Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

東京の花屋

2009年11月20日 | 東京
 2週間前と比べると東京はぐっと寒くなった気がする。セーターを着込んでジャケットを着て、それで街歩きをしても汗をかかない。東京はもう冬間近。
 実家の最寄の駅の改札を出ると、駅前に花屋がある。子供の頃からずっとそこは花屋で、小さい頃は、花なんて毎日必要ないのになんで駅前に花屋が必要なんだろうと、夢のないことを考えていたが、今、この駅に降りてこの花屋の軒下に並べられた鉢植えの花々をみると、実家に帰ってきたことを実感する。玉川上水のひんやりする空気とともに……。
 11月も終わるこの季節、花屋の店先にはポインセチア、ハボタン、そしてシクラメンが所狭しと並べられている。この季節の沖縄の花屋にはまだ見られない風景かしら。なんだかこんな鉢植えを見ると今年も終わるんだ、と切ない気持ちにさせられてしまう。そう、今年もあと1か月余り。今年も前だけ見て、突っ走って、でもゴールがどこにあるんだか、いったい何をゴールとしているのかわからないままに走り続けて、一年が終わるんだ。本を出版したけれど、出してみて、それがちょっとした休憩所でしかないことはすぐにわかった。「ここまでは、いい調子だよ。さあ、がんばれ」って言う声が一斉に聞こえてくるから。でも、いったいぼくはどこに向かって走っているんだろう?

ボジョレーヌーボー2009解禁日

2009年11月19日 | 那覇、沖縄
 本日は11月第三木曜日ということでボジョレーヌーボー解禁日である。といっても今日は夜中の12時から始まっているわけで、私は人生初めて、解禁日にボジョレーを飲むという知人の店でのイベントに参加したのであった。
 といっても、私にはワインの味わいなんてよくわからないので、ボジョレーヌーボーだって10年ものだってほとんど変わらない。でもワインを味わうというよりも、年一度の儀礼に参加するような感覚で、参加した方々と会話を楽しんだ。ジャズの演奏家、研究者、彫刻家、お店の主人(この方も実は研究者)など、そしてジャズの生演奏ありの楽しいひと時を過ごしたのだった。
 ところがこういう時に限って、デジカメを忘れてしまっている。なので記録はなしで、私の記憶のみで失礼。
 お店の名前は酒肆ラウンジ「あけしの」
 那覇市安里1-4-15 呉ビル2階 電話098-861-0607
 ピアノがあって、たまにジャズ演奏あり。沖縄のお料理も美味しいし、昨日のビーフシチューも最高でした。写真がなくて残念。

単語学習にはまっています

2009年11月17日 | 大学
 森山幹弘編『森山式インドネシア語単語頻度順3535』(めこん、2009)を買ってから、私は研究室でちょっとした時間の合間に、この本の単語を勉強するのに夢中になっています。「ほとんど知っているだろう」と思って購入したものの、実は上級単語になると、「あれ?何だっけ?」という単語が続出し、自分のインドネシア語の単語能力に自身を失くしているのである。
 この本は単なる単語本ではなく、例文も掲載されているために、それもかなり勉強になる。しかも単語の意味は赤字になっており、ちゃんと赤の透明プラスチック板が付属されているため、意味の部分を隠しながら勉強することができる。まるで大学受験で英単語を覚えるようである。
 しかし50歳近くになってもこういう本を手にとると、結構、燃えてしまうもので、今日も上級単語編を10頁は進むぞ、と帰宅前に研究室で単語勉強にいそしんだのであった。今、私はすっぽりとこの本にはまってしまっている……。家に持って帰ると、この本によって家族とのコミュニケーションがなくなるために、研究室限定にするつもりである。

お世話になった方々へ

2009年11月16日 | 家・わたくしごと
 私自身が購入した自分の本が東京から、大学に送られてきました。夜、お世話になった方々へお送りする作業を研究室で終えました。この方も、そしてこの方も、と結構な数になりましたが、それだけ多くの方々にお世話になって今の自分あるということ。数が多いというのはいいことだと思っています。
 実は、東京から沖縄へ来るフェリーの事故があったために、少し荷物のことを心配しましたが、このフェリーには積載されずにきたようです。よかった、よかった。あとは沖縄の各書店に配本される本ですが、これも横転したフェリーに載っていませんように。

中山康樹『ビートルズの謎』(講談社現代新書)

2009年11月15日 | 
 マニアックな新書を買って読んでしまいました。すべては那覇にジュンク堂ができたせいです!しかし、マニアはこういう本を読み始めると、一気に読まないと気がすみません。それにしてもビートルズ研究はどうして、次から次へと新証言とか、証人が登場するんでしょう。
 私がこの本の中で最も興味を惹いたのは「第2章 シタールはどこからやってきたのか」であり、正直、他の章は見ないで買いました。もちろんシタールについてはいろいろ新しい情報もありましたし、それなりに勉強になりました。
 ただ、他の章も読んでしまったので、「こういう裏話は知らない方がよかったよな」という後悔も少しあります。知らないままでいることが幸せってこと、世の中にはたくさんあるわけだし、ビートルズ神話も私にはそれでよかったのかもしれません。でも買ったことも、読んだことも私の意志でしたから。
 ところで、なぜここまで帯を巨大にしなくちゃならないんでしょうね。パジャマのズボンのゴムが、胸のあたりまで来ているようにみえるじゃないですか。私は、新書のこの手の帯は嫌いです。ちなみに私は帯で買ったわけじゃありません。これは棚差しの本でした。別に弁明する必要もありませんが……。

JICA沖縄にて

2009年11月14日 | 那覇、沖縄
 予定より早く仕事が終わったので、この土日に開催されているJICA沖縄の国際協力・交流フェスティバル2009に出かけた。このフェスティバル、わが家族にとっての目玉は、この二日間のみ開放されるレストランでのランチブッフェである。
 JICAには世界中から研修生が集まっており、当然、その料理も国際色豊かで、しかもそれが600円のブッフェスタイルで食べられるときているわけで、エスニック料理好きのわが家(息子は除く)が、ここに行かない理由はない。
 今日のブッフェの一部がこれ。あくまでも一部であることを強調しておこう。プレートの上には、インド風タンドリーチキン、タイ風(カンボジア風)の小さな春巻き、ナシゴレン(インドネシア)、タンザニアのなんとかという料理である。しかも、前に座った人がガーナから来ている研修生、その隣がパキスタンの人。もう国際色豊か、豊か。ガーナのお兄さん、先月末から東京、大阪、京都に行ったそうだが、「ディズニーランドが最高」だったそうな。研修とて息抜きは必要よね。

沖縄~東京の物流

2009年11月13日 | 那覇、沖縄
 インターネット、Eメールが日常になったせいで、情報という点でいえば、沖縄にいても、東京や大阪といった大都市が羨ましいと思うことはなくなった。ときとして、沖縄にいる私の方が大都市の人々よりも先にいろいろな情報を入手することもあるくらいだ。
 ところが、いまだにその距離を強く感じるのは、モノを送るという物流の距離である。飛行機で届く荷物なら、朝出せば、たいていは東京なら翌日に到着するのだが、大きな荷物の場合は、トラックで運ぶことができないために「船便」になり、中二日はたっぷりかかってしまう。大きなダンボールに入った宅配便なんて本当に最悪である。
 急いで送らなければならない荷物の場合、那覇の郵便局の本局に行く。ここは24時間営業なのでたいへんありがたい。ここに来るとサラリーマン時代、よく真夜中に東京駅丸の内側の郵便局にダンボールにいれて荷物を運んだことを思い出す。夜2時、3時でも受付には膨大な数の封書を持った人が並んでいで、不思議な光景だった。東京は眠らない街だ。那覇の本局はさすが沖縄。真夜中に行くと、静まりかえって、まったりした空気が流れているのがいい……。まどろみの街、沖縄。
 

島バナナ

2009年11月12日 | 那覇、沖縄
 沖縄に来てから、家でとれたバナナを人からもらうようになった。沖縄の人たちは、沖縄でとれるバナナのことを「島バナナ」とよんでいる。ちゃんとした学名はあるのだろうが、要するに「台湾バナナ」みたいな名称である。
 島バナナは基本的に緑色をしていて、いわゆるスーパーで売られているバナナのように黄色にはならず、緑のまま食べるのである。だからといって、甘くないわけではない。東南アジアで生活した人なら経験があるだろうが、バナナには多くの種類があって、緑であっても甘くなるバナナも存在する。その一方で、黄色くなっても甘くならず、イモのような味のするものもある。
 沖縄のバナナを食べると、インドネシアで食べるバナナの味がする。その味を表現するのはひじょうに難しいのだが、単に「新鮮だから」という理由ではなく、味そのものがスーパーのバナナとは全く違い、すっぱいような、それでいて甘いような、そして、その香りも独特で、これはバリのロスメンで朝食に出てくるフルーツサラダに入っているバナナの味なのだ。ジュルック・ニピス(沖縄ではシークワーサー)をそのバナナにしぼるとたいへんに美味な気がする。今日も朝食に一本食べられるのが、ちょっぴり嬉しい。

四択です、あなたはどこを上る?

2009年11月11日 | 東京
 さて四択です。あなたは今、電車から降りて改札口へ向かわなければなりません。改札口はプラットフォームの上にあるのです。さて皆さんは、どこを上りますか?以下の四択から選んでください。なお、特別に重い荷物は持っていないこととします。

①階段を歩いて上る。
②エスカレーターの右側を歩いて上る。(大阪では左側)
③エスカレーターの左側に立つ。(大阪では右側)
④ホームに設置されたエレベータを探してホームをさまよう。

①を選んだ人……あなたは元気です。健全です。メタボにはならないでしょう。その勢いでがんばってください。
②を選んだ人……あなたはちょっぴり元気です。でも本当はエスカレータの左側に立ちたかったのに、列の波に乗れず、右側を歩かざるをえなかった人は、②を選んだとはいえません。その人は次の③を読んでください。
③を選んだ人……きっとあなたは疲れています。少し休みましょう。ニューヨークや上海など出張続きということはありませんか?ガムランやモーツァルトを聞きながら、休暇をお勧めします。もちろん、ガムランはジャワの方がいいでしょう。
④を選んだ人……あなたのこだわりには感服します。ホームを歩き回る歩数の方がずっと多いと思いますが、坂は上らないというポリシーが明確でいい。でも、エスカレーターの場合は、荷物をいっぱいもっている人を優先してあげてね。関西空港でいつもそう思います。
 私はですね、まあ、②ですかね。でもそのつもりでエスカレータに向かいながらも、その流れに乗り切れず、階段に押しやられてしまうタイプです。

本が出ます

2009年11月10日 | 
 Pの本『バリ島ワヤン夢うつつーー影絵人形芝居修業記』(木犀社)が、今週刊行されます。東京では今週末、大手書店に並びますが、沖縄の書店はやっぱり東京から距離があるので、来週18日頃になります。
 装幀家の菊地信義さんによる素敵なカバーになりました。表紙の写真はデレム(右)とサングト(左)。悪役の従者です。でも、そんな悪者に見えないですよね。ワヤンの登場人物は、意外に憎めないキャラクターなのです。
 この表紙のデレム、実はシワ神の怒りをかったために首を切り落とされてしまったのですが、その後、再び付けられたという神話があり、ワヤン人形も首と胴体は別々に作って、ビスで繋ぎ合わせています。首と胴体を別々に作る人形は、このデレム一体だけなのです。
 カバーの全貌は本のブログの方をご覧くださいませ。