院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

市川團十郎さんの闘病生活

2013-02-06 05:49:47 | 芸能
 昔、総合病院に勤めていたころ、歌手の村田秀雄さんが糖尿病のため両足を切断した。それでも村田さんは椅子に座って舞台出演し、歌っていた。

 そのとき、同僚の糖尿病専門医が「村田秀雄は偉い。彼がこうして舞台に立つことによって、どれだけの糖尿病者に希望を与えるか分からない」と言っていた。

 村田さんの闘病生活は案外報道されなかった。

 このほど市川團十郎さんが白血病のために亡くなった。彼の闘病生活もあまり報道されなかったが、團十郎さんが舞台に立つたびに、日本の白血病患者は大いに励まされたことだろう。

 團十郎さんは、闘病生活をビデオに残していた。それが今、続々と放映されている。それは何か違うのではないか?生きている人の闘病生活は報道する意味がある。白血病患者が「あの人も頑張っているんだ」と励まされるだろう。

 だが、亡くなった人の闘病生活を報道して、誰の役に立つのだろうか?いささか頓珍漢なのではないか?白血病患者には行く末が分かっている映像である。そんなもの流して、意味があるのだろうか?