Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

再びトゥアレンの話

2013年02月10日 | バリ
 前回のブログに登場した「投票するトゥアレン」についてもう一話。この人形を拡大してみるとちょっとおかしな点に気づいた。さて、ワヤン好きのみなさん、どこだろう?
 非常に気になるのは腕である。バリのワヤンは、ジャワのワヤンに比べるとその形は若干でも人間に近いようにも思えるのだが、このトゥアレンがワヤンのトゥアレンと違う点は、一の腕、二の腕(一の腕という言い方をするかどうか不明だが?)が実に人間らしくふくらみを帯び、筋肉を感じる表現で描かれている点である。しかし、これはワヤンの表現としては不合格である。手は必ず直線で、一の腕、二の腕とも同じ太さで作られなくてはならないのだ。
 この絵をデザインしたバリ人は知っていてあえて人間らしく描いたのだろうが(知らなかったら、それはそれで問題だと思うが)、やはりここまでトゥアレンを描いたのならば、腕もしっかりワヤンにして、正確に描いて欲しかったというのが個人的な見解である。腕だけが妙にリアルなのは勘弁してほしいね。