いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ゾーニングとユニオン化の世界。 zoning and union-style

2010-05-12 19:39:24 | 日記
 (1)ギリシャ国家財政破たんの要因とされる、汚職と脱税による不正横行で私腹は肥やし
ても、国家財政は借金でまかなう政治体質。自営業が就労人口の35%もいる国内事情が背
景だ。
 EUがユーロ経済圏のギリシャの国家財政破たんのため90兆円の融資救援策で救済に乗り
出す。EUがヨーロッパの政治、経済、平和でユニオン化したモデル、文明社会ゾーニング(zoning)
が機能した。
 ヨーロッパのユニオン化、EUの果実を賭けた融資策90兆円は、日本の国家予算の1年分
に相当する大型支援策。

 (2)ギリシャの国内事情、政治体質に対する不信から大型支援策に消極的なところもあった
ようだが、国家財政スケールの小さなギリシャで財政破たんを止めて、ポルトガル、スペイ
ン、イタリヤと財政スケールの大きな国への財政破たんの波及をくい止めようという危機感、
EUのユニオン化の威信を賭けた政治的対応。

 (3)EUの本気度がヨーロッパ市場に伝わって、市場経済も一応安定へと向かい始めている。
 世界は、シンクロ(synchronization)化のスピード現象、これまでの「流れ」では、ヨーロッパ
全土から再び世界的経済不信、不況へ発信、波及の影響も懸念される危機的状況だっただけ
に、EUのユニオンとしてのバインディング(binding)が試されていたし、果実へと一定の成果を
示した。
 これが思惑どおり機能し、果実となれば、国家の地域集積化、政治、経済、平和へのユニ
オン化が世界共通化のテーマとして、意味があるユニオン化だ。

 (4)あとはEUに依存するだけのネガティブな国家財政力ではない、一国としてのギリシャの
再建力が世界経済から強く求められる。
 EUの、ヨーロッパ各国の「体力」にもギリシャ政治体質への我慢にも、限度、限界はある。

 (5)日本も他人事ではない。09年末の国家借金(国債、地方債発行他)が累積882兆円
となった。国民一人当たり690万円余りと、ほぼひとり平均年収分相当というデータがある。
 自民党前政権からの長期累積が基礎材料で、また今年度に関しては政権交代による公約、
政策実行優先(それでも不完全実施)で、致し方ない。
 複数年度会計、中期的会計スパンでの総体的な健全財政化に向けた計画性、調整力、優
先性の財政プログラムを開示して、財政(収支)対応することが求められる。

 (6)その政治。夏の参院選に向けて、候補者選びが進んでいる。あまりに偏った人気投票
目当て(つまり「数合わせ」)と思われてもしかたのない候補者選び。
 参政権は成人なら誰にも平等に与えられている。ここで、問題にすべきなのは、ただ「著名
人」ということよりは、日頃、主義的、政治的活動をしていない著名人を対象として、短期間
内に拙速に次々と政治的実態が不透明の著名人候補者を擁立して、国民の審判を受けよう
という無責任な選別のプロセス。最終的には国民の良識で審判されるものとはいえ、政党と
しての無責任な選別プロセスが問題だ。

 実績は当選してからでは、政治はまかせられない。ギリシャの政治不安、国家財政破たん
は、日本にも特別のものではないからだ。

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