Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

アンパンマンとバイキンマン

2011年12月03日 | 家・わたくしごと
 先日、テレビでやなせたかしと爆笑問題の対談を見ていたら、やなせたかしが面白いことを言っていた。それがアンパンマンとバイキンマンの話である。
 いまや日本国民でオボッチャマンとビンボッチャマンは知らなくても、アンパンマンとバイキンマンを知らぬ者はほとんどいない。20歳以下に限定すれば、100パーセントの認知度である。なんといっても20数年前から幼児のアイドルなのだから当然である。
 やなせたかしが言うには、人間はアンパンマンの精神(自己犠牲をともなう正義、いわゆる善)とアンパンマンに象徴される悪(正義を邪悪な心で妨害しようとする心)の両面がそなわっている。この両者は常に存在しているもので、悪が顔を出さないように人間の心の中でバランスが保たれているという。
 これはまさにバリのバロンとランダに象徴するような善悪二元論なのである。だからランダはウルトラマンの怪獣と違って、退治され、葬られない。いつの間にか、どこかに消えて、舞台は終了する。考えてみれば、バイキンマンは退散するが、ランダと同様に決して退治されない。再び、次の話に登場し、性懲りも無く悪さを繰り返すのである。
 ちなみに先日でかけた金武の福祉センターの二つの入り口には、それぞれアンパンマンとバイキンマンの子どもの背丈ほどの人形が鎮座していた。この建物もまた人間の心の在りようを象徴しているのかと思ったら、なんだか金武の福祉センターがとてつもなく高尚で哲学的な意味を持つ建物のように思えてきた(なんで写真を撮影しなかったのか、悔いが残る)。