Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

見た目じゃないんですけどね

2016年09月11日 | バリ

 バリにいるとたいていは、ホテルの近所のお店で一食100円前後の食事(ご飯とおかず)を買ってきて、部屋で食べてしまう。日本のようにプラスチックの容器に食事を入れてくれるわけではなく、わら半紙色の紙に包んでくれるだけなので、これを開くと中身はすでにぐちゃぐちゃになっている。「とても美味しい」のであるが、どうもこの美味しさを知らない人にはとんでもない代物に見えるらしい。確かに見た目はいただけないし、香りも味も知らなければ仕方があるまい。ちなみにその代表は私のブログを日々読んでくれている父で、たまに実家に帰ると「ちゃんとしたものを食べなさい」と笑いながらであるが、怒られるのである。「じゃあ、おこずかいちょうだい」なんて言ったことはない(今度言ってみようかな?)。
 そんな父に安心してもらうための一枚。S教授と必ずでかけるサヌールの老舗レストラン、ママ・プトゥである。ここに来ないとバリに来た気がしないというほど私の中ではお気に入りの「バリ」のレストラン。だいたいこの店、移転を繰り返して今は街はずれにありすぎて、それほど繁盛しているとも思えない。そうとはいえ、必ず外国人やバリの人々が数組やってきている。洋風、インドネシア料理、各種そろっているが、洋風(特に肉料理)を頼むと、どの料理もほとんど味は同じである。これもまたいい。しかも安いし、雰囲気もいい。この店より上品で美味しい店は山のようにあるのだが、やはりこの店こそバリのレストランなのだ。S教授もきっと私と同意見だろう。
 バリらしい食事、とはいったい何だろう?それはバリ料理だけを意味しているわけではない。郷に入れば郷に従え、という言葉が大好きだ。観光地バリは、古くから西洋料理のレストランがたくさんあった。でも西洋に行ったことのないバリの人々は、見ようみまねで、あるいは外国人の手ほどきをうけて、「西洋料理」に挑戦した。それが時間とともに「バリらしい西洋料理」へと変貌していったのだ。そんな音楽は山のようにある。でも料理についてそんな味付けはあまり評価されていないのではないか?ママ・プトゥはそんな店だ。海岸沿いのワルンとして営業をはじめたプトゥおばさんが、数十年かけて作り上げたレストラン・ママ・プトゥ。味つけもプトゥおばさんの「おふくろの味」。サヌールに行くことがあったら、私に騙されたと思ってぜひでかけてみてほしい。もしかすると、楽しそうに話をしている私とS教授に遭遇するかもしれない。ちなみにこれだけ食べて、飲んでも一人1,000円程度である。