いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

悠長で気長な発電の話。  easy-going generation

2010-05-07 19:28:04 | 日記
 (1)これだけ悠長(easy going)で我慢くらべみたいな気長な国家事業もない。有資源エ
ネルギー(石油・ガス・石炭)の将来的な枯渇に変わる代替エネルギーとして原子力(核
融合)の平和利用が注目されて、日本にも原子力発電所(atomic power plant)が全国ブロ
ック別電力会社で建設されだした1960年、70年代。

 次世代エネルギーへの期待が先行する原発の建設で、安全対策と管理能力が追い付か
ずに当時から事故が相次ぎ、現在でも地震対策や地域環境対応、情報公開で組織的、継
続的な分析、検証体制が整備されていない。

 当然のように原子力発電所のエリアの地域住民からの健康影響、生活環境への疑念、
不安は大きく信頼度はきわめて低い。

 (2)核燃料から取り出したプルトニウムを高速増殖して、ナトリウムを媒体にした燃料対効果
の非常に高いエネルギー(電力)を生む、従来の原発を進化させた高速増殖炉(もんじゅ。
1991年試運転開始)。

 1995年にナトリウム漏えい事故で運転停止。①建設時からの施工ミス、②事故の放置、
③情報隠しと、安全優先の原発理論からはほど遠い機構のおそまつな管理体質、技術能力
不足があきらかになり、事業は中断したままだった。
 09年までに停止中の維持費(年間160億円)も含めて総投資額が1兆円にも上る、機能
しない巨額のプロジェクト。

 事故停止から14年余りの今年5月に運転を再開したが、まだ実用化3ステージへの第2
ステージに入ったところで、安全性、実用化が技術的に確認されても、商業化(発電商品化)
は2050年の40年後という、悠長で気長なプロジェクト。

 (3)時代は、環境対応の次世代エネルギー社会に向かって太陽光発電やバイオエネルギー
と自然エネルギーの利用、開発研究が進行中だ。
 次世代社会の家庭電力は、家庭個々で供給する発電(generation)システム(大型家庭発
電池)が有力。

 原発も環境適応型エネルギーではあるが、高度な技術的問題の対応、健康影響、地域の
協力とクリアーする重要課題もある。今後40年の間の生活文化の進化にはたして経済効果、
構造、稼働システムとして次世代に適正に適応できるのか、14年余りの巨額な浪費とともに
施設の放置とあわせて、あまりに悠長で無責任な取り組みと言える。

 事業廃止にも、ことが原発なだけに2000億円(廃炉)はかかると言われて、なんとも手の
つけようもない有り様だ。

 (4)次世代社会になって、ようやくこの増殖炉(もんじゅ)の発電の商品化(商業化)となって
も、どこでこの電力使うのかとならないよう、再開にあたっては実施プランニングの社会基盤、
基本図の設計、検証、提示が求められていた。

 驚くべき悠長で無責任な事業化再開だ。技術の進化は早い。エネルギー政策の勇気ある
見直しが必要だ。

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