(1)これだけ悠長(easy going)で我慢くらべみたいな気長な国家事業もない。有資源エ
ネルギー(石油・ガス・石炭)の将来的な枯渇に変わる代替エネルギーとして原子力(核
融合)の平和利用が注目されて、日本にも原子力発電所(atomic power plant)が全国ブロ
ック別電力会社で建設されだした1960年、70年代。
次世代エネルギーへの期待が先行する原発の建設で、安全対策と管理能力が追い付か
ずに当時から事故が相次ぎ、現在でも地震対策や地域環境対応、情報公開で組織的、継
続的な分析、検証体制が整備されていない。
当然のように原子力発電所のエリアの地域住民からの健康影響、生活環境への疑念、
不安は大きく信頼度はきわめて低い。
(2)核燃料から取り出したプルトニウムを高速増殖して、ナトリウムを媒体にした燃料対効果
の非常に高いエネルギー(電力)を生む、従来の原発を進化させた高速増殖炉(もんじゅ。
1991年試運転開始)。
1995年にナトリウム漏えい事故で運転停止。①建設時からの施工ミス、②事故の放置、
③情報隠しと、安全優先の原発理論からはほど遠い機構のおそまつな管理体質、技術能力
不足があきらかになり、事業は中断したままだった。
09年までに停止中の維持費(年間160億円)も含めて総投資額が1兆円にも上る、機能
しない巨額のプロジェクト。
事故停止から14年余りの今年5月に運転を再開したが、まだ実用化3ステージへの第2
ステージに入ったところで、安全性、実用化が技術的に確認されても、商業化(発電商品化)
は2050年の40年後という、悠長で気長なプロジェクト。
(3)時代は、環境対応の次世代エネルギー社会に向かって太陽光発電やバイオエネルギー
と自然エネルギーの利用、開発研究が進行中だ。
次世代社会の家庭電力は、家庭個々で供給する発電(generation)システム(大型家庭発
電池)が有力。
原発も環境適応型エネルギーではあるが、高度な技術的問題の対応、健康影響、地域の
協力とクリアーする重要課題もある。今後40年の間の生活文化の進化にはたして経済効果、
構造、稼働システムとして次世代に適正に適応できるのか、14年余りの巨額な浪費とともに
施設の放置とあわせて、あまりに悠長で無責任な取り組みと言える。
事業廃止にも、ことが原発なだけに2000億円(廃炉)はかかると言われて、なんとも手の
つけようもない有り様だ。
(4)次世代社会になって、ようやくこの増殖炉(もんじゅ)の発電の商品化(商業化)となって
も、どこでこの電力使うのかとならないよう、再開にあたっては実施プランニングの社会基盤、
基本図の設計、検証、提示が求められていた。
驚くべき悠長で無責任な事業化再開だ。技術の進化は早い。エネルギー政策の勇気ある
見直しが必要だ。
ネルギー(石油・ガス・石炭)の将来的な枯渇に変わる代替エネルギーとして原子力(核
融合)の平和利用が注目されて、日本にも原子力発電所(atomic power plant)が全国ブロ
ック別電力会社で建設されだした1960年、70年代。
次世代エネルギーへの期待が先行する原発の建設で、安全対策と管理能力が追い付か
ずに当時から事故が相次ぎ、現在でも地震対策や地域環境対応、情報公開で組織的、継
続的な分析、検証体制が整備されていない。
当然のように原子力発電所のエリアの地域住民からの健康影響、生活環境への疑念、
不安は大きく信頼度はきわめて低い。
(2)核燃料から取り出したプルトニウムを高速増殖して、ナトリウムを媒体にした燃料対効果
の非常に高いエネルギー(電力)を生む、従来の原発を進化させた高速増殖炉(もんじゅ。
1991年試運転開始)。
1995年にナトリウム漏えい事故で運転停止。①建設時からの施工ミス、②事故の放置、
③情報隠しと、安全優先の原発理論からはほど遠い機構のおそまつな管理体質、技術能力
不足があきらかになり、事業は中断したままだった。
09年までに停止中の維持費(年間160億円)も含めて総投資額が1兆円にも上る、機能
しない巨額のプロジェクト。
事故停止から14年余りの今年5月に運転を再開したが、まだ実用化3ステージへの第2
ステージに入ったところで、安全性、実用化が技術的に確認されても、商業化(発電商品化)
は2050年の40年後という、悠長で気長なプロジェクト。
(3)時代は、環境対応の次世代エネルギー社会に向かって太陽光発電やバイオエネルギー
と自然エネルギーの利用、開発研究が進行中だ。
次世代社会の家庭電力は、家庭個々で供給する発電(generation)システム(大型家庭発
電池)が有力。
原発も環境適応型エネルギーではあるが、高度な技術的問題の対応、健康影響、地域の
協力とクリアーする重要課題もある。今後40年の間の生活文化の進化にはたして経済効果、
構造、稼働システムとして次世代に適正に適応できるのか、14年余りの巨額な浪費とともに
施設の放置とあわせて、あまりに悠長で無責任な取り組みと言える。
事業廃止にも、ことが原発なだけに2000億円(廃炉)はかかると言われて、なんとも手の
つけようもない有り様だ。
(4)次世代社会になって、ようやくこの増殖炉(もんじゅ)の発電の商品化(商業化)となって
も、どこでこの電力使うのかとならないよう、再開にあたっては実施プランニングの社会基盤、
基本図の設計、検証、提示が求められていた。
驚くべき悠長で無責任な事業化再開だ。技術の進化は早い。エネルギー政策の勇気ある
見直しが必要だ。