院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「イクメン」を考える

2013-07-23 04:26:17 | 生活
 オリンピック代表を選ぶとき、各国がその国でもっとも優れた選手を選ぶ。これは当然すぎるほど当然のことであって、不公平だから民主的にクジで選ぼうなぞと主張する者はいない。そんなことをしていては、オリンピックに勝てない。

 各家庭にも同じことが言える。もっとも稼ぎが多い者を外に出すのが合理的である。あとの家族は稼ぎ頭が外で活躍しやすいように、銃後を固めればよい。

 少なくとも昔は、稼ぎ頭は「お父さん」であって、「お父さん」が外で働きやすいように家族(主に妻)は気を配った。

 ところが最近、夫も育児や家事を分担すべきだという声が高まってきて、「イクメン」なぞという言葉ができた。「イクメン」は外で効率的に稼げるのだろうか?私だったら「イクメン」をやりながら、競争相手と対等に渡り合える自信はない。

 もっとも、これまで能力ある女性が不当に差別されてきたことは事実である。

 このブログによく登場する(私が最初に勤めた病院の)院長(故人)は大変できる人で、私は彼から多くを学んだ。彼はいち早く病院にコンピュータを導入し、給与計算やレセプト発行をコンピュータ化した。こういうところが、彼ができると言われたゆえんだ。

 そのできる院長が、コンピュータ会社から女性のSEが派遣されてきたとき、コンピュータ会社に文句を言って女性を男性に換えさせた。女を派遣してくるなんて馬鹿にしている・・と院長は思ったのだ。これは明らかに差別であるが、私は院長の気持ちが分からぬではなかった。

 さすがに現在、こうした差別は少なくなったけれども、振り子が逆に振れて、夫の方が稼ぎが多いのに「イクメン」をやらせる家庭がある。それが民主的で平等だという。しかしながらこれは悪平等で、夫という資源を浪費することに他ならない。

 もっとも、妻が外に出たほうが稼ぎが多い家庭は、言うまでもなく夫が「イクメン」をやるべきであるが。