Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

渋谷にて

2012年10月28日 | 東京

 「渋谷は人が多くて苦手」っていう人、よくいます。若い頃はいいけれど、やっぱり年を重ねるにつれて、駅前のスクランブル交差点なんてわたるだけで辟易するのかもしれません。でも、私は今なお渋谷が大好きです。若者でなくなった今も、渋谷に行くたびに心が踊ります。
 大好きな渋谷にはたくさんの思い出があります。渋谷は父の実家があった街。だから両親に手を引かれるくらい小さい頃からお正月には必ず渋谷に出かけ、毎年、急速に変わりゆく渋谷を脳裏に刻み込んできたのです。高校の頃は、レッスンに行く時必ず歩いた街、大学の頃はバイクで出かけたり、友達と遊んだ街。社会人になってからは、一人でさまよう街、嫌なことを忘れることのできる街。どれも大事な想い出ばかり。楽しい思い出も悲しい思い出も抱えきれないほど詰まった街。
 バスで浜松に帰る前、渋谷の街を散歩しました。いつもエッグカップを眺めるために寄り道するお店で、ポーランドの手書きのプレートを買いました。大好きな青が鮮やかなかわいいプレートです。きっと、これからこのお皿を眺めるたびに、2012年、50歳のPが出会った今日の渋谷の記憶が蘇るはずです。肌寒い秋の、小雨が降る渋谷、色とりどりの傘の花が咲くそんな風景が、雨に濡れたガラス窓を通して見たようにぼんやりと目に浮かぶはずです。