Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

マントラは役に立ったか?

2013年10月25日 | 浜松・静岡

 本日、午後3時、大学事務室での会議。机の上には、台風の進路図がホチキス止めされた数枚の資料が配られた。事務の管理職の方々、背広姿かワイシャツ姿。私一人だけバティックの上着。完璧に浮いている…。
 誰も口火を開かない。静かに資料に目を落とすもの、携帯を眺める(きっと台風情報を見ていたのであろう)もの、ぼんやり壁も見つめるもの、三者三様である。僕は何をすればいいのだ?これまで天気図なんて米海軍から日本の気象庁、穴が開くくらい見ているのだがら、こんな資料を見ても、もう何も新しい情報なんて出てこないのだ。誰か何か言ってくれ!
 とそのとき誰かが多少、重苦しい雰囲気に合わせたトーンでこういった。
「27号は、だいぶ太平洋の方にずれていきましたな」
 そうだよ。いい口火だ。できれば27号じゃなくて、台風27号と言ってほしかった。28号だったら鉄人と間違えた人がいるかもしれないじゃないか。
「まあ、確かに…」
この表現もまた暗い。雰囲気を大切にしているは評価できるが、もっと明るく話そうよ。いい話なんだから。
「やれますね。私としてはやらせていただきたいと思います。」
もうはっきり私は自分の考えを伝えた。一瞬、皆は互いに顔を見合せたようだったが、「まあそうですね」といいながら、再び誰かが携帯のディスプレーを見ながら
「今日の夕方6時くらいがかなり振るらしいね」
とつぶやいた。そんなことはどうでもいいから、明日のことが知りたい。でもこんなときあせりは禁物である。
「帰る時間がね。雨がひどくなりそうだな」
ゆっくりと誰かがいうと
「じゃあ、まあそれ以降も仕事でもして…」
といいかけたが、管理職ゆえに軽々しく「残業」という言葉を口にすることはなかった。

 こんな会話を書き続けていると長文になりそうなので、ここでやめよう。結果としては「じゃあ、決行ということで」。ということで明日は予定通り「バンケン」開催。浜松ではいくつかのイベントの中止が早々と決まっていたが、「バンケン」は開催である。あとは雨が今夜中に止んでくれることを祈るのみである。そうだ、マントラが効いたのだ。そのおかげで台風は太平洋に去り、いい感じで浜松沖を通過してくれる……。