Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

寂しい公衆電話三兄弟?

2010年02月08日 | 家・わたくしごと
 渋谷の駅はいつ行っても人であふれかえっている。沖縄から渋谷に行ったりすると、とにかく人の波の中に巻き込まれて、自分のペースで歩けず、ぶつからないように前に進むのが難しい。以前はそんなことを考えたこともなかったが、今はもう歩くだけでストレスである。
 そんな波にもまれながらふと駅の方を見ると、不思議と人が誰もいない一角があるではないか。信じられないようなスペースである。そしてそこには、きっと一日数回しか使われていないであろう緑の公衆電話が三つ鎮座している。電話を使う人がいないから、そのスペースには人がいない。なんだかちょっと寂しそうに見える電話三兄弟のようだ。
 ぼくはなんとなくその電話に興味をもって写真を撮ろうと思うのだが、そこは人の波の中で容易に写真など撮影できやしない。立ち止まるやいなや誰かとぶつかってしまうのだ。ぼくは前後左右を注意深く眺めながら、「この瞬間!」という一時にシャッターをきった。写真というのは実に不思議だ。この電話の写真からはとどまることの無い渋谷の人の波なんて全く想像できやしない。人通りのない街角にひっそり置かれた公衆電話のようにも見える。まさに写真マジック。きっとこの電話がここから消えるのも時間の問題なんだろう。