リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Finaleがフィナーレ

2024年10月01日 09時20分08秒 | 音楽系

現在楽譜作成アプリは Sibelius を使っています。まだヤマハが扱っていた頃の Sibelius 4 のマニュアルを持っていますので、20年以上前からのユーザーです。初めて買ったのは Sibelius 3だったかも知れません。

現在作曲、編曲に Sibeliusをフル活用しています。孫達のチェロ教室用の作・編曲を始め、少し前に名古屋のミューズ音楽館から出版したギター合奏曲集など楽譜はほとんど全て Sibeliusで書いています。Sibeliusでプレイバックできるので作・編曲で楽器を使うことはありません。バッハのリュート編曲も Sibelius を使います。ルネサンスもバロックも、そしてどんなスコルダトゥーラも対応できます。楽譜を手書きするのはアイデアをメモするときくらいになってしまいました。

スイスにいた頃すでに Sibeliusを使っていました。バーゼルの私の周りの人たちも皆 Sibeliusユーザーでした。噂ではバッハのカンタータ1曲を1日で打ってしまうという人もいたとか。その頃日本では Finale という別の会社のアプリを使う人の方が多かったみたいです。

実はそのFinaleも購入して使ってみたことがありました。でも 直感的に操作できるSibeliusと比べると、Finale はいちいち手順が面倒くさく使うのをすぐ止めてしまいました。ことばで言うと intuitive な Sibelius VS logical な Finale ということになるのでしょうけど、楽譜を書くというもっとも実用性を求められる作業においては Finale では話になりませんでした。

その後 Finale は改善されたのかも知れませんが、日本では一定数の方が Finale を使っているのが不思議でした。しかしついにそのときがやってきました。Finaleは今年の8月一杯をもって開発・販売を終了することになったのです。やはり支持する人が減り販売減に陥っていたのでしょう。

Finale の開発元は Steinberg の Dorico の優待販売をするみたいですが、Finale ユーザーで楽譜を沢山書いていた人であるのなら、アプリの性能を考えると絶対に Sibeliusに行くべきでしょう。Doricoでは力不足、ましてや無料のアプリや日本のベンダーのアプリではもっと力不足です。もっとも楽譜をあまり書かない人であればどれに行っても同じかも。そもそもそういう方は楽譜アプリは必要がないとは思いますが。