院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

就職活動の解禁日後ろ倒し

2013-07-10 04:55:24 | 社会
 就職活動の解禁が3年生の3月に後ろ倒しされることになった。

 私が医学生時代、医学部は6年制だから、医学部ではない友人のF君やY君が私より2年早く就職することになった。

 名古屋の私大に行っているF君とは同じ下宿だった。彼はとにかく麻雀とアルバイトばかりしていて、いつ大学に行っているのだろうかと不思議に思った。

 Y君は東大生だったが、私は名古屋にいたから東京でのY君の生活ぶりは知らなかった。Y君はさしたる就職活動をすることもなく、教授の紹介ですんなりと有名な研究所に採用された。

 一方、名古屋のF君は地元の大企業を受けた。合格発表の日には下宿に電話がかかってくるというので、当日F君はまんじりともせず電話を待った。私はイライラしているF君に付き合った。

 その日、ついにF君には電話がかかってこなかった。F君は落ちたのである。要らない者には連絡さえよこさない企業の冷酷さにぞっとした。

 その後、F君は受験した会社すべてに落ちた。かける言葉もなかった。東大生のY君は受験もせずに受かったのに、F君は全部ダメ。世の中の非情さを感じた。

 平成27年から就職活動解禁が後ろ倒しされるというが、解禁までにY君のように決まっている学生はたくさんいるだろう。何のための後ろ倒しなのだか、私には意味が分からない。