院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

玄人と素人

2014-03-05 06:09:15 | 学術

(.I.教授の訳書の一つ。Amazon より。)

 神戸大学医学部の感染症内科の.I.教授は本質的なところをズバリと、しかもやさしく説くので、私は彼の読者である。

 その.I.教授がよほど腹に据えかねたのか、ある雑誌に次のように書いている。

 「ときどき、僕に抗生物質やワクチンのことで議論をふっかけてくる”素人”の方がいらっしゃいます」、「ネットで調べて”分かったつもり”になっています」、「基本的なところを勉強してから議論をしたほうがよいと思います」と言うと、「素人だと思ってバカにするなと怒り出す」のだそうだ。

 ネットが普及してから、こういう勘違いをする人が増えたのは事実である。だが私の経験では、何かについて(電気回路でも法律でも農業でも何でもよいが)その道の玄人である人は議論をふっかけてこない。

 玄人と素人には圧倒的な格差があることを、身をもって知っているからだろう。

 .I.教授は「素人が玄人に意見をする時には、玄人以上に勉強しなければなりません。当たり前のことです」と結んでいる。

少数民族の文化破壊

2014-03-04 06:03:21 | 文化

Wikipedia より引用。)

 上の写真のようなイヌイットの狩猟文化は滅びてしまったらしい。かつて、文明国側で海のPCB汚染が問題なったとき、文明国側から「PCBが海の生物の脂肪にたまって危険だ」という情報が繰り返し流され、イヌイットはアザラシを食べるのを忌避するようになった。

 主食である生肉を食べなくなったから、生の内臓から摂っていたビタミンが不足するようになった。文明国側からでんぷんや砂糖が大量に流入し、イヌイットの究極の糖質制限食文化は破壊された。いまやイヌイットがかかえる最大の問題は肥満だという。

 トンガに肥満者が多いことは、むかしトンガの若者が大量に大相撲にスカウトされたことから、よく知られている。トンガ人はもともと肥満ではなかったそうだ。これも、文明側から脂質や糖質が流入してきたためらしい。

 トンガ人には「倹約遺伝子説」が言われたことがあった。トンガ人はもともとカヌーで島々を航海する海洋民族であり、常に飢餓にさらされていた。そのため、カロリーが少なくても生きられる体質の者が選択的に生き残った。そこに現代文明によって大量のカロリーがもたらされたから、トンガ人は太ったというのが「倹約遺伝子説」である。

 もっとも番組では「倹約遺伝子説」は証明されていないと付け加えられていた。番組とは放送大学である。この番組を見なければ、イヌイットが狩猟生活をやめたことを知らないままだった。

 イヌイットは電気製品やバッテリーを使用するようになったが、それらを安全に捨てる習慣がまだなく、そこいらじゅうに投棄するので、今度は自らが海の汚染を行うようになったと番組は伝えていた。

 前にも言ったが、放送大学は面白い。

マナーは難しい

2014-03-03 06:12:30 | 社会

旅館・依山楼岩崎のHPより引用。広告用料理写真の撮影風景。)

 だいぶ前からデジカメで出てきた料理の写真を撮ることが流行っている。でも多くのフランス料理のシェフは、それを嫌がるそうだ。撮影を禁止している店もあると聞く。撮影の是非は難しいところである。

 むかし、中華料理は食べ残すのがマナーとされた。全部食べてしまうと量が少ないと文句を言っているように捉えられたらしい。沢山の種類の料理に少しずつ手を付けるという、大変もったいないことが正当とされたのは、中華料理が宮廷料理から発達してきたからかもしれない。

 だが、同じ宮廷料理出身でもフランス料理には、そのような縛りはない。

 携帯電話を架けてよい場所と、そうでない場所はようやく決まってきた。電車やバスの中はいけないことになった。でも、地下鉄はわざわざ電波が届くようにした。メール専用のためか?

 ホテルのロビーは最初は携帯お断りだった。だが、ロビーで待ち合わせする人もいる。現在、高級ホテルはどうなっているのか知らないが、ビジネスホテルは携帯OKになった。

 料理の撮影もそのうち落ち着くところに落ち着くだろう。

国産高級車レクサスの付加価値戦略

2014-03-02 06:11:16 | ファッション

レクサスHPより引用。)

 ホテルはただ泊まれればよいというものではない。レストランは食事がおいしいだけではなく、それ以上に部屋の内装やサービスが重要である。

 車もただ走ればよいというのではなく、乗り心地やデザインが重視されてきた。だが、トヨタ自動車はそれだけでは足りないと考えた。ホテルやレストランが宿泊や料理と無関係なサービスを提供しているように、車の走行とは関係がないサービスが必要だと考えたようだ。

 レクサスの販売店には「オーナーズルーム」という豪華な部屋が用意されている。飛行機のファーストクラスのラウンジのように、オーナーだけが利用できる特別室があるのだ。その部屋でオーナーは用事がなくても休むことができ、飲み物が供される。

 レクサスが販売店に乗り付けると、販売店にはセンサーがあって、そのレクサスのオーナーが誰か店内で即座に分かるようになっている。そのため、すぐに係員が出てきて、○○様いらっしゃいませと名前で呼びかけてくる。

 オーナーのデータには家族構成や趣味嗜好まで記憶されているから、即座にオーナーの要求に応えることができる。

 レクサスには車内電話があり、24時間「コンシェルジュ」を呼び出すことができる。車の操作はもちろん、GPSによって今いる場所の近くの店や宿などの案内をしてくれる。まあ、運転しながらインターネットで調べてくれる人が付いているようなものだ。

 以上は一流ホテルやレストランでやっていることだが、それらを車に応用することは正解なのだろうか?なんだか、やり過ぎのような気もするが・・。

(私たちの世代は少年のころ自家用車にあこがれており、みな車が大好きである。だが、私が変わっていたのだろう、車には興味がなかった。運転免許証はもっているが、もう5年もペーパードライバーである。)

芸者のニーズがまだあるのが不思議

2014-03-01 06:00:17 | レジャー
 芸者の数が激減したが、有名な花街ではまだ新規の芸者のなり手がいるらしい。ニーズがあるのだろうか?不思議でならない。

 芸者が付く席を2回経験したが、面白くなかった。美人でなかったからか?むかしの芸者はもっと美人だったのだろうか?和服はよいとしても、島田髷のかつらがテンコ盛りで、どうしても違和感があった。

 祖父の時代には宴席に芸者が付くのが普通だったらしい。歌舞音曲をやるのだが、祖父から聞いた私の記憶ではそれを「お座付き」という。芸者のギャラを「線香代」といって、芸者の1クールは線香1本が燃え尽きる時間で測ったと、これも祖父から聞いた。別にご祝儀(チップ)があった。

 今の宴席では、歌舞音曲(たいてい歌)をやる女性と、酌に付く女性(コンパニオン)は別である。芸者よりは美人が多く、同じギャラを払うなら私はこちらのほうがよい。ギャラは1回2万円程度である。チップは不要。プロのコンパニオンもいるが、学生アルバイトのこともある。

(先日の宴会で Perfume のような女性3人組のボーカルが出演した。Perfume より歌がうまく美人なのに、なぜ本場の東京に出て行けないのか疑問に思った。)