院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

活断層論争

2013-02-19 00:40:04 | 科学
 活断層とは10万年以内に動いた形跡がある断層のことらしい。つまり、活断層とは活火山、そうでない断層は死火山と解釈してよいようだ。

 原子力発電所の地下の断層が、活断層かそうでないかが争われている。双方とも科学的な根拠を出そうとしているが、話が噛み合わない。

 話は飛ぶようだが、大きな病院には必ず病理医という医者がいる。病理医は直接患者さんを診察することもなく、手術もやらない。彼らの役目は細胞や組織がどうなっているのか見極めることだ。

 例えば、ある腫瘍の細胞が良性か悪性かを判断するのが病理医である。病理医はひたすら顕微鏡を見て検体が良性か悪性かを判断する。熟練技でもある。

 しかし、病理医の経験や勘ばかりに頼っていてはいけないと、客観的な悪性度の分類が提唱されている。今でも使用されているかどうかは知らないが、私の学生時代にはキャットサット分類というのがあって、その分類に照らして悪性度を判断していた。

 病理学の教授の話によると、キャットサット分類を用いても、良性か悪性かで議論が分かれることがあるとのことだった。そのようなときにはどうするのかと言うと、声の大きいほうが勝つのだそうだ。

 このたびの活断層論争もそれに似ていはしまいか?科学的な根拠を出し合っても、それに対する解釈が異なってしまっている。そうなると、活断層論争でも声の大きいほうが勝つのではないか?どういう声を大きいというのは分からないけれど・・。