院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

映画と漫画の進化

2013-07-21 00:43:45 | 芸能
 いま観衆は映画に対してほとんど拍手をしない。

 昔の東映映画では、片岡知恵蔵扮する私立探偵がガス室に閉じ込められ絶体絶命の場面で、機動隊のトラックがサイレンを鳴らして救助に向かうと、客席から拍手が巻き起こったのだ。

 観衆はそれほどに無邪気だった。今から思えば、クサくてとても拍手できるようなシーンではなかった。

 それでも当時の観衆は興奮し物語に吸い込まれていた。映画館はどこでも満員で、立ち見の群れができるのが常だった。

 観衆はみな素直だった。浪曲が流行っていて、仕組まれたとおりに泣き笑った。そういった傾向は1970年台まで続いた。いい大人が漫画のような映画を見ていたのだ。(当時、漫画はお子様専用だった。)

 現在、映画も漫画ももう子供向けとは限らない。今の子供向けは「嵐」や「AKB48」のライブステージだろう。昔、小説や評論を読むのが好きだった人は映画や漫画を見なかったように、今、映画や漫画を本気で好きな人は「嵐」や「AKB48」を見に行かない。