Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

日常へと戻す時間

2010年02月16日 | 家・わたくしごと
 先週の土曜日、名古屋でワヤンの上演があった。日曜日には車で東京に移動して、3月のワヤンの練習。その後は沖縄に持って帰るワヤン人形の整理などをして、昨日、那覇に戻ってきた。
 実はこの数日、気になっていたのが出版社に送る原稿。まだ1文字も書いておらず、だからといってワヤンの上演が気になってそれどころではない。しかしこういう時に限って、練習やリハーサルの合間に控え室で、ほっと息をついたりすると原稿のことを思い出してしまう。別にワヤンの上演が特別な時間というわけではないのだが、やはり非日常世界を語るわけで、数時間おきに、自分の日常世界とワヤンの非日常世界を行き来してしまう。
 「集中、集中」とそんな現実を振り払ったおかげで、無事ワヤンのパフォーマンスは終了し、ワヤンの中にも「原稿」の話は一度も出てこなかった。しかし終わったとたん、もう現実から逃れることはできない。パソコンを持ってきていなかったので、帰りのバス、飛行機と書く内容を考え続け、昨晩、家に帰って一気に書いた。要するに昨晩は、自分を日常へと戻す長い一日だったわけだ。今回、演奏者として参加した誰だって皆、私と同じような状況なんだろう。「非日常から日常へ」という儀礼世界から日常世界に回帰していくような「移行」がスムーズにできることも、ダランとして、ガムラン奏者として必要な技量である。