりにAudiotechnicaのHPを見ましたらVer.03がアップされていましたので早速インストール。

リリースノートには、
● 本製品のメモリーの負荷により、AT-HRD500/AT-HRD5とのUSB接続が切れる不具合を解決しました。
● 音楽データ再生時のレジュームのタイミングを見直し、レジューム機能を改善しました。
● 本製品のCPUの負荷を軽減させ、音質を向上しました。

とありました。本製品の問題点として、フォルダのソーティングがされないことと、曲の頭がフェイドインしてしまうことがありました。これらはメーカーのサポートにも伝えたのですが、これらの問題点は残念ながら改善されていませんでした。2つめのレジューム機能改善は特に期待していたのですが・・・でも3つめの音質向上ははっきり効果が出ていました。音が更にクリアーになり、細部がより鮮明になりました。この辺がデジタル機器の面白いところです。