私たちのワヤン・トゥンジュク一座は総勢7名。静岡在住のPが座長、あとは東京、神奈川、千葉、富山とメンバーは日本各地に点在。全員、グンデル・ワヤンを演奏し、ワヤン上演の前になると舞台稽古。新しいメンバーも加わりながら、もう約20年近く活動を続けています。まあ、ローリングストーンズにはぜんぜんかなわないけど。
土曜日の練習、手作りお菓子を持ってくるメンバーもいれば、駄菓子、唐辛子煎餅、東京駅地下道のお菓子、地域密着型お菓子などなど、毎回、お菓子の花が咲きます。毎回、変わらないおしゃべり時間です。お菓子は全部、グンデル・ワヤンの鍵板の上。これって、いいんですか?うまくいえないけれど、ふんわりとした空気と暖かな時間が流れます。「さあ、また練習始めようよ」。
一座の絆っていうのでしょうか?「絆」と一言でいっても、たくさんの絆があって、人間はきっと目にみえないたくさんの絆と結ばれているのです。一座の絆はその一つに過ぎないけれど、大事な絆、そして寛容で多くの人々を受け入れることのできる絆。頑丈な鎖と錠前でしっかり閉じられた世界で戯れる仲間は、「絆」では結ばれてはいません。絆は環を描かないんだよ。きっと絆とは、長い一本の見えない太い幹に温かい気持ちで寄り添っているようなものなのです。だから、誰とでも話ができるし、ちょっと出かけて、いつでも戻ってこられるのだから。鍵なんて最初から必要ないのです。
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