院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

角化層対策いまむかし

2013-07-25 04:18:08 | 医療
  幼少時に「イボコロリ」という張り薬を使用したことがある。その名のように、イボに付けておくと数日でイボがとれた。

 皮膚の一番外側を表皮の角質層といい、イボやウオノメは角質層が厚く角化したものである。(角化層は風呂でこするとアカになる。)角質層を軟化させる薬が、イボコロリである。

 現在では大きな病院では、イボは液体窒素で焼やくする。この方法は昔からあったのだが、液体窒素を保存するのが大変で普及しなかった。

 現在、大病院にはMRI装置があって、それを稼働させるのに液体窒素が必要なので、液体窒素はいつでも取り寄せることができる。

 「蛸の吸い出し」という昔からの薬がある。これも角化層を軟化させる薬で、おできに塗るとその部分が軟化して破れ、中の膿を出すことができる。(排膿しないかぎり、おできは治らない。)

 最近、足の角化層をとる薬?が女性に人気である。角化層は昔は軽石で削った。ところが、この薬は軽石のように肌を傷めずに、きれいに足の角化層を剥がすことができる。

 中味は酢酸なのだが、酢酸は匂いがきついので木酢液を使用するらしい。この製品は大ヒットした。作った会社は大儲けして、規模が10倍以上になった。

 角化層を軟化させるという、ただそれだけのことで、昔から大勢の人が衣食してきたのである。