院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

看護師不足につけこむ業者

2013-07-12 05:21:25 | 医療
 今、大変な看護師不足である。開業医のところには看護師がまったく来ない。それなのに、例年になく「看護師は要りませんか?」というダイレクトメールが毎日何件も来る。これは何故か?

 医療とはなんの関係もない山師のような業者が、金の匂いを嗅ぎつけて看護師を斡旋しているのだ。業者は看護師を開業医に紹介して大枚の紹介料を取る。

 ところが、紹介されてきた看護師は3か月きっかりで辞めてしまう。どうしてこのような現象が起こるのだろうか?

 業者は、3か月勤務したらボーナスを10万円出すと言って看護師を募集する。応募した看護師は3か月だけ勤めて業者から10万円もらう。辞めてまた別の開業医のところへ行く。ここも3か月勤めて辞めて、また業者から10万円もらう。

 看護師不足をよいことにして、こうやって稼ぐ業者がいるのだ。もっとも、これが自由主義経済というもので、不足している技能が高額になるのは当然である。

 今のところ、賃金が高騰した分を業者が吸い上げて、涙金を看護師に落とす仕組みになっている。本来なら、全部を看護師が持っていかなくてはならないところである。

 これを解決するには、開業医が業者に渡す金を看護師本人に全部差し出せばよい。そうすれば、看護師に渡り鳥のようなみじめなことをさせなくてもよくなるのだ。

(開業医がそうしないのは、一度高くなったら賃金は下げられないという考え方に縛られているからだ。そこを業者に狙われている。この際、開業医も看護師も既成概念を捨てて、賃金は下がりうると割り切るべきだ。そうしないと、医療に何ひとつ貢献しない業者だけを太らせることになる。)