Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

年齢のせいか、それとも気温のせいか

2010年02月10日 | 東京
 先週の土曜日、東京に滞在したのだが、とにかく寒い。気温20度近い沖縄から一気に5、6度の東京に行くとこんなに寒く感じるものだろうか?この9年、こうして頻繁に沖縄と東京を行き来しているわけだが、これほど寒さを実感したことはなかった。

 襟を立てて、マフラーを首にぐるぐる巻きにして、厚手のジャケットのポケットに手をつっこんで玉川上水を歩きながら、冬空の澄んだ夕焼けが美しいことに気がついた。でもポケットから手を出したくない。だって寒いんだもの。どうしようかな、撮影しようかな、やめようかな、と思いながら100メートルくらい歩いただろうか。

 そんなとき、ふと思い浮かんだことが「これ年齢のせいじゃないか?」ということだった。そんなはずはない。気候のせいだ。実際に寒いのだから。でも、毎年、気候は変わらないじゃないか。そう考えたとたん、ぼくはポケットから手をぬっと出して、カバンの中をさぐってカメラを掴む。ちょっと暗くなった夕焼け空に向けて「カシャ!」。年のせいじゃない!

寂しい公衆電話三兄弟?

2010年02月08日 | 家・わたくしごと
 渋谷の駅はいつ行っても人であふれかえっている。沖縄から渋谷に行ったりすると、とにかく人の波の中に巻き込まれて、自分のペースで歩けず、ぶつからないように前に進むのが難しい。以前はそんなことを考えたこともなかったが、今はもう歩くだけでストレスである。
 そんな波にもまれながらふと駅の方を見ると、不思議と人が誰もいない一角があるではないか。信じられないようなスペースである。そしてそこには、きっと一日数回しか使われていないであろう緑の公衆電話が三つ鎮座している。電話を使う人がいないから、そのスペースには人がいない。なんだかちょっと寂しそうに見える電話三兄弟のようだ。
 ぼくはなんとなくその電話に興味をもって写真を撮ろうと思うのだが、そこは人の波の中で容易に写真など撮影できやしない。立ち止まるやいなや誰かとぶつかってしまうのだ。ぼくは前後左右を注意深く眺めながら、「この瞬間!」という一時にシャッターをきった。写真というのは実に不思議だ。この電話の写真からはとどまることの無い渋谷の人の波なんて全く想像できやしない。人通りのない街角にひっそり置かれた公衆電話のようにも見える。まさに写真マジック。きっとこの電話がここから消えるのも時間の問題なんだろう。

あの人はやめて、あの人は残る

2010年02月04日 | 家・わたくしごと
 夕方、かみさんから携帯に電話があった。
 「朝青龍が引退するんだって」
 でも、これを聞いても驚かなかった。私個人は特にこの問題に興味があるわけではないが、やっぱり「品格論」に鑑みれば、相撲の場所中に朝まで酒を飲んで問題を起こすなんて、ほめられた行為ではないだろうし。
 「ところで、もう一人世間を騒がしてる方はどうなの?」と聞くと、かみさんは「やめてないよ」とそっけなく答えた。
 あの人はやめて、あの人は残る2月4日。そして今日は暦の上では春の始まり。どちらの「あの人」に春が来るのかな……。

冬季オリンピック

2010年02月02日 | 家・わたくしごと
 バンクーバーで冬季オリンピックが始まるらしい。メディアでもしきりとオリンピックを盛り上げている。日本人の選手の情報も次々と現地から送られてくるし、テレビでもメダルを獲得しそうな選手を特集する番組を放映している。
 私の年代にとって冬季オリンピックといえば、札幌である。とにかく日本で行われたこともあって妙に盛り上がったし、ジャンプの1位から3位まで日本選手が獲得するという記録はもう二度とないだろう。三人を企画した特集はその後も、少年マンガ雑誌の巻頭にも登場した記憶がある。あの頃は、がんばれ日本!とテレビの前で大声をあげていた純情な少年だった。
 「なんだか冬季オリンピックが始まるっていう実感がないね。」と、テレビのニュース番組でバンクーバーオリンピックの話題を見ながら、かみさんに話しかけた。彼女の答えはひじょうにあっさりと、そこには事実だけを端的に述べるように、こういったのだった。
 「沖縄には雪が降らないからよ。」
 そうなんだ。やっぱり自分の住んでいる環境が「冬」でなければ、どうしても冬季オリンピックは他人事のように感じるんだ。東京は昨晩雪が降って、バンクーバー熱もヒートしていくんだろう。
 「でも、そんなこと言ったら、南半球の国はたいへんだね。だって、今は夏真っ盛りなんだしね。」
 かみさんは「そうね」といって笑ってくれた。それにしても冬季オリンピックは北半球が優先されるイベントだということを実感したのだった。

Aftertones

2010年02月01日 | CD・DVD・カセット・レコード
 十数年ぶりに突然ジャニス・イアンが聞きたくなって、レコードでしか持っていなかったAftertonesをアマゾンで買おうとしたのだが、どうも日本盤は絶版になっているようで、中古を注文した。送料を入れても数百円で手に入れられた。すでに21世紀には完全に忘れ去られて、買う人もいなくなってしまったのだろう。
 このアルバムの中でとりわけ好きだったのは、《Aftertones》,《Love Is Blind》,《Hymn》だった。だいたいHymnなんて音楽用語の意味は、この曲から学んだようなものである。《Love Is Blind》は多くの歌手のカバーを聞いたが、やはりジャニス・イアンが歌っているように、「ラブ・イズ」ではなく、「ラビス」と縮めて発音しない歌手の歌はなんとなく物足りなく聞こえたことを思い出す。
 年齢のせいなんだろうか、最近は高校時代に聞いた曲が無性に聞きたくなるのである。「そんなことではいけない!過去を振り返ってどうするんだ」と、ノスタルジー傾向になりがちな自分を振り払って、このところTSUTAYAで青山テルマや中島美嘉のCDを借りては、ウォークマンに入れている自分がいるのであった。どちらも今の自分の姿である。