Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

これで完璧だ

2009年08月07日 | 家・わたくしごと
 もう二十年近く前のことであるが、ガムラン演奏のため福島に行き、公演が終わった後は、コーディネートをしてくれた方の家の広間で雑魚寝をしたことがあった。私は寝言が多くはっきり言う方なので、今なお集団で寝るのは少々気が重い。この福島公演のとき、疲れた私はメンバーよりも先に眠ってしまったのだが、この夜、私はとんでもない「寝言伝説」を作ってしまったのだった。なんと夜中に飛び起きて布団の上に座ったままで、クンダンの口唱歌を「カパカパ、デトゥデドゥ・・・」と一通り言い終わると最後に、「これで完璧だ」とつぶやき、再びバタンと布団に横になって眠ったというのである。もちろん私はこの一連の行動が事実なのかどうかを知る由もないのだが、大勢がそう言うのだから本当にやらかしてしまったに違いない。それからしばらくの間、毎回の練習後、メンバー達に「これで完璧?」と質問され、よく冷やかされたのだった。
 さんざん寝言について書いてきたが、実は今日のブログは、ガムランがらみの寝言の話はあくまでも「まくら」なのである。火曜日に東京に出かけ、夜、知人のご夫婦と「やきとり」を食べながら楽しく飲む機会をもった。夜10時半ごろに「お開き」となって実家に向かったのであるが、この日、私は何かが足りない気がして落ち着かないのである。このまま家に帰ると中途半端のまま眠ることになり、翌日にはストレスという魔物に支配され苦しむのは目に見えているのだ。
 そうだ!「やきとり」を食べたら、ラストにラーメンを食べなくてはならない。日本料亭でいえば、最後に出てくるご飯、味噌汁、お新香みたいなものである。最後にさらっと食べることでコース料理は完結するのである。それに気がついて国分寺駅で、もっとも安く、あっさりしていそうなラーメン屋に入ると躊躇なく「醤油ラーメンください」と店員に注文したのだった。こんな行為が体重を増やし、血圧を押し上げることは十二分に理解しているのだが、「食欲」という煩悩がさらけ出し、しかも理屈をつけて自らの行為を正当化させてしまった瞬間である。私は煩悩に負けた。しかしヤキトリを楽しむ一連のコースをこれで完璧に終えることができなのである。とはいえ、ラーメンをすすりながら「これで完璧だ!」とアントニオ猪木のように、片手をおもいきりあげて奇声を発したい気分だったことはいうまでもない。