リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

下剋上!?イヤホン比較レビュー

2024年10月21日 12時08分44秒 | 音楽系

レビューするのは次の3機種です。

(1) Xiaomi Redmi buds 6 Play
(2) Technics EAH-AZ80
(3) Shure SE846 Gen2

これらの機種は全体的な機能につては共通項が少なく値段も異なりすぎますので、普通こんな無茶振りレビューをすることはないと思います。ここでは主に音質に絞ってレビューしていきたいと思います。ではまずそれぞれの機種について簡単に説明していきます。

(1) Xiaomi Redmi buds 6 Play
以前当ブログでもご紹介致しました格安Bluetoothイヤホンです。Bluetooth接続できるのは1台のみです。アマゾンでの価格は1380円、私はこれを全額ポイントで購入しましたのでタダでした。(笑)ノイキャンはついていません。

(2) Technics EAH-AZ80
最近購入したノイキャン付きのBluetoothイヤホンです。3台までBluethooth接続できます。アマゾンでの価格は35400円。

(3) Shure SE846 Gen2
10年以上前に発売されたSE846の第二世代です。この機種は有線接続で、ノイキャンはついていません。アマゾン価格は114055円です。

さてこの3機種、ノイキャンがついていたりいなかったり、Bluetoothもあれば有線接続もあり、さらに価格差100倍!近くありますが、果たしてレビューできるのでしょうか。


ノイキャン・イヤホンを買う

2024年10月20日 15時26分01秒 | 音楽系

少し前Xiaomiの格安Bluetoothイヤホン( Xiaomi Redmibuds 6 Play )のレビューをしましたが、ノイズキャンセル(ノイキャン)・イヤホンが欲しくなったのでいろいろ調べてみました。 Xiaomi Redmibuds 6 Playはノイキャンはついていません。

ネットの記事とかYou Tuberのビデオ・クリップをいろいろ見てみたのですが、なんか歯切れが悪いのばかりです。あなたのお好みしだいみたいな言い方ばかりです。

レビューは、最近のノイキャンイヤホンの機能が多岐にわたっているのでとても幅広いものになりがちです。まぁきちんと性能評価をすればそうなるのはいたしかたないところですが、私としてはまず音質です。ところがこれに関する評価はみなさんとても曖昧です。

例えば「低音がダイナミックに広がっている」とか「高音が伸びやかだ」という表現。これって低音がもこもこ曇っていてもそう言えるし、高音がシャーンと聞こえたらそういう表現になりますよね。その性能が音楽的にどんな意味を持つのかという評価がほとんどないのにがっかりしました。レビューを読んでも、ビデオ・クリップを視聴してもこんなのばかりです。

そんな中ひとつだけちゃんとしたレビューがありました。ミュージシャンやっている人のYou Tube ビデオ・クリップでしたが、「・・・影に隠れがちな楽器が唯一きれいに分離して聞こえてきたのが・・・」という表現を使っていました。そう、そういうことを知りたかったのです。これって多分音楽がよくわかっている人の表現だと思います。その機種がTechnics EAH-AZ80でした。SONY WF-1000XM5, Apple Air Pods Pro2など3万~5万クラスの比較レビューです。

ということでそのレビュワーを信用してTechnicsを購入して聴いてみましたが、まさに彼のおっしゃることは正しかったです。ウチにあるShure SE846, SE535, Xiaomi Redmibuds 6 Playと聴き比べての感想です。

音楽の本質が分かっていない人はぜったいに核心をついた表現はできません。出ている音が音響としてしかわからないオーディオ評論家ではなくその音の意味もちゃんとわかるオーディオ評論家がどのくらいいるのでしょうか。いくら低音が豊かに出ていても意味のわからない(=ハーモニーが形成されない出音とか分離の悪い出音など)出方ではだめなのです。

次回別連載で音楽のことをまぁ人よりは分かっているつもりの私がイヤホンの音質重視レビューをしてみたいと思います。


のようなもの

2024年10月19日 23時21分23秒 | 日々のこと

最近荒っぽい強盗事件が頻発しています。店の入り口のガラスをバールのようなもので壊し侵入したらショーケースをバールのようなもので破って中の貴金属を盗んで・・・というようなことをアナウンサーが話しますが、この「バールのようなもの」、って何でしょうか?

バールではないのでしょうか?「のようなもの」と言っているのでバールではないように思われます。では一体何なんでしょうか。

今日のニュースでも某政党本部の建物に火炎瓶のようなものが投げられたと報道していました。これは火炎瓶ではないのけどそれに似ている何かということですが、ではそれは一体何だったのでしょうか?ニュース映像で映っていたものは、昔過激派が投げていた火炎瓶とは違いますが、それは多分火炎瓶でしょう。

「コンサート会場に入るとリュートのようなものを弾いている演奏家がいて、その曲はヴァイスのようなものであった」、というとその演奏家はヴァイスに似ているけどヴァイスではない曲をリュートに似てはいるがリュートではない楽器で演奏していたということになります。

最近ニュースでよくつかわれる「のようなもの」というフレーズにはどうもひっかかりを憶えます。ここはもう少し話者の主観を入れるべきではないでしょうか。「のようなもの」は何か断定はおろか推測からも逃げている感じがしますが、この流れは物事を断定的に言うのを避ける最近の流れと一致しているようです。でもこの場合はもう一歩進んで主観的な推測を交えて「バールと思われるもの」くらいは言ったほうがいいように思います。


静脈注射

2024年10月18日 22時24分45秒 | 日々のこと

私もこう見えてもたまに点滴や採血をしてもらうことがあります。でも私の腕は静脈が見えずいつも看護師さんに迷惑をかけてしまいます。というか迷惑なのはこちらの方ですが、針が静脈にうまく刺さらず何度もトライされるはめになりとても痛いのです。

そういう事情があることを事前にいつも看護師さんに伝えるのですが、一発で上手くいくことはそう多くありません。親指を内側にしてぐっと手を握ってくださいと言われその通り思いっきり握ります。静脈が見えてこないので腕の表面をかなり強めにペンペンペンとたたかれます。少しくらいはそれで見えてきたので、とりあえず針を刺してみるか、みたいなノリで針が腕に刺さります。

あれ?上手く静脈に届いてないな、とつぶやく声が聞こえますが、針は容赦なく私の腕に刺さり痛みは増します。2,3分間何度かぐいぐいとトライするもだめなので、じゃ別の場所にしましょう、ということで針を抜いて別の場所を探します。え?今までの痛みは何だったのでしょう?

というようなトライアルを4度くらい行い、一般的には痛みが強いとので避けられている手首近くでやっと静脈に行き当たりめでたく採血に至ったというのが今までの最高記録です。上手な看護師さんだと一発で行くこともあるのですが、新米の方にあたると何度もトライアルされたあげくベテランを呼んで再トライアルと相成ります。

私よりもっとひどい話がネットに載っていました。アメリカの某州の死刑囚が8度トライアルをしてもついに静脈が見つからず死刑執行が断念されたそうです。その州では死刑は薬物を静脈に注射して執行するそうです。この場合はラッキーと言うべきな感じもしますが、死刑執行は別の方法で後日行われるとのことです。一度執行してできなかったのだからもう許してあげればいいような気もしますが、そうは行かないんでしょう。私がその州で死刑囚になったら、やはり同じような苦労があるかも知れません。

 


またもや!(5)

2024年10月17日 16時20分20秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】

日経新聞の問い合わせたことを本ブログに掲載したらすぐ回答がありました。ひょっとしてこのブログを読んでいる?

以下が回答です。

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筆者の金澤先生が、長いギターの長い歴史を短い文量で説明するなかで、絵の中の楽器の詳細(5コースであること)に文量を割かなかったものと思います。いただきましたご指摘を参考に、今後も分かりやすい記事作成に努めて参ります。
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5コースギターについて文量を割かなかったのは何か意図があったのか、と尋ねているのに回答は「文量を割かなかったと思う」では回答になっていません。きちんと金澤先生に伝えて先生のご回答をこちらに伝えるべきですねぇ。

まぁ結果的にまたレベルの低い話が増えてしまいました。一応以下の再問合せをしておきました。問合せというか意見を書いただけなので回答は多分来ないと思いますが。

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当該連載は絵についての記事の筈です。4コースギターと5コースギタは時代的に100年くらいの隔たりがあり形状もかなり異なります。正倉院の5弦琵琶の写真を掲載して、4弦の楽琵琶の解説をしているようなものです。そこに文量をさかなくてどうしますか。4コースギターの話からはじめてもフェルメールの時代には5コースギターが一般的になり、当該絵画はそれを弾いている女性の絵であるということを書くのはそう文字数は必要ないはず。編集の担当の方が、ご高齢の先生が書き忘れたり勘違いしていることを先生に指摘すべきであったと思います。以前も同コラムで同じ絵で同様の間違いがありそれを私が指摘してもコラム筆者は4コースルネサンス・ギターであることをゆずりませんでした。御紙はもっとも文化的なレベルが高いと評されている中、このようなレベルの低い話が2度に渡って続くのは御紙の評価を下げるだけです。


またもや!?(4)

2024年10月16日 14時14分58秒 | ウソゆうたらアカンやろ!他【毒入注意反論無用】

日経新聞につぎのような問い合わせをしています。

【10月9日(水)朝刊掲載の「絵画に宿る古楽器の調べ(6)フェルメール「ギターを弾く女」」についてですが、解説文には4コースギターのことしか書かれておらずこの記事を読んだ読者は、描かれている楽器は4コースの楽器だととってしまいます。しかしフェルメールの絵に描かれているギターのヘッドのペグ穴を数えるとこの楽器は5コースの楽器だということがわかります。また時代的にも当時はすでに5コースの楽器の時代です。音楽史の泰斗であらせられる筆者の先生がこのような初歩的なことをご存じないとは思われず、何か意図があってのことかお伺いしたい。】

この記事に関する誤謬は先生の思い違いか勘違いかもしれないですが、低レベルな話にならないよう願うばかりです。今のところ回答はありませんが。

さてついでと言ってはナンですが、せっかくこのフェルメールの絵の話になったので演奏家視点でこの絵をもう少しじっくりと眺めてみましょう。

この指はFmのコードを押さえようとしている感じですが、3コースのラ♭に1の指あと一歩が届いていません。これから届くところを描いたのかもしれませんが。

そもそもこの楽器、ネックの黒檀部分の弦と胴体から来ている弦がつながっていません。こんな楽器はありえませんよね。おまけにネックに描かれた弦を長く描き過ぎたのか、ポチっと出てしまっているように見えます。丸のところをごらんになってください。あとネックと胴体の接合部の湾曲もなんか少し変です。(1コース側)

楽器的視点から見ると全体的にこの絵の描き方は雑なように感じます。はじく部分の弦の描き方が曖昧だし。美術家の中には、弦が振動しているのを描いたのだとおっしゃる方もいるようですが、いくら何でも弦はそんなベランベランには張られていません。それは弦楽器を全くご存じない方の説です。

あと楽器全体から受ける印象はネックが妙にそっているように見えます。

まぁそういう楽器だったのかもしれませんが。

美術史家の評では、この絵の評価はあまり高くないそうです。顔の描き方や服の描き方などからそう評価されているようですが、楽器の描き方もかなり雑です。


AppleとNVIDIA

2024年10月15日 13時53分52秒 | 日々のこと

もうはっきりとは憶えていませんが、私がコンピュータの自作を始めたのは1990年代の中頃だったでしょうか。もう少しあとだったかも知れません。当時すでにアップルコンピュータは存在していましたし、NVIDIAのGeForceというグラボもありました。アップルは、1980年頃私が初めてPC8001というコンピュータを購入してBASIC言語と苦闘していた頃にすでに存在していました。高値の花で憧れのコンピュータでしたが・・・

20世紀末頃まではAppleもNVIDIAもお好きな人しか知らないブランドで趣味の領域の品でした。ところがApple がiMacを出した頃から急激に大きくなり、iPhoneを発売してからは更に急成長をし始めました。

バブルの頃から少し株式投資を始めていた私はそのころのAppleの急成長を見てここが株の買い時だとは思ってみたことはみましたが、どうせ急激にダウンしていくに違いないと「常識的」に考えて買うことはありませんでした。

ところがその後のAppleの成長たるやすごいものがあります。今や世の中の動きに大きな影響を与える巨大テック企業の一角をなす大会社です。20数年前に誰が想像したでしょう。2000年代の初め頃にApple株を仕込んでおいたら今頃は「億り人」です。あっという間に富裕層の仲間入りをしていたことでしょう。(昔はこういう人を成金といって少し蔑んで見ていたような気がしますが)まぁあとからなら何とでも言えますが。

NVIDIAにしてもあのグラボの会社が!?という感じが今でもしています。1年前の株価は今の1/3以下です。この事を予見して株を買っていた人は大もうけですね。でも私はそういう方面の才能が全くありませんので、そういう予見もなければ、たとえ予見していても踏ん切ることはできません。

私が仮に早い段階でAppleやNVIDIAの株を買っていてもそこそこ値上がりした時点で小躍りして多分売ってしまっていたことでしょう。才能のない人間がやることはせいぜいこんなもんです。やはり投資はここぞというところでしっかり決断し長期間じっとしていることが肝要ですね。さて今後Apple、NVIDIAを始めとするテック企業はどう成長していくのでしょうか。今がピークなのかまだまだこれからなのか、それが問題です。

 


BWV1006a(27)

2024年10月14日 21時25分11秒 | 音楽系

少し間があいてしまいましたが、BWV1006aのアレンジの続きです。

今回から Loure です。ヴァイオリン用のBWV1006にはほとんど装飾の記号はついていませんが、BWV1006aには装飾音がいろいろ書かれています。Preludeでは終わりの方にトリルがあるだけでしたが、Loureでは沢山出て来ます。

自筆譜のLoureの冒頭です。ここでは装飾音としては、上からのアポジャトゥーラ、トリル、アポジャトゥーラ付きのトリルが見られます。他にモルデント、下からのアポジャトゥーラが出て来ます。リュートのタブではこれらに完全に対応している装飾記号がありませんので、タブで記述する際はリュート式に )と )を時計回りに90度回転した記号そして(  の3つを使うことにします。この場合自筆譜に書かれているトリルとアポジャトゥーラは区別できませんが、もともと )は多義的な記号なので奏者の判断でいろんな形で自由に装飾した方がいいと思います。ひとつの記号で即興的にいろんな装飾をすることこそ当時のスタイルだと思います。

1-7小節です。

装飾記号の種類が少ないと楽譜がとてもスッキリしますね。


バロック音楽の旅17第2回レクチャー

2024年10月13日 22時24分09秒 | 音楽系

今日はバロック音楽の旅17の第2回で「秀吉の聴いた西洋音楽」というタイトルでレクチャーをしました。

とても天気がよかったので行楽に出かけるのを優先してしまうのではと危惧しましたが、今年の応募者89名の内の大半の方にお越し頂き大盛況でした。きっと午前中にどこかに出かけてランチをして、そのあとでレクチャーに来られた方も多かったのでは。帰りはちょっと早めの夕食をとり温泉に立ち寄って帰宅するという一日コースの方もいらっしゃったかもしれません。

秀吉の聴いた西洋音楽については皆川達夫説の「皇帝の歌」が定説化しているという困った状況にありますので、まず皆川説を紹介して、それの矛盾点を指摘しつつ歴史的事実を立脚点にして可能性を推測するという流れでプレゼンを進めて行きました。

まず天正少年使節団の足取りを地図と年代を見ながら辿ってみました。途中の流れは省略しますが秀吉が聴いた音楽はパレストリーナ、アルカデルト、ゲレーロあたりが順当ではないかという推測をレクチャーでは示しました。いろんなファクトを積み上げていった上で可能性を提示したわけです。いきなり「皇帝の歌」だと決めつけてあとでその理由をつけていくという乱暴なことは致しません。

それから秀吉に聴いてもらった音楽は宗教曲ではなく世俗曲だったろうという推測も致しました。それは秀吉の御前演奏(1591)から遡ること4年前、少年使節の一団が日本に向けてリスボンを出帆した1年後、に伴天連追放令が秀吉から出されていたからです。伴天連追放令が出されているさなかに、異教徒である「『暴君』秀吉」(ルイス・フロイスの記述による)の前で宗教曲を演奏するほどイエズス会の面々は愚かではなかったでしょう。

こうして可能性を積み上げて推測を試みたわけですが、これはあくまで中川による推測、具体的にどういう曲なのかについてはもう手がかりはないし、求める必要もないでしょう。この先はファンタジーの世界ですから自由に想像すれば楽しいのではないでしょうか。

さて、次回の講座からはコンサートシリーズです。初陣の第3回講座は私がつとめます。11月17日です。興味のある方は是非ご参加下さい。詳細は私のHPをご覧下さい。


ペグの回し方(4)

2024年10月12日 10時46分04秒 | 音楽系

しかしペグ回し器を演奏会で使うわけにもいきません。結局は弦を交換するときにくらいしか使い道はなさそうです。楽器にくっつけておくわけにもいかないので、調弦する度に横に置いてあるペグ回し器を取りペグを回し、終わったら元の場所に戻すということをいちいちしなくてはなりません。

昔の人はもちろんこんなシチ面倒くさいことはやらず素手でペグを回していたんでしょう。現代には音程の狂いがより少ない合成樹脂弦があるので、それを使えばペグ回し器を使いたくなる場面は減るかもしれません。ガット弦を使っている方でこういったペグ回し器を使うというケースが多いようですが、これは方法論としては矛盾しています。昔の弦を使うなら昔の方法で調弦、です。

ガット弦はよく狂いますから、とにかく高い頻度で素早く弦を調整する必要があります。いちいちペグ回し器を使っていては時間がかかってしかたありません。素早くきちんと出来る人こそがガット弦を使いましょう。

将来は左横に置かれたAI搭載の調弦ロボットが、私の脳波を感じ音程を聴き取って素早く正確にペグを回してくれるようになるといいですねぇ。