京都の旅・・・・⑤

2018年11月22日 | 

妙心寺の塔頭のひとつの退蔵院です。

 方丈の前に瓢鮎図が飾られています。日に当たっている訳ではないけれど、十分退色しています。まさかに模本でした。

 元信の庭という白砂と石組みのお庭が背景の常緑樹に映えています・・・・狩野元信の作庭です。

 お庭にでます。枯山水の陽の庭と陰の庭を眺めつつ進みます。途中蹲近くに水琴窟がありました。竹筒に耳を寄せると澄んだ高い音が聞こえてきました。

 陽の庭は白砂で陰の庭は黒砂で物や人の二面性を表現しているのかもしれません。

 瓢箪池には大勢の団体客が説明を受けていました。説明の後「ここで解散しますので、後は自由に」とガイド氏が言いましたが、ほとんどの方は藤棚の下のイスに座ったままです。

 きっと連日の観光でお疲れなのでしょうね(笑)

 藤棚から瓢箪池を見上げます、なだらかな勾配で美しい庭です。昭和40年に完成した新しいお庭です。新しい庭だからこそ、周囲の木々も大きくなり過ぎず、当初のイメージがあると言ってもいいかもしれません。

 妙心寺の境内を出て仁和寺に向かいます。バス停にいるおじさんに聞いたら「もうすぐバスがくるよ」と言いますので、バスを待つことにしました。

 初めてバスの1日券を使います・・・・・車社会に住んでいる身には新鮮というか、戸惑いもあるのでした。

 

 妙心寺の塔頭で小石の中の松の葉をガリガリと掻いているお坊さんに出会いました。妙心寺の境内は本当にきれいです。落ち葉もほとんど掃き清められていました。

 「きれいになされますね」とお声をかけましたら、手がないから思うように出来ないのです、本当は松の根元までやりたいのですが・・・・。と

 そうですよね、修行にこられているお坊さんも少なくなっているのかもしれません。毎年廃寺というか、無住のお寺も多くなっているとお聞きしていますもの。

 人の見送り方もここへ来て大きく変わりました・・・・お寺さんが一番危機感を持っているかもしれません。

 仁和寺は桜のお寺ですから、その葉が桜園から舞ってきていました。こちらも大変なことでしょう。

 霊宝館で秋季名宝展が開催されていますので、駆け足で館内を回ります。様々な仏様に出会えます。

 入口表面の坐像を見ていた3歳ばかりの男の子が「手が4本もあるよ」と声を上げました。

 「僕偉いね、ちゃんとわかったのね」と誉めました・・・・褒められてとってもうれしそうな顔をしました。

 本当は三面六臂でしたが。

 孔雀信仰があるのでしょうか・・・・蛇はまた悪の表徴でしょうか、お軸を見ていて思ったのです・・・・知識がなくて。

 紅葉が花を添えている五重の塔の写真を撮り、夫の研修が終わる前にと妙心寺に急ぎます。

 来たバスに乗りましたら、次ぎの停車場所が違います、あわてて降ろしてもらいました(笑)

 お昼は花園会館で一人、にしんうどんをいただきました・・・・これこそ京都のお味です。

 午後から夫と観光です。

2019年1月6日追記です。

 2018年12月21日の信濃毎日新聞の「金曜アート」宝をひもとく・・・諏訪サンリツ服部美術館所蔵品選の孔雀明王像が取り上げられていました。

 京都に行く前に読んでいたらとおもわずにはいられませんでした。だいたいがいつも不勉強のイキアタリバツタリの旅をしている身に少し後悔の念が浮かびました。

 画布の縫い目の残る仏画・・・・孔雀明王像

 紙面から引用です。

 左右に大きく翼を広げたクジャクの背には、冠や首飾りなどの装飾具を身に付けた華やかな仏が座っています。インドの女神・マーハーマーユーリーがもととなっています。

 インドでは毒蛇や毒虫を食べるクジャクは大切にされ国鳥にもなっています。

 毒蛇は煩悩を象徴する生き物とされ、その天敵である美しいクジャクには霊力が宿っているとも考えられてきました。

 中略

 仏の種類は、如来・菩薩・明王・天の4つに大別されますが、、その中で明王は誤った行いをしようとする人間を正しい道へ導いたり、屈服させたりする役目があることから、怒りの表情や睨みつけるような恐ろしい顔をしています。

 しかし、孔雀明王の場合は諸悪を退治するクジャクを繰るためにつねに冷静でいなければなりません。そのため孔雀明王像は穏やかな表情で現されることがほとんどです。

 宝物殿で心ひかれた1幅には、こんな意味があったのでした。

 ただ見ているだけで、その実何も見ていないのだと反省したのでした。
                                           依田美恵子
       軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家



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