Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

鯉のぼり

2008年04月24日 | 那覇、沖縄
 子どもの頃、5月5日が近づくと、あちこちの家の庭には大きな鯉のぼりが、広い空に泳いでいた。鯉のぼりが無い代わりに、わが家にはいつもりっぱな兜が飾られたのだが、それでも風に揺らぐ鯉のぼりを羨ましく眺めていたのを記憶する。しかし、いつのまにか東京都下ではそんな大きな鯉のぼりを上げる家も少なくなった。
 今日の昼のニュースでは、那覇市役所の前に数十匹の鯉のぼりが飾られたことが話題になって映像が流された。そんな鯉のぼりを見挙げながら、幼稚園や保育園の子ども達が「屋根より高い鯉のぼり・・・」と大声で童謡を歌っている。そんな昔の歌を今の子ども達も歌うことに感心した。
 しかし、そんな歌を聴きながら考えてみる。今の鯉のぼりはもう「屋根より高い」ところで泳ぐことが少なくなった。また「大きな真鯉はおとうさん、ちいさい緋鯉は子ども達」という表現は、那覇市役所の前に飾られたようなたくさんの鯉のぼりを想定した歌ではない。たいてい鯉のぼりというのは、写真にみられるように日本の核家族のように黒、赤、青とせいぜい4匹の鯉が長いポールに縛り付けられて縦に並んでいたものである。そんな風景が童謡「鯉のぼり」のイメージなのではなかろうか?地方自治体が演出するような長いロープに数十の鯉が縛り付けられている、まるで鯉の大群のような鯉のぼりは、新たなコンテクストで生まれた鯉のぼりの在りようなのだろうか?